2020年7月17日金曜日

来週から屋内でのマスク義務化へ フランス・マスク論争ふたたび


Illustration de l'obligation de porter le masque dans un centre commercial francilien.


 7月14日の革命記念日・パリ祭のセレモニーの後、テレビのインタビューに答えたマクロン大統領は、8月1日から「すべての閉鎖された公共の場所でマスクを必須にする」と発表しました。

 「なんで、8月1日なんだよ!明日からでも、さっさとしろ!」と思ったのは、私だけではなかったようで、来週の月曜日から、屋内での公共の場においてのマスクが義務化されることになりました。(コマーシャルセンター、店舗内、映画館、ジムなど・・)

 マスクに不慣れな国フランスは、マスクへの抵抗は根強く、コロナウィルスの流行が広まり始めた頃も、マスクをしているアジア人をコロナウィルス扱いして差別したり、ロックダウンになってからも、普通の日常生活を送る分には、マスクは必要ないとか、(そもそもマスクのストックが圧倒的に足りなくて、)医療従事者でなければ、マスクはいらないなどということを政府が発表していたくらいです。

 それでも、流行がピークに達していた頃は、医療従事者以外はマスクを買うことができなくて、(幸いにも、なぜか、家には、マスクがあったので、買い物の際はマスクをして出かけられたので、助かりましたが・・)その頃は、やはり、さすがのフランス人もマスクなしでは怖いのか、飛行機で配っているアイマスクをマスクがわりにしている人もいたくらいでした。

我が家に送られてきた紺色のマスク😷


 それが、ロックダウン解除を前後して、国民には、各市町村からマスクが配られ、薬局やスーパーマーケットでも、マスクが売られるようになり、最初は、奪い合うようにマスクを買って、マスクをして、恐る恐る外出していたフランス人も、時間が経つにつれて、気候も良くなって、感染も少しずつ減少していくにつれて、もはやマスクは、用無しとばかりに、街を歩く人でマスクをしている人は、どんどん減ってきて、道端には、使用済みのマスクがポイ捨てされ、買い物に行っても、マスクをしていない人が見られるようになってきていました。

 当然、大量のマスクを仕入れたスーパーマーケットでは、マスクが山積みになっていました。ロックダウン解除の時には、マスクの義務化は、公共交通機関利用の際のみで、その他の場所では、マスクの着用が推奨される・・という内容でしたが、「推奨される・・」程度で、フランス国民がマスクをし続けるはずは、なかったのです。

 ところが、ここ2週間ほど(7月に入ってから)バカンスに入ってからのフランスの感染状況は、感染者数が6万を超え、(64664名・7月16日現在)(ちなみに日本は、2979名です)グラフには、危険な上昇のカーブが現れているのです。

 ロックダウン時にも、国民のショックを考えて、段階的にロックダウンをしたというマクロン大統領は、今回のインタビューで、「コロナウィルスの第2波が少し始まりかけているという兆候が見えています」「私たちは、警戒して、第2波に向けて準備をしなければなりません、引き続きソーシャルディスタンスを!」という、比較的、ソフトな言い方をしています。

 そして、彼は、同時に「第2波に対する準備は、できています」とハッタリをかましていますが、医療の現場では、医療従事者用の安全性の高いマスクや防護服、医療物資等は、未だ十分とは、言えない状態なのです。医療従事者が革命記念日に行ったデモは、単なるベースアップ要求だけのデモではないのです。

 このコロナウィルス感染の経過、現状と、政府の発表には、隔たりがあることを感じずにはいられません。

 国民の混乱や反発を抑えるために、ロックダウン解除以降、強制事項は避けてきたフランスが、マスク着用の義務化を決定するということがどういうことなのか、事態をしっかりと見つめなければなりません。

 ハッタリをかましている政府の発表を鵜呑みにはできません。ロックダウン解除時に約束した週70万件の検査も、実際のところは、はるかにその数字には及ばない状況で、当時、隣国ドイツの検査数の5分の1だった数字が6分の1になっています。(ドイツの検査数が大幅に増えている割に、フランスは増えていない)

