2025年12月2日火曜日

旅先に届いた訃報で・・

  


 悲しいお知らせは私の旅行中に届きました。

 その時、私は友人とバルセロナを旅行中で、自分たちの旅行のスケジュールなど、どこで何を食べようか?とか、次はどこへ行こうか?とかいうことで頭がいっぱいで、LINEやメールをチェックしていませんでした。

 娘から電話がかかってきたのは、ちょうど遅めのお昼を食べようとバルに入って、食事を始めた時のことでした。娘は私がバルセロナを旅行中なのは知っていたし、それでもわざわざ電話してくるのは、なんか急用があるんだろうな・・くらいの軽い気持ちで電話に出るために、私はバルを出ました。

 すると、「LINEでもメッセージ送ったんだけど、となりの従姉妹(私の)の○○ちゃんからLINEが来て、おばちゃまが亡くなったって・・どうしよう?どうしたらいいのかな?」と。

 あわてて、私もLINEをチェックすると、私にも従姉妹から直に訃報が届いていました。

 とにかく、今日亡くなった・・その日ということで、娘も当惑し、「なんて返信していいかわからない、どうしよう?」というので、「とりあえず、今、家にいるなら、隣の家(従姉妹の家は隣)に行って顔を見て、話した方がいいから、とにかくすぐ行きなさい・・」とだけ言って、とりあえずは電話を切りました。

 そのあとは、食事を中断していたので、バルの中に戻ったのですが、もうなんだかその訃報のことで頭がいっぱいになり、私にもメッセージが来ていたのに知らん顔はできないし、なにしろ、同い年のずっと隣に住んでいる従姉妹です。

 この歳まで、結婚もせず、ず~っと一緒に暮らしてきた母親が亡くなって(介護が大変だとこぼしていたものの・・)、一人になってしまったのです。

 ついひと月くらい前に、とうとう家で立ち上がれなくなってしまった叔母を、なんだか、えらくお金のかかる介護施設(しかし、新設されたばかりのところなので、きれいでスタッフもとても親切だと言っていた)に入れざるを得なくなって、もういくらかかってもいいから、ずっと生きていてほしい・・と言っていたばかりでした。

 私のように日本を出たり入ったりしていた挙句に結局、遠い国に出てしまって離れて暮らしてきた私と違って、ず~っと一緒に暮らしてきた母親を亡くすって、とんでもない喪失感ではないか?と思ったら、なんだかいたたまれなくなったのです。

 また、亡くなってしまった叔母に対しても、さすがに幼少期からずっと隣に住んでいた親戚のおばさんではありますが、従姉妹が同い年ということもあって、ことさら、関わりは深く、また、娘が生まれて日本に帰国するたびに、娘は私の実家に着くや否や、隣の家に、その叔母や私の従妹に会いたくて、すぐに一人でも出かけていく・・そんな感じでもありました。

 性格も明るくて、誰とでもすぐに打ち解けられる温かく、ざっくばらんな人で、どこに行っても、お友達がすぐできて、ずっと通っていたリハビリの施設などでも人気者の存在でした。

 もう年齢も年齢(93歳)なので、さすがにお友達も少しずつ先に旅立たれたりしていて、葬儀はごくごく内輪の家族葬でということになったようです。

 とにかく、私も一言でも直接、従姉妹と話したい・・と思い、もう一度、食事を中断して外に出て、従姉妹に電話。すると、娘はもう従姉妹の側にいる様子でしたが、構わず、その日の様子などを聞き、叔母の話などをしていたら、もう次から次へと色々なことを思い出して、もう私もバルセロナのバルの中庭で電話をしながら、号泣。

 従姉妹も、「もうわざわざ、葬儀のために戻って来たりしなくていいからね・・」と言ってくれ、友人もパリに滞在中ということで、やっぱり帰れないよな・・と思いつつも、なんだかずっとモヤモヤしたままでいました。

 結局、葬儀のためには帰らないことにしたのですが、色々なことが片付いてきて、ホッとして、従姉妹の寂しさが募ってきた頃に帰ろうか・・という言い訳を自分の中で作り出し、自分を納得させました。

 私にしてみれば、もう自分自身の両親は他界してしまっているために、もうこんな思いはすることもないだろうな・・と思っていたのですが、想像以上にショックだったことは、驚きでした。

 海外で暮らしていれば、こうして身内の不幸などの際にすぐにかけつけられないことは承知しているつもりでも、いざ、そういうことが起これば、やっぱりあらためて、ズッシリ思い知らされるのです。

 代わりに娘が日本にいてくれることは、私にとってのせめてもの罪滅ぼしのような気持ちでもあります。

 こういうことがあるたび感じることは、どんな人の最期もやはり突然に感じられることだということです。


旅先の訃報


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2025年12月1日月曜日

偽の駐車違反切符詐欺にご注意ください

  


 半年くらい前に、リヨンでこの手の詐欺が横行しているために注意してくださいという記事を見た気がしましたが、今度はパリです。

 先週、パリ17区で警察が摘発したこの詐欺は、違反切符が発行されたと伝え、罰金を支払うための偽ウェブサイトにリダイレクトするQRコードをスキャンするように促すというものでした。

 これは多くの人を罠にかける可能性のある詐欺です。

 パリおよびパリ郊外やフランスの他の都市でよく知られている「偽の駐車違反切符」詐欺は手口はシンプルですが、非常に罠にはまりやすい形態をとっています。

 まず、 「フランス共和国」と刻印されたチラシ?に駐車時間制限超過で切符が切られたことを知らせ、QRコードを使って「35ユーロ」の罰金を支払うように促してきます。

 しかし、このコードは偽の政府ウェブサイトにリダイレクトします。「フランス共和国」のロゴと「amendes.gouv.fr」というアドレスが表示されており、公式(オフィシャル)の罰金支払いプラットフォームと見分けがつかないほど精巧にできているため、ホンモノだと思わされてしまいます。

 ここで敵の周到なところは「35ユーロの罰金は2日以内に支払わなければ、135ユーロに増額される」という文面も追記して、急いで支払いをさせようとするところです。

 では、このように公式(オフィシャル)のプラットフォームと見分けがつかない場合はどうしたらよいのか?といえば、とりあえずパリでは解決策はシンプルです。

 パリでは「スキャンカー」(市内を巡回し、ナンバープレートを自動で読み取る車両)の導入により、駐車違反切符はワイパーの下に挟まれるのではなく、車の所有者に直接、郵送されるようになっているそうなので、この手の車両に直接、罰金切符が置かれていることはないのだそうです。

 つまり、このような切符がワイパーの下に挟まれていたとしたら、それは詐欺だということです。

 また、このような通知を郵送で受け取ったとしても、支払いは「https://stationnement.gouv.fr/fps」で行わなければなりません。

 先週、摘発されたパリ17区での駐車違反罰金詐欺については、パリ検察庁の金融犯罪課に委託されたとのことです。

 この手の罰金詐欺に関しては、駐車違反に対する罰金だけではなく、スピード違反等の通知がかなり無尽蔵に送られてきているという話もありますので、充分にご注意ください。

 詐欺にも色々ありますが、警察の名をかたられたり、罰金などと言われると、ついビビってしまいがちではありますが、常に気を抜いてはいけません。


駐車違反切符詐欺


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2025年11月30日日曜日

年々加熱するブラックフライデーの落とし穴

 


