2023年7月4日火曜日

子育ての恐ろしさ やっぱり親の責任は大きい

   このところのフランスの若者たちの暴動を見ていると、あらためて、子育ての恐ろしさと親の責任の重さを感じています。 私はそんなに強い志を持って、子供を持ったわけではなく、漠然と、「やっぱり一度くらいは、自分の子供というものがほしいし、子育てというものをしてみたい・・」と思っていただけなのです。 ただ、私の場合の子育ては、結果的には、さんざん自分のやりたいことをやってからのことになったので、もう、しばらくの間は子供に縛られる生活になっても、やりたいことをやってきたので、まあ、子育て期間は子供中心の生活でもいいかな?という、ある程度の覚悟はありました。 ただ、娘が生まれた瞬間に、実際...

2023年7月3日月曜日

暴動はもう別次元に発展 標的にされ始めた市長たち

   今回の暴動は、警察官による未成年射殺事件がきっかけで、当初はその事件に関する怒りが沸騰していましたが、もはやその怒りは、社会へのフラストレーションをぶつける行為に変化しつつあります。 ここ数日は、毎晩のように警察官・憲兵隊が4万5千人動員され、普通は出動することのない RAID(Recherche Assistance Intervention Dissasion)や GIGN(Groupe d’Intervention de la Gendermerie Nationale)などの警察・憲兵隊の特殊部隊まで出動し、ヘリコプターまで飛ばしながら、監視、警戒を続けています。 結果、暴力行為は若干、減少し始めたともいわれていますが、それとて一昨日の夜には逮捕者が719人に減ったというだけで、まったく安心できる状況ではありません。 むしろ、この怒りが当初の原因を離れて、社会への不満の鬱憤晴らしになりつつあり、標的が一部の市町村の市役所や市長たちに向けられている地域も出はじめ、これはこれで、また、さらに、すぐに、簡単には根本的な解決の糸口がみつからない問題です。 結局のところ、いつも行きつく先は、格差社会、分断された社会が問題になるのですが、今回ばかりは、この暴動を起こしている年齢層が低く、未成年も多いところが、さらに問題を厄介にしています。 実際に、毎日のように1,000人近く逮捕されている若者たちの正確なプロフィールは分析されていませんが、未成年の場合は、逮捕されたところで、未成年ということで、一応、調書を取られる程度で、警察の要注意人物のリストにのるくらいで、早々に帰される人がほとんどでもあるし、そもそも彼らは警察を怖がるどころか、警察車両と見れば攻撃したりするわけで、また、できれば捕まりたくないとは思ってはいても、前科がつく(警察のリストに載る)ことなど、大して気にしておらず、「どうせ、失うものなど大してないんだ・・」と思っているとしか思えないきらいがあります。 そもそも、この未成年の、本来は「人生はこれから・・」という将来が待っているはずの、この若い暴徒たちが、こんなに若い段階で「失うものなど何もない・・」と思ってしまう社会には、たしかに問題があるのだと思いますが、だからといって、彼らの行動を正当化するものは何もありません。 これを移民問題と片付けるのは、また別の話で、暴動を起こしている若者たちは、かつて移民としてやってきていた人々の2世、3世で、フランスで生まれ、フランスで教育を受けて育ってきたフランス人が多数なのです。なので、その分だけ、もっと問題の根は深いのです。Jamais...

