2025年7月19日土曜日

フランスの公的書類手続きへのグチ

  


 私がフランスでの生活で、最も嫌いなことの恐らくベスト3に入ると思われるのは、公的書類の手続きなのですが、これは、オンライン化がかなり進んで、税金の書類などは、以前に比べると、格段にラクになりました。

 まあ、大嫌いといっても、そうそう頻繁にあるものではないのですが、まあ、フランスに住んでいる人なら、きっと誰もが嫌な思いをしたことがあると思われる滞在許可証(ビザ)の更新手続きなどは、この中でも最たるもののひとつです。

 あれは、日常生活では、ほぼほぼ差別されている感を受けない私でも、あのお役所の滞在許可証更新手続きの、あの場からして、なんとも言えない、いや~な雰囲気で、とにかく、もう扱いが雑だし、どこか見下されている感じを受けるし、おまけに、なかなか手続きが進まないのを案じて、連絡を取りたくても、一度、書類を出してしまえば、その後はひたすら、先方からの連絡を待つしかないのには、本当に悲鳴をあげたくなります。

 前回、私の滞在許可証の更新手続きは、少し前にパンデミックのためにロックダウンしていたこともあり、その間に滞った書類が山積みになっていた模様で、とうとうその時点で有効だったビザの有効期限が切れてしまっても、一向に音沙汰なしで、「これって?私、不法滞在者じゃん!そんなことあり得ない!」と、あちこちに相談して、弁護士を探して、書類を揃えて、もう明日には、その書類を出しに行こうと思っていたところ、まるで何事もなかったように、あなたの滞在許可証できています・・という連絡が来て、もうホッとするやら、今まで何だったの?と頭にくるわ・・でホトホト疲れ果てました。

 これは、私の場合は10年に1回なので、次の更新手続きまでには、まだ少し時間がありますが、また、同じことが繰り返されるくらいだったら、その前に死んでもいい・・と思うくらいです。

 また、これは、もう2度とない手続きですが、夫が亡くなった後の手続き・・これがもう恐ろしく大変で、精神的にも肉体的にも疲弊して、娘との2人だけの生活もまだ軌道に乗っていなかった頃・・お役所に書類を提出に行くと、「じゃあ、次はこれ持ってきて・・」と、もうお役所がやっている時間に出しに行くだけでも仕事と子どもの送り迎えなどの日程の調整が大変なのに、「もう、一度にまとめて言ってよ!」とどれだけ思ったか知れません。

 まあ、そういうものなのだから、淡々とこなしていくしかないのですが、本当にウンザリしました。また、この件にこんな書類までいるの?と思う書類まで要求されます。(たとえば、夫の死亡手続きに夫の両親の出生証明書・・)

 今回、久々に、いつもはやらない公的手続きを続行中なのですが、現在は、ネットで行えるようになっているものの、それがまた、便利な面もあるのですが、直接質問できないという不便さというか、心もとなさもあります。

 これまた、あ~やっとこれ出した!と思って送ると、次は、これを提出してください・・と来るのがここ1ヶ月くらい続いています。

 私は、本当にデジタル世代とはほど遠いので、もうそれがネットでというだけで、ちょっと不安なところもあるし、やっぱり直接、人に会って、質問したりできないことは、大変なストレスです。

 フランスは、比較的、この手の手続きが電子化されているのですが、私なんかより年配の方々は、どうしているんだろうか?とシンプルに思いますが、フランスは、それで回っているのですから、すごいことです。

 もういい加減、終わってくれないと、なんだかスッキリしないのです。早く、わ~これで夏休み!といった気持ちになれる日をひたすら待っている今日この頃なのです。


フランスの公的書類手続き


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2025年7月18日金曜日

国際結婚は難しいのか?

  


 私が目にしているSNS上の論争は、ごくごく一部のものだと思うのですが、「国際結婚は難しい・・」という話題を見かけて、「ん~??それって国際結婚だからなの?」と感じたので、そのことについて、少し、考えてみたいと思います。

 そもそも結婚自体、大変なことで、同じ日本人同士でさえも、育った環境も違えば、生い立ちも、習慣も違う2人が一緒に生活していくということは、容易なことではありません。

 そんな二人が子どもを持って、新たな家庭を築いていくのは、容易いことなわけがありません。

 そのうえ、国も文化も宗教も異なる国際結婚となれば、よりハードルが上がるのは、当然のことかもしれません。

 私の場合、夫とは、死別しているので、一緒に生活を始めてからせいぜい12年くらいのつきあいでしたが、難しかったことも多々ありましたが、それは、国際結婚が理由ではありませんでした。

 しいて言うならば、難しかったのは、夫よりもフランスという国に慣れるのが大変だったということだと思います。

 私にとって、有難かったのは、夫が日本という国で生活していたことがあったために、日本のことをよく知ってくれていたことや、日本という国に対して、非常に好意的な人だったことです。

 私がフランスで慣れない生活に怒ったり、落ち込んだりするたびに、夫は、「日本みたいな国で生まれ育ってきたんだから、フランスでの色々なこと(オフィシャルな書類手続き関係のことや、ストライキなどに振り回されたりすることなど・・当初は、本当にその日常生活に怒ってばかりいた気がします)に憤りを感じるのは、よくわかる・・」と理解してくれていたことで、その度に色々と手を貸してくれたし、特に子どもの教育などに関しては、強力してくれていたというより、積極的に自分が関わっていました。

 また、なにか、問題があれば、逃げずにちゃんと話し合いができたことには、救われていました。また、これは、フランス人だからというよりも、彼自身の性格だと思いますが、前日、怒っても、翌日には、早いときには、次の瞬間には、ケロッとしていることで、こちらの方が気を削がれる気がするほどでした。

 夫とは、ケンカというか、言い合いもしましたが、まあ、彼が他界してから、ずいぶんと経ってしまっているので、もう全てが思い出になり、しかも悪いことは、どんどん忘れていってしまっているので、今も生きていたら、違うことを思っていたかもしれませんが、それほど決定的な問題になったことは、なかったような気がします。

 そもそも、今の私の生活を考えれば、他人と生活すること自体が大変なことで、よく、こんな私が人と生活できていたな・・と思うくらいです。

 それでも、彼は、ちょっとバカなところもありましたが、基本的には、心温かく思いやりのある人であったことは間違いなく、ちゃんと話し合えば、理解し合えると私も信じることができていたので、なにがあっても味方でいてくれる人だと感じていました。

 そもそも、私の場合は、そんなに色々と考えていたら、結婚なんてできなかっただろうし、今から思えば、多少、冷静さを失っていたような気がしますが、唯一、思い当たることがあるとすれば、とても思いやりのある優しい人であったことと、当時は、双方が母国語ではない英語で話していたにもかかわらず、話が尽きることなく、スラスラといくらでも話していられたということだったかもしれません。

 私が思うに結婚は、日本人同士であろうと国際結婚であろうと、結婚は簡単ではないもので、国際結婚の場合は、さらに国の文化や言語などの違いにより、さらに難しいハードルはあるものの、要するにお互いに思いやりを持って接し続けることができるかということが重要で、そこには、国籍の違いは、あまり関係ないような気がするのです。


国際結婚


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2025年7月17日木曜日

LIVRET A(リブレA)の金利 さらに下がって8月1日から 1.7%へ

  


 フランスでの銀行預金の金利に関して語られる時、しばしば、その代表として例に挙げられるのは、「LIVRET A(リブレA)」と言われる預金口座です。

 このLIVRET A(リブレA)は、恐らくフランス人の間で最もポピュラーな預金口座で、貯蓄や利息に対して非課税の預金口座です。ただし、預金の上限は22,950ユーロとなっているので、それ以上の高額の預金はできません。ただし、預金に対する利息は、そのままその口座に上乗せされていくので、22,950ユーロを超えた場合でもその上乗せされた預金の分は、そのままその口座に積み重なっていきます。

 私がフランスで仕事を始めたときに、当時、私のフランスの銀行には、預金がほぼほぼない状態だったので、夫が月々のお給料から、少しでもこのLIVRET A(リブレA)に貯金していきなさいというので、始めたので、なんとなく、夫に言われたとおりに口座を開設していたので、それ以来、ずっとこの口座は、キープし続けています。

 このLIVRET A(リブレA)の金利は、2018年頃に一度は、0.5%まで下がったことがありましたが、ここ15年くらいの間に1.7%から3%くらいの間を上下しています。

 直近の金利では、3%から2.4%に下がり、この8月からさらに1.7%に下がるということで、衝撃的に報じられています。

 この金利に関しては、直近の平均インフレ率と欧州金融政策に依存する平均銀行間金利に基づいて1月中旬と7月中旬の6ヶ月ごとに計算されているそうで、公式の厳密な計算方法に従って設定されていると財務省は説明しています。

 したがって、インフレ率などを考慮しているために、金利が変動しても、購買力を引き続き保護することができると主張していますが、果たしてそうなんでしょうか?