 ここ1ヶ月ほどの間、やたらと「BLACK FRIDAY(ブラックフライデー)」の広告をやたらと目にしていて、もう少々、鬱陶しく感じるほどで、いったいブラックフライデーっていつよ!と私は思っていました。

 なんだか世間がやたらと「ブラックフライデー・ブラックフライデー」と騒いでいるので、私はむしろ、なんだか少々、胡散臭いとまでは言わないものの、あまりに踊らされている感じが嫌で、特に何かをこの時期に買物しようという気にはなっていませんでした。

 しかし、この「ブラックフライデー」・・フランスでも年々、クリスマス前の年間最大のショッピングイベントとなっていて、オンラインでも実店舗でもかなりの広告を打ち、多くの人が少しでも割安な買い物をしようと待ち望んでいるイベントになっているようです。

 ボストン・コンサルティング・グループが11月中旬に発表した調査によると、フランスでは10人に7人以上の人々がブラックフライデーに買物を計画しており、2025年には平均345ユーロを支出する予定で、これは昨年の平均315ユーロ(約62,000円)を上回る数字になっています。

 中でも衣料品、電化製品、美容製品などが特に人気なようです。

 そういえば、数年前に娘が携帯電話を買うのにブラックフライデーを待って買おうかな?などと言っていたことを思い出します。

 ところが、消費者が期待しているこのブラックフライデーの破格の割引というのは、必ずしも大したことがないことが明らかにされてきています。

 衣料品・電子機器などが30%、40%、50%、ときには70%オフ?などとのふれこみでアメリカで始まったことのブラックフライデーはフランスでも非常に注目され、小売業者は時に破格の値下げをうたいます。しかし、現実の割引は大きく異なり、消費者擁護団体UFC Que-Choisirの調査によると、実際の値下げは0.5%から3%ほどのもので、消費者が期待している割引からは程遠いものでした。

 消費者擁護団体UFC Que-Choisirの調査によれば、携帯電話の価格はわずか1.6%、テレビは3.7%、パソコンの場合は1.9%でした。

 ブラックフライデーでのショッピングの場合、注意が必用なのは「参考価格」というもので、この参考価格は例えば競合他社の価格や過去の価格と比較してブランドが自由に設定できる価格で、政府によると、2023年には当局の検査を受けた1,000店舗のうち、約3分の1に価格設定に異常が認められ、これには偽の割引、水増しされた参考価格、在庫状況に関する誤解を招くような表示、虚偽広告などが含まれていました。

 本来ならば、ノエルの前の時期には、一番、買い物をすると言われてきたフランス人にとって、業界では、クリスマス前には、絶対に値下げをしなかったはずの季節です。そして、クリスマスが終わると、バーゲンが始まって、一気に値下げする・・これが今までのパターンだったのです。

 それを易々と一番高く物が売れていた時期にそんなに値下げをしてしまうイベントが登場するとは、時代も変わっているのでしょうが・・実はブラックフライデーとは名前だけで、実は大して値下げしていない・・そんなものも紛れているのです。

 あまりに騒がれすぎているブラックフライデー まさにブラックな部分もあるようです。


ブラックフライデー BLACK FRIDAY


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2025年11月29日土曜日

来年度から高校での携帯電話使用禁止

  


 マクロン大統領は、11月末に行われた自身の演説の中で、「来年度から高校での携帯電話の使用は間違いなく禁止される」と発表し、中学校ですでに禁止されている措置を拡大することを明かしました。

 この演説の中で、マクロン大統領は、スクリーン中毒の危険性を強調し、「高校は、学ぶ場所であり、コミュニケーションをとる場所でもある」と説明しています。

 すでに実施されている中学校においての「校内における携帯電話禁止」のプログラムはまだ、全ての学校において実施されているものではないものの、大統領はこの禁止措置は概ね上手く機能していると考えています。

 長年にわたり、マクロン大統領は、15歳未満のソーシャルメディアの使用を規制、あるいは禁止することを支持してきました。

 携帯電話は2018年の法律により、幼稚園・小学校・中学校での校内での使用はすでに禁止されていますが、この法律の施行は実際には簡単なことではないのが現状で、必用に応じて、授業中にロッカー、ブリーフケース、ポーチなどに入れておくことを学生に義務付けることでその適用を強化しています。

 しかし、実際問題として、その管理、受け渡し、保管等の問題で、時間と手間、リスクなどの諸々の問題に直面する各学校がそれに対応しきれていないという問題もあります。

 携帯電話どころか、凶器を持っていないかどうかのチェックまでを抜き打ちで行っている学校まである中で、生徒の手荷物、ひとつひとつをチェックしきる対応が容易なことでないのは、想像に難くありません。

 実際に、すでに全国学校管理者組合(SNPDENーUNSA)の代表は、高校生というこの年齢特有の複雑な状況のため、また、中学校とは違って高校には大人の監視の少ないプライベートなエリアがいくつかあるため、そこでは高校生たちが携帯電話禁止を回避できてしまうため、非常に難しい状況であることを説明しています。

 また、それをおして携帯電話禁止を高校内で取り締まる?となれば、さらなる人員が必用となるであろうと述べています。

 私の高校生の頃などには、影も形もなかった携帯電話がすでに、その使用を校内で禁止することすら、容易なことではなくなっているという事実。携帯電話なんてなくても全然、楽しかったのに・・それがある時代になると、それを禁止することも難しくなってしまうのですね・・。

 日本の学校での携帯電話の扱いってどうなっているんでしょうか?


高校内携帯電話使用禁止


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2025年11月28日金曜日

フランスが2026年から実施する志願制兵役・国家奉仕活動とは?