2023年7月2日日曜日

大惨事となっているフランスの暴動とSNSの関係 

   今のフランスの状況は、現在のところ、ほとんど沈静化される様子はなく、日に日に、また、毎晩のように逮捕者が増加し、いたるところが破壊され、略奪行為、放火と信じがたい場面がどんどん増えていっています。木曜日の夜には917人、金曜日の夜には1,300人がこの暴動に関わり、逮捕されたそうです。 個人的には、一昨日の夜、フランスに来たばかりの頃に住んでいたパリ郊外の地域のコマーシャルセンターがこの暴動のために全焼、全壊したというニュースを見て、愕然としました。 7月に入り、そろそろバカンスシーズンに入り、またソルド(バーゲン)が始まった最初の週末は、本来ならば、普段は日曜日休業日にしているデパートなども特別に営業するくらい、多くの来客を期待できるかきいれ時の週末でもあります。 しかし、フランス中の多くの都市では、この暴動による被害を恐れて、午後の早い時間には店じまいの準備を始めるどころか、ショーウィンドーにバリケードを張ったり、この暴徒たちの破壊行動に備えて営業ができなくなっています。 商店(だけではないけれど・・)のウィンドーを壊して、中に入って強奪して、最悪、火を放つという、極悪非道な暴動をやっているのは、下手をすると12~13歳の子供まで混ざっているそうで、多くがティーンエイジャー、若者が中心で、しかも時間帯も夕方から、午前2時、3時という時間にまで及ぶので、いくら警察官が警戒しようとも、警戒しきれるものではありません。 しかし、一方では、この暴動を起こしている若者たちのツールの一つとして、Snapchat(スナップチャット)やTikTokなどのSNSが使われていることが明らかになりつつあり、SNS上も警戒が強化され始めました。 彼らはこのツールを暴動の人集めの呼びかけとして利用しているだけでなく、各地の暴動、破壊行為、強奪行為などをライブで、または録画動画で公開することで、その手段や方法を共有して、破壊行為、強奪行為などを模倣しあい、ついには、競いあうようなことになっているのです。 大変、不謹慎な話で質も違うとは思うのですが、日本のスシロー事件とは、桁違いの狂暴さです。 例えば、Snapchatでは、Snapmapといいう機能により、現在、起こっていること、公開されたコンテンツの数に応じて多かれ少なかれ赤い点で「ホット...

