2019年12月19日木曜日

表示価格があてにならないフランスのスーパーマーケット




 フランスで生活をしていくのには、ストレスが山積みで、各種、公的手続きなどは、もちろんのこと、生活上のありとあらゆるところで、トラブルに遭遇する機会が待ち受けているのです。

 今日は、一番、日常的な、スーパーマーケットでのトラブルをご紹介したいと思います。

 普通、スーパーマーケットは、たとえ、言葉ができなくても、自分が選んだ商品をレジに持っていき、レジスターに表示された価格を払えば良いのですから、たとえ、旅行者であっても、一番、手っ取り早く、簡単に買い物ができるところです。

 もちろん、金額を気にせず、多少、間違えられても、構わないというのなら、ストレスも比較的、少ないでしょう。

 たとえ、腐りかけた野菜などを売っていたとしても、(実際、売っています。)「これ?まだ、売る気なの?」と思うことは、あっても、自分は、その腐った野菜を選ばなければ良いのですから、問題は、ありません。

 野菜に関して言えば、フランスのスーパーの場合、日本と違って、その多くが計り売りなので、価格は、キロ、〇〇ユーロ、と表示されているので、選んだ野菜を備え付けの袋に自分で好きなだけ入れて、専用の秤にかけて、自分が選んだ野菜を選ぶと、重さと金額が表示されたシールが出てくるので、そのシールを袋に貼り付けて、レジへ持っていきます。

 今日、インゲンが安くなっている!と思って、袋に入れて、秤にのせようとしていると、年配の女性が、「Attention ! (気をつけて!)、機械の値段が間違っているわよ!」と言って、教えてくれました。

 私も彼女に言われて、改めて見ると、なるほど、野菜が置いてあるところに表示されている価格とは、違う金額で、計算されているのです。

 彼女に、今、お店の人に直してもらうのを待っているところだから、あなたも待っていなさい!と言われて、一緒に待っていると、機械の値段を直してくれる人は、なかなかやってきません。

 他の店員を捕まえて頼んでも、それは、私の仕事じゃない! マネージャーは、今、コーヒータイムだから・・と、冷たい一言。朝、ほぼ、開店時間早々に、コーヒータイムとは、さすがフランス・・と思いつつ、捕まえた、もう一人の店員は、「私は、朝、4時から働いているの・・」などと、話し出し、また、私に値段が違っていると教えてくれた年配の女性は、「私は、仕事を引退して4年目になるんだけど・・・」などと、悠々と、世間話が始まります。

 そうこうしているうちに、マネージャーらしき女性がやってきて、機械の値段を修正してくれるのかと思いきや、インゲンの表示価格に近い値段のセロリを選んで計り直し、手書きでインゲンと書き直してくれたのでした。

 このような値段の間違いは日常茶飯事ですから、特にセールになっている商品などに関しては、表示されている金額と実際に払わされている金額とは、違うことが多いので、注意が必要です。

 また、一度、払ってしまうと、例え、レジでさえ、その場で返金はしてくれず、いちいち、受付に返金をしてもらいに行かなければならないので、また、さらに待たされることになります。

 例え、間違っていると思っても、時間がないときは、泣き寝入りです。

 そして、こうした、間違いがあっても、お店の人は、一切、謝ることはなく、しかし、全く悪びれることもなく、あたかも、「どうだ!返金してやったぞ! 値段を修正してやったぞ!」と言わんばかりです。

 ですから、最近は、一点、一点、自分で金額を確認できるセルフレジで清算をすることにしているのですが、それでも、割引商品は、トータルの金額から最後に値引きされることになっているとかで、それも、支払ってからレシートを見ると、定価の表示が違っていて、半額!などと表示されていても、結局は、表示されている金額にはなっていなかったりで、これじゃ詐欺じゃない!と、気をつければ気をつけるほど、腹立たしいことばかりです。

 セコい主婦の買い物話で恐縮ですが、黙っていれば、一向に改善されることはなく、(黙っていなくても、改善の見込みは乏しいですが・・)泣き寝入りをするばかりなので、できる限り、気が付いたことは、申し出るようにしています。
 
 当たり前のことですが、店頭の商品の表示価格は、守らなくてはいけないという法律がフランスには、あるのです。

 こうして、どんどん、口うるさい、嫌なババアになっていくようで、自分でも、うんざりするのですが、フランスで暮らしていくには、仕方ないことなのです。

 















 