  


 マクロン大統領が来年から実施される志願制兵役の実施を発表し、具体的にフランスの軍事化に単に金銭的なことだけではなく、具体的な人的資源を集める手段に進み始めたことに衝撃を受けています。

 マクロン大統領の発表によれば、これは2026年夏から開始されるもので、大統領はこれを「国家奉仕活動」と呼んでいますが、これは、志願制に基づく純粋な軍事奉仕活動であり、志願者はこの10ヶ月間、最低月額800ユーロ(約 14,5000円)の手当に加え、その間の宿泊、食事、装備が提供されます。

 2026年には3,000人、2030年には10,000人、2035年には50,000人の若者を募る予定になっています。

 マクロン大統領が、『「国民奉仕活動」は我々を守るために動員されるため、国民奉仕活動は「国家の領土内」でのみ、奉仕活動を行う』と明言しているとおり、奉仕活動を行うこのプログラムに参加する者は、10ヶ月間の訓練プログラムにおいて、国内でのみ奉仕活動を行うことが基本となっていますが、「重大な危機が発生した場合」議会が志願者だけでなく、他の若者の参加を承認できるようになる・・という意味深な文言もついています。

 同時にマクロン大統領は、「我々が追及する目標は軍事的なものである」ということも同時に名言しています。

 また、この国家奉仕活動の中核は18歳から19歳の若者を中心に構成されるということで、政府は若者たちが高校時代に軍隊でのインターンシップを完了することを奨励したいとしており、同時にマクロン大統領は、「防衛・国際安全保障」の授業期間をこれまでの1年から3年に延長することも同時に発表しており、「そのため、若者は各学校で少なくとも年に1回は記念式典に参加しなければならない」と教育の場面から変えていこうとしているところが、なんとなく、空恐ろしい気もします。

 入学式や卒業式などの記念式典のようなものさえ、ほとんどないフランスの学校で軍事関係の記念式典だけは行われるというのもなんだか奇妙な気がするところでもあります。

 しかし、現実的に考えれば、18歳から19歳といえば、高校卒業後のそれぞれの進路を構築していくために必死な年代(つまり大学受験の年代)で、振り返ってみれば、うちの娘などは、勉強ばかりしていた年代でした。

 その年代の若者たちがそのような「国家奉仕活動」に参加するかどうかは大いに疑問ではあります。

 しかし、経済的にひっ迫している家庭にとってみれば、これに参加せざるを得ないような場合もあり得るのではないか?とも思われることには、まさしく格差社会を逆手にとったやり方のような気がしないでもないのです。

 この「志願制兵役」、「国家奉仕活動」には、20億ユーロ以上の費用がかかることが見積もられていますが、これまで政府は、軍隊に追加の人員を提供するための最善の方法を検討し続けていたとも言われており、今年7月14日に発表された戦略レビューによれば、これは、「危機発生時に動員できる人材プールを構築するため」のものであると見られています。

 なんだか軍事化がどんどん進んで、正直、怖いです。


フランス志願制兵役・国家奉仕活動


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2025年11月27日木曜日

サルコジ元大統領に2度目の有罪判決

  


 フランスの最高行政裁判所である破毀院はピグマリオン事件に関する二コラ・サルコジ氏の上訴を棄却する判決を下し、これにより、サルコジ元大統領の刑事有罪判決が確定しました。これでサルコジ元大統領にとっては、盗聴事件(ポール・ビスマス事件)とそれに関わる弁護士と判事と汚職協定を結んだとされる事件に続く2度目の有罪判決の確定になります。

 今回のピグマリオン事件とは、2012年の大統領選に失敗した選挙運動への違法な資金提供を罪に問われていたもので、2024年2月にすでにパリ控訴院において、懲役1年(うち6ヶ月の執行猶予付)の判決が下されていたもので、これに対してサルコジ氏が上訴していたものが棄却されたということです。

 この事件に関しては、捜査の結果、サルコジ氏の選挙費用が急増した事実(認可上限額2,250万ユーロに対し、約4,300万ユーロに上っていた)を隠蔽するために、架空の契約を装い、集会費用の大部分をUMP(現LR)党に負担させる二重請求システムが構築されていたことが明らかになっています。

 共犯者とは異なり、サルコジ氏はこの虚偽請求書システムに関与したのではなく、候補者として違法な選挙資金の受益者として関与していた事実に基づいて判決が下されています。

 サルコジ氏は一審と控訴審の両方で刑事責任を強く否定し、告発内容は捏造であり、嘘であると非難していました。控訴審におけるサルコジ氏の判決は拘禁部分(電子タグの装着、半自由など)の調整を命じたもので2021年の第一審で言い渡された懲役1年よりわずかに軽いものにはなっています。

 とはいえ、今年の9月25日、2007年の大統領選において、ムアンマル・カダフィ独裁政権下のリビアから側近らが不正資金を募ることを容認したとして懲役5年の有罪判決を受けて、サルコジ元大統領は、パリ市内にあるラ・サンテ刑務所に収監されました。3週間後に保釈されていますが、彼は、この判決に対しても上訴しており、この控訴審が来年3月から6月にかけて予定されています。

 この他にも彼は、このところの裁判に関わる問題においても、数件の告訴事案を抱えており、これからもしばらくは、彼の有罪判決→控訴→確定判決・・の日々は続きます。

 彼のケースにおいては、ここまでのところ、全ての嫌疑は大統領選に関わるもので、そこまでして大統領になりたかったのか?大統領になるためには、手段を選ばなかったのか?などということをありありとつまびらかにされていくことで、まさに高齢者枠に入りつつある彼の後半人生は、大統領にまでなりながら、結局、その後の人生は、「晩秋を汚す」日の連続となっているようで、虚しさしか感じないのです。

 だって、有罪判決をいくつも重ねて行ったら、彼は前科何犯?って話ですよね・・。


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2025年11月26日水曜日

たかが1セント、されど1セント お釣りがないとお釣りをくれないモヤモヤへのささやかな抵抗

  


 最近は、ほぼほぼ現金というものを使わなくなったので、こんなことに遭遇することも減ったのですが、たまに現金を持っていて、少額ならば、現金で払おうかな?と思うこともあります。

 オートレジなどでは、たとえ現金で支払ってもそのようなことはないのですが、フランスでは、有人のレジだと、1セントや2セントなどの細かい小銭のお釣りがないと、お釣りを返してくれなかったりすることがあります。

 先日も、たまたま、9.99ユーロの商品を買おうと、10ユーロ札を渡して支払おうとしたら、1セントのお釣りがないから・・といって、平然とお釣りをくれませんでした。あまりに当然のようにお釣りをくれないでやり過ごそうとするので、内心、またか・・と思いつつ、「お釣りは?」と言うと、涼しい顔で「1セントの硬貨がないから・・」と言います。

 そこで、私は、「だったら、カードで払いますから、その10ユーロ返してください」と言ったら、慌てて、もう一度、レジの中の小銭を再び探し始めたのですが、やはりないものは、ない・・。逆に、そこで、「あ~やっぱりありました・・」とか言われたら、もっとムッとして、もう買いものをするのをやめていたかもしれません。

 お店の人の側はほとんど悪気はなく、逆に1セント硬貨がなくて、2セント硬貨でお釣りをくれたりすることもあるのですが、とにかく、そのあたりの数セントの扱いがとても雑なところがあります。

 そのへんのとってもルーズなところが私には、とってもモヤモヤするところでもあります。1セントくらいいいじゃないか・・せこいこと言っているようで嫌な気もするのですが、お釣りを用意せずにお店をあけること自体、なんか不誠実な気がしてしまいます。

 お釣りがないなら、だったら、9.99ユーロなどと言う表示はやめて、10ユーロと表示すればいいものを10ユーロじゃなくて、9.99ユーロという方がなんとなくその1セント差につられて、買いやすい気分になるのも私のケチなところなんですが・・。