 この他のポピュラーな預金口座には、LDDやLEPといったものがありますが、これらも、このLIVRET A(リブレA)の金利と同様に改定されます。

 LIVRET A(リブレA)やLDD、LEPといった口座に預金されているお金は、6,000億ユーロ以上に及ぶと言われており、これらは、Caisse des dépôts et consignations (預託金・委託基金)と銀行に分配され、銀行は、主に中小企業や小規模企業向けの融資に利用しています。

 金利が下がるということは、預ける人にとっては、残念なことですが、借り入れをしたい人にとっては、朗報。

 私は、借り入れることもない代わりに、そこまでの資産があるわけでもないので、そこまで金利の上下を憂慮するほどでもありません。

 一方、低金利といえば、日本の銀行の定期預金の金利はどうなっているのか?と思いきや、メガバンクで0.275%だそうで、一時の0.00…と0の数を数えるのが大変なような金利よりは、ずいぶんマシには、なったものの、依然として、比較にはならないようです。

 個人的には、どうにかしてほしいと思うのは、日本の円安で、本当にどこまでいくの?という感じ・・1ユーロ170円突破してます。


LIVRET A (リブレA)の金利


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2025年7月16日水曜日

2026年度予算案提案の中で注目される2日間の祝日削除

  


 3兆ユーロを超える財政赤字を抱えるフランス政府は、この赤字をどのように削減するかで、昨年も大揉めに揉めて、大変な騒ぎで、予算が確定しないままに、2025年が始まってしまったくらいでした。

 当然、簡単には、この莫大な赤字は、解消されるわけもなく、来年の予算もまた、この削減をどのように行っていくかは、重要な争点となります。

 パリ祭が終わった翌日、バイルー首相は、2026年の予算案についての提案を行いました。

 バイルー首相は、赤字400億ユーロの節約という壮大な目標を掲げて、国家財政の回復を加速させるとしています。

 1つには、国家の賃金支出の削減で2026年からは、公務員(教員を除く)3,000人の削減が計画されており、退職者の3人に1人は補充しないという規則も加えられています。

 また、膨れ上がっている医療費に関しても、優先事項の一つとされており、ひとまず、自然増加している100億ユーロのうちの少なくとも半分の50億ユーロは、抑えたいとしています。

 そして、今回の予算案の中で一番、注目を集めているのは、生産性の向上と2026年に35億ユーロの追加支出が見込まれる防衛部門の支出を賄うため、2つの国民の祝日を廃止するという提案です。

 今回、首相が例として挙げているのは、イースターマンデー(フランスではランディパック)と5月8日(勝利の日)の2日間ですが、祝日1日あたり、年間約24億ユーロの収入が見込まれるとしています。

 フランスには、現在、祝日は11日あり、実際には、なんだかもっとある気がしていたのですが、日本の祝日は16日あるとのことで、日本よりも少ないのか・・と驚かされますが、長いバカンスのせいで、なんだか、フランスの方がお休みが多いような気がしていました。

 とはいえ、これまで当然のように認められてきた権利が剥奪されることに、フランス人が黙っているはずはなく、これは、早々に怪しい雲行きでもあります。

 実際に、雇用されている人の多くは、月給制が多いわけで、祝日が削除されて、多く働いたところで、給与に変わりはなく、これまでと同じ給与で余計に働くことになります。さっそく、これが年金にどう影響するのか?などという報道も始まったりしているのも、フランスらしいところです。

 フランス人には、絶対に反発を買いそうなこの提案、せめてパリ祭が終わった後、そして、多くの人が夏のバカンスに出始めているタイミングで発表したのは、戦略のひとつだったとも思われますが、同時に、バイルー首相は、「これらは、あくまでも提案であり、私は他の提案も受け入れ、検討する用意がある」とも付け加えています。

 なにかあれば、すぐにデモだのストライキだのということになるフランスですが、バカンス期間中は、一般的にはデモもお休みです。

 9月のバカンス開けになって、この問題が蒸し返されることになるでしょうか?


2日間の国民の祝日撤廃


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2025年7月15日火曜日

いつものパリ祭のパレードが・・

  


 パリ祭のパレードは、フランスで行われる公式行事の中でも、もっとも華やかなもののひとつだと思いますが、私は、実際に現場に見に行ったことは、一度もありません。

 一度、義理の息子が学校単位?でパレードに参加したことがあって、夫は、ここぞとばかりに張り切って見学に行っていましたが、その頃は、私はその日は仕事で、一緒に行くことはできずに残念でした。

 とにかく、パレードに参加している人は7,000人近くいるので、もう現場は大変な人で、パレードの前に待機している人々とパレードが終わって、パリの街中に散らばっていく人々とで大変な混雑です。

 パレードに参加している人々は、皆、軍やそれぞれの団体のコスチュームや制服を着ているので、日常は制服というものがあまりないフランスでこれだけのコスチューム姿の人々が街に散らばっていることは、年に一度きりで、珍しいことです。



 私はなんとなく、毎年、このパレードをテレビで見るのが習慣になっており、窓の外にシャンゼリゼの上を飛んで行った飛行機やヘリコプターなどが家の近くを飛んで帰っていくのをなんだかテレビと窓の外を見比べながら、楽しんでいます。




 昨年もパリ祭のパレードは行われたものの、パリ・オリンピックのために、シャンゼリゼでのパレードではなかったため、なんとなく、「やっぱりシャンゼリゼの方がカッコいいのにな・・」などと思った記憶がありましたが、今年は、再びシャンゼリゼに戻ってきました。




 毎年、少しずつは違っても、似たようなパレードですが、ここ数年は、実際の戦争が近くで起こっていることもあり、この軍事パレードを見るのは、華やかに見えても、これってやっぱり人殺しの道具だよな・・と複雑な気持ちにもなります。

 毎年、海外からのお客様が招かれていますが、今年は、インドネシアの大統領が主賓でした。450人のインドネシア軍兵士もパレードに参加しました。

 パレードのハイライトは、やはり最後に出てくる騎馬隊ですが、今年は、58頭いた騎馬隊の馬の中から、なんだか隊列から外れてしまった馬がいたと思ったら、最後の最後に転んでしまう馬までいて、馬が転ぶことってあるんだ・・とへんなことに驚きました。

 パレードのテレビ中継が終わった後には、テレビでは、世界からパリ祭に向けてのビデオメッセージ・・のトップは、なんと日本から・・。

 日本の大阪万博のフランスパビリオンの紹介でした。

 これまで大阪万博については、あんまり報道されていませんでしたが、今回、フランスのこの華々しい機会に紹介されて、なんだかちょっとだけ嬉しかったです。

 夜の花火は、なんだかいつもより派手だったみたいで、例年は家から遠くに見える感じなのに、なんだか音がすごいのに気が付いて、のぞいてみたら、なんだかやたらと規模が大きい様子でした。すごいな・・。


パリ祭 パレード


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2025年7月14日月曜日

ベルシー地区のウォーターフロントエリアとセーヌ川遊泳スポット

  


 セーヌ川の遊泳スポットのひとつが設けられているベルシー地区に行ってみたら、なかなか良い感じ・・今年のパリ・プラージュの3ヶ所の遊泳スポットの中では、最も上手くできているんじゃないかな?と思いました。

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 メトロ14号線のBercy駅からParc de Bercy(ベルシー公園)を突っ切ったところにセーヌ川に出て、上下が曲線を描いて、美しく交差するシモーヌ・ド・ボーヴォワール歩道橋のすぐ近くに、その遊泳場はあります。

 川岸には、階段でもエレベーターでも降りられるようになっていますが、上から全景を見ると、こんな感じです。

 



 この遊泳場は、他の2つに比べて、しっかりと作られている感じで、遊泳場と他の船が通ったりするエリアとは、けっこう、きっちり分かれています。

 入口にもしっかりとゲートができており、全てが整然と(他の2ヶ所に比べて)作られています。

 


 輪ではないので、浮き輪とは言わないかもしれませんが、泳ぐ人は、この黄色い袋をつけるように言われています。

 ビーチサイドにはパラソルとデッキチェア・・これがなかなかシンプルで可愛くて、売っていたら、買いたいな・・と思いましたが、当然のことながら、売っていません。




 近くに橋があるので、橋の近くには、程よい日陰ができるので、そのあたりは、大変、快適で、デッキチェアに横たわっていると、川辺の心地よい風が気持ちよくて、なんだかとってもゆったり、リラックスできます。

 このベルシーのいわゆるウォーターフロントエリアは、この遊泳場ができる前から、比較的、古いものを上手に残して利用しつつも、近代的に開発が行われている場所でもあり、船を使ったカフェなどが立ち並んでおり、セーヌ川の向こう側には、セーヌ川に浮いている感じのプールもあります。こちらのプールはセーヌ川沿いにあるというだけで、プールの水はふつうのプールの水で、セーヌ川の水ではありません。

 向かい側のビブリオテック(国会図書館)のあたりは、近代的でちょっと奇抜なデザインのビルなども多く、いわゆるみんながよく見かけるカフェやレストラン、また、スーパーマーケットや電気店、スポーツ用品店、映画館など、ひととおりのものが揃っており、映画館の前の広場には、屋台村ならぬカミオンが集まっているフードエリアなどもあります。




 なにより、私が気に入っているのは、このビブリオテックの駅は、比較的広くて、ゆったりしているうえに、いつ行っても、駅がきれいで清潔。パリには珍しいことです。

 いわゆる一般的にイメージされるであろうパリとは、また違う景色かもしれませんが、なかなかセンスの良い、きれいなところです。


ベルシー地区ウォーターフロントエリア


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2025年7月13日日曜日

セーヌ川のグルネル遊泳場でとんでもないものが発見された!

  


 セーヌ川で泳げる場所3ヶ所は、とりあえず、ひととおり見ておこうと思い、先日のグルネル遊泳場を皮切りに、あと2つのポイントも順々に見に行ってみて、それぞれがどんな風に違うのかを比べてみようと思っていました。

 ところが、この3つを比べるよりも前に、この間、最初に行ってみたグルネル遊泳場が、また一時閉鎖になっていたことがわかりました。

 私が行ってみた時には、ふつうにやっていて、満員御礼というわけではなくとも、まあ、そこそこ勇者たちが泳いでいたのですが、どうやら、閉鎖になったのは、その翌日だったようで、その日、午後2時頃、このグルネル遊泳場で(遊泳区域外だったとはいうが・・)、袋に入った何らかの内臓(臓器)が浮いていたことがわかり、現場にいた180人が緊急避難させられる事態に発展したと言います。

 現時点では、その袋の内臓(臓器)については、明らかにされていませんが、現在、分析中ということで、明らかにされていません。しかし、分析(少なくとも、それが何の内臓であったか?)にそこまで時間がかかるとも思えないのですが、近いうちに明らかにされるか、それとも、このままこの件は伏せられてしまうのかは、わかりません。

 こうして、この遊泳場の全景を見れば、周囲の景色になんとなく、ごまかされてしまう感じもありますが、この水を間近で見てみれば、ここで泳ぐのは、なかなかなアドベンチャラスな感じでもあったのですが、そこに袋詰めの内臓が浮かんでいたとしたら、このアドベンチャーレベルは、急上昇・・というか、ちょっと怖すぎます。

 この件が、そこまで大きく報じられていないのは、不思議といえば、不思議・・というか、この遊泳場自体があんまり注目されていないのかもしれませんが、やっぱり、もしかして、セーヌ川で泳いでみたい!と思う人がいたら、こういうリスクもある・・ということを知っておきたいのではないか?とも思います。

 しかし、川は一応、流れているので、どこからその袋入りの内臓が流れてきたのかわからないし、考えてみれば、昔から、とんでもないものがセーヌ川で発見された・・という話は、珍しいことではありません。

 それにしても、内臓とは・・もしかしたら、嫌がらせやいたずらである可能性も無きにしも非ず、とは思うものの、どちらにしても、なかなかギョッとさせられる話です。


セーヌ川のグルネル遊泳場 袋入り内臓

 

