注目されていたフィリップ首相のロックダウン解除・第二章は、「思っていたよりも、明るい報告となりました。」という言葉から、始まりました。
全国的にレッドゾーンが広がっていた感染情報マップも、イル・ド・フランス(パリを中心とした地域)以外は、全てグリーンになり、イル・ド・フランスでさえも、赤からオレンジになりました。イル・ド・フランスがオレンジに留まっている大きな理由は、病院の集中治療室の空き状況が充分ではないということが大きな理由です。
未だ、ウィルスは、消滅したわけではないので、依然として、注意が必要ではあり、制限や制約はあるものの、今まで閉ざされていた場所が6月2日から解放されることになり、日常が戻りつつあることに、国民は、喜びに湧いています。
これまで禁止されていた100キロ以上の移動も可能になり、学校、美術館、博物館、記念碑等のモニュメント、全てのビーチ、湖なども再開されます。公園、庭園などの緑地は、6月2日を待たずして、今週末から解放されることになりました。しかし、依然として、10人以上の集まりは、禁止されており、屋内でのマスクの着用等が求められます。
レストランも再開されますが、レストランについては、かなり慎重で、グリーンゾーンでさえも、1テーブル10人まで、テーブルごとに1メートルの間隔を取ること、カウンターで立ったままの飲食は、禁止されています。イル・ド・フランスのレストランについては、店内の営業は、禁止で、お店の外のテラスのスペースのみの営業が許可されることになりました。
これには、反発の声も上がっており、そもそもテラスのスペースのあるレストランは、全体の4割程度で、半分以上は、依然として営業できないということになります。そもそもパリのレストラン等は、郊外のようにゆったりしたスペースを取れていないお店が多く、営業再開の道は、険しそうです。
劇場についても、グリーンゾーンは、衛生管理を充分にした上で、再開することができますが、イル・ド・フランスは、未だ営業できません。
ナイトクラブ、コンタクトスポーツ、ゲームセンター、スタジアム、映画館等に関しては、全国的に閉鎖されたままです。
また、「STOP COVID」というアプリが6月2日から無料でダウンロードできるようになり、これにより、感染者と1m以内で15分以上接触した可能性のある場合には、通知が来る仕組みになっています。プライバシーは保護されデータは、匿名化されています。検査もさらに拡充し、スピードアップするので、このアプリが有効に使われるとさらに、感染防止に役立ちます。
これから夏休みにかけて、ハイシーズンを迎える観光地も再開に向けての準備に向かっています。リモートワークが可能であった人は、全体の3割程度、それ以外の人は、2ヶ月以上、仕事ができなかったにも関わらず、やはり、夏にはバカンスに行く気満々なところは、さすがのフランス人です。パリでは、テラスだけとはいえオープンするカフェやレストラン、また今週末には、解放される公園などにも、待ってましたとばかりに人が押し寄せることでしょう。
毎年、90万人のフランスの子供が利用するコロニー(バカンスのアクティビティをプランニングする会社が運営する子供たちの合宿やキャンプ)も、次回の6月22日のロックダウン解除・第3ステージの発表の際に解禁される模様です。2ヶ月近くあるフランスの学校の夏休みを子供たちは、1ヶ月は家族と、1ヶ月はコロニーで過ごすケースが多いのです。うちの娘も長年にわたり、このコロニーには、ずいぶんお世話になりました。
これらのバカンス産業もフランスの大きな収入の一つです。
現段階で、制限されている項目については、全て、さらに次のステージは、夏のバカンスシーズン突入直前の6月22日に発表になる予定になっています。バカンスシーズンの開始直前が、また一つの区切りとなるところが、やっぱりフランス・・と思いますが、いつもなら、バカンス至上主義のフランス人に、どこか半分、呆れたような目で見ている私も、今年ばかりは、何だか、そんないつもどおりのフランス人に、半分は、どこか、ホッとするような気持ちも湧いてくるのです。
まだ、感染が完全におさまっていない状況での更なる規制緩和で、不安はいっぱいありますが、日常が戻ってくることが、私もやっぱり嬉しいのです。
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「おたくのお嬢さんが刺されそうになりました!?・バカンス中のサマーキャンプでの話」
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