2019年12月18日水曜日

国際結婚に必要なこと




 今になって、考えてみれば、私は、ずいぶんと無謀な結婚をしたと思います。
 国際結婚というのは、そんなに簡単なことではありません。

 後から起こる、様々な困難や、トラブルを、もっと、冷静に、予想、想定していたら、もともと、面倒なことが嫌いな私は、決して、こんな道は、選ばなかったと思います。

 育った環境も文化も違い、しかも、海外での生活で、子供まで育てていくわけですから、それはそれは、大変です。

 しかも、日本のように、行き届いた、便利な国は、なかなかないのですから、日本から海外に出る場合は、生活の不便さだけでも、相当なストレスです。

 最初は、親や親戚どころか、知り合いも、誰もいない、言葉もおぼつかないところに、一人、入っていくわけですから、大変な覚悟が必要です。

 しかし、あの時は、私は、大した覚悟もなく、あまり、深く考えていませんでした。愚かなことです。逆に、考えすぎていたら、とても、できるものでもありません。

 「なんとか、なるだろう。」と思っていた私は、ただただ、根拠のない、楽観的な予感で、突き進んでいたのです。

 主人は、フランス人で、海外を転々としており、年齢も結構、離れていましたし、その上、バツイチで、子供が三人もおり、しかも、決して、ハンサムでもかっこいいわけでもありませんでした。

 そんな主人のどこが、良かったのかといえば、ひたすら、話をすることができる相手だったことです。しかも、出会った当初は、お互いが母国語ではない、英語で話をしていたにも関わらずです。

 こんなに、次から次へと話ができる相手は、日本人でもなかなかいませんでした。それが、英語でさえも、こんなにスラスラと話せることに、ちょっとした感動を覚えたのです。

 あとは、ひたすら、優しかったことです。デートの途中で、喧嘩になって、私が怒って、帰ると言っても、ちゃんと家まで送ってくれる彼に、(喧嘩をしておいて、送ってもらう私もどうかとは、思いますが・・)この人、ちょっと、どうかしてるんじゃないの??と、ちゃっかり送ってもらいながら、思ったほどでした。

 そして、びっくりするほど、大胆なところがありながら、恥じらいがあるところ・・美味しいものが大好きなところでしょうか?

 とにかく、私が海外での彼との生活、特にフランスに来てからの生活で、色々なことがありながらも、なんとかやって来れたのは、彼とは、トコトン話をすることができる相手だったからです。

 そして、彼は、大使館の仕事(大使館の中はフランスですから)とはいえ、日本で4年間生活した経験があり、日本という国をよく、知っていてくれたことです。
 
 フランスで起こる、日本では、ありえないことに対する私のストレスを理解してくれていましたから、フランスでの生活がたとえ、大変であっても、理解してくれる人がいてくれるだけで、ずいぶんと救われてきました。

 日本人は、もうロクに口をきかない夫婦というのもあるようですが、国際結婚の場合、会話のない夫婦は、あり得ないのではないかと思うのです。

 私が、無謀な生活に大した不安も持たずに飛び込んだのは、きっと、私の中で、彼とは、どんな時でも、話ができるという確信から来ていたのかもしれません。

 ですから、私が、彼とは、いくらでも話をできる人だと思って、彼を選んだことは、あながち、間違いではなかったのだと思っています。

 

 












2019年12月17日火曜日

海外での勧誘電話・集金・撃退法




 もはや、自宅の家電話は、もはや、ほとんど、使われていない状態で、我が家でも、ほぼほぼ、自宅に電話をかけてくる人は、いません。

 なんなら、解約をしても良いくらいなのですが、住居の証明などに自宅の住所と電話番号の入った電気料金の請求書を求められたりすることがあるので、ネット料金とセットになっていることもあり、なんとなく、そのままにしているのです。

 もともと、私は、電話というものが嫌いで、プライベートで、ほとんど人に電話をするということは、ありません。相手の都合もわからずに、いきなり、電話で他人の時間を脅かすのも脅かされるのも好きではありません。

 今は、携帯にさえ、電話をするということもほとんどなく、連絡は、WhatsAppや、LINE、Messengerなどのメッセージ機能を使うことがほとんどです。

 ですから、家の電話が鳴ることも、ほとんどないはずなのですが、それでも、どこから、電話番号を手に入れるのか、かかってくるのです。

 それは、99パーセント、なんらかの勧誘の電話です。

 なので、私は、家の電話に出るときは、必ず、わざと、「もしもし・・」と日本語で出ます。もし、知り合いならば、声を聞けば、すぐわかりますし、そうでない場合も、相手は、最初は、構わず、フランス語で話し始めるので、こちらが一方的に相手の話を聞いて、勧誘の電話かどうか、判断します。