 ともかく、マスク着用を義務化してくれたことに、私は、少しホッとしています。マスク着用の義務を怠れば、罰金135ユーロが課せられます。罰が与えられなければ、統制が取れない、まことに民度が低いフランスであります。

<関連>
「ヨーロッパのコロナウィルス感染拡大 国の対策の取り方で明暗を分けた理由」
https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2020/04/blog-post_20.html


「フランスのロックダウン解除 フランスは、国民の命と経済の両方を守ることができるのか?」
https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2020/05/blog-post_8.html






2020年7月16日木曜日

フランスのソルド・盛り上がらないバーゲンの初日




 革命記念日の祭日・パリ祭が終わって、延期になっていた夏のSOLDES(ソルド)(バーゲン)が全国、一斉に始まりました。例年ならば、夏のSOLDES(ソルド)(バーゲン)は、6月最後の週の水曜日から4週間と決められています。6月24日に始まるはずの夏のソルドが3週間延期になってしまったことで、その間に、お客さんの大半は、バカンスに出てしまいました。

 それにしても、ここ数年のバーゲンは、以前に比べるとすっかり盛り上がりがなくなり、そういう私も、もはや大して欲しいものもなく、今日は、フライパンが欲しくて、近所のコマーシャルセンターを覗きに行ったのですが、以前では、考えられないようなバーゲンの初日、お客さんも大したことないなら、お店側もバーゲンというのに、やる気あんのかよ?という感じです。

 だいたい、バーゲン時期は、お客さんもお店側も戦闘体制だったのは、昔の話で、お客さんも少なければ、店員さんさえもバカンスに出てしまって、通常よりも少ないくらいなのです。

 フランスでは、バカンスが最優先、ソルドの開始が延期になったからといって、バカンスの予定を延期する人は、いません。

 その上、ここ数年、ネットショッピングの割合が増加していたのに加えて、ロックダウンで、さらにこの傾向に拍車がかかり、何もソルドの時期に足を運んで買い物に行かなくてもネット上でもソルドは、やっています。「せめて、洋服くらい、自分で着てみてから買いたいじゃない!」という私に、娘は、「買ってみて、着てみて、気に入らなかったら、返品すればいい・・今は、それが簡単にできるようになってるの!」とバッサリ。

 ただでさえ、配送事情が悪く、全ての手続きがトラブルの素になるフランスで、ネットで買い物したものが、ちゃんと届くかどうかも心配な私と違って、さすがにフランスで育ってきた娘、そんなトラブルがあろうと、モノともしない逞しさです。

 ともかく経済再開のためにロックダウンを解除したものの、どうにも怪しげな感染状況(今もフランスは、1日の新規感染者数は、500人前後の日が続いています)のために、ソルドの開始日を延期したものの、バカンスは7月初めに解禁になり、国内移動のTGV(新幹線)は、ほぼ、満席状態。

 感染状況を鑑みて、押したり、引いたり、ワリを食ったのは、バーゲンを控えていた店舗のようで、すでにバーゲンを待つまでもなく、閉店に追い込まれた店舗も少なくはなく、第2波の心配は、当分、続きそうで、昨年末からのデモやストライキでお店を開けられなかったり、売り上げが伸びなかった上に、国民のネットショッピングへの移行。たくさんの在庫を抱えた店舗はさらに厳しい状況に追い込まれていくことでしょう。

 ビッグネームの老舗やブランドでさえも危機に立たされています。

 フランスのネット上では、ロックダウン解除とともに、国内のあちこちの店舗で行列ができたというZARAでさえ、今年のソルドは、1分で終わった・・最悪・・などと、ブーイングが上がっています。

