2019年12月2日月曜日

フランスは、靴の文化の国




 私が妊娠したのがわかった時、主人が一番最初に娘のために買ってきてくれたのは、赤ちゃん用のかわいいピンクの靴でした。

 妊娠がわかった時には、すでに性別を教えてもらって、女の子だということがわかっていましたので、女の子用にとピンクの靴を選んだのだと思われます。

 しかし、赤ちゃんのための、最初の買い物というのが、靴だというのが、私には、どうにも解せませんでした。

 まだ、歩きもしない赤ちゃんに靴・・しかも、当時は、アフリカにいて、娘が生まれてすぐに、パリへの転勤が決まっていたのに、フランス製の靴をアフリカで買ってくるという不経済。(アフリカでは、輸入品は高いのです。)

 考えてみれば、フランス人というのは、靴の文化の国の人で、我が家では、家の中が汚れるのが嫌なので、土足厳禁ですが、家の中でも土足という人が少なくありません。

 日本人と比べて考えたら、圧倒的に靴を履いている時間が長いのです。

 赤ちゃんにも歩く前から靴を履かせます。

 フランスだと冬は寒いので、防寒の意味もあるのでしょうが、しかし、実際は、四季は関係なく、赤ちゃんにも靴を履かせます。

 そんな、主人は、娘が小さい時から、革靴を履かせ、運動靴を履かせるのを嫌いました。もちろん、スポーツをする時には、スポーツシューズでしたが、それ以外、学校の通学などにも革靴を履かせていました。

 主人曰く、革靴をきちっと履いていないと、足の形が悪くなるというのです。

 娘は、主人が買ってくる革靴を履いて、学校へ通っていましたが、実際、子供が学校で遊ぶとなったら、革靴であることなど、おかまいなしに走り回って遊ぶのですから、その痛み方も半端ではありません。

 また、スポーツも、なんでも、運動靴一本ではなく、randonnée (ランドネ)(ハイキング)用の靴、ボルダリング用の靴(ボルダリングはフランスでは、結構盛んで、学校にもボルダリング用の壁があったりします)、スキーの靴、バレエ用の2種類の靴、乗馬用の靴、などなど、年々大きくなっていく、娘の靴を一体、大きくなるまでにどれだけ買ったことかわかりません。

 その上、フランスの子供は、小さい子供でも、冬はブーツを履いています。

 早く、足の大きくなるのが止まってくれないかと、どれだけ思ったことかしれません。

 それだけ、靴にこだわるだけあって、主人は、靴みがきが好きで、なぜか、トイレにこもって、家族中、みんなの靴を磨いてくれます。ですから、おかしな話ですが、我が家の靴みがきのセットは、トイレの棚の中に入っています。

 先日、メトロに乗っていて、冬になり始めで、周りの人の服装が急に冬めかしくなってきて、メトロの中の人の服装の様子をなんとなく、眺めていて、冬になると、おしゃれな人が目立つなあとぼんやりと思っていました。

 そして、メトロの中で、なんとなく、おしゃれな男性を観察していて、私は、あることに気付いたのです。

 おしゃれな男性に共通するポイントは、靴なのです。

 おしゃれなおじさまは、ちょっといい、良く手入れされた革靴または、ショートブーツを履いているのです。

 服装のセンスがいいだけでなく、その服のセンスを引き締めて、際立たせているのは、靴なのだと、改めて、靴にこだわる主人の気持ちがわかったような気がしました。

 

 











 

2019年12月1日日曜日

パリに長く住む男性が日本でお見合いをして再婚するまで・・




 そういえば、なぜ、パリにいるのかわからないけど、パリにいる日本人というのは、けっこういるもので、彼女もまた、そんな一人でした。

 今、考えてみたら、ビザは、どうしていたのか、わかりませんが、ワーホリという話も聞いたこともないけれど、働いていたこともあるので、学生ビザで、アルバイトのような感じだったのか? 不明です。

 彼女は、30代半ばくらいの、なかなか、綺麗な人で、以前、CAをしていたと言っていましたが、結婚するつもりで退職したのに、結婚話が流れてしまったという話でした。

 それで、気分転換をしたくてフランスに来たのかは、わかりませんが、彼女は、ある日系企業の方からの紹介で、一時、私のいた職場に短期間ですが、アルバイトに来ていたことがありました。