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2025年7月12日土曜日

バター不足とバターの価格の高騰

  



 フランスのスーパーマーケットの棚は、日本のように、いつもいつもキッチリと商品で埋まっているとは限らないので、たとえ、ある棚がガランとしていることがあっても、即、その商品が品不足なのかどうかは、わかりにくいかもしれません。

 逆にたまに日本に行くたびに、日本のスーパーマーケットやコンビニなどは、本当に小さなスペースにものすごい種類の商品がキッチリと陳列されていて、一体、いつ、だれが補充しているのだろうか?とびっくりします。

 例えば、なにかを買いに行って、その棚が空だったりすると、「ちゃんと置いておけば、売れたのに・・」などと思うこともありますが、この品出し?に関しては、長いフランスでの生活においても、あまり進歩はありません。

 そんな中、現在、多くのお店でバターが不足していることが多く見られるようになっているらしく、どうやら、本当にバターが不足しているようです。

 また、不足してくれば、自ずと価格も上昇するのは、当然のことで、バターの価格は、今年に入って、2.1%、2年間で21%も上昇しているのだそうです。

 このバター不足の原因のひとつは、全国的な乳牛の伝染病で、今年は、特に牛乳の生産量が激減したためと言われています。

 そして、もう一つの原因は、気温の上昇によるもので、この暑さ、例に漏れずに乳牛にも影響しているようで、暑すぎると乳牛からの牛乳の生産量も減ってしまうそうで、このため、牛乳の生産が減少し、牛乳からバターを構成する脂肪分を含んだものは、さらに乳量を必用とするため、厳しい状況に陥ってしまうのです。

 このため、在庫は最低水準にあるものの、バターの需要は世界的に増加しているとのことで、価格の高騰は、当然の成り行きであるとも言えます。

 フランスは、世界最大のバターの消費国であるそうで、そんなフランスのバターが不足し、バターを輸入しなければならない状況にまで陥っているのだそうです。

 フランスでは、食卓にのぼるバターだけではなく、まあ、バターを使ったお料理の多いこと。また、クロワッサンやケーキ、クッキーなどのお菓子類にも、もれなくバターが使われているといっても過言ではありません。

 このうえ、世界的にもバターの消費量が増加しているということで、特に中国でのバターの消費量が劇的に増加しているのだそうです。

 個人的には、バターというものは、そこまで使わないので、最近は、贅沢にもエシレバターしか使わなくなっていますが、それも、食品廃棄物防止のための安くなっているお店でエシレバターを見つけたときに買っておいて、冷凍して、小分けにして使っている程度です。

 しかし、一般的なフランス人の家庭にとったら、バターの価格上昇は、けっこう痛い現実で、あんまりお料理をしない人でもケーキやパイは自分で作るという人もいるし、日本人が想像できるバターの消費量を遥かに超えていると思います。

 個人差もあると思いますが、パンにバターを塗って食べるというより、のせて食べる・・そんな感じ。フランス料理のソースなどにも漏れなくバターを使うことが多いです。

 スーパーマーケットの棚に関しても、バターのみならず、チーズやヨーグルトなどの乳製品の種類と量の多さに、やはり、どれだけ需要があるのかがわかるような気がします。

 昔、「私の身体はワインで出来ている」などと言っていた女優さんがいましたが、この棚をみれば、フランス人の身体は、乳製品でできているんだろう・・などと思います。

 最近、あらゆるところに影響を及ぼしている気温の上昇ですが、まさか、バターにまで影響していたとは、驚きです。


バター不足 バター価格高騰


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2025年7月11日金曜日

セーヌ川の遊泳場の1つ エッフェル塔の近くのグルネル遊泳場 BAIGNADE GRENELLE

  


 個人的には、いかにしても信じ難いセーヌ川で泳ごう!というパリ市の試みに、やはり現場をこの目で見てみなければ・・と思い、お天気の良い日に出かけてみました。

 場所的には、背後にエッフェル塔を望めるセーヌ川沿いの一画なのですが、近辺には、それらしい看板や道案内などもないため、川沿いは一般の歩道からも少し低いところにあるため、ちょっとわかりにくいといえば、わかりにくいところです。




 まあ、言ってみれば、川沿いのあるスペースにブイを張って、遊泳スペースを作り、それに付随するかたちで、デッキチェアーなどが置かれている川辺に、板張りがされています。




 入場?は無料ですが、遊泳スポットに入る地点では、一応、セキュリティの人がいて、荷物チェックされますが、うるさいことは言われません。

 スペースの中には、簡単なロッカーと、トイレ、シャワーなどがあり、一応、泳ぎ終わった後に、シャワーを浴びることは、できそうです。



 私が行ったのは、平日のお昼頃の時間帯だったので、若干人出は少ない時間帯だったのかもしれませんが、そこまでの人はいませんでした。



 なんといっても川の水をのぞき込んでみれば、やっぱり尻込みするのがふつうだと思いますが、しかし、涼しい顔をして、嬉しそうに泳いでいる人もいるには、います。

 だって、この水ですよ・・💦

  


 これは、ただでさえ、最近、すぐに体調を崩してしまう私には、ちょっとあまりにリスクを感じます。子どもをここで泳がせようともなかなか思えないとも思うのですが・・。だって、正直、間近で川の水を見れば、まるでど〇みたい・・。

 パリには、あと2つのセーヌ川遊泳場があるそうなので、後日、他のも見てみますが、結局、同じセーヌ川・・水の質というか、状態というものは、そんなに変わるものでもありません。

 考えてみれば、海のようにというか、海ほどには、巡回しない川で、同じエリアでは遊覧船や輸送用の船なども通っているのですから、そこまできれいな水であり得るはずもありません。

 やっぱり、今のところは、セーヌ川は泳ぐよりも眺めるもの・・周囲の景色の一部として見るには、美しい川なのですが・・。


セーヌ川遊泳場 グルネル BAIGNADE GRENELLE


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2025年7月10日木曜日

参議院議員選挙 在外投票に行ってきました!

  


 日本では7月20日(日)が投票日となっている参議院議員選挙ですが、在外投票は、7月4日から13日までと、けっこう長い期間が設けられています。

 あらら・・こんなに長い期間だったっけ?と思いつつも、日常に埋もれてしまうとあっという間に忘れてしまいそうなので、先日、早々に在外投票に行ってまいりました。

 思えば、もう私は日本では、長らく投票に行っていないので、日本での選挙・投票というものがどんな感じなのか?忘れてしまっています。

 とはいえ、私も在外選挙登録をしたのは、ほんの数年前で、日本では選挙権があるにもかかわらず、もう日本のことわからなくなっちゃってるし、忙しくて選挙に行けない・・などと、色々と口実をつけて、選挙を放棄してしまってきたので、今さら偉そうなことは言えないのですが、昨今の日本の状況を見ていると、これは、やっぱりヤバいんじゃない?日本人として、なにもしないでいてはいけない!と思うようになりました。

 長いこと日本で生活していないので、日本の現状を生活を通して、実感することはありませんが、とはいえ、海外にいるからこそ、よく見えることもあります。他の国(たとえばフランス)の政治と比べて、ここはおかしいよね・・とか、色々と思うことも出てきました。

 というわけで、ここ数年、在外選挙登録をして以来は、必ず投票に行っています。

 パリでは、在仏日本大使館で投票できます。大使館はいつも行列していることが多いのですが、選挙に関しては、ほぼほぼ行列なしで、入館できます。投票所には、大きな部屋が用意されていて、なんだか、投票に来ている人よりも、待ち構えているお世話係?の人の方が多いような印象ですが、さすがに日本人だけのスペース。皆、礼儀正しいし、親切で丁寧です。

 しかし、こんなにたくさんの人を配置して、さぞかしお金がかかっているんだろうな・・もうちょっと簡易化して、(できればネット投票)もう少し、節約したらいいのに・・とも思います。

 こんなに何段階にもわたってチェックがいる?と思うほどの厳重な管理の下、投票用紙には、鉛筆で記入してくださいと言われて、それを何重にも封筒に入れて、立会人とやらのサインをもらって、終了です。




 パリの日本大使館は、シャンゼリゼの近く、凱旋門から歩ける範囲のところにあるので、とても気持ちの良いお散歩になります。凱旋門から日本大使館に歩いて行く途中に、一体、私は、この大使館に来るのは、何回目だろう?といつも同じことを思います。

 とはいえ、大した力にはならないながらも、なんとなく国民の義務を果たした気になって、ちょっとだけ満足です。

 一票の力は小さいけれど、だからといって、投票しないというのはあり得ない。よくわからないから・・というのは、言い訳になりません。今はネットでだって、いくらでも演説を聞くこともできるし、情報も得られるし、わからなかったら、理解する努力が必用です。

 選挙権は国民の権利であると同時に義務でもあります。

 しかし、それにしても今回の日本での参議院議員選挙の日程。よりにもよって、夏休みに入った最初の週末、しかも、3連休の中日というのは、なんだか悪意を感じないでもありません。もっと国民が投票しやすい日程を選ぶべきです。


参議院議員選挙 在外投票


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2025年7月9日水曜日

マクロン大統領の英国公式訪問 

  


 マクロン大統領は、ブリジット夫人とともに、フランス国家元首として15年ぶりとなる英国公式訪問を3日間の予定でスタートさせました。

 なんだか、イギリスとは頻繁に行き来をしている印象がありますが、公式訪問という意味では、たしかに久しぶりのことなのかもしれません。前回の公式訪問は、サルコジ大統領の時代だったそうです。

 マクロン大統領夫妻は、公式訪問ということで国賓としての歓迎を受け、その歓迎ぶりは、華やかなもので、英国王室の面々が彼らを出迎えました。

 マクロン大統領夫妻は、ロンドン西部のノースホルト軍事基地に大統領専用機で到着。ディオールの服に身を包んだウィリアム皇太子夫妻がお出迎え。


 大統領夫妻はウィンザー城でチャールズ国王夫妻と合流しました。彼らにとっては、国王夫妻のフランス公式訪問から約2年ぶりのことです。そういえば、あの時、フランスでは、大変な暴動が起こっており、当初の予定が変更されたりして、バタバタだった記憶があります。

 マルセイエイズ(フランス国歌)が流された後、国王とマクロン大統領、カミラ王妃とブリジット夫人がそれぞれの馬車に乗り込み、英国とフランスの国旗が飾られたウィンザーのメインストリートをパレード。