 ほぼほぼ、勧誘の電話なので、相手も構わず、強引にフランス語で話し続けようとしますが、こちらもメゲずに日本語だけで話せば、わりと、あっさり諦めてくれます。

 たまには、フランス語がダメだと思うと、英語で話そうとする人もいますが、稀ですし、日本語で通せば、諦めて切ってくれます。

 いつも、そんな電話に煩わされる事に、頭にきつつも、電話をかけてくる相手にも、気の毒な仕事だなと思います。

 以前、主人が日本に住んでいた時は、その逆パターンをやったことがあったそうです。

 それは、勧誘の電話ではなく、今?なにかと話題のNHKの集金人に対してです。

 主人は、家でテレビを見ることは、ほとんどなく、ケチ根性と半分、いたずら半分で、NHKの集金人に対して、フランス語のみで、押し通し、日本語も英語も全くわからないふりをしたそうです。

 その日は、NHKの人も諦めて、帰って行ったのですが、そこは、日本、執念深く、今度は、フランス語の通訳を連れて、やってきたのだそうです。

 さすが、NHK、集金にも手間もコストもかけるのですね。

 NHKの受信料がいくらなのかは、わかりませんが、わざわざ通訳の人まで引き連れて、手間暇と時間とコストをかけてでも、集金するのです。

 そこまでするNHKの追跡に驚いた私は、結局、主人が、NHKの受信料を払ったのかどうかは、知りません。

 ちなみに、フランスのテレビの受信料は、テレビを購入した時点で、住民税に加算されます。






























2019年12月16日月曜日

退職を余儀なくされた真面目なフランス人男性の会社への仕返し





 フランスの労働形態は、大きく分けると、CDD(Contrat à durée déterminée)(期限限定の雇用形態)と、CDI(Contrat à durée à indéterminée)(無期限の雇用形態)があります。

 フランスでは、法律で強く、労働者の権利が守られており、CDDに関しても、最長の雇用は、最長、18ヶ月までで、それ以上、雇用したい場合は、CDIに契約形態を移行しなければなりません。

 一度、CDIとして、雇用した場合は、本人に明らかな非が認められない場合は、解雇するのは、大変難しく、会社の業績不振などの場合で、解雇する場合は、労働者側は、職種にもよりますが、会社側もそれまでの勤務期間や給与から計算された一定の金額の退職金を支払わなければならず、また、失業保険等の社会保障も確実に支給されます。

 ですから、キャリアアップの転職は別として、会社で、辛いことや、腹が立つことがあったりしても、決して、自分から辞めては行けない! 後の待遇が全然、違うんだから!と、周りの先輩方から、事あるごとに言われてきました。

 逆に言えば、雇用社側にとったら、働かない、役に立たない社員をCDIとして雇ってしまったら、容易には、解雇できず、そういった人たちは、のらりくらりと適当に出社しながら、一定の給料をもらい続けることができるわけです。

 そういう人に限って、フランスの労働法には、やたらと詳しく、権利ばかりを主張するのです。

 それでは、真面目に働く人ばかりが、割りに合わないことになるのは、明白です。

 以前、同僚で、アレックスという男性がいました。真面目にコツコツと働く、フランス人にしては、おとなしい、我慢強い人でした。

 彼は、パワハラに近い、キツい上司の元で、真面目に働いていましたが、あまりに、その上司の攻撃が酷くなり、とうとう、彼は、ブチギレて、CDIという契約形態であったにも関わらず、自分から、会社を退職してしまいました。

 もちろん、国からの失業保険は、支給されるでしょうが、彼に落ち度はないのに、長年、頑張って働き続けたにも関わらず、会社からの退職金は、支給されません。

 彼は、おとなしく、我慢強く、頑張り屋さんだっただけに、どちらかというと、粘着質な性格だったようで、その後、会社に嫌がらせの電話をしてきたり、会社の通用口のドアの鍵にガムをねじ込んだりして、鍵が開かなくなって、大騒ぎになったりしました。

 あれから、彼が今、何をしているのかは、わかりませんが、大声をあげて、権利を主張して、デモやストライキをしない代わりに、陰湿な仕返しをする・・。そんな、フランス人もいるのです。

 どちらがいいとも言えませんが・・。

  






