 ショッピングのように、コロナとともに、変わっていく業界もこれから多々出てくることでしょう。コロナとともに、たくさんの人の暮らしも変わっていくのだ・・とソルドの初日に、またあらためて思うのでした。

<関連>
「フランス・夏のソルド(バーゲン)は、コロナウィルスの影響で7月15日に延期」
https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2020/06/blog-post_23.html

2020年7月15日水曜日

2020年 フランス革命記念日・パリ祭の光と影


コンコルド広場でのセレモニー


 2020年のフランス革命記念日は、コロナウィルスの感染が危惧される中、いつもと違うパリ祭となりました。例年は、シャンゼリゼの沿道には、大勢の観衆が集まり、凱旋門から、コンコルド広場へ向けての華やかなパレードが行われます。

 フランスの持ちもの全てがパレードすると言われるこの催しは、天候も良いこの時期に、シャンゼリゼの沿道に植えられているマロニエの木に、トリコロールのフランス国旗がたなびき、美しいパリのロケーションにそれぞれの隊が精悍な制服姿で行進する光景は、フランス国民ならずとも心を奪われるような光景です。

 このパリ祭のパレード(フランスでは、デフィレと言います)には、デフィレに参加する人は、もちろんのこと、フランスの国力と美しさに、多くのフランス人がフランスを誇りに思うような、国民の愛国心を強固にするような不思議な力があります。

今年は、シャンゼリゼではなかったので、マロニエのグリーンがないのは残念


 マロニエの木の緑、トリコロールの国旗、茶色い馬、白い馬に乗る深い紺を基調とし、ゴールドがあしらわれ、ところどころに差し色に赤が入った制服、制帽、ブーツなどでバッチリ決めた一団が束になって、次から次へと行進してくる様子は、圧巻です。

 今年は、コロナウィルスの感染が収まっていないこともあり、一般大衆は、シャットアウトされ、招待客のみで、コンコルド広場の小さい?スペースのみで、大幅に規模を縮小して行われました。それでも、演出は、なかなかなもので、数週間前から、政府は、このパリ祭は、コロナウィルスの危機と今も戦い続けている英雄のためのものと発表していました。

コンコルド広場でのセレモニー全景


 その言葉どおり、例年は行われない医療関係の隊もパレードに参加したり、医療従事者の一部も招待客に加えられていました。式の最後に、コロナに向かって国民が一丸となって戦おうという気持ちを込めて歌われたマルセイエーズ(フランス国歌)では、招待されていた医療従事者の複雑な表情がとても印象的でした。

 そんなデフィレは、正午には、終わり、マクロン大統領は、テレビのインタビューに答える形で、コロナウィルスの第2波が来たとしても我々には、充分な準備ができている。また、今後、(恐らく8月1日から)公共の場(屋内)でのマスク着用が義務化されることを発表しました。(マスク着用の義務化に対しては、なぜ、ロックダウン解除の際に試行しなかったのかと思いますが・・)

 そして、その日の午後、華やかなパレードとは裏腹に、フランス国内のいくつかの都市では、CGT(フランス労働組合)など、12の労働組合の呼びかけにより、数千人に上るデモが行われ、(黄色いベストによる政府に反対する人や、公立病院の医療従事者による医療に関わる職員の待遇を含む医療環境・物資の不足に対するデモ)、午後6時頃、パリ・バスティーユでは、催涙ガスまで発砲される警察との衝突が起こりました。

 パリ祭で、英雄と感謝され、奉り上げられた一部の医療従事者の複雑な表情の背景には、このデモがあったのだと思わずにはいられませんでした。

 そして、革命記念日・パリ祭の最後は、エッフェル塔での花火です。今年は、無観客で行われましたが、数ヶ月前までは、閑散として、皆がウィルスに震え上がっていたパリでの盛大な花火は、それは見事なもので、エッフェル塔からは、結構、離れた我が家の窓からでも、花火のど〜んという音まで聞こえ、充分に楽しめた見応えのある30分近い素敵なショーでした。