 兵士たちが音楽に合わせて行進したこのパレードには、街頭監視を担当する380人とウィンザー城の中庭で栄誉礼隊180人を含む650人と70頭の馬が動員されたと発表されています。

 英国国王夫妻とマクロン大統領夫妻のこの4人。国王76歳、カミラ妃77歳、ブリジット夫人72歳、そして、一人だけ40代(48歳)のマクロン大統領。少々、妙な感じもしました。


 しかし、この4人の対面シーンの中では、この二人の女性が英国王室の慣習を無視して、挨拶としてキスを交わしたことが、指摘されていました。

 以前にも、エリザベス女王の国葬に参加したマクロン大統領夫妻の立ち振る舞いや服装など、王室への認識を指摘されたりもしたこともあったことを彷彿とさせる一場面でした。

 この後、マクロン大統領は、ウェストミンスター議会のロイヤル・ギャラリーに集まった貴族院と庶民院の議員の前で演説を行い、夜には公式晩餐会が催されました。

 翌日には、ダウニング街でスターマー首相と会談。人工知能に関するイベントに参加し、夜には夕食会。最終日には、両首脳に加えて数人の閣僚も参加しての二国間首脳会談が行われる予定で、特に防衛問題や不法移民対策での協力強化が確認されると見られています。

 ウクライナ戦争により、防衛と安全保障の問題が欧州の懸念事項の最前線に浮上し、大陸の主要軍事大国であり、核兵器保有国でもある両同盟国の関係強化がさらに重要になっています。

 フランスでは、1週間後には、パリ祭を控え、マクロン大統領には、またパレードが待っています。

 ウィリアム皇太子夫妻のディオール



マクロン大統領の英国公式訪問


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2025年7月8日火曜日

一難去って、また一難・・災いは次から次へとやってくる・・

  


 6月後半から7月初旬にかけてのパリの猛暑には、本当に疲労困憊させられました。年齢のために、体力が落ちていることもあるのでしょうが、こんなにパリの夏の暑さが厳しく感じたのは、初めてでした。

 しかし、猛暑の日が続いた最後の日(といってもまだまだ夏は始まったばかりなので、これから先も暑い日はあるのでしょうが・・)、夕方から夜にかけて、なぜか突風が吹いたと思ったら、あっという間に気温が下がり、それからは、あの暑さがウソのようにスッといきなり涼しくなってくれました。

 暑いと、もう集中力がなくなり、頭も回らなくなってくるので、何にも手につかず、そういう時に限って、期限付きの仕事があったり、提出しなければならない公的書類があったり、ネットや携帯の契約期限がちょうど切れて、切替のタイミングだったりと、なんだか、私の苦手なことが立て続けに山積み状態で、気持ち的にも、重なるときには重なるものだと、ウンザリしていました。

 ようやく、暑さから解放されて、ホッとした翌日の朝、起きようと思ったら、何の前触れもなく、突然、腰に激痛が走り、立ち上がろうとするだけでも、腰から電気が走るみたいな痛みを感じ、まともに歩けない状態になりました。

 転んだとか、なにかにぶつけたとか、運動後の筋肉痛とか、なにも思い当たることがなく、とにかく、こんな痛みは感じたことはありません。

 幸い、亡き夫の置き土産?で、家に何本かの松葉杖のようなものがあるので、家の中の何か所に置きました。特に立ち上がるときに、負担がかかり、そのたびに耐えきれないような痛みが走るので、この松葉杖があってくれるとこんなに痛みを回避できるものなのか?とあらためて、その便利さを知った気がしました。

 しかし、まあ、なんか寝違えたとか、なんかおかしな姿勢でいたのかも? まあ、そのうち治るだろうと思って、ひたすら家にある痛み止めの塗り薬や飲み薬(鎮痛剤)を飲んで、一日目はなんとか乗り越えました。

 翌日には、起きたら、すっかり治ってる?と思いきや、これがさらに悪化。もう家の中を移動するのも一苦労、もう座っているだけでも痛い状態になりました。

 腰が痛い時に塗る薬と処方してもらっていたボルタレンという塗り薬を塗ると、一瞬、ウソ??と思うほど、痛みが引くのですが、即効性はあっても持続性がなく、すぐにまた逆戻り。

 自慢じゃないけど、昔、ぎっくり腰はやったことがあるのですが、それとは全然、違う痛みです。

 ちょうど週末が挟まったので、お医者さんにも行けず、そのうち、こんな時に限って、また検査だのなんだのと言われるのが面倒で、できればお医者さんには行きたくないと思ってしまうというネガティブモードに突入。

 そんな時に限って、ネットの契約が更新手続き中ゆえ、制限がかかっており、思うように使えずにドキドキ状態。今の私の生活でネットが使えないということは、大変な恐怖です。

 そんなとき、そういえば、日本でもらってきた湿布薬があった!とゴソゴソ棚を探すと1包みが出てきました。

 まあ、正直、そんなに期待していなかったのですが、これがなかなかのもので、ジワジワ沁みるように効く優れものでした。

 もう誰から頂いたかも覚えていないのですが、お医者さんが処方しているもので、ロキソニンテープ・経皮吸収型鎮痛・抗炎症剤・・と書いてありました。

 わお!やっぱり日本の薬って凄いんだわ!と感激。今度、日本に行ったら、絶対に買わなくちゃ!と思います。

 この日本の湿布薬のおかげで、なんとか、私の腰の痛みも完治はしないまでも、快方に向かっている感じです。未だ激しい打撲の後のような痛みがあります。

 今回はあらためて「肉体的な痛み・苦痛」というものが、どれだけ人間としての生活を脅かすものであるのかを知った気がします。

 少々、大げさではありますが、何もなしに平穏な生活というものが、どんなに幸せであるのかを、こんな時には、思ってしまいます。

 このマイナスのスパイラルから抜け出て、ふつうの日々が戻りますように。


災難


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2025年7月7日月曜日

セーヌ川の遊泳スポット オープン! でも翌日には遊泳禁止

  


 かねてより発表されていた2025年パリ・プラージュの一環としての試み、セーヌ川沿いの3つの遊泳スポットが7月5日からスタートしました。

 パリは一週間ほど前は、本当に殺人的な暑さに見舞われていましたが、猛暑日の最終日の夜に、突然、突風が吹き荒れ、その後、それまでの暑さがウソみたいにス~ッと涼しくなりました。

 まあ、まだこれから、暑くなる日はいくらでもあるのでしょうが、とりあえずは、このパリプラージュのセーヌ川の遊泳スポットオープンの時には、すっかり涼しくなっていたのは、皮肉なものです。

 一見する限り、正直、個人的には、いくらなんでも泳ぐ気にはなれないセーヌ川ですが、あの暑さの中だったら、尻込みしている人も背中を押されることがあったかもしれません。

 それでも、オープン初日には、そこそこの人はいた模様ですが、翌日は、パリ地域に降った大雨により、水質が悪化したため、早々にクローズされました。

 昨年のパリ・オリンピックの際のセーヌ川でのトライアスロンについても、さんざん、その水質については、問題視され、予選が延期されたりもしたり、競技後にトライアスロンの選手が体調不良のために入院してしまったりもしていたのです。

 そもそも、泳げるセーヌ川を目指して、このセーヌ川の水質改善のために、2016年以来、イル・ド・フランス地域の地方自治体は、約14億ユーロを投じてきたと言われていますが、セーヌ川は、雨水と廃水が1つのネットワークで混ざるようになっていて、大雨が降ったりした場合は、その溢れた雨水をセーヌ川に排水するようになっているという、そこそこ・・そこが肝心なんでしょ・・と思うところが改善されていないようです。

 一応、この遊泳スポットには、旗が掲げられており、セーヌ川の流れがわかるようになっていると同時に、水質も示されているそうです。

 セーヌ川遊泳スポット・・オープン翌日には、遊泳禁止というのは、幸先悪い気もしますが、前向きな捉え方をするならば、水質が泳ぐのに適さないということを、しっかり検査していて、危険な場合は、遊泳禁止にしてくれるということがわかったことで、これは、まあ、一応、良心的かな?とも思います。

 この夏のうちに、一度は、パリプラージュに行ってみようと思いますが、私は、やっぱり泳ぐのは、遠慮しておこうと思います。

 パリ・プラージュは8月31日までです。


セーヌ川の遊泳スポット


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2025年7月6日日曜日

マルシェ・サントノーレのカフェ・レストランがすごい人気みたい・・

  


 好立地でありながら、ちょっと中途半端?な奥まった場所で、今ひとつ知名度にはかける気がするマルシェ・サントノーレですが、ご多分にもれず、私も久しく足をのばしていませんでした。

 以前、このあたりに良いお魚屋さんがあり、年末には数の子が売っていたりしたときに時々、来ていたこともあったのですが、長らく、ご無沙汰していました。

 先日、チュイルリー公園に行った時に、ピラミッド駅からメトロに乗って帰ろう!と思って、チュイルリー公園からオペラ通りに向かうのに、いくらでも通り道はあるのですが、急に思い立って、「そうだ!久しくマルシェ・サントノーレに行ってなかった!ちょっとのぞいてみよう!」と何気なしに立ち寄ってみたのです。

 マルシェ・サントノーレは中心部分にはガラス張りのちょっと現代的な感じのオフィスなど?の入ったビルが建っており、そのビルの周囲には、たくさんのカフェやレストランなどがビルを囲むカタチで、それぞれのお店がテラス席のスペースを大きくとっている、ちょっとおしゃれな感じの空間になっています。

 今回、私が通りかかったのは、時間的には、ちょうどお昼時で、このカフェやレストランのテラス席が、これでもか!というくらい人で埋まっていたのには、びっくりでした。



 まあ、カフェやレストランがたくさんあるので、ここがダメなら、あっち・・ということもできるために、ランチに来る人が集まっているのかとも思いますが、同時間帯に他のカフェやレストランを覗いて見れば、ここまで混雑しているところはなかなかなく、たとえば、同じ地域にある有名なカフェ・ド・ラぺなどは、空席も目立つほどだったので、やっぱり、今は、マルシェ・サントノーレの方が人気なのかもしれない・・と思いました。




