2021年1月4日月曜日

ノエルのバカンス終わり 学校も再開 日常生活が再開する

  


 フランスには、お正月の三ヶ日(さんがにち)という観念はありません。例年ならば、年末年始は、クリスマスの日(25日)は祝日ですが、それ以外は、カレンダーどおり、年末の御用納めというものもありません。

 しかし、ノエルの前から学校がバカンスに入るし、ノエルは、フランス人にとっての大イベントでもあるために、お休みを取る人も少なくありません。とはいえ、年末は31日まで働き、元旦は祝日で休みでも2日からは、仕事に戻るのが普通です。

 ところが、今年は、元旦が金曜日に当たったことから、土日がお休みである一般的な仕事についている人にとっては、珍しく、お正月の三ヶ日をゆっくり過ごせるフランスにいるにしては、珍しい年周りでした。

 学校のノエルのバカンスも終わって、4日からは、学校も再開します。ヨーロッパのいくつかの国(ドイツ、オランダ、ポーランド、ギリシャなど)では、コロナウィルス感染のために学校は再開されないそうです。

 フランスでは、現在のところ、予定どおり、学校は再開されるようです。現在のところは、ノエルや大晦日で多くの人が行き来して、広げてしまっているはずの感染拡大の結果は、まだ顕著にはなってきていないので、学校も、行ける時には、行っておいた方が良いのかもしれません。

 どちらにしても、フランスは学校も、年がら年中バカンスで、2月の半ばになれば、また冬休みでバカンスに入ります。最初に娘がフランスで学校に生き始めた時には、このバカンスの多さには、仕事を持っている私にとっては、四六時中、学校のバカンスに追い回される感じで、学校は水・土日と休み、おまけに一ヶ月おきくらいにバカンスで、「どんだけ休むの?フランスの学校? こうして働かないフランス人が作られるんだ・・」などと思って、学校の休みの日を数えたことがあります。

 結果、フランスの学校は、一年の3分の1は休みで、ビックリしたのを覚えています。

 話はそれましたが、去年から引き続き、今は、コロナ禍中の特別な時、1回目のロックダウンの時点で、リモート等の授業が続いていたものの、学力の差はいつも以上に広がり、6人に一人の若者が学業を放棄している状態だと言います。

 将来のある子供や若者の未来を考えれば、このコロナウィルスによる学校閉鎖は、思わぬつまづきになってしまうきっかけにもなりかねないので、できるだけ学校は継続すべきであると思っています。

 娘が小さい時には、学校に傘を持っていくことは禁止になっていました。傘が危険であるということからだったのですが、(送り迎えが必須であるため必要ないといえば無いのですが・・)そこを傘を禁止するのではなく、傘を安全に使うことを覚えることも必要なのではないか?と思った記憶があります。

 今回のコロナウィルスに関しても、学校は、どうやって感染を回避するかを教える場所であっても良いと思うのです。

 また、1月2日から、フランスの15の地域(フランスの北東部中心の地域)では、夜間外出禁止が午後8時だったものが午後6時に前倒しになっており、実際の社会生活が始まれば、問題も多々起こってくるとは思いますが、完全なロックダウンにならないだけでも、まだマシだと考えるべきなのかもしれません。

 この夜間外出禁止は、現在のところは、1月20日まで、そして、2度目のロックダウンの段階的な解除の計画によると、1月7日頃に映画館、劇場等の再開を再検討することになっていましたが、年末年始の人の動きや現在の感染状況を見る限り、映画館、劇場等の再開は絶望的と見られています。

 もはや頼みの綱であるワクチン接種もフランスは、他のヨーロッパ諸国に比べて格段に遅れており、国民の70%はワクチン接種をしなければ、通常の日常は戻ってこないと言われている現在、暗い冬を迎えそうであることは、ほぼ確実のようです。


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「フランス・コロナウィルスワクチン接種開始」

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2021年1月3日日曜日

年末から年を超えて引き続くフランスの犯罪 車を燃やす競争??