 しかし、逆に何か買い物をしたくて、たとえ1セントでも足りなかったら、買えないのはふつうなのに、お釣りがないから、1セント返してくれないというのは、納得いかないのです。

 そんな時は、最近は、ささやかな抵抗ですが、お釣りがないと言われたら、それならカードで払います。と最近はカード払いにするようにしています。

 支払う私の方にしたら、表示どおりの金額を支払うだけなので、実際にはどちらで払っても変わりないのですが、お店の方にしたら、本当ならば、カード払いなら手数料をカード会社に支払うことなく現金で受け取った方がありがたいはずなのに、なんで現金での顧客に対して、こういう    雑な扱いをするのか?と思います。

 たかが1セントや2セントのことで、くだらないと思われる方も多いかとも思うのですが、そんないい加減なところを少しでも改善してほしいと願うささやかな私の抵抗です。

 この小銭(特に赤い小銭1・2セント)を返してくれないことは、そんなに珍しいことではなく、これがまかり通っているのは、それを多くの人が見過ごして、なんとなくやり過ごしている結果だと思うのですが、ケチなフランス人にしては、へんな習慣だな・・と思うのです。


1セントのお釣り


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2025年11月25日火曜日

80人以上の国会議員が求めるフランスにおけるSHEINの販売禁止

 


 80人以上の国会議員が労働者、公衆衛生、そして地球を守るため、フランスにおけるSHEINの販売禁止を求めています。

 彼らは、「SHEIN は超ファストファッションの最も過酷な側面は体面の良さを装っているものの、地球、雇用、そして消費者の健康を破壊するこのビジネスの暗い側面を覆い隠すことはできない」とこの中国発の e-コマース企業を躍起になって非難しつづけています。

 彼らは、「SHEINは何も民主化しない、すべてを破壊する」と題した意見記事も公開しています。

 この動きは、11月初旬にパリ市内の百貨店「BHV」に「SHEIN」がオープンしたことを受け、より激化しています。

 彼らはこの超ファストファッションの巨人を「不公平な競争」と「有害な製品」で市場を氾濫させていると非難しているのです。

 もはやこのSHEINに関わる議論の激化は単なる憤りに留まることは不可能になっているため、国会の「持続可能な開発委員会」は、SHEINの幹部を招集しようとしているが、彼らはこの聴聞会を避け続け、11月26日に予定されていた聴聞会は彼らが他の裁判のために出席できないという理由で12月2日に延期されています。

 これを避け続けるのはもはや困難と見られ、SHEINは聴聞会の翌日、パリ司法裁判所に召喚され、裁判所は、子どものような〇〇XドールとカテゴリーAの武器の販売を受け、フランスにおけるSHEINのサイト停止処分についての判決が下されることになっています。

 違法な○○ドール等の販売はともかく、超低価格の衣料品等の販売の禁止については、一部では、禁止に反対する声も上がっています。

 というのも、中国製の超低価格、低品質の衣料品に関しては、なにもこのSHEINに限ったことではなく、今や、多くの比較的低価格帯のブランドの衣料品の多く、ZARAやH&Mなどに関しても、中国製の製品は多く販売しており、なぜ?SHEINだけが攻撃されるのか? やれ、労働環境や公衆衛生、そして、しまいには、壮大に地球の保護までを語って、実は本音は他のところにあるのではないか?などと言う声もあります。

 また、この国会議員の騒ぎに疑問を投げかける有名企業の経営者も名乗りをあげていることも事実。

 今やカーフールだって、フランスのハイブランドのお店だって、中国にもどこの国にも進出しているのに、問題をほじくり返して、進出してくる中国企業を閉め出そうとするのは、見苦しい・・というようなことを言っている人もいます。

 また、BHVへの出店にしても、これを受け入れて、この「SHEIN」の隆盛を利用しようとしているのもまた、BHV=フランス企業であることも事実なのです。

 いずれにせよ、まだまだおさまりそうもないこのフランスの「SHEIN」叩きの動き、これが国会で議論され、司法の場にまで引きずり出し、果たして、フランスの司法がどのような決断を下し、どのような道を辿るのか?本当にSHEINを追い出してしまうのか? 

 どこか歪な感じがするこのやり方、じっくり見守っていきたいと思います。


SHEINの販売禁止を求める国会議員


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2025年11月24日月曜日

案の定、ガッツリ体調崩しました・・

  


 日本から来てくれていた友人と一緒にパリ市内を廻ったり、一緒にバルセロナに行ったり、ロンドンに行ったり、3週間程度の期間でしたが、トラブルも多々ありましたが、とても楽しい時間を過ごしました。

 最後に友人を空港まで送って行って、家に戻って、その時は、ちょっと風邪気味かも・・なんか疲れがどっと出たかも・・??と思いながらも、友人が使っていた部屋を片付けたり、シーツなどを洗濯したり、掃除したり・・してから、その日は休みました。

 翌日になると、本格的に体調が悪くなりはじめ、おしゃべりしていてついつい夜更かしになったりもしていたし、忙しく動き回りすぎていたからな・・と思い、少しおとなしく寝ていることに・・。

 しかし、その翌日には、さらにゴホゴホと咳が出始め、本格的に体調が悪くなり、これはもうダメだ・・とお医者さんに行くと、気管支炎起こしている・・といわれ、抗生物質を出してもらってきました。

 友人が来たら、色々でかけたりするだろうからと、前もって、インフルエンザやコロナウィルスのワクチン接種をしていたのですが、やっぱり、それだけではダメだったようです。

 もう無理はできないと思いつつも、ついつい無理しちゃっていたのか? もう無理だと自分では思っていないことがすでに無理な範疇に入ってしまっていたようで、そういえば、友人も途中、3日くらいダウンしていて、寝てたんだな・・と思うと、私の場合はそれが遅れて出たのかもしれません。

 そのうえ、パリはここ数日、急に寒さが本格的になってきて、外はすでに氷点下の世界です。

 毎回、ダウンするたびに体力には自信をなくしていくのですが、こんなことにめげて、楽しいことを諦めてはいけない・・今が一番、若いんだから、こんなことにめげずにこれからも色々な場所に出かけたい!そんなことをベッドの中でふつふつと思っているのです。

 しかし、狭い我が家は誰かが来ると、今はいない娘の部屋をつかってもらうのですが、通常は、私の色々なものを置いてある倉庫状態。

 当然、誰かが来ているときには、その倉庫内に置いてあるものは、私の自分の部屋に避難させているのですが、今はようやく、それらのガラクタ?をまた、娘の部屋に戻し、私の部屋はまた通常の落ち着きを取り戻しています。

 人が来てくれるのもうれしいけど、またいつもの日常が戻ってくるのも、やっぱりホッとするところもあります。

 日常的には、自分のリズムだけで暮らしている私。それが崩れることが、こんなダメージをもたらすとは、ちょっとショックでもありました。

 


体調不良


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2025年11月23日日曜日

サルコジ元大統領 釈放から1ヶ月後に「囚人の日記」を出版を発表

  