 家の窓から見える花火とテレビで中継されている花火、若干の時差を楽しみながら、今年の3月の時点では、こんな花火が見られることなど考えられなかった状況から、たとえ観客は、シャットダウンといえども、ここまでできるようになったという感慨が襲ってくるのでした。



 こうしてセレモニーや花火でパリの街を改めて見るにつけ、やはり、パリは、美しい・・と珍しくパリにいることを嬉しく感じた1日の終わりでした。


 しかし、朝からデフィレ、デモ、花火と盛りだくさんな一日でした。

 これに加えて、エソンヌ(イル・ド・フランス)で、火事だと通報を受け、駆けつけた消防士が襲撃を受けるという事件が起こったそうです。華々しい革命記念日の光と影、わけのわからない影の人がまだまだ、たくさん潜んでいるフランスなのです。


<関連>「フランス人のプライド」
https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2019/08/blog-post_6.html

 

 

 










2020年7月14日火曜日

一枚のお皿が思い出させてくれた小さい頃からの娘の食事




 私がフランスで仕事を始めたのは、娘がちょうど一歳になった頃でした。娘がアフリカで生まれてから、3ヶ月くらいで、フランスに引っ越してきて、当初は、右も左もわからない状態でした。しかも、娘は、まだ0歳児、初めての子育てで、ミルク探し、日用品の買い物、お医者さん通い、ごくごく普通の最低限の生活を送ることを少しずつ積み重ねていきました。

 当時は、主人の兄夫婦の家から比較的近い、パリからは、電車で40分ほどの郊外のアパートに住んでいたので、気軽にパリを散歩するということもできませんでした。パリに行けば、日本食品なども、わりと簡単に手に入るのですが、当時は、怪しげな多国籍の食料品を扱っているお店で、日本食を作れる食品を物色したりしたものです。

 その頃は、娘の国籍のことや、私の滞在許可証の申請などが、なかなかスムーズに進まず、ようやく少し目処がたったのは、半年以上経ってからのことでした。

 ですから、それまでは、私も仕事どころではなく、娘とベッタリの生活で、私は、娘と片時も離れることはありませんでした。それでも、娘が可愛くて可愛くて、子育ては楽しくて、特にストレスに感じることはありませんでしたが、初めて仕事に行く電車に乗った途端、想像していなかった開放感に自分自身が驚いたほどです。

 娘を保育園に送って行って、仕事をして、帰りに娘を迎えに行って・・と、娘といられる時間は、朝と夜の短い時間だけ、休みの日には、娘に日本語を教えながら、買い物や家事に追われて、時間はあっという間にすぎて行きました。

 仕事の都合上、私は、日曜日に仕事のことも多く、そんな時には、必ず、昼食の支度をして出かけました。主人と二人で、娘のお休みの日には、必ずどちらかが娘といられるように予定を調整していましたので、日曜日に私が仕事でも、主人がいてくれるので、私が食事の支度をしていかなくても、主人が何か娘のために作ってくれたのですが、娘は、主人の作る食事が嫌いで、嫌がっていたし、私は、私で、お休みの日に仕事に出かけてしまっても、「ママは、あなたのことを忘れていないよ・・」という意味で、出来るだけ、彼女が寂しい思いをしないように、必ず、彼女の好きそうなものを作って置いてきていました。

 忙しいお母さんでも、お弁当作りは、欠かさない・・そんなお母さんたちもきっと同じような気持ちなのかもしれません。

 当然、主人が作るものは、フランス料理?のできそこないのようなもので、日本食が好きな彼女の口には合わなかったので、せっかく作ってくれたパパに気の毒な思いをさせないためにも彼女に食事を作り置きしてくるのが習慣になっていました。

 とはいえ、カレーやシチュー、チャーハン、オムライス、ちらし寿司・・などなど、そんなに手の込んだものではありません。それでも、一応、彼女の気に入った食事があるだけでも、少しは、気持ちが和むだろうと思っていたのです。