 まだ、年が明けて何日も経っていないと言うのに、ニュースは犯罪に関するものが目白押しで、あらためて、フランスは、なんて恐ろしいところなんだと思わずにはいられません。

 大晦日の夜から元旦にかけて、フランスで燃やされた車は861台だと言います。しかも今は、コロナウィルスの蔓延するコロナ禍中、夜間外出禁止で、特に大晦日の夜には、年越しのカウントダウンを祝うためにバカ騒ぎをする人を警戒して10万人の警察官が警備にあたっていたにも関わらず起こったことです。

 そう思って調べたら、なんと、これでも例年よりは、大晦日に燃やされた車の数はずっと少ないそうで、一昨年末の大晦日に燃やされた車は1,457台だったそうで、昨年よりは、40%減少していることになります。

 今年のこの数字は、大晦日の事件報告に関する内務長官のプレスリリースには載っておらず、内務大臣のジェラルド・ダーマナンの指示で、「各地の競争(車を燃やす競争?)を避けるために、これらの数字が地元で伝えられないように」伏せられたと後に発表されています。

 一体、このコロナ禍中、何の競争をしているのだ?と思います。この種の破壊行動を繰り返す人々の心理はわかりませんが、あり得ないことではないのかもしれません。 

 また、大晦日の夜から36時間も続き、ブルターニュで2,500人を集めたパーティーを主催した人物が特定され、逮捕されました。このパーティーでは、単なるレイブパーティーだけではなく、麻薬などの薬物までもが横行していました。

 何より感染拡大のクラスターになった危険が高いことから、参加者には、7日間の隔離生活が要請されていますが、あくまでも要請、監禁されるわけでもないので、このようなパーティーに参加する人々ゆえ、一週間の隔離生活の要請が守られるとは考えにくいのが実情です。

 このパーティーでも、憲兵隊の車が燃やされたり、警察に抵抗して攻撃したりしたことなどで、すでに、662人が逮捕、407人が勾留され、参加者のうち1,600人以上が罰金を課せられています。

 このパーティー主催の中心人物2名を含む運営に関わっていた8名は2日の夕刻には特定され逮捕・勾留されましたが、これらの中心人物は、単なる参加者とは別格の犯罪であり、10年の投獄と750万ユーロの罰金の可能性があると言われています。

 このパーティーがクラスターになっていることは確実であり、それがどれだけの人々の命を奪うことになるのか?また、このために拡大した感染により、さらに国民の生活に制限がかかり、経済活動が低迷するのかを考えれば、重罪です。

 日頃から、フランスの刑務所は、満員で、ちょっとやそっとのことでは捕まえてもらえず、簡単な調書を取られただけで、すぐに帰されてしまうことを遺憾に思っていましたが、年明け早々、まだ数日しか経っていないのに、これだけの犯罪や逮捕者の数を聞けば、フランスの警察が犯罪者をいつまでも拘留し続けるのは無理な話です。


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「パリの盗難被害 パリの泥棒は、なかなか捕まえてもらえない」

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2021年1月2日土曜日

大晦日から続くブルターニュ地方で開かれた2,500人が集まるレイブパーティー 

 



 10万人の警察官を動員して大晦日の夜の外出禁止の警戒をしていたフランス。大晦日のシャンゼリゼは、静まりかえり、取り締まりの警官のみが練り歩く異様な光景で都会の街は空っぽになったように映っていました。

 しかし、それは、都会の目立つ場所のみのことで、大晦日以来、ブルターニュ地方のレンヌ南部・リューロンでは、2,500人が集まるレイブパーティー(ダンス音楽を一番中流すパーティー)が行われていました。

 パーティーの場所に選ばれたリューロンの倉庫のようなスペースには、31日の夕方から数百台の車が集まり始め、夜通しのパーティーが始まりました。パーティーの参加者は、フランス国内だけではなく、イタリアやスペイン、ベルギーなどの隣国からも人が集まっていました。

 警察が介入した時には、すでに簡単に解散させることができないほどの人数になっており、憲兵隊が発砲する事態にまで発展し、警察官25人が負傷しましたが、参加者を傷つけることはできないことから、警察も憲兵隊も手がつけられない状態が続き、一昼夜以上、続いていました。

 若者が夜間外出禁止(特に大晦日)に反発して、躊躇なく、屋内でのパーティーをしようとしていることは知っていましたが、まさか、これほどの人数の、しかも国境を超えてまで人が集まるパーティーが行われるなどとは、思ってもみませんでした。