 彼女を紹介してきた、その日系企業に勤める男性は、かなり、パリには、長く住んでいる、現地採用のバツイチの男性で、取り立てて、目立つところもなく、あまり、パッとしない、どこか、セコくて、ずるい感じのする印象でしたが、その会社も、業績不振で、どんどん、人を減らしている中、なぜか、生き残って、そこそこのポストには、ついていました。

 実のところ、彼は、彼女に結構なご執心で、それからというもの、彼女を誘うために、彼は、頻繁に会社に顔を見せるようになったのです。

 彼女の方もアルバイトを紹介してもらったりした手前もあったのか、そうそう彼のことを無下にもできず、誘われれば、食事に行ったりしていたようです。

 彼女がそれ以上に、どんな付き合いをしていたのかは、わかりませんが、そのうち、彼の方はどんどんと彼女にのめり込んで行く様子で、彼女に、手作りのお弁当を届けに来たり、彼女が引っ越すといえば、引越しを手伝ったりと、パリに不慣れな彼女をかなり献身的に支えて、頑張っているようでした。

 彼女の方は、まるで、その気はないようなのに、無下にもできないのか、のらりくらりと交わしていたようですが、引越しの際に、新しいテレビをプレゼントしてくれた・・という話を聞いて、「え〜〜? 付き合ってるの?」と、私は、ちょっと、ビックリしましたが、彼女の方は、「付き合ってるわけじゃないですよ〜! でも、くれるっていうから、もらっちゃった・・」と意外とあっさりとしたものでした。

 果たして、彼女のパリでの生活の方も落ち着き始めると、彼女には、フランス人の彼氏ができました。

 彼の方は、そんな彼女の様子を見て、諦めたのか、日本に一時帰国した際に、日本人の女性とお見合いをして、結婚するということになったようです。

 彼の方は、よほど、結婚(再婚)をしたかったのでしょう。

 彼の再婚が決まって、すぐに、彼の元から、彼女に連絡があり、いつかのテレビを返して欲しいとのことでした。彼女は、苦笑しながら、「別に返すからいいけど・・」と話してくれました。

 アルバイトの世話をしたり、お弁当を作って届けたり、引越しを手伝って、テレビまでプレゼントをして、彼女の気を引こうと頑張ったのに、自分の再婚が決まった途端に、フラれた相手に自分のあげたテレビを返せとは、彼の気持ちも、わからないでもないですが、これまた、ビックリな話です。

 彼が新婚家庭で、そのお見合い相手の奥さんと一緒にテレビを見ているかと思うと、何も知らないであろう奥さんが、なんだか、ちょっと、気の毒な気もします。

 

 











 
 

















 

2019年11月30日土曜日

フランスの休日営業とショッピング




 フランスは、だいたいのお店が日曜、祝日は、お休みです。

 パリに来て当初は、みんな、ウィークデーに働いているのに、日曜日にお店が閉まっていたら、不便だなぁと思っていました。

 だいたい、私は、あまり、買い物が好きではないのですが、それでも、デパートなどは、日曜日に行くもののような気がしていたのです。

 しかし、慣れとは恐ろしいもので、だいたいの日用品の買い物は、土曜日、あるいは、ウィークデーの仕事の合間や、帰りにすれば、日曜日には、まったくの休日を過ごせるので、それは、それで悪くもありません。

 ものぐさで、ショッピングというものが、あまり好きではなく、買わずとも、ウィンドーショッピングをして歩くようなことが私にはないので、まあ、誰か、知り合いがパリに来た時に、付き合って、お店を回ることはあっても、何も買わずに見るだけで・・なんていうことは、私の場合は、まずありません。

 パリでも、シャンゼリゼや、マレ地区、ベルシーヴィラージュなど、観光客が多い地域は、日曜、祝日でもお店はやっていますが、それ以外では、なかなか、日曜日の営業許可を取るのが大変なのだそうです。(レストランなどの飲食店は、別です。)