 昼食とは別に、小さい頃から彼女は、ブロッコリーが大好きで、小・中学生になってからも、我が家の冷蔵庫には、必ず茹でたブロッコリーと人参が入っていました。学校から帰ってきて、お腹が空いたら、お菓子を食べずに茹で野菜をモリモリ食べていました。実に健康的な好みの娘です。(彼女は、サラダ用のソースやマヨネーズなどは、一切使わず、軽い塩で茹でたそのままで食べるのです)

 先日、長いこと使っていなかったお皿に、オムライスを盛って出したら、娘が、「このお皿、懐かしいなぁ〜、よくママが仕事の時に、このお皿にお昼ご飯がのせて置いてあった・・」と、当時のことを思い出してくれました。

 小さい頃のことでも、私が作った食事のことを覚えてくれていることを、何だかとてもほっこり嬉しく思いました。母親なんて、そんな些細なことが嬉しいんだな・・と、私は、私で、母の作ってくれたお料理のことを思い出していました。


<関連>「子供を預けて働くということ 子供を預けることは、育児放棄ではない」
https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2019/06/blog-post_20.html

2020年7月13日月曜日

ニースで5000人の屋外コンサートの惨状


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 先週末の土曜日の夜のニュースでは、ゲストの医者が「フランスは、ほんとうによく頑張っている・・公共交通機関でのマスク着用は徹底しているし、ソーシャルディスタンスを尊重した生活を送っている。」とフランス人を絶賛しているのを、半ば、呆れる感じで、「本当にフランス人は、自画自賛、自国を褒めることが大好きだ・・」と思いながら見ていました。

 ところが、ちょうど、そのニュースが放送されていた頃、ニースでは、屋外コンサートに5000人が熱狂状態になっていました。このコンサートが行われた場所は、通常ならば、36000人が収容できるスペースのところ、ソーシャルディスタンスを考慮して、5000人は超えない、マスクの着用を求めるという条件でニース市は、このコンサートの開催を許可したようです。

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 ところが、実際のところ、ソーシャルディスタンスなどをとっている人など誰もおらず、マスクをしている人も見当たりません。まあ、考えてみれば、感染を危惧する人は、現段階で、このようなコンサートには、行きませんから、マスクの着用など義務化し、かなりの警戒体制を敷かなければこのようになることは、明白だったのです。


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 いみじくも、前日の金曜日にフランスは、コロナウィルスによる死者3万人突破を記録したばかりでした。3万人という犠牲者を出しながらもこのウィルスの恐ろしさがまだわからない、コロナウィルス以来、何度となく、フランスは、どうしようもない・・と思ってきましたが、まだまだ、これでもかというくらいフランス人には、驚かされます。

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 一時的ではありながら、バカンスに入って、デモが沈静化してきて、とりあえず、よかったと思った矢先の出来事です。

 結局、ニース市では、屋外であったとしても、全てのイベントに際しては、マスクが義務化されることになりました。

 サッカーもmax 5000人でソーシャルディスタンスに配慮してという条件で、観客を入れての試合が開始されます。ニースの二の舞にならないかと大いに心配です。

 そんな中、フランスは、コロナウィルスが広く循環している危険国からの旅行者を対象に空港でのコロナウィルス検出のための無料テストを体系化することを発表しています。現在、フランス(ヨーロッパ)に入国できる13ヶ国の中にフランス以上にウィルスが蔓延している国があるのかは、疑問ですが、フランス領でもギアナなどのような場所からの入国者ということでしょうか?

 いずれにしても、外国からの入国者のチェックをするよりも、国内で、日々起こるこの惨状をどうにかするのが先決で、このままでは、(すでに)フランスは危険な国として認知され、フランスから海外に出たい人は、要注意扱いされるようになり、海外からの観光客も誰が好んで、こんな危険な国に来るでしょうか?