 今や、大勢の人が集まっている光景を見かけると、それがたとえ、映画やドラマの中のことであっても、思わずギョッとしてしまう私です。

 このレイブパーティーの映像を見る限り、皆、屈託なく、音楽に合わせて楽しそうに踊り、マスクをしている人などほとんどおらず、たまにマスクが見えても顎マスク。ビールなどのアルコールを口に含んで、人に吹きかけている人までいます。これでは、飛沫が飛ぶどころの騒ぎではありません。

 このパーティーが行われた地域は、現在、フランスの中で特に感染が悪化している場所には、指定されてはいませんが、この屋内での光景には、思わず第1波が全国に拡大する根源となったミュールーズの教会の集会が頭をよぎります。

 この教会の集会もフランス全土だけでなく、海外からも人が集まり、集会の終了後、全国にウィルスを持ち帰って感染をフランス全土に拡散させたのです。

 このパーティーが警察や憲兵隊までが容易に踏み込めないことが理解できません。しかし、少なくとも、このパーティーで662人が逮捕、407人が勾留されています。

 ただでさえ、ノエルで人が国内大移動し、家族で集い、感染者数も2万人台に増加しているフランスです。このパーティーが解散させられたとしても、全国から集まった人々が、何食わぬ顔をして、それぞれ、自分の地域に散っていくことを思うと恐怖でしかありません。

 いみじくも、ブルターニュは、現在、娘がスタージュのためにここ半年間、滞在している地域です。娘がこのパーティーに参加してはいなくとも、この地域でクラスターが起これば、危険も高まります。他人事ではありません。

 ロックダウンや夜間外出禁止に反抗する気持ちはわからないではありませんが、今は、それが許されない状況なのです。結果として、自分たちの行動がさらに厳しい制限やロックダウンを招いていることをわからないバカが大勢いることに憤りを感じます。

 なぜ、いつまでもレストランが営業できないのか? 映画館や劇場も営業できないのか? こんなことをしていては、いつまでも、フランスに日常は、戻ってきません。

 年末は、よく日本語でも、「年忘れ○○」などと言いますが、昨年起こったコロナウィルス感染の惨状は、まだ、忘れてはいけない出来事なのです。このパーティーでは、1200人以上が罰金を課せられましたが、お金を払って済む問題ではありません。

 2日の夜には、このパーティーの主催者は逮捕。10年の投獄と750万ユーロの罰金の可能性があるそうです。しかし、このパーティーがもたらした被害はあまりにも大きいのです。

 やっぱり、フランスは、大晦日の1日だけでも、夜間外出禁止ではなく、ロックダウンにすべきでした。


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「フランスはどこまで甘いのか? 年越しに関する制限は、現状どおり」















 

2021年1月1日金曜日

2020年〜2021年 年越しのフランスの夜

  

大晦日のシャンゼリゼ 夜間外出禁止の厳重な警戒体制


 2020年は、思っても見なかった大変な年になりました。たまたま、用事で2月に日本に帰国した際の飛行機に乗った時に、ここ数年、日本行きの飛行機の9割方の乗客がフランス人になっていたはずの、そのフランス人の乗客が消えていました。

 2月の時点では、フランスでは、まだまだコロナウィルスは、アジアで起こっている感染症という認識で、ダイヤモンドプリンセスでの感染が盛んに騒がれていた頃です。

 私が日本から帰国した2月末には、フランスに無事に入国させてもらえるかどうかを心配していたくらいです。しかし、フランス入国に際しては、ノーチェック、いつもと何ら変わりはありませんでした。

 そのフランスの水際対策の甘さは、現在は、一応、検査場などは用意されてはいるものの、あまり進展は、ありません。(現在は、イギリスからの入国は厳しいようですが・・)

 それが3月に入った頃から、あっという間に立場は逆転し、3月半ばには、フランスは、ロックダウンになりました。街には、警察や憲兵隊が控え、「家から出てはいけない」などという状況が、自分の人生のうちに起こるなどとは、夢にも思ってはいませんでした。