 元大統領という立場のサルコジ元大統領にパリ刑事裁判所は、2007年の大統領選勝利に向け、独裁者アンマル・カダフィ率いるリビアから側近らが資金提供を募ることを故意に認めていたとして、実刑の有罪判決が下しました。彼は判決(懲役5年)どおりに実際に収監され、約3週間の刑務所生活を経たのち、釈放請求が認められて釈放。

 彼の釈放には、「渡航禁止、他の被告人および、ジェラール・ダルマナン司法大臣を含む多くの人々、そして裁判に関する情報にアクセスできる可能性のあるスタッフや司法関係者との接触禁止」などの条件がつけられています。

 この釈放条件の中には、新著の出版禁止という項目はなかったようで、釈放からおよそ1週間後には、彼自身の実際の刑務所生活を綴った「囚人の日記」というタイトルの新著を出版することを発表しました。

 彼が拘留される前から、この本の出版の話は決まっていたとみられ、彼は拘留初日から、独房の中で執筆活動を開始していたようです。

 「刑務所では見るものも、やることもない。静寂を忘れてしまうが、ラ・サンテには、そんなものはない。聞こえるものがたくさんあり、悲しいことに騒音が絶え間なく続く。しかし、砂漠のように、刑務所では内面が強くなる。」と彼は書いています。

 この全216ページにおよぶ本は12月10日20.90ユーロで発売されます。

 大統領の拘留日記というものは、非常に興味深くもありますが、サルコジ氏自身も「フランス国民と体験を共有したかった」と述べているようで、如何せん元大統領の刑務所での拘留体験・・なかなか微妙でもあります。 

 わずか9平方メートルの独房に監禁され、24時間体制で隣室に2人の警備員が待機するという異例の拘禁生活は彼自身だけでなく、刑務所労働組合の憤慨も招いていたようで、この際、刑務官側の日記もなんなら、出版してほしい気がします。

 いずれにしても、転んでもタダでは起きないというか、彼のしたたかさをこの本の出版でさらに見せつけられたような気がしています。

 出版記念には、まさかサイン会とか、やるんでしょうか???


サルコジ元大統領 囚人の日記 出版


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2025年11月22日土曜日

ロンドン スーパーマーケット巡りがとっても楽しい!

  


 わずか1泊という今回のロンドン滞在では、行きたいところがありすぎて、この短い時間で一体、どこへ行こうか?と考えました。

 ロンドンには思い出がいっぱいで、かつて住んでいたエリアとか、行きたいところは山ほどあるのです。

 しかし、ロンドンに住んでいた頃は短い間にけっこう引っ越しをしていたので、たった1日で廻りきれるものでもなく、それでも、ホテルは私がロンドンで最後に住んでいた場所の近くに取っていました。

 パリからロンドンに到着したその日は、一緒に来た友人と一緒にバラ・マーケットに行ったり、コベントガーデンに行ったりして、食事してからホテルへ。翌日は、パリに帰るユーロスターが出る時間までは、それぞれ別行動で、友人は彼女が以前住んでいた場所を歩きたいということで出かけていきました。

 私はといえば、昔、良く行っていたスーパーマーケット巡りをすることに。ちょうど、ホテルの通り沿いの道に懐かしいセインズベリーズの大きな店舗があり、また、そこから少し歩いたところにウェイトローズの店舗があり、ユーロスターの出発する駅には、M&S(マークス&スペンサー)があり、その3店舗を時間をかけてじっくり廻りながら、買い物をすることにしました。



 一番最初に立ち寄ったセインズベリーズは一番、庶民的なスーパーマーケットですが、まさに、30年くらい前に私が通っていた場所と同じところに同じお店がまだあって(ずいぶんきれいになっていましたが・・)、もうそれだけで感動的!

 あのお店がまだあった~~~!と。



 しかし、買い物といっても、欲しいものは、ごくごく他愛もないクッキーなどのお菓子だったり、マフィンやクランペットといったパン類だったり、ちょっとしたお惣菜のようなものだったり、住んでいれば、ふつうに買い物するようなものばかり。それでも、そんな他愛もない食品ひとつひとつにまさに感動するというとても風変り?な楽しみなのですが、今の私には、他では味わえない感動です。

 スーパーマーケットもなんだか、今ではいつも見飽きているパリの品揃えとは、また、全然、趣が違って、なにからなにまで楽しくてしかたありません。

 どこに旅行に行っても現地のスーパーマーケットを覗いて見るのが好きなのですが、またロンドンは別の意味、懐かしさも感じられる場所なのです。

 中には必ずしも美味しいとはいえないものもあるのですが、その一般的にはあんまり美味しくないものでも、懐かしさというものは、また別の味わいでもあるのです。

 そして、セインズベリーズの次は、ちょっと高級路線のスーパーマーケット「ウェイトローズ」へ。これは、以前の私は全く知らなかったスーパーマーケットで、王室御用達とも言われるちょっと高級路線のスーパーマーケットです。たしかにお店の中もどこか落ち着いていて、置いてある商品も少し良質な感じがするものが多くて、安心してお買物ができる・・そんな感じです。




 そして、最後につい最近までパリにもあったM&S(マークスアンドスペンサー)。ブレグジットとともに、徐々に縮小し、ついにはパリから姿を消してしまったイギリスのスーパーマーケットです。

 パリにあったM&Sは、ロンドンにあるM&Sよりは、品揃えも少な目とはいえ、それでも定期的にイギリスのもの(クッキーや紅茶やパンなど)を買いに行けていたのに、このスーパーがなくなってしまったことは、とっても残念で、これまた久しぶりに目にするM&Sにもう、うるうるしそうで、もうあれもこれも欲しくなってしまいました。



 おかげで、私にとっては、宝物のような買い物なのですが、帰りの荷物は岩でも入っているんじゃないの?というくらい重くなってしまいました。しかし、なんとしてもこの食材たちを持って帰りたいという一心で、パリに持って帰ったのでした。

 これらの食べ物がなくなる頃に、今度は日帰りでもいいから、またロンドンに行こうかな? などと思っているのです。


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2025年11月21日金曜日

ロンドンの地下鉄内の座席 譲り合い合戦

  


 とても個人的な事情なのですが、私にとってロンドンは他の外国とはちょっと異なる思い入れのある場所で、私が若い頃に初めて一人で海外で生活した場所であるために、その時の印象はとても強烈に私の中に刻みつけられているもので、パリとはまた別の意味で私の中で強烈な存在感のある場所でもあります。

 若い頃、初めての海外生活で緊張もしていたし、目的に向かって必死だったりした自分自身がなんとなく愛おしく思い出されるような、そんな場所でもあるのです。

 私がロンドンに住んでいたのは、もう遥か昔のことではあり、街の様子もずいぶんと変わっているところも多々あるのですが、同時に変わっていないものもたくさん残っていて、例えば、ロンドン市内を走っている地下鉄などは、昔の古いまんまだったりして、こんなに地下鉄の中が狭かったんだな~とあらためて思ったり、地下鉄の路線図の駅名ひとつひとつを見ていても、どの駅も懐かしく、そのひとつひとつで降りてみたくなってしまいます。