 いわゆるフレンチのカフェが多いですが、中には、イタリアンとか、ケバブ、韓国料理のお店もあります。



 価格は、若干、差はありますが、だいたい、ランチで20ユーロ前後とまあまあ、パリでは平均的?ふつうの価格です。

 中には、ここのテラス席は下手したら、パリのメトロよりも混んでるんじゃないか?と思うほどでした。

 そもそもパリのカフェのテーブルというのは、食事もするというのに、なぜか丸い小さなテーブルで、窮屈そうにみんな食事をしているのは、なぜなんだろうか?と思うのですが、この小さい丸テーブルにだいたい2人・・。

 このカフェの丸い小さなテーブルは、恐らく、どこのカフェでもだいたい同じくらいのサイズ。これがたまに四角かったりすることもあるのですが、まあまあなぜか?たいていは小さい丸いテーブルです。



 このマルシェ・サントノーレ内のカフェ・レストランは、概ねおしゃれな風貌で、来ている人たちもちょっとおしゃれな感じですが、中には、なぜか、年配の人が多めのお店とか、けっこう大きめの音楽を流している若い子向けのところとか、それぞれ微妙に客層がちょっとずつ違う感じもしましたが、全般的には観光客よりもパリジャン・パリジェンヌが多い印象を受けました。

 マルシェ・サントノーレは文字通り、マルシェでもあり、水曜日と土曜日には、マルシェが立つようです。

 この広場に続いている数々の通りには、けっこう良いお店やレストラン・ビストロなどもけっこうあるので、ちょっと楽しいエリアでもあります。

 よく街中のカフェのテラスだと、車がけっこう通る側だったりして、こんな排気ガス吸いながら・・とか思う場所も多いのですが、この一画は車が入ってこないために、ゆったりと食事ができて、落ち着ける感じもします。

 今、パリで人気あるカフェ・レストランのテラスでランチを楽しみたいのなら、ちょっと良いスポットかもしれません。

 

マルシェ・サントノーレ 

Place du marché St.Honoré 75001 Paris 


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2025年7月5日土曜日

今年もやってまいりました!鳩との闘いの日々

  


 毎年、春先から始まって、私は家の狭いベランダで野菜を育てています。

 今年は、春先から春菊、小松菜などの葉野菜、あとは、もう何年もずっと同じ鉢に植えっぱなしになっている山椒、三つ葉、紫蘇がいつのまにか芽を出してぐんぐん育ってきます。

 いずれも、パリでは、簡単に手に入らない野菜なので、大変、助かっており、私の大事な食材の一部になっております。

 その後、ナスやオクラなども植えていますが、なんといっても夏のハイライトは「きゅうり」です。

 今年は、きゅうりの種蒔きをしたあと、なかなか芽が出ず、苦労しましたが、ここにきて、ようやく育ち始めました。と思って、ようやく育ってきたきゅうりを間引いて、植え替えたりし始めた矢先。やってまいりました。鳩が・・。

 毎年のことなので、さすがにもう驚くことはないのですが、ある時、突然、場所を物色に来て、今年は、まず私の大事な三つ葉を踏み荒らしました。気が付くと、側には、どこから運んでくるのか、小枝が積んであって、さらにギョッとさせられます。

 踏み荒らされた三つ葉の地ならしをしなおして、その上にカゴをかぶせて防御。すると、次は、植え替えたばかりのきゅうりの苗を折られ、きゅうりの苗を1本ダメにしました。

 その度に、なにか、シートで覆ってみたり、ペットボトルをたててみたり、朝、ベッドの中からベランダで鳩がクックーと鳴いているような気がして、まだ、もう少し寝ていたいと思うのに、ベランダに確認に行きます。

 今朝などは、一度、朝、行ってみて、いなかったので、安心して、もう一度、ベッドに戻ってグダグダしながら、本を読んでいたら、今度は、紫蘇を踏み荒らされ、また、小枝の山が・・。

 朝、起きた時点でベランダに繋がっている窓は、もう開けたままにしてあり、おまけに紫蘇の鉢は、部屋のすぐ前に置いてあり、側にいた鳩はもう、今にも家に入ってこれそうな勢いで、ギョッとしました。

 今日は、さすがに、まだ、芽が出たばかりのものには、プランターの上に一応、ネットを張りました。

 これを数回、繰り返しているうちに、鳩の方もだいたい諦めてくれるのですが、毎日が鳩との攻防戦です。

 私は、鳥類全般が大嫌いで、特に実害を被る鳩はもっとも嫌いです。

 もっと広くて、心地よさそうな場所がいっぱいあると思うのですが、どうして、我が家のような狭いベランダなんかに来るのか、本当に不思議です。

 数日前の猛暑の時は、さすがにベランダなどに出ていられる状態ではなかったので、鳩が来ても、もう出れない・・と思っていたのですが、あの40℃近い猛暑の中は、さすがに、鳩も小枝を運ぶために何往復もするのはキツかったのかもしれません。

 今年も一日も早く、鳩が諦めてくれるのを待ちながら、毎日、鳩と闘っているのです。


ベランダの鳩


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2025年7月4日金曜日

夏のバカンス突入時の航空管制官のストライキ

  


 毎度のことではありますが、夏のバカンス突入のタイミングでまた空港、正確には航空管制官がストライキに入りました。

 今週末にフランス全土で夏のバカンス期間に入り、多くの人々がバカンスに出かけます。

 私も以前は、まさに娘の学校がバカンスに入ると同時に日本に行くことにしていました。

 娘を日本の小学校に体験入学させるためです。フランスの学校が夏休みに入ってすぐに日本に行けば、日本の小学校はまだギリギリ夏休み前でほんの数週間でしたが、良い経験をさせてあげることができたと思っています。

 しかし、当然、夏休みのフライトは一年中で最もチケットが高い時期でもあります。この時期がバカンスのスタートとなっているのは、多くの人は子どものバカンスのスケジュールに合わせているためで、否応なしにこの高いチケットを買っているわけです。

 高いチケットを売りつけておいて、実際にはキャンセルなど、もちろん、ストライキのためのチケットは、払い戻しや代替便に振り替えられるとは思いますが、それにしても、酷い話です。

 さて、今年も夏のバカンスの始まりとともに、ストライキの季節がやってまいりました。

 それは、7月に入って最初の週末目掛けて決行され、木曜日、金曜日と続きます。

 今回は航空管制官のストライキだそうで、航空関係のストライキといっても、その時々により、空港だったり、航空会社だったり、荷物管理会社だったり、その時々により、様々なのですが、航空便の多くがキャンセルされたり、遅延したりするのは、かわらないために、なんだかんだで、しょっちゅう、ストライキばかりやっている気がしてしまいます。

 昨年は、パリ・オリンピックを控えていたために、警察官をはじめ、多くの公共サービスに関わる人々がオリンピックを盾に早めに要求を突き付けており、ある程度は、それが受け入れられていた気がします。

 今回の航空管制官のストライキは、想像以上に大きなもので、パリ(CDG空港、オルリー空港)では発着便の25%が、ニースではなんと50%がキャンセルになっており、金曜日はさらに深刻で、パリ発着便の40%が、ニースでは50%がキャンセルになる模様です。

 航空管制官は、労働条件改善と職員数の増員を求めているということですが、バカンスの初めに大変、迷惑なことです。

 実際のところ、フランスはヨーロッパで最も多くの航空機が飛行する国であるため、フランスの航空管制官のストライキは、西ヨーロッパ全体の航空網に影響を及ぼすことになります。

 このような航空管制官のストライキの場合、少ない人員で可能な運行にスケジュールを調整するために、できる限り、長距離便には、影響が及ばないようにするとのこと。おそらく、日本への便などは、さしずめ長距離便に分類されているために、比較的、影響は少ないと思われるものの、パリから、さらに地方へ行く経由便などを利用する場合は、リスクがおおきいかもしれません。

 特に、今回、苦情が多く出ているのは、欠航便の数を明らかにせず、空港に行って初めて、欠航を知った・・というケースが多く、エアーフランスなどは、この事実を認めています。

 欧州の主要航空会社協会エアラインズ・フォー・ヨーロッパは、今回のストライキにより欧州全域で1,500便が欠航となり、約30万人の乗客に影響が出ると推計しています。

 フランス離発着の便、フランスからの経由便(フランス国内及び欧州内)を予約する場合、7月第一週目の週末は、避けるのが賢明かもしれません。


航空管制官ストライキ


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2025年7月3日木曜日

フランスで一番、売れている車は何か?

  


 フランスで一番、売れている車はどの車なんだろう? 日常を過ごしていて、車を見ない日はありませんが、その車にあまり注意を払うことはなく、むしろ、珍しい車の方に目が向いてしまいます。

 でも、日本人の私からすれば、やはりTOYOTAの車なんかは、見かけると「おっ!よしよし、日本の車も頑張っているな・・」などと、なぜかちょっと上から目線?のように思うのですが、あまりに地味で目立たなくてあたりまえのようにあるのは、やはり、ルノーやシトロエンといったフランスの車のような気もします。

 今回のデータは売れている車といっても新車の話なので、一般的なフランス人は、車を探すときには、まず中古車から探すくらいなので、これが即、現在、フランスで一番、多く走っている車というわけでもないと思います。

 フランスの自動車市場は、今年上半期に8%減少したと言われていますが、2025年1月から6月までで、最も売れている新車は「ルノー・クリオ」なのだそうです。

 この車は、フランス国内での圧倒的な人気を誇っており、フランスでの新車の販売台数の約2分の1を占めている状態が長く続いているようです。この車の人気の理由は、多用途目的とされていること、また、ガソリン、ディーゼル、LPG、さらには、ハイブリッドバージョンも利用できるという利点によるもので、世間がいくら「電気自動車へ!」などと潮流を起こそうとしていても、やはり、それ以外の需要が依然としてかなり多いことがわかります。

 このルノー・クリオという車、言っちゃ悪いが、特にカッコいいわけでもなく、スタイリッシュなわけでもなく、なんだかふつう・・でも、そんな車が圧倒的な人気ということは、フランス人が実は合理的で、なかなか堅実でもあることが見えるような気がします。

 1位のルノークリオがシェアの半分以上を占めているということは、自ずと2位との差は、かなりあるようですが、それでも、とりあえず2位につけているのは「プジョー208」ということで、このプジョー208の完全電気バージョンは、かなり人気のようです。

 そして3位は、「ダチア サンテロ」とのことで、恥ずかしながら、私は、この名前を今回、初めて知りました。ダチアというのは、ルーマニアの車だそうで、ルノーグループの自動車会社だそうで、つくづく、ルノーグループ強し!といった感じがします。