 フランスも、いい加減、自画自賛、自己満足に酔いしれるのではなく、周りからも安全な国として認知されるようになって、海外からの観光客が安心して来れるような国になってほしいものです。

 それにしても、今、世界の感染状況を見て、驚きました。アメリカは、もちろんのこと、ブラジル、インド、南アフリカ、南米などは、感染の勢いが物凄く、1日の新規感染者が余裕で1万人を超えています。

 世界的なパンデミックは、まだまだ、おさまりそうにありません。

 やはり、到底、今年のオリンピックは無理であったし、来年でさえ、絶望的です。

<関連>
「フェット・ド・ラ・ミュージックでまた群衆・飲んで踊って大騒ぎのフランス人」
https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2020/06/blog-post_2.html

「フランスは、やっぱりダメだと、絶望した理由 コロナウィルスは、蔓延し続ける」
https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2020/04/blog-post_26.html





2020年7月12日日曜日

バカンスを何よりも優先するフランス人 フランスに Go Toキャンペーンはいらない


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 日本では、「Go To キャンペーン」なる国内観光需要喚起の観光割引のキャンペーンが開始するそうですが、フランスには、このようなキャンペーンは、いらないようです。そんなキャンペーンをやらなくても、フランス人は、こぞってバカンスに出かけるのです。コロナウィルスへの懸念はあるものの、フランスでは、バカンスに出かける人に対して、世間が後ろ指をさすようなことは、全く、ありません。

 いよいよ7月からバカンスシーズンに突入したフランスでは、バカンス突入後の最初の週末でもあり、今週末は、来週火曜日の革命記念日(パリ祭)の祝日の間の1日さえ休みを取れば、4連休となることもあり、土曜日からバカンスに出発する人で、駅も大混雑、高速道路も大渋滞となりました。

 長いロックダウンから解放されてのバカンスは、混雑や渋滞でさえも、どこか高揚感を感じている人もいるようです。

 そして、驚くことに、昨日は、土曜日にもかかわらず、パリでは、ほとんどデモは行われなかったようで、ウィルス感染の危険を侵して、あんなにも大勢の人が異論を唱えて騒いでいたのに(年金問題、人種差別問題、黄色いベスト、病院の労働環境などなど、その時々によって問題は、様々でしたが・・)、あれは、何だったんだろう?と思うくらい、デモが影を潜めた土曜日でした。(だいたい、土曜日にデモがないことに驚くこと自体が異常ですが・・)

 デモがほとんど行われなかったのは、デモに参加していた多くの人がバカンスに出たことによることは、間違いありません。デモでさえも、バカンス休暇をとっている・・そんな感じです。

 例年も、やはり夏の間は、デモは少なくて、バカンスに入る前にしっかりと9月以降のストライキ・デモの予定を決めてから、バカンスに出発するところも、ここ数年のお決まりのパターンとなっています。今年は、特にコロナウィルスの感染拡大が心配される中での強硬なデモの連続だったので、バカンスに入った途端のデモ消滅のギャップが大きく感じられます。

 こうしてみると、フランス人にとっての優先順位は、バカンスが何よりも勝るようで、次がデモ・ストライキ・・コロナウィルスへの警戒の順位は、どんどん下がっています。バカンスが終わって、秋に入って気温も下がった頃にデモ・ストライキが優先順位の一位に返り咲いた時が心配です。

 さっそく、多くの観光客が訪れるニースでは、夜のコンサートに5000人が集まりお大騒ぎ、バカンスシーズンで浮かれて、このようなことが今後も度々起こりそうです。

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ニースの街でDJの野外コンサートに集まる人々

 とはいえ、バカンスに行かない人も、まだまだたくさんいるパリですが、やはり気持ちは、バカンス気分なのでしょうか? マスクをしている人もすっかり減りました。さすがに公共交通機関では、皆、マスクをしていますが、よく見かけるのが、もはや、何のためにマスクをしているのか、わからなくなっているようで、鼻を出して口だけマスクをしている人もよく見かけます。