 今回、あらためて、ロンドンの地下鉄の中であの頃には気が付かなかったことがあるのですが、それは車両の中で、実にロンドン市民は、座席の譲り合いをしているということで、高齢者だったり、妊婦さんだったり、いわゆる座席を譲ってあげた方が良いかな?という人がいたりすると、すぐに誰かが席を立って、譲ってあげることで、時には、同時に複数の人が立ちあがって、座席の譲り合い合戦のようなことがおこっていたりして、また、席を譲った人に対して、また別の人が座席を譲ろうとしていたり、「あら?ロンドンってこんなだった?」と思ったのです。

 私がたまたまそういう場面に複数回遭遇しただけなのかもしれないのですが、今回の私のロンドン滞在はわずか2日間だけで、その短い間にこう度々、そういう場面に遭遇するということは、やっぱり座席を譲ろうとする人が多いんじゃないかと思うのです。

 それは、パリにしても、ある程度、似ていて、実に彼らは周囲の弱い立場の人々に優しく、さっと席を立って譲る人が多いのです。

 しかし、それにしても、ロンドンはパリ以上に座席譲りあい合戦は頻繁な気がしました。

 優先席などというものはあらためて必用ないような感じさえしてしまいます。

 この現象は以前、私がロンドンに住んでいた頃には気が付かなかったことで、なんだか新たなロンドンの一面を発見したような、ホッコリするような気分になりました。人が人に対して優しくしあえている場面って温かい気持ちにさせられますね。


ロンドンの地下鉄


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2025年11月20日木曜日

食べることが大好きな私が大興奮したロンドンのバラ・マーケット

 


 今回、ほんの短い滞在ではありますが、久しぶりにロンドンに行くことにしてから、さて、この短時間にどこへ行こうか?とSNSなどで情報を調べていたら、食べることが大好きな私にとって、まさにうってつけの場所「Borough Market」(バラ・マーケット)を見つけました。

 非常に歴史のあるマーケットらしいのに、私はなんで今まで知らなかったんだろう?と不思議に思うくらいでした。


 地下鉄ロンドンブリッジの駅をあがってすぐに広がる大きなマーケットには、ヨーロッパを中心とした色々な食材、チーズ類、様々な種類のパン、お菓子類、お茶、スパイス、肉、魚、また屋台のような世界各国のお料理を提供するお店がたくさん並んでいて、あれもこれもと目移りしてしまいます。


ソルトビーフって初めて見たな~


 もちろん、イギリスならではのソルトビーフのサンドイッチとか、ソーセージロールだとか、スコッチエッグみたいな、ずっしりとしたお肉の塊だったりもたくさんあります。






 中でも、大人気で大行列ができていたのは大きな鍋で作っているパエリアでしたが、そこは、スペインに行ったばかりの私たちは、さすがに、スルーして、ここはイギリスの王道、フィッシュアンドチップスを食べました。




 とっても大きなフィッシュアンドチップスで、アツアツの魚のフライとポテトは、外はカリッと中はホックリしていて、とっても美味しかったです。しかし、かなりの大きさ、量があるので、2人で1つを食べるくらいで、充分でした。


これも人気だった・・マッシュルームリゾット・・


 マッシュルームのリゾットなどもとっても美味しそうでした。(しかし、これは結局、断念)

 もっと、あれこれと食べたかったのですが、もうこれでいっぱいいっぱいで、あとは持って帰るようにと、ソーセージロールやスコッチエッグなどを買い込みました。

 パリにもマルシェがたくさんありますが、ここほど、国際色豊かな感じではなく、マルシェといっても、ずいぶんテイストが違うんだな・・と思いながら、満足のいく、訪問でした。

 どのお店もカード対応OKでした。


Borough Market  London SE1 9AL England  月休 

ロンドン バラ・マーケット


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2025年11月19日水曜日

携帯電話にデジタル健康保険証(Carte Vitale)を読み込めるようになった!

  


 フランスでは、2025年11月18日から、すべての被保険者が携帯電話でデジタル健康保険証(Carte Vitale)を読み込み、有効化できるようになりました。

 カルト・ヴィタルを携帯上で有効化するには、iOSとAndroidで無料で利用できる「Carte Vitale」アプリをダウンロードする必要があります。この専用アプリは、France Identitéアカウントを持っていなくても、フランス全土のすべての被保険者が利用できます。

 このデジタル健康保険証を使用すると、スマホから直接、健康保険の資格情報をデジタル形式で提示できます。

 デジタル健康保険証は2025年3月18日より開始されている、France Identité(18歳以上の国民がデジタルIDカードと運転免許証をスマートフォンで利用できるFrance Titresアプリ)と並行して利用することができます。

 このFrance Identitéアプリをバイパスする機能は、6月にフランスの一部の県で既に導入されています。

 デジタル健康保険証をアクティベートするには、France Identitéを持っていない場合には、セキュリティ手続きが必用になりますが、France Identitéアプリを利用する場合には、本人確認は即座に行われます。

 France Identitéを持っていない場合には、本人確認のため、身分証明書の映像とアプリ内の顔の映像を提供する必要があります。不正使用を防ぐため、オペレーターが提供された情報を確認し、アクティベーションを承認することになります。

 そのどちらの場合も社会保障番号(セキュリテ・ソーシャルナンバー)が必用になります。

 このデジタル健康保険証は、病院・診療所や薬局などで、これまでの物理的なカードと全く同じように使用できます。使用方法はアプリのロックを解除し、スマホのこの画面を相手に提示すると、QRコードまたばNFCでカードが読み取られます。またこのアプリにより、現在自分が受けている医療情報と費用をリアルタイムで追跡することができ、最終的には健康保険による直接請求の恩恵を受けることができます。

 とはいえ、このデジタル健康保険証は、当面不可欠な物理的な健康保険証を補完するものであり、すべての医療従事者や薬局がデジタル健康保険証を読み取るために必要なツール(QRコードまたはNFCリーダー)をまだ備えているわけではないので、完全にこの体制に移行するまでは、現行のカードも携帯しておくほうが良さそうです。

 国民健康保険制度は、この移行を通じて医療従事者を支援しており、段階的に導入されていく模様です。

 しかしながら、携帯ひとつでなにもかもが済んでしまう時代がまた一歩進みつつあるようです。


携帯電話にデジタル健康保険証(Carte Vitale)


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2025年11月18日火曜日

なにかと話題のパリBHVの中のSHEINの店舗に行ってみたけど・・

 


 なにかと話題のオンラインファストファッションの「SHEIN」の実店舗(オンライン上ではない実際のお店)がパリの老舗百貨店BHVの中にいよいよオープンしたということで、どんなものなのか?覗きに行ってみました。