 4位は「シトロエン C3」これもプジョー208と同様、完全電気バージョン人気のあらわれだと言われています。

 トップ10全体は、ほぼほぼフランスのブランドが占めていますが、例外的な存在として、3位のダチアと10位にようやく滑り込んだ「トヨタ ヤリスクロス」です。

 TOYOTAのヤリスといえば、昨年だったか?フランスで最も盗難に遭っている車として注目されましたが、もうひとつ、注目されたのは、この車がフランス国内のヴァランシエンヌ工場で生産されているものであり、また、この工場が軒並み業績が下降しているこの業界において、例外的に成功していて、昨年、フランスで最も生産台数の多かった車両として注目されていました。

 しかし、この自動車業界全体のは全体的に停滞、不振、5月の販売台数をあげれば、前年同月比で12%以上減少。中古車市場は比較的安定しているものの、新車に関しては、ガソリン車と電気自動車、ハイブリッド車とのこの人気が分散している状態が、この不振に拍車をかけている感じもあります。

 フランスは環境問題対策のためにやたらと電気自動車推し(電気自動車購入の際の様々なベネフィット提示)の政策を進めているわりには、意外と伸びない電気自動車人気もなかなか微妙なところです。

 もっとも、私はパリでは車を運転することもなく、もっぱら、公共交通機関を利用。パリだけを見る限りは、車はできるだけ排除の方向に着実に進んでいます。

 我が家のアパートの駐車場も私たちが引っ越してきた頃に比べたら、車の台数が半分以下になっているような気がします。

 環境問題のためには、車をできるだけ減らそうとしつつ、こうして、実際に販売台数が減少していることを嘆いているのは、なんだかなぁ・・と思うのです。


フランスで一番売れている車


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2025年7月2日水曜日

あまりの暑さにコマーシャルセンターに避難しました!

  


 しつこいようですが、暑くて死にそうです。

 これまでの数々の暑さ対策が今年は、あまり役に立たないほどの暑さに心底、参っています。

 昨日のパリの気温は最高気温が39℃。もうこの猛暑日が数日続いているために、朝、部屋の空気を入れ替えて、家の中をスーッとさせるところ、空気は一応、入れ替えても、全然、涼しくなりません。

 もうここ数日、今、何時?ではなく、今、何度?になり、一日に何度、気温のチェックをするかわからないほどです。

 この暑さの中、出歩くことは、私にとっては、もはや命の危険を感じるほどで、思い起こしてみれば、アフリカにいた頃は、朝、起きて、曇っていると心の底からホッとしたことを思い出しています。まさに今、そんな気分・・曇りませんが・・雨ごいでもしたくなる気持ちです。

 夜も寝苦しく、昨日の朝は、暑くて早朝から目が覚めてしまったため、寝不足。それでも午前中はなんとかマシなので、無理してまた寝ることはしないで、お昼前に買物を済ませようと思って出かけたところ、もうすでにガッツリ暑くてもう、汗ダクになり、もうフラフラです。例年、恒例になっているお茶の入ったペットボトルを凍らせたものを握りしめてでかけたにもかかわらずです。

 正午ごろには35℃、それからほぼほぼ1℃ずつ、着実に上がっていくのは本当に恐怖。

 お昼は軽くおそばでも・・と、本当は火を使いたくはなかったけど、おそばだけ茹でて、ベランダの紫蘇を刻んで食べました。こうなってくると、ベランダの大事な野菜たちも心配です。

 もう午後3時過ぎからは、本当にピークとなるため、もう家にいるのは、諦めようと近くのコマーシャルセンターに避難。ここなら冷房は効いているし、電源もあるし、パソコン、携帯、タブレット、電子図書等、全てのコードを持参で飲み物を持ってでかけました。

 さすがに同じことを考える人もけっこういるようで、電源のあるソファなどは、けっこうな人が・・。

 いよいよこれはエアコンがないと生きていけない・・と思ったので、本当は、電気屋さんにエアコンを見に行こうと思っていたのですが、この暑さの中では、とてもそんな元気はありませんでした。

 もう少し涼しくなったら、見に行きます。

 自慢じゃないけど、私は本当に電化製品に弱くて、実物を見て、説明を聞かないと、どれを買ったらいいのか?わからないのです。

 ネットなどで見ると、いわゆる壁にはめ込み式になっていて、外に室外機があるタイプの日本のエアコンと違って、フランスでは、けっこう大型の箱型のようなエアコンが多くて、大きなチューブのようなものがついていて、これを窓の外に繋げるというものもあって、よくわかりません。

 少し、涼しくなったら、エアコンを買いに行くというのもおかしな話なのですが、今後、いくらでも、まだまだ暑い日はありそうなので、ムダにはならなそうです。

 このフランスの猛暑の辛いところは、夜、遅くまで気温が下がらないことで、午後9時の段階で、ようやく37℃に下がり、午前零時でも29℃です。

 アフリカの暑さに直面した時には、アフリカの人々は午後2時を過ぎると、もうボンソワールと挨拶、もう仕事はしない・・というか、あまりに暑くてできない・・。なんと生産性の悪いこと・・と思いましたが、今のフランスはまさにそれ・・。こんなに暑くちゃ、もう仕事にもならないし、学校も休校です。当初は200校が休校と言っていたのに、休校になった数は結局、2,000校だったそうです。

 この猛暑を乗り切るため、カフェのテラス席なども大変で、テラス席のテントには、ミストが定期的に作動するようになっていたりもします。

 この日は救急車の出動も相次ぎ、大混乱だったとか・・。

 個人的には午前中のうちに買物に行ったとき、「こんなに暑いときはスイカでしょ!」、「スイカを買って、朝のうちから冷やしておこう!」と意気込んでいたのに、なんと!この暑いのにスイカを売っていないという間抜けな現実。

 こんな時こそ、スイカをおいたら、売れるだろうに!今でしょ!とか思いながら、仕方ないので、メロンとペッシュプラ(平たい桃)を買ってきたのでした。


パリ猛暑 酷暑


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2025年7月1日火曜日

続々と増えてきたパリの観光客

  


 連日の酷い暑さの中、バカンスシーズン突入で、パリには観光客が続々と押し寄せてきている感じがしています。

 昨年は、パリ・オリンピックで多くの観光客を期待していたパリも、まさかの観光客は皆パリを避けて通るという結果になり、本当に昨年の今ごろのパリは、どこもかしこもガラガラでした。

 パリオリンピックともなれば、さぞかし、観光客が押し寄せるだろうと目論んだパリのホテル業界は、宿泊料を爆上げし、結果、皆、ドン引き。そもそも安くないパリのホテルの宿泊料金が倍以上に跳ね上がってしまったのですから、それは、当然のことです。

 そのうえ、規格外のセーヌ川での開会式のために街中は通行止めやら、閉鎖される店舗や施設が多数あり、高いお金を出しても、結局、自由に動いて、観光できないとなれば、みんななにも、そんな時にパリに行かなくてもよい・・と思うのはあたりまえです。

 そのかわりと言っては何ですが、パリのメトロなどは、これまた、こんなパリ見たことない!くらいにきれいに清潔に保たれ、うわっ!オリンピックパワーすごい!でも、やればできるじゃん!と思いました。

 しかし、一年経って、通常モードに戻り、駅なども(全ての駅とはいいませんが・・)しっかり臭い駅も戻ってきました。

 また、オリンピックまでにと工事を急いでいたメトロ14号線などは、空港まで路線が繋がった(オルリー空港)こともあり、大荷物を抱えた観光客がグッと増え、2~3分に1本の間隔でやってくるにもかかわらず、来る電車、来る電車、なかなかの混雑ぶりになっています。

 でも、ふと見渡すと観光客の割合が多く、彼らは大荷物を持っているので、余計に混雑しているような気がするのかもしれません。中には、若いのに大きな荷物をドンと座席の上において、携帯を眺めているような、なかなか迷惑な人もいます。

 ついこの間は、どこの駅だったか忘れましたが、本当に数年ぶりに日本の団体ツアー客の一団を見かけました。けっこう年配の方々が多い印象でした。以前は日本の団体ツアーといえば、大型バスを貸切って、忙しく回っていましたが、最近は、添乗員さんがツアー名の看板を掲げて、メトロを乗り継いで案内しているようで、ずいぶん変わったな~と思いました。

 とはいえ、なんだか日本人の観光客を見かけるのは、ちょっとホッコリして嬉しいものです。

 また、ヨーロッパやフランス国内の子どもたちの団体もけっこう見かけます。サマースクールのようなものなのか?わかりませんが、子どもたちもけっこう各々に大きい荷物を前と後ろに抱えて大変そうです。

 しかし、パリにとったら、観光客が増えることはありがたいことに違いなく、また、昨年の分も取り返さなければいけないと、観光業界はここぞとばかりに躍起になっています。

 パリオリンピックの時は消えていたホームレスや露天商もすっかり戻っていて、臭い駅もしっかり戻ってきています。また、この暑さゆえもありますが、なかなか体臭のキツい方々も戻っています。

 しかし、いろんなことをひっくるめて、これがパリ、素のままのパリをどうぞお楽しみくださいませ。

 昨年、オリンピックの聖火台として作られていたチュイルリー公園の気球は期間限定(ロサンゼルスオリンピックまでの毎夏)で再設置されています。

 また、エッフェル塔に備え付けられていた五輪は、そのまま残すという声もあったようですが、結局は、取り外されていました。それは当然だとおもいますが・・。


パリの観光客


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2025年6月30日月曜日

フランスの酷暑 恐怖の天気予報

  


 最近、朝、起きるとまず携帯を開いて、その日の気温を確認するのが日課になっています。もう気温によっては、できるだけダメージの少ないようにスケジュールを調整するようにしているためです。

 ここのところのパリは、30℃を超えるのはあたりまえで、今週前半の予報では、パリは36℃、39℃、38℃となっています。もう自分の体温、もしくはそれ以上になってくると、恐怖です。

 フランス気象庁は、6月30日月曜日の予報で、オレンジ色の熱波警報を84県に拡大しています。フランスの学校は、夏休みのバカンスまであと1週間、一部では、夏休みを一週間前倒しに・・という案も出ていたようですが、結局は、予定どおりとなったようです。

 ただし、これは、地域ごとにある程度、委ねられており、地方自治体は、協議の上、学校の教育施設の運営に関する具体的な調整が行われる可能性があるとしています。

 実際、パリ近郊のMelun(ムラン)では、市役所の権限において、7月1日と2日の学校閉鎖を決定、これに続き、続々と学校閉鎖の発表が相次ぎ、とうとう200校の学校が休校となることが発表されました。