 長年生活しているとはいえ、異国の地で、よく正体のわからない恐ろしいウィルスが蔓延している状況で、不安でニュースをテレビで毎日、一生懸命見る習慣ができました。当初、フランスでは、マスクが圧倒的に不足しており、日常生活を普通に送る分には、一般人(医療従事者等以外)は、マスクは必要ないなどと言われていました。

 実際に一般人がマスクを買うこともできませんでした。

 しかし、そんなことはあり得ない!しないよりはした方が良いに決まっています。私は、家の中のどこかにはあるはずのマスクを探し出し、政府が何と言おうとマスクはすることにしていました。情報は得つつも、その情報を元に自分で判断することが必要だと実感しました。

 といっても、最初のロックダウン中は、買い物に2回出たのみで、それ以外は外出することはありませんでした。5月に1度目のロックダウンが解除される頃になって、どうやらマスクは必要だということになり、市役所からマスクが配布され、高価ではありましたが、一般人もマスクが買えるようになりました。

 5月から徐々に感染は、減少しましたが、ウィルスが消えることはなく、人々は日常のデモを再開し、多くの人が夏のバカンスに出かけるのをハラハラする思いで見ていました。案の定、フランス人がバカンスから戻り、気温が低下するとともに、フランスには、第2波がやってきて、10月には、1日の感染者が6万人までにも膨れ上がり、10月末には、再びロックダウンになりました。

 ノエルを目前に控えたロックダウン、しかし、その頃の感染状況には、さすがのフランス人も「この状況では、ロックダウンも仕方ない、今、我慢して、何とかノエルを家族とともに祝いたい・・」との思いから、約1ヶ月のロックダウンで、奇跡的に1日の感染者は、1万人台までに減少しました。

 とはいえ、それでも1日1万人以上の感染者が出ている状況で、ロックダウンを解除し、ノエルを家族と過ごすことを禁じきれないフランスを遺憾に思っていましたが、年越しに関しては、20時以降の夜間外出禁止が敷かれました。

 いつもは、大晦日には、人で溢れかえるシャンゼリゼも人影がなく、街路樹の赤いイルミネーションと警備にあたる警察官のみの静かで、しかし異様な光景が広がっていました。

  

街路樹のイルミネーションがなければシャンゼリゼに見えない

 大晦日の夜は、フランス国内では、10万人の警察官が動員され、この夜間外出禁止を取り締まりにあたりました。

 しかし、外出さえしなければ良いと考えている若者は多く、夜20時までに友人宅に集まり、一晩中、皆で家で過ごせば良いのです。この日に備えて、寝袋や簡易ベッドがあっという間に完売状態、若者は、外出しない、年越しのパーティーの準備をしていました。

 地域によっては、31日の16時からアルコール販売禁止などの措置をとったところもあるようですが、焼石に水です。

 街の中が静かな分、屋内では、どれだけの人がパーティーを開いているかと思うとその皮肉な状況が恨めしく思えてならないのです。実際に、リヨンやレンヌでは、1000人、2000人規模の違法パーティーが行われていた模様です。

 2020年のフランスのコロナウィルスによる死亡者は、64,632人でした。これだけの犠牲者を出してもなお、今の状況が理解できていない人がいることを悲しく思います。

 それでも、2021年はノエルも年越しも心おきなく過ごせるようになるように・・というよりも、普通の生活が普通に送れるようになるといいなと祈るような気持ちでいます。

 もはやフランスを救うのは、ワクチンだけなのでしょうか? ワクチンを一般人が受けられるようになるのは、春以降になるようです。

 今年は、シャンゼリゼもエッフェル塔も花火はなし。ベルサイユ宮殿の庭園で花火が上がりました。


 

 

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「心配の種は尽きないフランス ノエルの後は、年越し」

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2020年12月31日木曜日

フランスで爆発的な売れ行きのリドル(Lidl)のスニーカー

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 このスニーカーが突如、フランス(ヨーロッパ)で、もの凄い勢いで売れ始めました。

 先週のフランスのTwitterでも、トレンド1位に度々、登場していました。

 このスニーカーは、リドル(Lidl)というディスカウントスーパーマーケット(ドイツの会社)のもので、このスニーカーに使われている色も、このスーパーマーケットのロゴに使っている色が全面に使われているものです。