 オープン初日には、デパートの外に行列ができるほどの賑わいのようでしたが、私が行ったのは、その数日後、もう行列はありませんでした。

 BHVに到着したところ、ちょうど、SHEINの紙袋を持って出てきたお客さんがいたので、「SHEIN」は何階にあるんですか?と聞いたら、6階とのことで、ついでに「お店はどうでしたか?なに買ったんですか?」と聞いてみたところ、女性二人連れのお客さんでしたが、なかなかの渋い顔・・「なんだかがっかりした・・ネット上の商品のように安いわけでもなく・・なんだか思っていたのとは全然違った・・まあ、行ってみればわかるわよ!」とのこと。

 フランス人がよく評価がつけがたいときにつかう手のひらを下に向けて右、左を交互に上げ下げするしぐさ・・をしながら、口をへの字にしていました。とはいえ、彼女は紙袋を下げていたということは、とりあえず、なにかを購入していたわけですが・・。



 とにかく百聞は一見にしかず、教えてもらったとおり6階にあがっていくと、思ったよりは、大きなスペースがとってあって、多くの人出を見込んでのことなのか、一店舗のお店としては、異例のセキュリティの人の多さです。




 私はSHEINのサイトはチラッと覗いて見たことはあるのですが、「えっ??こんなに安いの?」と驚いただけで、実際に買いものをしたことはないので、詳しいことは言えませんが、並んでいる商品を見ると、一言で言えば「中途半端」。値段もそこまで安いわけでもなく、(特に高いというわけでもないけど)、特にデザイン的に優れている感じも受けず、商品の品質は粗い感じが拭えず、パッとしない・・そんな印象を受けました。(あくまで個人的な感想です)



 これから、実際に店舗に置く商品として、色々と価格帯や品質、この店舗だったら、どんな商品が売れ筋となり得るのかなど、研究されて、品揃えなども変わっていくのだとは思いますが、現状では、まさに「SHEIN」の第一の売りである「圧倒的な低価格」でもなく、かといって、高級な商品とは言い難く、これでは、SHEINのおかげで倒産に追い込まれていったフランスの数々の衣料品ブランドと同じではないか?と思いました。

 多くの物議を醸している「SHEIN」のパリの店舗。いつまであるでしょうか?


BHV SHEIN


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2025年11月17日月曜日

睡眠時間2時間、午前3時の会議 日本では首相が過労を助長していると非難されている

 


 フランスでは日々のテレビのニュースなどで日本のことが取りあげられることは少ないのですが、そんな数少ないニュースの中で、「就任したばかりの高市首相が過労を助長していること」が取りあげられているのは、あまり喜ばしくない話です。

 「高市早苗首相は、過労が死に至ることもある日本において、睡眠時間2時間で、スタッフと午前3時に会議を開くと発言し、非難を浴びている」、「政府は残業時間の延長を目指している」などと報道されています。

 このフランスでの報道は、米ニューヨークタイムズや英ガーディアン紙の記事を引用して、特に「過労死」という独特な言葉についての説明から始まっています。

 多くの労働者が非常に高いストレスに直面している日本において、「過労死」、「燃え尽き症候群」による死を意味する「過労死」という言葉が日本には存在する。そんな日本において、首相がこの現象を助長するような発言をしていると非難しているのです。

 最近の「睡眠時間2時間」、「午前3時からの会議」発言は、彼女の首相就任時の「働いて、働いて、働いて、さらに働く」宣言や「ワーク・ライフバランスという言葉は忘れる」ことを約束した件なども遡って紹介しています。

 この発言をきっかけに逆に日本人の過酷な労働スケジュールや環境がいかに過労死や少子化の原因となっているのかについて、深掘りされる結果を招いています。

 また、これに伴い、日本人の睡眠時間はOECD加盟国33ヵ国中最下位であり、睡眠不足は「攻撃的な言動」や「対応できない精神状態」に繋がるとかなりハッキリ非難しています。

 首相が寝る間もなく忙しく働いているのはあり得ることかもしれませんが、それを公の場で自慢げに公表することではありません。フランスのマクロン大統領にしても、そのスケジュールを見ると、一体、いつ寝てるんだろう?と思うこともしばしばですが、1日2~3時間しか寝てないとか、午前3時から会議をするとか、そんなことは決して公表せず、涼しい顔をし続けて仕事を続けています。

 まるで、彼女の姿勢は、私の若い頃のテレビCMにあった「24時間働けますか?ビジネスマーン!ビジネスマーン!」の時代の世界感みたいで、それを得意気に語る時代はもうとうの昔に過ぎ去っています。おまけに苦笑せざるを得ない?のは、その時代錯誤を証明するように、「スタッフとの連絡は必要な場合にのみ、電話かファックスで行う」とご丁寧に付け加えていることで、「いまどき、ファックスって誰が使っているの?」っていう話です。

 今の時代、ファックスを知らない若者も少なくありませんから・・。

 時代錯誤も甚だしく、とにかくがむしゃらに働くことを美徳とする首相に周囲の側近の人々は、さぞかし大変なんだろうな・・などと思います。

 海外メディアが警告するように、彼女は睡眠不足から攻撃的になっていくのではないかと心配しています。


高市早苗 高市首相


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2025年11月16日日曜日

イギリス入国のためのETA(電子渡航認証)取得は拍子抜けするほどあっという間に認証された 申請手続きの手順

  


 友人と「ロンドン行こうよ!」という話をしていて、体調に今一つ自信がなかったり、ちょっと他の諸事情が重なったこともあり、また、私が二の足を踏んでいたのには、イギリス入国のためには、ETA(電子渡航認証)を申請しなければいけないことも、けっこう億劫な気持ちになっていた原因のひとつでもありました。

 説明には、「携帯で10分ほどでできる簡単な申請です」、「多少、時間を要する可能性もあるので、少なくとも出発日の3日前(3営業日)までに申請してください」と書いてあったものの、携帯の操作には異様なアレルギー意識を持っている私にとっては、大きなハードルのひとつでもありました。

 パソコンならば、少しは恐怖感が少ないのですが、私は携帯電話での操作となると、途端に怖くなってしまうおばちゃんなのです。

 ロンドンに遊びに行くこと自体もどうしようか?迷っていたのですが、「じゃあ、ETAがすんなり通ったら、行こう!」と友人にも側で見ていてもらって、思い腰をあげて、申請作業を行ってみたのです。

 結果的には、拍子抜けするほどにあっさりと申請ができて、この認証自体も返事が来たのは、1分後くらいのあっという間のことでした。

 この手の手続き?に不安を感じる方もいらっしゃると思うので、私が申請した手順をご紹介します。

 ETA取得に際しては、色々なサイトがあるようですが、中には詐欺サイトもあるので、イギリス政府がやっているものを利用するのが一番確実ですので注意が必用です。

 まず、携帯にETAを取得するためのアプリをいれます。これはアプリを検索するときに、「UK ETA」というアプリを選びます。

 アプリを開くと、「How to apply for an ETA」という画面が出てきて、3ステップの手順が説明されています。

 次のページに行くと、この申請に必要なもの(パスポート、e-mail のアドレス、支払い用のクレジットカードまたはデビットカード、ApplePay、GooglePayでも支払い可能)が書いてあります。

