フランスの新規感染者数が1万人を突破したのは、9月12日(土)のことなので、それから、約一週間後に1万3千人を突破し、また一週間も経たないうちにさらに3千人増加の1万6千人も突破しました。
一週間弱の間に3千人ずつ増えていく感染者数に、もはや、数字の感覚が麻痺してきました。昨日は、新規感染者数の大幅増加だけでなく、ICU(集中治療室)の患者数も1000人を突破し、ロックダウン解除以降の記録を伸ばしています。
一昨日に政府から発表された69の地域の警戒地域指定や、特別警戒地域、最大特別警戒地域に対する行動制限政策は、大きな波紋を呼び、特に飲食店閉鎖が決まったマルセイユでは、飲食店経営者の怒りや、顧客側もレストランが閉鎖される土曜日の前に駆け込みで外食を楽しむ人が増加しています。
ロックダウンが決まった際にも前日の夜には、まるでカウントダウンを楽しむかのように、レストランやバーなどが異常に賑わった時と同じ状況が再び起ころうとしています。
思えば、ロックダウン解除後も最後まで、なかなか営業を許可されず、テラスのみの営業からようやく開店できるようになっていた飲食店が、どこよりも先に再び営業停止になることは、大変な憤りであり、大打撃であると思われます。
ジャン・カステックス首相は、この飲食店の経営者の怒りと、なぜ?レストランだけが営業停止になるのかという質問にテレビ番組で、「公共の場所でどうしてもマスクをすることができない場所であるから・・」との理由を述べていましたが、駆け込みで外食を楽しんでいる人々は、レストランが閉鎖されれば、別の方法を探すしかない・・と、なんとか人と集おうとする懲りない様子をうかがわせていました。
そんな中、フランスでは、9月27日(日)には、全仏オープンテニス・ローランギャロスが始まります。例年は5月末から6月の初旬に開催されるこの大会もコロナウィルスの影響で、延期されていました。
すでに予選は、始まっていますが、27日(日)からのトーナメントは、今のところ、開催予定に変わりはありませんが、大会の行われるイル・ド・フランスの警察からの勧告で、トーナメント中のローランギャロスのスタジアムにアクセスできる観客の数を1000人に制限しています。
5月末に延期した段階で、全仏オープンテニス協会は、強固に観客を入れての開催にこだわっており、チケットは、すでに7月からオンライン予約が開始され、今年は、当日券は発行されない予定です。
一度、錦織選手を応援に行こうかと、チケットを取ろうとして、びっくり!ローランギャロスのチケットは、155€〜190€・・高いものだと300€を超える高額で、断念しました。
協会は万全の対策を取っていることをアピールしており、選手は到着時及び72時間後にPCR検査を行うことが義務付けられ、以後5日おきに検査、指定されたホテルで隔離されています。
つい先日、延期されていたツールドフランス(自転車のロードレース)が開催されて、終了したばかりですが、同様に延期されていたローランギャロスの開催。両者とも、当初の予定の日程時以上に感染状態が悪化した状態での強行開催に結果論ではありながら、より悪い結果をもたらすことばかりのタイミングの悪さがもどかしいばかりです。
おまけにローランギャロスは長いこと、屋根の無い、クレーコートで雨が降るたびに試合が中断する事態に悩まされてきましたが、皮肉なことに今年からセンターコート「フィリップ・シャトリエ」には、開閉式屋根が設置されたばかり・・。
ローランギャロスのセンターコート「フィリップ・シャトリエ」
屋内が敬遠されるこのタイミングに長いことできなかった開閉式屋根付きのセンターコート。コロナウィルス感染では、ことごとく、全てが裏目に出ているフランスでは、ローランギャロスのセンターコートの屋根までもがタイミングの悪いことに、嫌な予感しかしないのです。
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「ことごとくフランス人の習慣が裏目に出ているコロナウィルスの感染拡大」
https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2020/08/7000.html