オリンピックを目前に控えているとはいえ、まだオリンピックは始まっていないのに、パリ及び、パリ周辺の道路は渋滞が始まっています。
少しまえから見かけるようになった環状道路や高速道路上の「PARIS 2024」の表示に、これ?どうなるんだろうか? どういう意味なんだろうか?と思っていたら、7月15日から、この表示のあるレーンは、オリンピックのための特別車両専用のレーンになったようで、当然、一般車両は、このレーンを使うことができなくなったために、オリンピック前からすでに渋滞が起こっていると言います。
ちなみにこの「PARIS 2024」オリンピック専用レーンは、スポーツ選手、認定ジャーナリスト、公式代表団、緊急車両、警備車両、タクシー、救急車、公共交通機関の輸送に認定された車両のみが通行することになります。
そもそも、空港からパリに入ってくるような、これらの道路等は、何もない状態であっても、ほぼほぼ、いつもどこかで渋滞にぶつかるわけで、それが1レーンが使えなくなっているとすれば、すぐに渋滞になることは、目に見えています。
この規制は、オリンピック期間が終了するまで続き、周辺道路 約185㎞が該当します。おかしなことに、これにVTC(タクシーとは区別されている運転手付きの移動車両・日本でいうハイヤーのような位置づけ)が入っていないことに、VTCのドライバーたちは、憤っています。
利用者側もむしろ、タクシーよりもハイレベルのサービスや快適さを期待しつつ、予約するわけですから、VTCを予約したばかりに渋滞に巻き込まれるという皮肉なことになり、予約が減少するのは、目に見えていると嘆いています。
ちなみにVTCの場合は、事前に金額が設定されており、諸経費がすべて含まれており、また一般的に車も高級車であることが多く、サービスもドリンクがついたり、ネット環境が整っていたり、ハイレベルのサービスであると同時に値段も高く設定されています。
ただでえさえ、オリンピックなど、付き合いきれないとパリを脱出するタクシーの運転手が続出していると予想されていたのに、ますます、この渋滞問題は複雑になりそうです。
本来ならば、この際、荷物だけを送って自分は公共交通機関で移動するというくらいが、この時期、一番スムーズに空港からパリ市内に入る最適な方法かとも思いますが、残念ながら、空港から荷物だけ別送するというサービスをパリでは聞いたことがないし、あったところで、これはまた別にその荷物が無事に到着するかどうかで気を揉みそうです。
このオリンピック専用ルートを無許可で走行している車両が摘発された場合、135ユーロの罰金が課せられます。また、当然のことながら、監視カメラが休みなく稼働しているため、その時は無事に通過できたとしても、後で罰金の請求が来る可能性もあると言われています。
しかし、一時は、オリンピック関係車両以外は通行止めになるという話もあったので、それに比べれば、まだマシかもしれませんが、とりあえず、この時期、パリに来られる方は、VTC車両の使用には、気を付けた方がよいかもしれません。
PARIS 2024 オリンピック専用レーン 渋滞
<関連記事>
「パリオリンピック開会式1週間前からの通行止めとメトロ・RER 17駅閉鎖」
「タクシーの運転手さんによると今年の夏はタクシーが大幅に減るらしい・・」