2019年12月15日日曜日

フランス人とお風呂



 
 私の誕生日に、主人がサプライズで、バラの花びらと、小さなロウソクがいくつも浮いたバブルバスを用意してくれていたことがありました。

 ときに、そんな、ロマンチックなプレゼントを照れることなく、臆面もなく、自信満々に用意してくれるところが、フランス人だなぁと思わされることもあるのですが、実際の主人は、そんなことが、とても似合わない感じの人なのです。

 私のお風呂好きを知ってのことでしょうが、そんなことをしてくれる主人、本人は、あまりお風呂が好きではありません。お風呂に入るにしても、極端に温度の低い、ほとんど、水のようなお風呂なのです。

 お風呂は、あまり好きではないようですが、朝晩のシャワーは欠かしません。シャワーを浴びて、自分の好きなオードトワレをつけて、身支度をします。

 フランスのお風呂は、日本のように、洗い場もなく、バブルバスにしたり、バスタブの中で、身体を洗うので、一人入る毎に、お湯を流すので、温めなおしたりすることは、できません。

 ですから、お湯を入れても、どんどん、冷めていってしまうので、私は、最初は、少なめのお湯を入れて、冷め始めたら、熱いお湯を足しながら、ゆっくりと入ります。

 お風呂は、私にとって、至福のリラックスタイムなので、音楽を聴いたり、本を読んだり、i pad を持ち込んで、YouTube を見たりしながら、長々と入ります。

 しかし、一般的には、フランスでは、主人のように、お風呂ではなく、シャワーをメインにしている人の方が多いようです。

 フランスの水は、硬水で、水の質があまり良くないので、慣れるまでは、髪の毛が痛んだり、肌がカサカサになったりしましたが、少しずつ、それを補う、化粧水やクリームなどを使うことで、解消できるようになりました。

 そもそも、あまり、お風呂に入らないことから、フランスの香水文化が発展したとも言われているくらいです。

 現在、娘が住んでいるシェアハウスでも、お風呂はあるものの、お風呂に入る人は、いないようで、お風呂の栓さえ、見つからないそうで、家に帰ってくると、お風呂好きの娘は、長々と家で、お風呂に入っていきます。

 実際、日本人ほど、お風呂が好きな国民もなかなかいない気がします。
温泉などは、日本の一つの文化であると思います。

 しかし、フランスにも、温泉がないわけではありません。
 あまり、一般的では、ありませんが、温泉療法のようにも、使われています。

 医者の処方箋があれば、保険が適用にもなります。ラ・ロッシュ・ポゼ(日本では、ビオコスメのメーカーとして有名ですが・・)などは、温泉療法が可能な、水のきれいな土地で、毎年のように、処方箋をもらって、温泉療法に通っている知り合いもいます。

 日本へ行けば、たまには、温泉に行く機会もありますが、フランスでも、いつか、ラ・ロッシュ・ポゼの温泉療法に行ってみたいと思っています。









2019年12月14日土曜日

小さい娘のフランスへの郷愁??? 



 
 娘は、アフリカで生まれましたが、生後、3ヶ月でフランスに来て、それ以来、ずっとフランスで育ってきました。

 娘が初めて、日本へ行ったのは、彼女が2歳になった時で、それからは、ほぼ、毎年、夏休みの度に、娘を日本に連れて行っていました。

 娘は、チヤホヤと甘やかしてくれるパピーやマミー(おじいちゃんとおばあちゃん)や、私の叔父や叔母、従姉妹などの私の家族や友人にもとても、なついていて、日本が大好きでした。

 娘は、日本にいるのが楽しくて、楽しくて、仕方がない様子で、帰りの飛行機に乗るときには、仏頂面で、パリに着いた時には、空港に迎えに来てくれているパパにも、まるで、「パパのせいで、帰らなくちゃ、いけなかった・・」と言わんばかりに不機嫌になるほどでした。

 特に、食事に関しては、全くの和食党で、普段、パリにいるときにも、我が家の食卓は、どちらかというと、和食よりの食事が多く、娘は、フランス料理が好きではありませんでした。

 日本語にも、ほとんど不自由はなく、周囲とのコミニュケーションは、日本語のみで、「フランス語を話してみて!」などと言われても、決して、日本では、フランス語を話すことはありませんでした。

 日本へ行けば、そんな風に、日本にどっぷりと使っている娘でしたが、ところどころで、娘の妙な行動が見受けられるようになりました。

 街中で、パン屋さんを見つけると、娘は、しばらく、パン屋さんにいたがるのです。
娘は、フランスでも、特に、パンが好き、という方ではなかったので、最初は、どうして、娘が日本で、パン屋さんにいたがるのか、わかりませんでした。