 子どもにとったら、夏休みが早くやってきたことで大喜びといったところなのかもしれませんが、親にとったら、大変なことです。

 子どもの安全を考えれば、致し方ないことだとは思いますが、夏のバカンスまで1週間と迫ったこのタイミングで突如学校が休校・・となれば、その間の子どもを誰に預けるか?学校が急に閉鎖になったからといって、必ずしも、子どものために家にいることができる親はそんなに多くはないはずです。

 そうでなくても、やたらと学校のお休みが多いフランスの学校で、学校があるうちは、絶対に学校に行ってもらう・・というのが私の正直なところでした。長い学校のお休みの期間だけでも、スケジュールの都合をつけるのは至難の業で仕事をしている親にとったら、学校は託児所のようなものでもあるのです。

 しかし、夏の間のフランスの気温の上がり方というものは、日本で生まれ育った私にとっては、少々、不思議というか? いつまでたっても、慣れないもので、日本だったら、14時、15時くらいが一番気温の高い時間だと思うのですが、フランスの場合、17時頃が最も気温が高いのです。

 そして、今だったら、余裕で午後10時くらいまでは明るいので、本当に日が陰るのは、ほぼほぼ、もう真夜中近くになります。

 ここ数年、夏の間、パリで40℃近い気温になることは珍しくなくなりましたが、今年は6月からこれが始まっており、この猛暑の期間が年々、長くなっている気がします。

 もうこうなってくると、家にいるのが一番、安全なのか?それとも、もうさすがに、こんなに暑い期間が長いとなると、とうとうエアコン買わなきゃいけないかな?とエアコンを見に行こうかとも思っています。


パリの酷暑


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2025年6月29日日曜日

フランス人の10人に6人はパンを捨てている

  


 フランス人にとって、やはりなくてはならない食品はパンだと思うし、それだけ、こだわりのある食品であると同時に、もうあまりに身近すぎて、空気のように、そこにあるのが当然というものかもしれません。

 今や、かなり浸透している食品廃棄物防止対策用のお得なアプリ「Too Good To Go」(通称トゥグトゥゴ)(その日に売れ残りの商品を格安で買える)が行った調査によれば、「フランス人の10人に6人はパンを捨てている」といい、パンはあまりにも無駄になっている商品の一つだといっています。

 ユネスコの無形文化遺産に登録されたフランス料理の象徴であるパン(ここで言っているのは恐らく主にはバゲットについてだと思いますが・・)はフランス人の96%が少なくとも週に1回は消費しているが(私が思っていたよりも少なかった)、回答者の41%は月にバゲットの半分以上を捨てていると答え、パンを捨てる理由はパンが乾燥したり、古くなったりするためと説明しています。

 たしかに、バゲットというものは、すぐに固くなってしまうので、そのまま放置しておくと、もう翌日には、アウトで、かといって、ビニール袋などに入れておくと、固くはならないものの、今度はグニョッとした感じになってしまうので、たしかに始末が悪いといえば、悪いのです。

 バゲットはやはりその日のうちに食べるのが一番美味しいし、もってせいぜい翌日の朝までがいいところです。

 私などは、一人暮らしなので、もともと買うときに、ドゥミ・バゲット・・と頼んで、半分だけ買うか?もしくは、買ってきて、その時に食べない分はさっさと冷凍してしいまいます。

 ただし、バゲットは、けっこう場所を取るので、冷凍庫の中には、あんまり歓迎されるものでもありません。

 それでも、私は、バゲットというものは、フランスの中でも最も美味しいもののひとつだと思っているので、美味しいパン屋さんの近くへ行けば、たいてい買ってしまいます。

 その時にちょうど焼き立てだったりすれば、なんだか今日は当たり!みたいな気分になります。

 しかし、私は、一度もバゲットを捨てたことはありません。うっかり固くなってしまえば、ちょっと霧吹きで水をかけ、ちょっとオーブンであぶれば、復活するし、どうしようもない時には、フレンチトーストにします。

 たしかに、夫が存命中は、彼はやたらとバゲットを買ってきていた(3人家族なのに、一度に2本買い、1本目は家につく頃には、ほぼない状態で車の中はいつもパンくずが散らばっていました)ので、そういえば、パン袋(布製のバゲットを入れておく袋がある)の底に固くなったパンがしばしば発見された記憶があります。

 つまり、彼はバゲットが大好きなのに、結局は無駄にして捨ててしまうこともあるというスタンダードなフランス人だったのです。

 また、バゲットといえば、忘れられないのがパンが大好きな彼の友人で、とにかくパンが大好きで、ピザを食べても一緒にパンを食べたいという人がいました。

 ある時、彼は「日本食のレストランはあんまり好きじゃないんだ・・」というので、「なんで?」と聞いたら、「だって、パンが一緒に出てこないから・・」というので、妙に納得してしまったことを思い出します。

 このうえ、店舗に出ているパンのことを考えたら、本当に廃棄されているであろうパンの量といったら、莫大な量なのではないかと思われます。

 絶対的に生産されている量が多いわけですから、廃棄されている量も自ずと多くなるわけです。

 この調査によると、回答者の80%が割引価格で1日前のパンを買う意思があると答えているそうで、そうして、安くしてでも売っていけば、買う人はいるんだろうに・・なぜ?売らないんだろう?と思います。

 こうして考えてみると、好きだからこそ、やたら買う・・でも無駄にしてしまう・・そんなものは、パンだけじゃなくて、けっこうあるかもしれないな・・とも思うのです。


フランス人はパンを無駄にしている


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2025年6月28日土曜日

メトロの車内パフォーマンス 歌だけではなくて踊り出した・・

 


 一瞬、涼しくなったかと思いきや、パリにはまた、鬼のような暑さが戻ってきています。まだ6月なのに・・と思うと、今年の夏はどうなることやら・・?と憂鬱になります。

 本来ならば、ヨーロッパの6月は暑くもなく、寒くもなく、一年で一番、気候の良い時期なはずで、そのためジューンブライドなるものがあったりするはずなのに・・これでは、この時期の結婚式も大変なことになりそうな気がしています。

 というのも、ここのところ、色々な路線のメトロに乗っていますが、冷房車にあたる確率が私の感覚では、半々くらい??な感じで、バスに至っては、冷房車にあたる確率はさらに低い感じです。

 いよいよ、夏のバカンスシーズンが始まった感じで、メトロの中も(路線にもよりますが・・)けっこうな観光客の割合が多くなってきて、まずまずの混みようです。

  そんな中、先日、メトロ1号線に乗っていたら、車内にミュージシャン?なんらかのパフォーマーのような人が乗ってきました。

 メトロの駅や車内でも、なんだかアコーディオンだったり、ギターだったり、なんらかの楽器を持って乗り込んできて、おもむろに音楽を演奏したり、歌を歌ったりし始めることは、珍しいことではありません。この日は、もう一つは、どこの路線だったか忘れましたが、メトロの中でパフォーマーに遭遇するのは2度目でした。

 この2度目のパフォーマーはボックスから音楽を流して、マイクを片手に歌を歌い始めました。マイケルジャクソンでした・・。ところが、この人、歌だけではなく、なんと狭い車内でダンスも始めたのです。

 メトロの中で歌を歌う人は珍しくなくても、ダンスまで始める人に遭遇したのは、初めてのことでした。メトロの駅ではなく、メトロの車内でです。

 最初は、私も、「いくらなんでも、メトロの中でダンスとは・・みんなちょっと退いてるじゃん・・」と思って見ていたのですが、そのうち、私の近くに立っていたおばさんが、なんだか、じわじわと彼に近寄り始めたのです。

 正直、そんなに上手な歌でもなかった感じなのですが、明らかに皆、最初はしらっとした感じだったのに、だんだん、のり始めていくのがわかりました。珍しい場面に遭遇したな・・と思いつつ、そのパフォーマーの人というより周囲の反応も面白くて、興味深く眺めていました。

 そのうち、すりすり彼に近づいて行ったおばさんがもう自分の身体をリズムに合わせ始め、ダンスをはじめ、また、反対側にいた若い女の子2人も腕を揚げて、踊り始めました。

 その間、約15分くらいだったでしょうか? けっこう盛り上がりを見せ始めたところで、彼は帽子を持って車内でチップを集め、チップを払ってくれた人とはグーパンチをして、あっという間に降りて行きました。

 本来ならば、メトロの駅構内や、車内で演奏したりするミュージシャンは、RATPのテストをパスした許可証が必用なようですが、この人がそのパスを持っていたかはわかりません。必ずしも、メトロにいるパフォーマーがこのパスを持っているとは限らないのが現実でもあります。

 とはいえ、ほんの15分ほどでしたが、珍しい光景に遭遇して、一瞬、暑さを忘れました。


パリ  メトロ ミュージシャン


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2025年6月27日金曜日

フランスのレストランチケット Ticket Restaurant とフランス人のランチ事情

  


 フランスで会社勤め、あるいは、仕事をしている人の多くが愛用?しているもののひとつに、レストランチケット(Ticket Restaurant)があります。このレストランチケットのシステムは、1960年代後半からフランスにある大変、便利なものです。

 これは、フランス全土に共通する従業員への食事補助のチケットで、通常、会社側が半額を負担し、個人が半額を負担するという就業時に食事の時間帯が入った場合における食事への援助のシステムで、多くのレストラン、スーパーマーケットなどの小売店舗などで利用することができます。

 これは、フランスで定められている従業員の厚生システムの一つのようなもので、必ずしも義務付けられているものではありませんが(社員食堂があったり、賄いがあったりして、別のカタチで食事(多くの場合は昼食代)を補助できる場合は、このシステムを採用する必要はありません)、まあ、一般的には、このレストランチケットを社員に支給している会社(企業)が多く、現在では500万人以上が24万4000の店舗で、このレストランチケットを利用していると言われています。

 事実上、これは、本人負担は半額程度なので、半額で食事ができたり、買い物(食料品)ができたりするわけで、とても有難いものです。

 特に、パンデミックを前後して、一時はレストランなどの飲食店がクローズしてしまったこともあり、このレストランチケットを利用してスーパーマーケットなどで食料品のお買物に利用する枠が拡大し、インフレなどもあいまって、現在では、半分以上は、実際の食事よりも、このお買物に利用されているのが現実となっているようです。