 特に、通りごとに、日曜・祝日の営業許可がおりやすい通りとそうでないがあるそうで、同じ区内でも、ほんの一本、通りがズレただけでも、難しかったりするのだそうです。

 それに加えて、フランスは、労働組合が強く、それもまた、日曜・休日営業の妨げになっているのです。

 フランスの法律では、日曜出勤の場合は、double payé (ドゥーブルペイエ)といって、日曜出勤の分は、倍額の支払いになるので、独身だったり、子供がいない人などは、むしろ、日曜日に働きたい人もいるだろうし、これだけ、失業者が多いのですから、日曜・祝日だけ働くという人を採用して、休日も営業した方が増益になると思うのですが、労働組合からは、自分たちの職域を侵すとして、それも、ままならないそうなのです。

 なんとも、経済的な効率の悪い国です。

 24時間、年中無休の日本とは、エラい違いです。

 それでも、12月のクリスマス前の多くの人がクリスマスプレゼントを買い集める書き入れ時ともなると、さすがにパリのデパートなども日曜も営業しています。

 フランスでは、一年のうちのかなりの割合の売り上げがこの12月のクリスマス前のシーズンに偏っているのだそうです。

 ところが、昨年は、11月から始まった黄色いベスト運動が加熱して、12月は、ショッピングどころではないことになり、土曜日なのに、デパートが閉店したり、多くのお店がシャッターをおろしてしまったりしていました。

 今年は、12月は、大きな国鉄のストライキが予定されているので、また、パリのショッピング事情は、12月の書き入れ時というのに、ピンチを迎えそうです。

 普段は、あまり、贈り物などをする習慣もない、ケチなフランス人がクリスマスの時だけは、家族みんなにプレゼントを用意して、クリスマスを迎えるので、フランスにとっては、クリスマスは、大きな経済効果をもたらしている行事でもあるのです。

 知り合いに、これぞ、フランス人という、フランス人の良いところも悪いところもキッチリ持っている女性がいるのですが、彼女に去年のクリスマスプレゼントは、どうしたの? と尋ねたら、去年は、全然、買い物に行けなかったから、全て、ネットショッピングで済ませたのよ!と言っていました。

 ネットなら、土日も休まず、テロもデモも関係ありませんから、ますます、フランスでも、路面店やデパートなどから、どんどん顧客は、離れていくでしょう。

 それにしても、こう毎年毎年、経済に大きなダメージが出るようなことが起こっても、持ちこたえているフランスは、スゴい国なのかもしれないです。








2019年11月29日金曜日

フランスの天気予報は当たらないのに洋服選びが上手なフランス人

春夏秋冬を通して、パリは、一日の気温の寒暖の差がとても激しいのです。

 これまでは、真夏でも、日中は、とても暑い日があっても、夜になると、気温が下がり、湿度もないので、夜、帰ってきて、アパートの建物の中に入ると、スッと涼しくなり、そんなに寝苦しいということもなかったので、クーラーもいらないくらいでした。

 ところが、ここ数年は、夏は異常に暑く、今年の夏は、42℃という猛暑を記録しました。しかし、これも、いつまでも、引きずるかと思えば、そうでもなく、翌日には、スッと気温も下がりました。

 日頃も、朝晩と日中の寒暖の差は激しく、今の季節だと、朝晩の、特に朝の寒さが厳しいですが、家の中は、暖房がしっかりと入っているので、夏の場合とは違って、冬は、家の中では、ヌクヌクと過ごすことができます。

 最近は、気温の変化にも気をつけて、必ず、天気予報を見て、洋服には、気をつけてでかける習慣ができたのですが、パリに来た当初は、なかなか慣れず、暖かいと思ったら、寒かったり、寒いと思ったら、暑かったりと、気温の変化に服装を合わせるのが大変でした。

 しかし、この天気予報が、なかなかの割合でハズレるのです。特に、雨が降る、振らないという予報は、当てにならず、1日のうちに予報がコロコロと変わるのです。

 感心するのは、この当たらない天気予報でも、フランス人が、この気温や天候の変化に上手に適応した服をしっかりと着ていることです。

 これだけ、色々なことの段取りが悪く、スムーズにことが運ばない国なのに、気温や天候の変化に適応するのは、見事です。

 子供の頃からの習慣になっているのでしょうが、暑くなりそうな日は、ちゃんと、薄着になれるようなものを着ていたり、逆に寒くなりそうな日は、しっかりと厚手のセーターやコートを着ています。