 先日は、何を勘違いしているのか、マスクをしていた年配の男性が、くしゃみが出そうになって、慌ててマスクを外して、思いっきりくしゃみをし、くしゃみをした後は、また、しっかりマスクを付け直すという光景を目にしました。

 たしかに、マスクをしていると思いっきりくしゃみができない感じがするのもわからないではありませんが、さすがにこれには、失笑してしまいました。

 話が逸れてしまいましたが、例年だと8月になると、みんながバカンスに出かけるので、パリは、メトロも私の住んでいるアパートでさえも空いてきて、静かで、スッキリした感じになります。ロックダウンを経験した今年は、8月のパリが静かに感じられないかもしれません。


<関連>「フランス人の金銭感覚 フランス人は、何にお金を使うのか?」
https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2019/10/blog-post_62.html

 

2020年7月11日土曜日

9月のフランスの学校再開へ向けての準備  予定の立たない今後の予定


Image d'illustration d'enfants dans un collège -


 コロナウィルスによるロックダウンになった際は、もうフランスは、壊滅状態に向けてまっしぐらの状態であったので、否応なしに、生活の必要最低限の機関しか動かない状態になり、経済もストップし、いつもの日常の多くのことが奪われ、今になって思い出しても、本当に緊迫した日々が続いていました。

 しかし、ウィルスが蔓延し続ける中での、再スタートは、単純に全てを再開するわけにはいきません。それでも、フランスは、新内閣も発足し、前へ前へと進もうとしています。今日、文部省から発表されたのは、2020年度(2020年9月〜2021年6月)の学校再開に際してのビジョンです。

 9月に新学期が始まるフランスでは、夏が終わり、気温が下がり始める(気温が下がるとウィルスが活発化する可能性が高い)時期に学校が再開するという皮肉な新年度を迎えるわけですが、子供達の安全を確保するために、一先ず、手指の衛生を徹底させること、11歳以上の学校の屋内施設でのマスクの義務化、校内の換気、清掃、除菌などの衛生、ソーシャルディスタンスなどに関する規定が発表されました。

 この規定には、国の公衆衛生高等評議会や国防評議会が関わっているとのことですが、フランスにこれまで、公衆衛生高等評議会なるものがあったことは、コロナ以前の街中を見る限り、信じがたいことです。

 また、最悪の事態も想定して、リモートワークのサポートの充実化への準備も同時に進め、感染拡大が起こった場合には、数日内にリモートワークに切り替えられるように備えています。約2ヶ月間のロックダウンにより、教育格差も生まれ、約4%の学生が脱落したと言われています。

 現在、ロックダウン解除から約2ヶ月経ちましたが、もはや、メトロ内、駅の構内の清掃、除菌作業が雑になってきていることも問題視されています。多くの人がマスクもしなくなっている中、公共機関の衛生管理も緩んできているとは、まさに第2波の下地を着々と作っているような状態です。

 また、先日は、新首相のジャン・カステックス氏とCGT(フランス労働総同盟・労働組合連合)のこの経済危機に瀕する状況についての話し合いが行われ、今は、何よりもこの経済危機を乗り越えることに重点を置くという首相に対して、CGT側は、昨年から問題になっている年金問題を差し置くことはできないという主張が衝突し、早々に9月17日の大規模ストライキ・デモが決定しています。

 娘も10月からの留学が一応、決定していますが、「リモートワークになる可能性あり」という但し書き付きの状況で、どうにも予定が立ちません。

 現在は、多くの人が先の予定が立たない状況、それも致し方ないと思いますが、今のところ、はっきりと日時指定で決定していることが、ストライキとデモの予定だけというのがフランスの状況をよく表しています。

<関連>「フランスの駅とトイレの先進国とは信じ難い臭さ」
https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2019/08/blog-post_27.html

「フランスのゴミの収集 フランス人の衛生観念」
https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2020/02/blog-post_6.html