 しかし、そのうち、娘が、ほのかに香ってくるパンの香りに、うっとりと浸っていることに気が付いたのです。パンの香りに、無意識に、どこか、彼女を落ち着かせるようなものがあったのです。

 また、娘がトイレに入っているときに、時折、聞こえてくる、ブツブツとフランス語でつぶやいてる声が聞こえてくることもありました。周囲の人たちがいるところでは、頼まれても、話さないフランス語を一人、トイレにいるときに、つぶやいているのです。

 幼いながらも、どこか、フランス語で、ブツブツと呟くことで、自分自身をリセットしているような感じでした。

 また、いつの間にか、ケンタッキーのお店の前に置いてある、カーネル・サンダースの立像に近寄って行ったかと思うと、ポッとした顔をして、「パパ・・・」と言いながら、
立像と手を繋いでいたこともありました。

 ケンタッキーのおじさんは、体格が良い主人と心なしか、似ているのです。

 パリでお留守番しているパパのことも、忘れてはいなかったのです。

 フランスのことなど、まるで忘れたように、日本を楽しんでいる娘が、無意識のうちに、フランスを引きずっている面が現れる、ちょっと、ホッコリする場面でした。

 








2019年12月13日金曜日

フランスのクズ男は桁違い DV被害に遭っていた女性




 DVというものは、あまり、表面化しにくいものなので、実際に目の当たりにすることは、なかなかないとはいえ、フランスでは、実は、かなりの割合で存在しているのだと言います。

 日本でも、DVは、あるのでしょうが、私の周囲には、見かけたことがありませんでした。日本での私の生活は、今から考えれば、限られた世界の人としか、付き合いがなかったからなのかもしれません。

 しかし、パリに来て、色々な国からの、色々な人たちに触れる機会が増えたせいか、知人の数は絶対的に少ないのにも関わらず、そのような人に遭遇するということは、その割合が高いと思わざるを得ません。

 以前、職場にいた若い女性が、ある日、顔を腫らして、出社してきたことがありました。フランス人にしては、少し、おとなしめの、きれいな人でした。

 それは、少し濃いめにお化粧をすれば、隠れるほどだったし、彼女自身も、「転んで、階段から落ちちゃった!」と、照れ臭そうにしていたので、最初は、周囲もそれを信じて、「酔っ払ってたの? 危ないなぁ・・気をつけてね・・」などと言っていたのです。

 ところが、それから、しばらくして、また、彼女は、さらにひどい顔の腫らし方をしてきて、それが、何回か続き、彼女がDVにあっているとしか思えないようになりました。

 しかも、彼女と親しい友人から話を聞くと、相手の男性は、ロクに働きもしない、ヒモ同然の男なのだそうです。その上、嫉妬心も人一倍で、彼女の行動は、彼によって、極度に制限されているのでした。最悪です。

 フランス人を見ていると、人にもよりますが、一見、すごく紳士的で女性にも優しいのですが、デモやストライキなどの現場の様子などを見ていると、明らかに日本人よりも血の気が多いというか、感情の高ぶりが激しい様子が見えます。

 ですから、ある程度、自分自身をコントロールできる人ならば、良いのですが、クズ男にあたると、桁違いな暴力を振るったり、束縛や嫉妬心も物凄く強いのです。

 彼女もまるで、呪縛にかかったように、暴力を振るう夫から逃げることができず、結局、いつの間にか、会社にも来なくなってしまいました。

 そんな人が、私が働き始めてから、2〜3人はいたでしょうか?

 近所の主婦にも、時々、顔を腫らしている女性がいました。なかなか、華やかな装いをしているきれいな人でしたが、ご主人から、外出を制限されているという話を聞きました。

 DVにあっている人は、なぜ、それを隠そうとするのか、なぜ、そんな男性から離れようとしないのか? ある種の心理状態の連鎖なのかもしれませんが、暴力を振るう男性は、それだけで、最低です。

 私は、もし、男性が暴力を振るうようなことがあれば、それだけで、即アウトだと思っています。

 娘の将来に、もし、そんな人が現れたらと思うと、心配で、「暴力を振るう人と出会ったら、即、別れなさいよ!」と一応、言ってみたのですが、「私が、そんな人を相手にするわけないでしょ!」と即答。

 本当に、そんな人とは、関わりがないできないことを祈るばかりです。