2023年7月1日土曜日

手がつけられなくなっているフランスの暴動に巻き込まれて、しばし、お店に閉じ込められた・・

  急にお店のシャッターが閉まって、店内に閉じ込められた・・ 検問拒否のために17歳の未成年が警察に射殺された事件からもう4日経つというのに、暴動は一向におさまりそうにありません。むしろ、どんどん、酷くなっている気がします。 中心となって暴れているのは、未成年や若者たちが中心で、とにかく暴力的で、これはもうすでに抗議ではなく、単なる破壊行動、大規模な放火、強奪行為になってきています。 これは、フランス全土にわたるもので、とにかくその破壊の仕方が桁外れで、車やバスやトラムまで燃やすので、現在のところ、バスとトラムは全国的に21時で運行停止となっています。 今回の暴動は、どうやら、いつもの暴動とは違うようで、もう破れかぶれというか、標的が一般の店舗から、市役所、図書館、學校、劇場など、ありとあらゆる場所に至っており、また、日常はさほど治安の悪くないと思われている場所でまで、破壊行為や放火などが起こるので、ちょっと制御不能で予測不可能、手が付けられない状態になっています。 3日目の夜は1番で917人が逮捕されたとかで、しかも逮捕者の平均年齢は17歳というのですから、いつものデモに乗じて破壊行為を行うブラックブロックなどの破壊集団ともまた別なのか、低年齢化しているのか、はたまたその両方なのかは不明です。 逮捕者の中には若い子だと13歳、14歳などという場合もあるそうで、夜中に未成年が、しかもこのようなご時世にでかけることを放置している親も親だと思ってしまいます。 とにかく、この騒ぎがおさまるまでは、バス(やトラム)が21時になくなってしまうというだけでも、この日が長く、気候も良い時期に大変、迷惑な話、バスもトラムも同じですが、自分たちの生活に必要な市役所や学校や図書館などを破壊するのは、どういうことなのだか、まるで意味がわかりません。 たまたま、昨日、パリ郊外に用事ができ、用事が思ったよりも早く済んだために、時間がぽっかり空いたので、「そういえば、ソルドが始まったんだった!」と帰りに滅多に行く機会がない郊外(といってもメトロで行ける範囲のパリから近いところ)のコマーシャルセンターにソルドを覗いてみることにしたのでした。 何回かは行ったことがあるものの、ここのところ、かなりご無沙汰していた場所で、郊外だけあって、広くて大きいコマーシャルセンターでお店もたくさん入っているし、店内もゆったり場所がとってあるので見やすかったりもするのです。 久しぶりの買い物で、けっこう新しいお店に変わっているんだな~とか、こんなに安いお店があるんだ!などと、ちょっと夢中になって試着を繰り返したりしながら、買い物をしていて、そろそろ帰ろうとしていた時のことです。 急にお店が騒がしくなって、店内はソルド期間中ということもあって、結構にぎわっているというのに、急にお店のシャッターが閉まり始めて、「危険だから出ないでください!」、「大丈夫ですから、落ち着いてください!」「現在、お店の外には出られなくなりました!」とスピーカーでお店のセキュリティの人がアナウンスを始め、お店がブロック状態、店内に大勢のお客さんとともに缶詰状態になりました。 このご時世、なんとなく、「もしかしたら、あの暴動隊?がやってきたのかな?」と、思いながら、どうにも不安な気持ちになりました。フランス人はパニックを起こすと大変なので、セキュリティの人は「落ち着いて!落ち着いて!」を繰り返すばかりで、尋ねても、理由は説明してくれません。 中には、不安で泣き出してしまうおばさんまでいて、泣き叫んでいるおばさんを店員さんが、必死になだめています。放火が相次いでいるというものの、ちょっと放火するにしては規模が大きすぎるコマーシャルセンターゆえ、この建物全体に火をつけるのはムリな話。私は、とりあえずは店内にいれば、大事には至らないだろうと思っていました。 しばらくすると、「こちらの出口から外に出てください・・」と言われて、お店の外に出ると、もう中央の入口(出口)は閉鎖になっていて、コマーシャルセンターからすぐ近くのメトロの駅まで閉鎖になってしまいました。 とにかく大きなコマーシャルセンターゆえ、出入口がたくさんあって、駐車場をつたって、敷地外に出る途中、数人の警察官がティーンエイジャーらしき男の子を後ろ手に手錠をかけて、連れていくところでした。 なぜか、その一団には、覆面をした黒装束の若い男が一緒で、「暴れている奴らがいっぱいいるんだよ・・自分は違うけど・・」と言いながら、ポケットには催涙ガス?と思われるスプレーを携帯していて、その恰好で自分は違うって、他人事みたいによく言うな・・妙な人だ・・と思いましたが、それよりも、今度は「メトロの駅が閉鎖なら、どうやって帰ろうか?」と一瞬、途方に暮れました。 バスやタクシーに乗ろうにも、もうコマーシャルセンターの周囲は警察車両や消防車両が次々と到着する中、大渋滞が起こっており、これは車はムリ・・と判断し、次のメトロの駅まで20分近く歩くことにしました。 バスがなくなっちゃうから、夜9時前には帰らなきゃと思っていたのに、事件に遭遇したのは、夕方5時頃のことです。 どうやら、今回の暴動は、色々なタイプの暴動が混在しているようで、どちらにしても、警察官の射殺事件という大義名分を掲げて、ただ暴れたい、破壊したい、これを機に強奪、強盗してやろうという人も多そうで、これはどうしたら、鎮まってくれるのか?ちょっと見当がつかずに実害にも遭い、もうウンザリしています。 ただ、今回は未成年や若者が中心ということで、SNSで集合をかけたり、また、スナップチャットなどで破壊行動の動画をあげては、その破壊ぶりを競いあったりしている動きもあるとかで、もう、あまりの愚かさに言葉もありません。このSNSの使い方もどうにか規制をしてほしいです。 とにかく、やっとのことで家に帰りついて、家の近辺の平和ぶりにホッとさせられたのですが、この状態が続けば、もう出かけるのも億劫になってしまいそうです。 先ほど、司法大臣がテレビのインタビュー番組で話をしていましたが、「フランス人にはたくさんの権利も認められているけれど、同時に義務もたくさんあるんだ!」、「特に未成年が暴動に参加している場合は親は子供を責任を持って指導してほしい!」「罰則も強化する!」と。 とにかく、現在のフランスの暴動は度が過ぎます。 4日目の夜は警察官・憲兵隊4万5千人が動員したそうです。フランス暴動<関連記事>「服従拒否で警察官発砲 17歳の青年死亡の後、警察官のウソがばれた・・」「燃え上がる警察への怒り 燃える炎は全国に飛び火」「自由の輸送団(Convoi...