 最初にこのスニーカーが爆発的に売れていると聞いて、正直、「??? なぜ? なんだこれ? これがフランスで人気??? ずいぶん、フランスもテイストが変わったもんだ・・」と思っていました。

 当初は、このスーパーマーケットで12.99ユーロ(約1,650円)で販売されていたこのスニーカーは、クリスマス前後に再び店頭に並ぶと、客同士が奪い合うようにして、あっという間に完売し、転売サイトでは、295ユーロ(約37,500円)から、終いには、4,900ユーロ(62万円)まで価格が高騰しました。

 フランスでは、ある程度の流行というものはあっても、何か一部の商品が爆発的に売れて、誰もが同じものを持ち歩いたり、身につけたりという流行は、あまりないので、このスニーカーの騒ぎは、ちょっと意外でした。しかも、この色とこのメーカー・・。

 このスーパーマーケットは、低価格商品で有名なお店で、フランスにも1,350店舗を展開するドイツのディスカウントスーパーのチェーンです。我が家の近所にはないので、あまり利用はしていませんが、恐らく、フランスでは、安いものを売っているスーパーとしての認識が高いお店です。

 このスニーカーの爆発的な人気には、メーカーのブランドイメージを変えるための戦略であり、影響力のあるインフルエンサーが関わっています。

 スニーカーは、リドルから、インフルエンサーに100足近くが配られ、その中で、フランスの元サッカー選手のジブリル・シセが、インスタグラムに「お母さんが買い物をしていた場所」「大いに感謝」と投稿したのです。また、フランスのラッパー・ブーバでさえ、このスニーカーを注文したことが拡散されています。

 リドル・フランス(Lidl France)は、その製品を宣伝するために影響力のある人々を募り、インフルエンサーらは、派手な色のこれらのスニーカーをソーシャルネットワークに投稿。さらに、グループはこれらのアイテムが「数量限定」で販売されることを警告し、顧客に希少価値があるという印象を与えました。

 完全にメーカー側の戦略に誘導された流行です。

 最も、流行は一時のもので、ターゲットは、一部の限られた人向けのものではありますが、個性的なエスプリを取り入れたおしゃれを好むフランスでも、このような騒ぎになることが、ちょっと驚きだったのです。


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「フランス人のおしゃれの仕方」

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2020年12月30日水曜日

フランスはどこまで甘いのか? 年越しに関する制限は、現状どおり

  


 昨日、コロナウィルス感染拡大に関する防衛評議会がエリゼ宮で開かれると聞いていたので、私は、微かな期待をしていました。

 目前に控えた大晦日、年越しの日への何らかの対策を発表してくれると思っていたからです。

 その日の夜のニュース番組に出演した保健相オリヴィエ・ヴェランの回答は、全く失望するものでした。

 「現在のところ、フランスの感染状況の数字は、横這い状態であるため、現在のところは、ロックダウンもその他の行動に関する制限に関する変更もしない」とのことでした。

 現在、フランスで、特に感染拡大が深刻になっているのは、グラン・テスト、オーヴェルヌ・ローヌ・アルプ、ブルゴーニュ・フランシュ・コンテ、アルプの4地域です。これらの地域を中心に、20の地域での、1月2日からの夜間外出制限を現在の20時から18時にすることを検討中だそうです。

 それが、なぜ?1月2日からなのか? 今、差し迫って大問題なのは、皆が行おうとしている大晦日の年越しのパーティーなのです。

 これに対して、科学評議会は、この年末年始の人の集まる行事(ノエル、年越し)の後、1月には、フランスの感染状態がコントロール不可能な状態に陥ることを警告しています。

 オリヴィエ・ヴェラン保健相は、ノエルの前のPCR検査もフランスでは、ヨーロッパの中でも最も検査数が多く、皆、充分に気をつけて、ノエルを過ごしたと思う。今後の対応は、あくまで、その時の感染状況に対しての対応をすると話していました。

 しかし、これでは、まるで、感染状態が悪化するまで待っている、第3波が完全に波に乗るのを待っているということで、波に乗ってしまってからでは、遅いことを、第1波、第2波を過ぎ、6万4千人以上の犠牲者を出している今でも学んでいません。

 特に大晦日、年越しに関しては、ノエルが家族での集まりがメインであったのに比べて、友人同士というさらに広範囲の歯止めの効かない集まりで、若者たちの多くは、当然の権利のように、年越しパーティーを行うことを憚らずに公言しているのです。

 「若者は安全だ」という神話が、今となっては、仇となっています。確かに重症化するリスクは低いかもしれませんが、自分が感染を撒き散らして、人の命を奪うことに加担していることを想像できないことは、悲しいことです。

 ノエルを過ごすことは許可したのだから、もう一つの年末の行事くらい我慢してもいいではありませんか!