 私が思うに、フランス人は、日本のようなキッチリとした衣替えらしきものをしないのではないかと思うのです。

 少なくとも、うちの主人は、厚手のコートなどを季節外れには、クリーニングに出したりしておくものの、それが、戻ってきても、タンスの奥の方に押し入れられるだけで、夏も冬も大して変わりません。

 個人差もあるでしょうが、だいたい、持っている洋服の数が、日本人と比べて、圧倒的に少ないように思うのです。

 だいたい、室内は、冬でも、半袖でいられるくらい暖かいのですから、それほど着込む必要もないので、コートやマフラーなどをすれば、コートの中は、大して変わらなくても大丈夫でもあるのです。

 とはいえ、メトロの中の周りの人を見ていると、秋っぽくなってきたと思ったら、急に皮のジャケットを着ている人がグッと多くなってきたり、あれ? なんか、寒いかも・・なんて思うと、そういえば、ちゃんとダウンを着ています。
 
 そして、季節にあった服は、やはり、おしゃれに見えるのです。

 パリジャン、パリジェンヌがおしゃれに見えるのは、ひょっとしたら、この変わりやすいお天気に順応することから、育まれているのかもしれません。


2019年11月28日木曜日

フランスの児童保護機関から子供を守るために日本へ帰った男性の話




 彼は、仕事の関係で、私の勤めていた会社に出入りしていた、日本人の男性で、頭の回転も良く、よく気も回り、親切で、とても感じの良い青年でした。

 彼は、フランス人の奥さんと、三人の子供とともに、パリで暮らしていました。

 彼とは、そんなに頻繁に会う機会があったわけではありませんが、彼は、仕事で、時々、会社に顔を見せてくれていましたが、いつも、明るく、快活で、日本人で、同じように、フランス人と家庭を持っているということで、顔を合わせれば、世間話をしたりしていました。

 そういえば、しばらく、見ないな・・と思いながら、いつの間にか、時間が経っていて、彼が久しぶりに会社に顔を見せてくれた時、ふと、私は、あれ? なんか、感じが変わったな・・と思いました。

 私は、感じたままに、彼に、「なんか、少し、感じが変わられましたね。」と何の気なしに、口にしてしまったのです。

 彼は、ちょっと、ビックリした様子で、「えっ? そうですか?」と、言いながらも、「実は・・」と、彼に起こっていた非常事態を話してくれました。

 結婚する前から、少し、精神的に不安定だったりすることがあったというフランス人の奥様の病状が悪化して、入院してしまったのだそうです。

 それからというもの、彼は、男手ひとつで、まだ小さい子供を育てながら、仕事を続けていたのだそうです。大変ではありましたが、彼は、とても前向きで、そんな生活の中でも、子育てを楽しみながら、休日には、同じような、一人で子育てをしている友達を見つけて、それぞれが子連れで集まって、時間を共に過ごして、情報交換をしたり、お互いに助け合ったりして、暮らしていたのだそうです。

 フランスには、児童虐待や育児放棄などから、子供を守る公的な機関があるのですが、ある時、突然、その機関が彼に目をつけ、彼の家庭に調査が入ってしまったのです。

 調査の結果、彼が子育てに不適格な状況であると判断されれば、子供は、取り上げられてしまうのです。

 このような時は、フランスにおいて、外人であることが、ハンディになってしまうのです。たしかに、難しい環境ではありましたが、しっかりと仕事をしながら、あんなに子供を大切にしている彼が、とやかく言われる筋合いは、ないのです。

 奥様が、精神的な疾患を患っていたということも、問題視されたと言います。

 しかし、彼女は、入院治療をしていて、育児に携わっているわけでもありません。

 それでも、その調査員の追求は、執拗で、彼は、児童保護案件に詳しい弁護士さんを探し出し、相談に乗ってもらっていました。

 たしかに、フランスでは、児童手当を受け取るために、子供をやたらと産んでは、育児は、放棄同然のようなクズも多いので、そういった機関が必要なことも否めません。

 ただでさえ、一人で働きながら、三人の子育てをするだけでも大変なうえに、その調査員たちとの闘いが降りかかってきたのですから、彼の方も余計に追い詰められていきました。