2023年6月30日金曜日

フランスに住んでいる日本人の2回の成人式のステップ

   パリにいる友人の息子さんが20歳になり、成人になったという話を聞いて、そういえば、成人という区切りが我が家にも2回あったな・・ということを思い出しました。 フランスでは18歳で成人となり、一応、大人として扱われるようになるので、日本のような成人式はないにせよ、家族や親戚を集めて、派手にお祝いをしたりする家もありますが、我が家では、たしかお兄ちゃんたちがお誕生日のお祝いに来てくれたくらいで、まだ、受験を控えていたこともあったりで、特別なことはしませんでした。 日本人の私にとっては、どうしても成人=20歳というあたまがあって、18歳はフランスでは成人でも、20歳になるまでの2年間...

2023年6月29日木曜日

燃え上がる警察への怒り 燃える炎は全国に飛び火

  警察官が服従拒否をした青年を射殺した事件に多くの人が怒りの感情を燃え上がらせ、本当にたくさんの車やバスが燃やされたりして、暴動のようになっています。 事件の起こった当日の夜、事件現場となったナンテールの街は、手が付けられないほどに、多くの若者たちが街に出て車を燃やし、爆竹をばらまき、大荒れに荒れ、1,200人の警察官が出動する大騒動になりました。 翌日のナンテールの街は厳戒態勢が敷かれ、前日に燃やされた車などの撤去作業とともに、2,000人の警察官が動員され、前日のような事態が起こることを警戒して、備えていましたが、この警戒体制が功を奏したのか、ナンテールでは、前日ほどの暴動には至りませんでした。 しかし、この警察に対する怒りと抗議は、トゥールーズ、リヨン、リールなどなど、遠く離れた地域にまで飛び火し、それぞれの地で車が燃やされたり、ゴミ箱が燃やされたり、場所によっては、バスが燃やされたり、全国的な怒りに拡大しています。🔴...

2023年6月28日水曜日

服従拒否で警察官発砲 17歳の青年死亡の後、警察官のウソがばれた・・

  警察への抗議で街が荒れに荒れる様子 ここ1~2年、警察官の発砲事件がすごく増えた気がします。警察官の発砲事件の全てが公になっているわけでもないと思うので、特にとりあげられているのは、被害者が死亡した場合の、それも一部のことだと思いますが、今回の事件は、特に発砲した警察官が虚偽の報告をあげていたことが、発覚してから、さらに騒ぎが大きくなっています。 事件は、午前8時半頃の通勤時間帯のナンテール(オー・ド・セーヌ県)(パリ近郊)RERナンテール・プリフェクチュール駅付近でおこりました。 事件直後の警察の説明によれば、「車両確認のために2人の警察官が車を停車させたものの、彼は警察官の命令に従わずに無理に車を発車させ、警察官の1人が轢かれそうになったために、もう1人の警察官が発砲した」つまり、発砲時に車は警察官に突っ込もうとしていたと説明。 また、「運転手は複数の交通違反を起こしている人物であった」ことを付け加えています。 しかし、その後、すぐに、防犯カメラや、警察官が車両を停めている様子などの模様を撮影していた複数の動画がSNSで次々に拡散され、この警察の説明がウソであったことが明らかになって、騒ぎは一層、大きくなりました。HAUTS-DE-SEINE...