 私が以前、仕事をしていた会社でもこのレストランチケットがあったのですが、実際の昼食時は、とても外に食事に行く時間など取れず、逆に仕事をしている日にこのレストランチケットを使って食事をすることなど不可能で、もっぱら、お買物に使うことがほとんどでした。

 当時は、日本食材店で、もっぱら、日本のお醤油などの調味料や日本の食材などに使うことが多く、その店舗(現在はお弁当屋さんになっている)は、けっこう大雑把で、食料品に限らず、何から何まで、そこで売っているものは、レストランチケットで買い物できたので、若干高め?ではあったものの、自分で支払っているのは、チケットの額面の半額であることを考えれば、結果的には全然、安かったので大変、便利に使わせていただいていました。

 このレストランチケットで食料品のお買物ができる枠が広がったことは、当時、多くのレストランから大反発を受け、これは、期間限定、本来ならば2026年には終了する予定になっていましたが、この期限が再度、撤廃、しかも日曜日にまで利用できるようになるそうです。

 実際に、現在、フランス人の10人に6人は職場に食事を持ってきているというのが現状で、皆、時間短縮、緊縮財政・・で、昼食時の混雑時にレストランに食事に出かける人が減っているようです。

 それこそ、テイクアウトは、より一層増え、昼食時の街を見ていると、ランチが入っているであろう紙袋を抱えている人がびっくりするほど増えました。

 昔は、フランス人はランチからワイン片手に優雅に食事に時間をかける・・などと言われてきましたが、今はランチにはお弁当持参、もしくはテイクアウトが主流になりつつあるみたいです。


レストランチケット チケットレストラン ランチ


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2025年6月26日木曜日

リドル アウトレット(Lidl Outlet)がフランスに進出

  


 ドイツのディスカウントスーパーマーケットチェーンであるLidl(リドル)が新たに新しいコンセプトの食料品以外の商品を激安価格で販売する「Lidl Outlet」(リドルアウトレット)をイル・ド・フランス地域圏に2店舗オープンしました。

 フランスに数あるスーパーマーケットの中でもLidl(リドル)は、そもそも低価格帯のスーパーマーケットですが、それをアウトレットと銘打ち、さらに従来のスーパーマーケットでは販売していない価格の商品を破格の値段で販売するという、いわゆるハードディスカウントショップに乗り出したということです。

 今、大手のスーパーマーケットでさえも、あまり業績が好調だという話を聞きませんが、逆にこの手のハードディスカウントショップが隆盛であるのは時代のトレンドともいうべき変化でしょうか?

 我が家の近所にあるコマーシャルセンターの中には、カーフールとACTION(アクション)の両方が入っていますが、この2店舗を見ているだけでも、この流れは、明白です。

 コマーシャルセンターの奥の隅にできたACTIONは、場所的にもこのコマーシャルセンターの中では、一番奥ゆえ、あまり良い場所とは言えません。

 一方、カーフールは依然として巨大なスペースを有していて、すごく恵まれているにもかかわらず、その半分のスペースは閉鎖。さすがに食料品は、圧倒的な数の商品を置いているので、その部分に関しては、かろうじて生き延びていますが、どうにもこのスペースと商品構成、価格、販売方法等、いかにも先細りの感が否めません。

 そこへ行くと、スペースもカーフールの半分もないACTIONの方は、お客さんが途絶えることなく、また、かなりの荷物を抱えて帰る人が多い印象で、あまのじゃくな私からしたら、逆に、そんなに買うものある?けっこう、ムダなもの買ってない?とさえ思ってしまうくらい、よく売れています。

 こうなってくると、このハードディスカウントショップの勢いはますます増してきて、それが拡大すればするほど、一般のスーパーマーケットでは、食料品以外のものは、停滞していってしまう道を辿りそうです。

 そもそもこのハードディスカウントショップは、廃業あるいは、傾きかけた店舗の商品を買い叩いて売るというもの、一般のスーパーマーケットで売れ残ったものなどがますます、このような店舗に流れて、ますます従来のスーパーマーケットを締め上げることになります。

 現在のところは、リドル アウトレットは、サン・ピエール・デュ・ペレー(エソンヌ県)とビュシュレー(イヴリーヌ県)の2店舗ですが、他の地域にも拡大していく予定とされています。

 開店早々の店舗では、通常200ユーロのシルバー・クレスト・ポータブルエアコンが50ユーロで販売され、60台が30分で完売したと発表されています。

 え~~?エアコンが50ユーロ??私も欲しかった~~!と思いましたが、きっと、今からいっても、もうないです。

 店舗では、季節ごとのテーマに加えて、ファッションや美容、スポーツやレジャー、家庭用品や装飾用品、工具、園芸用品などが販売されます。

 また、パークサイド(DIY)、シルバークレスト(家電・キッチン家電)、クリビット(スポーツ用品)、ルピル(子供用ゲーム・玩具)といったリドルの主力ブランドに特化したコーナーも設けられているそうです。

 一度は、ぜひ、覗いて見たいところですが、なんだか、家から遠そうです。


リドル アウトレット(Lidl Outlet)


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2025年6月25日水曜日

パリオリンピックの気球がチュイルリー公園に戻ってきた!

  


 今やパリ・オリンピックは遥か昔のような気になっていましたが、あのオリンピックの聖火台として作られたあの気球がまた、チュイルリー公園に戻ってきました。

 国際オリンピック委員会(IOC)の規定によれば、本来は、聖火はオリンピック大会期間外には、点灯できないことになっているものの、この聖火の色(黄色)を白に変えることで同意を得たと言われています。

 パリ・オリンピック開催中は、華やかに街がオリンピックに彩られ、オリンピックの期間だけのことと、あちこちを見て歩いた中でも、このチュイルリー公園の気球は、かなりインパクトが強く、感動的でもあったので、ずっとこのまま残せば、良い観光スポットになるのにな・・と思っていました。

 実際に行ってみると、昨年のオリンピックの時のようなガードはなく、もう少し自由に近寄れる感じでしたが、やはり、正直、最初の時の衝撃は薄れました。

 とはいえ、パリの街中の公園に、ある意味神秘的でもある直径7メートルの聖火台は、充分に美しいものです。

 そもそも、この聖火台の設置されているチュイルリー公園のこの場所は、絶好のロケーションでもあり、チュイルリー公園はもちろんのこと、その光景の中には、オルセー美術館、ルーブル美術館、ちょっと先に見えるコンコルド広場やエッフェル塔などがぐるっと視界に入ってくる場所で、それにこの気球が加わるのは、まさに絶景です。

 お天気が良く、乾燥しているために多少、気球のまわりは、少し埃っぽい感じがしましたが、それを差し引いても、なかなか見応えがあります。

 この気球、実のところはパリオリンピックの際に設置された気球とは、別のもので、周囲のリングも改造されたものなのだそうです。

 そして、今のチュイルリー公園は、冬の間は撤退していた移動遊園地も戻ってきていて(もちろんパリオリンピックの間もありませんでしたが・・)、にぎやかな夏休みの感じで盛り上がっています。



 このチュイルリー公園の気球は夏の間、9月14日まで、そして、2028年のロサンゼルスオリンピックまでは、毎年、ここに登場することになっているようです。3年間夏季限定です。

 夜になると、この気球は、上空にあがり、午前1時に消灯します。

 夏の間、パリに来られる方は、一見の価値ありかもしれません。


チュイルリー公園気球


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2025年6月24日火曜日

ネズミ捕りにかかった気分になったイタリアン

  


 ずっと気になっていたレストラン・・といっても、マルシェの中にあるとってもラフな感じのイタリアンのレストランがあって、いつか、行こう行こうと思いつつ、なかなか行く機会を逸していました。

 近くに住んでいる友人がいるので、今度、その友人と会うときには、あそこに行ってみようと思っていたのです。

 このお店に目をつけてから、かれこれ半年以上も経っているというのに、たまたま、その友人と会う機会がのびのびになっていたために、ずっと行かずにいました。

 先日、ようやく、その友人に会えることになって、楽しみにしていたお店にようやく行きました。

 私がなぜ?そのお店に惹かれたのかというと、ボンゴレに使っているとみられるアサリの殻が山盛りになったお皿が、カウンターテーブルの下の棚に山積みに置かれていて、うわっ!すごい!こんなにアサリの殻!美味しそう!とアサリの殻に惹かれて、今度、ぜったい行きたいと思ったのです。

 パリでは、まるでないとはいいませんが、アサリなどの貝類は、あまりポピュラーではなく、どこでも売っているというものでもありません。魚介好きの私にとって、たとえ、殻でも山盛りのアサリの貝殻は、とっても魅力的に映ったのでした。

 お目当てのお店につくと、イタリア人らしいサーバーのおじさんは、おどけて愉快な感じで、愛想よくニコニコ迎えてくれました。

 私はアサリの貝殻につられてきたので、迷うことなく、ボンゴレを注文、友人はアンティパストをオーダーしました。

 しばらくして、オーダーしたボンゴレがやってきて、楽しみにしてきたボンゴレにようやくありつけた私は、ちょっと期待しすぎていたのかもしれません・・が・・、食べてみると、ハッキリ言って、ガッカリ・・マズくはない・・のですが、決して美味しくもない・・。

 アサリさえあれば、自分で作った方が絶対美味しいのは間違いない・・感じでした。ちょうど、友人とは、バカンスに出かける場所について、どこがいい?イタリアだったらどこ?などという話をしていたために、余計にガッカリ・・ハッキリ言って、イタリアだったら、絶対にこんなボンゴレ・・絶対にあり得ないよね・・と言う話になりました。

 周囲を見渡してみれば、ポツポツとボンゴレを食べている人も見当たるのですが、あの山のようになっていた貝殻が随時出るほどではない・・ひょっとして?あのアサリの貝殻は、客寄せのためだったかもしれない・・とその時、初めて気が付きました。

 そうすると、私は、ネズミ捕りにかかったネズミのようなものです。

 パリでは、ハズレのイタリアンのお店というものがけっこう多く、滅多にイタリアンには行かないのですが、アサリの貝殻につられて、見事にそれにひっかかってしまった気分でした。

 こんなもの?を食べてしまうと、やっぱり美味しいものを食べに、やっぱりイタリアに行きたい!となってしまうのでした。

 今回は、ちょっとガッカリした話だったので、敢えて店名等は書きませんので、悪しからず。


イタリアン ボンゴレ パリ


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