 その児童案件専門に請け負っている弁護士さんと相談しながら、ある日、彼は、弁護士さんから、恐ろしいことを耳にしたのです。

 彼は、プロですから、色々な案件を目にしているのです。

 あまりに執拗な調査員の介入には、理由があったのです。

 それは、子供を一人を保護するにつき、2000€の報酬が調査員に入るということなのです。その報酬目当ての悪徳調査員なるものもいるのです。

 正義の名のもとに、国の機関という絶対的な権力を持つ人と闘うのは、容易なことではありません。

 全ての調査員が悪意を持って、仕事をしているわけではないでしょうが、聞いただけでも、私は、震えあがりました。

 そして、どうしても、子供を取り上げられそうになった場合は、子供を連れて、日本へ帰るのが、一番、間違いないと、言われていたそうです。

 フランスと日本の両方の国籍を持っている子供は、日本へ行ってしまえば、治外法権となるため、フランスの公的機関も手を出せなくなるからです。

 久しぶりに会った彼が、なんとなく、以前と感じが違うな・・と感じたのは、やはり、彼が、そんな、大変な場面を経験してきたからだったのかもしれません。

 果たして、彼は、色々と考えた末、子供を連れて、日本へ帰国することにしたのです。

 出国の際には、出国審査の時に、フランス在住者の年少の子供連れの場合は、停められる場合もあるので、ドキドキしながらの出国だったそうです。

 結果的に、彼は、自分の実家の近くに住まいを移し、両親の助けも借りながら、今は、日本で、後からやってきたフランス人の奥さんとともに、家族5人で生活をしています。





































2019年11月27日水曜日

フランスの学校の先生の仕事は授業を教えることだけ フランスに金八先生はいない




 フランスの学校の先生は、基本的に学校で授業を教える以外のことはしません。

 また、先生の研修なども、フランスの学校には、あれだけの長いバカンスがありながら、(年間でトータルすると3ヶ月以上はあるのではないでしょうか?)授業のある期間に行われるのです。

 つまり、研修は、仕事の一環であって、バカンス中は、先生も仕事をしないということなのでしょう。

 また、給食もキャンティーンには、キャンティーンの見張りをするような、職員がいるので、給食の世話をするということもありません。

 フランスの学校には、日本でいう、クラブ活動のようなものもないので、部活の顧問の先生なんていうものもありませんし、学校の外で起こったことに関して、一切、関知しません。個人の生活に関わることもありません。

 つまり、自分の受け持つ授業を教えるということが、彼らの仕事なのです。

 以前、私の勤め先の近くにあった中学校の生徒が、会社の入っていたビルの前に座り込んだり、暴れたり、いたずらをしたりと、あまりに酷かったので、会社の人が学校に苦情を言いに行ったら、「学校外で起こったことに関しては、学校は、一切、関知しません。」と言われたそうで、学校外のことを先生が生徒に注意したりすることもありません。

 日本でも、先生の当たり外れは、ありますが、フランスの学校の先生のハズレは、ケタ違いです。

 娘が小学生の時でしたが、一度、酷い先生に当たったことがありました。

 フランスの学校には、校内にプールがあることは、ほとんどないので、水泳の授業は、市内のプールを学校毎に交代で、割り振られて使います。なので、水泳の授業は、夏ばかりにあるとは、限らずに、真冬に当たることもあるのです。

 室内の温水プールですから、泳ぐ分には、問題は、ないのですが、その行き帰りの道は、寒い中、みんなで、ぞろぞろと歩いて行くことになるわけです。

 プールの室内と外の温度差が激しくて、風邪を引いてしまうのでは・・と、親なら、誰もが心配するところです。それなのに、「女の子のタイツは禁止」と、先生から、お達しが・・「え〜〜??なんで〜〜??」と思いきや、「着替えに時間がかかるから・・」とのことで、呆れました。