 せめて、この日、1日だけでも厳しく制限することで、どれだけの感染が防げるかと思うと残念でなりません。

 国民が国内大移動をして、ノエルを家族と過ごした結果はまだ出ていないのです。

 気温の下がっているこの時期に、大勢の人が行き交い、感染状態が悪化していない理由は、一つもありません。

 実際にイギリスでの感染拡大が深刻化し、多くの国が警戒体制を取っている中、この上、年越しを20時以降の外出禁止だけで、済ませようとしているフランス政府が私には、全く理解できません。


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「心配の種は尽きないフランス ノエルの後は、年越し」

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2020年12月29日火曜日

食品廃棄物防止・減少へのフランスの取り組み スーパーマーケットの食品廃棄物防止のラベル


Des clients font leurs courses dans un supermarché Leclerc, en Gironde, le 23 décembre 2020. (VALENTINO BELLONI / HANS LUCAS / AFP)


 ここのところ、スーパーマーケットに買い物に行くと、賞味期限ギリギリになった食品に黄色やオレンジのステッカーが貼られて、大幅に値下げしている商品をそれぞれの売り場で見かけるようになりました。

 殊に、この食料品が溢れかえっているクリスマスと年末のスーパーマーケットの極端な値段の下げ方に、私は、ちょっとワクワクしていたくらいです。

 この取り組みは、半年くらい前から乳製品やハム、パンなどから始まっていましたが、クリスマスが終わって、魚介類や肉、野菜などの生鮮食料品にまで、この値下げのラベルが貼られるようになりました。

  

クリスマスから一夜あけて70%オフになっていた魚介類


 賞味期限がギリギリで一度に食べられなくても、ある程度、下処理をしたり、お料理をして冷凍してしまえば、かなり安上がりになり、助かります。

 このスーパーマーケットの動きは、政府主導のものだったようで、昨日、フランス政府は、食品廃棄物を減らすために、この「アンチガスピヤージュ(無駄廃止)」のラベルを推奨して、本格的にこの問題に取り組むことを発表しました。

 また、計り売りの野菜はこれまでビニール袋が使用されていましたが、最近、全て紙袋になりました。これも環境問題への対応の一環と思われます。

 

野菜売場に置かれている紙袋

 具体的な食品管理やラベルをつける条件などの詳細は、年明けに発表されるようですが、2015年の状態から、食品廃棄物を50%削減することを目標にしています。

 これは、とても喜ばしいことで、これまで、フランスでは、これ売り物?と思われるような、萎びた野菜などが平気で普通に並んでいたりしたので、このラベルができることで、自ずと食品の状態をしっかりと管理する体制になってくれるのではないか?と、期待しています。

 萎びた野菜が置いてあったりして、「なんで、こんなもの並べておくのだろう?」と苦虫を潰して、遠目に眺めていても、また、それを買っていく人を見かけたりするので、「あ〜買う人がいるからだ・・」と思ったりしていたのです。

      


 政府は、このラベルをつけることで、「消費者の選択を導く」としており、あくまでも新しい商品を定価?で求めるか、賞味期限の迫った値下げされた商品を選ぶかは、国民の選択に委ねられています。

 しかし、倹約家のフランス人のこと、この「食品廃棄物防止ラベル」で、これまで廃棄処分になっていたであろう食品は、確実に減っていくと思います。

 個人的には、年末年始にかけて、いつもは、手軽に手を出せない高級食材が大幅値下げになってくれるのを心待ちにしているのです。


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「表示価格があてにならないフランスのスーパーマーケット」

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「フランスでの日常の食料品の買い物 ① フランスの野菜」

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