 また、授業中も、無駄に厳しい先生で、授業中にトイレにどうしても行かせてくれずに、漏らしてしまった気の弱い男の子もいました。

 極め付けは、授業中、具合が悪くなったと申し出た生徒に対して、「私は、医者じゃない!」と言い放ったとか・・。これには、さすがに、父兄の間で、連絡が周り、学校にも申し入れが入ったと聞いています。

 しかし、中学、高校と進むにつれて、進学校であったこともあるのかもしれませんが、素晴らしい先生もいて、年に一度、担任の先生が一年間の授業や進学の問題についてのレクチャーを父兄向けにする機会がありましたが、その中には、こんなに高い志を持って、教育に携わっている先生もフランスにもいるのだ・・と感心させられるような先生にもお世話になりました。

 その懇談会から帰ってきて、娘に、「素晴らしい先生じゃない!!」と言うと、娘は、シラっとして、「営業、営業!!だって、いつもは、あんなにいいスーツ着てないし・・」などと、半分、照れながら言うのですが、先生のお話は、そんな、営業で、付け焼き刃で話せるような内容ではなく、教育という仕事に対する情熱と信念を感じさせるようなお話でした。

 兎にも角にも、フランスの先生の仕事は、授業を教えることであって、クラブ活動などの世話をしたり、個人的な事情に関わって面倒を見たりすることはないのです。

 フランスの学校には、金八先生は、いないのです。

 











 

2019年11月26日火曜日

日本を知らない日本人




 日本人とフランス人のハーフの場合、多分、圧倒的にお母さんの方が日本人だというケースの方が多いような気がします。

 私の周りにいたフランス人と結婚している日本人女性は、子供が小さい時、特に、夏休みなどの長いお休みの期間は、子供を連れて里帰りをしていた人が多かったので、日本を知らずに育つ日本人というケースをあまり聞いたことがありませんでした。

 女の子の方が、結婚してからも、その実家と近いというケースが多いと聞きますが、日本とフランスと離れて暮らしている場合、なおさら、男性の方が実家と遠ざかってしまうケースが多いかもしれません。

 娘の学校には、フランス人と日本人とのハーフの女の子がいて、名前も、あゆみちゃんという日本の名前なのですが、まるで、日本語を話せず、日本にもほとんど行ったことがないという日本人の女の子がいました。

 その子の場合は、お母さんがフランス人で、お父さんが、日本人なのですが、お父さんも、ほとんど家でも日本語をほとんど話さない上に、日本の実家とも疎遠になっていて、日本にもほとんど行かないような人だったので、あゆみちゃんは、日本人でもありながら、日本を知らずに育ちました。

 しかし、お母さんが日本人の女性でも、日本には、ほとんど行かずに、子供ともフランス語で暮らしているという人も知っています。

 子供は、日常は、彼女と生活しているのですが、フランス人の夫とは、現在、離婚協議中で、週末は、別居中のフランス人の夫の元で過ごしています。

 彼女は、かなり、バリバリと仕事をしている女性で、夏休みなどの学校が長期のバカンスに入る期間中は、全て、パパの実家の方に子供を預けてしまうのだそうです。

 日本へ行くのは、それなりに時間もお金もかかるし、実家との関係などにも、それぞれの事情があるでしょうから、一概に彼女のやり方を否定は出来ません。

 しかし、この子の場合も、日本を知らずに育つ日本人確定です。

 こんな話を聞くと、私は、残念でなりません。

 普段、私は、そんなに愛国心旺盛なタイプではありませんが、たとえ、半分でも、せっかく日本人として生まれたのに、なぜ、自分の国に少しでも触れさせようとしないのか?

 せっかく、二つの国に触れる機会を持って生まれてきた子供が、フランスで暮らしているからといって、日本という国や、日本の文化を全く知らずに大人になってしまうのは、もったいないではありませんか?

 私は、日本にいる時よりも、海外にいる時の方が自分が日本人であるということを自覚し、意識することが多いのです。

 日本の良いところも悪いところも、海外にいるからこそ、わかることも沢山ありますが、色々な国から来ている外国人の話を聞いても、日本は、やはり、なかなか誇らしい国でもあります。

 ハーフとして生まれた子供たちにとって、たとえ、生活の基盤がフランスにあっても、日本のことを少しでも、知ることは、マイナスなことは、何もないと思うのです。