 また次のページに進むと「このアプリはあなた自身のためだけではなく、他の人の申請もできます」と説明が書いてあります。

 次のページはこのETAについての簡単な説明、このETAはイギリス入国の許可証であり、これは2年間有効であるというような説明と支払いに使えるカードの種類(VISA、MASTER、AMEX、JCB)が書いてあります。

 次はプライバシー、Cookiesについての同意が求められるので、同意します。

 そして、国籍、(次ページ)、e-mailアドレス、この後、このアドレスに6ケタのコードが届くので、それを入力します。次に電話番号を入力。

 次はあなたのパスポートはICチップの入っているものですか?と出てくるので、ここは「YES」。

 次は指示どおりにパスポートの写真を撮影します。その後、自分自身の写真もセルフィーで撮り、携帯をパスポートの上にのせます。

 また、犯罪歴はありますか?等の質問がありますので、これに回答します。(犯罪歴等が自己申告というのも、なんだか、もやっとしますが・・)

 さらに、支払いのためのカードナンバー、セキュリティーナンバー等を入力すれば、終了です。

 終了からわずか1分ほどで登録したメールアドレスには、「あなたの申請は認証されました」という「ETA reference number」が届き、この認証の有効期限(申請日から2年後の日付)が記載されています。

 これで完了です。

 もっと申請から、認証をもらえるのに時間がかかると思っていたのに、あまりに早くて拍子抜けして、むしろ、「ホントにこれで大丈夫なの?」と思いましたが、大丈夫でした。

 イギリス渡航を考えていらっしゃる方でこのETA取得に不安を感じていらっしゃる方が少しでも安心して、申請ができますように。

 また、今後、ヨーロッパ諸国でも同様のシステムが開始される予定になっていますので、一度、やってみておくと良いかもしれません。

 料金は日本円で3,600円くらいでした。


ETA(電子渡航認証)


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2025年11月15日土曜日

友人とポニョの不思議な相性

  


 今回、友人がしばらく家に滞在することで、私にはひとつ心配なことがありました。

 それは、我が家の猫のポニョのことです。

 ポニョはハッキリ言えば、酷く内弁慶で外から来た人に対して、自分が嫌いな人に対しては、容赦なく「シャーッ!」と敵意丸出しの態度を見せて、絶対に近寄らず、どこかの部屋に籠って出てこなくなってしまいます。

 自分から噛みついたり、引っ掻いたりすることはありませんが、険悪な雰囲気になることこのうえありません。

 また、それほどでなくとも、決して、距離を縮めることはなく、食事をしていたりするときだけ、近寄ってきますが、食事が終わるとスーッといつのまにか消えてしまいます。

 いつも一緒に暮らしている私にさえも、仕事でパソコンに向かっていたりすると、何気に微妙に邪魔なところに陣取って寝ていたり、パソコンを打っている両腕の間に座りに来たりはするのですが、決して私の膝の上に乗って来たりすることはありません。

 とにかく家猫なので、生まれてこの方、ずっと家の中で暮らしてきた猫なので、外に出ることはほぼほぼなく、家の主のような顔をして暮らしているので、家族(私と娘)以外の人に対しては異常に警戒心が強くなってしまったのは、仕方ないところもあります。

 今までも、私の友人や親戚が泊まりに来たことはありました。しかし、せいぜい1週間か10日程度のことで、ほぼ家族のような存在ということで取り立てて問題はありませんでしたが、今回、友人は3週間ほど滞在予定だったので、3週間もの長い間、ポニョと友人が険悪な感じになってしまったら、双方ともに、嫌な思いをするんじゃないか?そんな風に心配していました。

 ところが、友人が家にやってきて、家に入ったとたん、私一人が家に帰ってきたと思っていたポニョは玄関で待っており、そんなポニョのキャラクターは説明済みだった友人はポニョに挨拶。

 すると、ポニョは、珍しく警戒心を全く見せずにすり寄っていくではありませんか?こんなことは、今までなかったことで、もうその日から、まるで私のような言うことを聞いてくれる存在が増えたと思っているかのように、冷蔵庫を開ければ友人にキャットフードを出してほしいと頼み、眠くなれば、私の部屋をあけてくれと友人に頼みに行って、あけてもらい、私の友人をまるで自分のしもべが一人できたかのように、また、ずっと昔から知っているかのように、ごくごくふつうに過ごしているのです。

 これは嬉しい誤算というか、飼い主の私としては、「あなた、いったい誰の猫ちゃんなの?」とちょっとやきもちを焼きたくなるほどです。

 友人曰く、彼女はなぜか昔から動物にはやたら好かれるとのことで、「でも、ポニョに嫌われなくてよかった・・」と言ってくれています。

 ポニョはいったい、どうして彼女を気に入ったのか?彼女のどんなところが他の人と違うのか?聞いてみたい気がしています。

 ともあれ、友人とポニョが仲良しになってくれて、よかったです。


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2025年11月14日金曜日

日本から来ている友人が病気になった・・

  


 日本から友人が来て、約2週間が経過した頃、1周目はパリを二人でぶらぶらして、一緒に食事したり、買い物したりして過ごしたあと、二人でバルセロナにも行ってきました。

 2週目頃は、もう出るものが出なくて、こちらもなかなかキツカッタ模様。出たの出なかったの・・そんなことを始終言いあってました。

 そして、バルセロナからパリに戻って、さすがに疲れたから1日はゆっくりしよう・・と1日を過ごし、次の週の旅行前にさて、どうする?なんて言ってたと思ったら、数日前からコンコンと空咳のような咳をしているな・・と思っていたら、それが日に日に悪化していき、とうとうダウン。

 まあ、もう1日、ゆっくり家で寝てたら、よくなるんじゃない?と思って1日を過ごしたその翌日、朝、起きても一向に良くなっている感じがなく、咳も空咳だけではなくなってきて、ますますヤバい感じになってきました。

 同い年の彼女は、いつもは全くタフで元気な人で、一緒に出掛けたりしても、まったく元気で、途中でバテるとしたら、私の方だと思っていただけに、ショック。

 次のプチ旅行のチケットやホテルの予約をしたとたんに具合が悪くなったので、なんとしても、その旅行までには、治ってもらわないと・・と彼女はもちろんのこと、私も焦ってしまいました。

 しかし、考えてみれば、彼女は日本からの長旅をしてきて、そのままほとんど時差ボケも感じさせずに、ついついおしゃべりが止まらなくなって、いつまでも起きていたり、なにしろ、CDG空港に着いた途端からトラブルの連続。

 言葉も不自由で、治安も決してよくないパリ市内、いつもにはない緊張状態の日が続いていたのです。まあ、疲れが出て、当然です。

 でも、せっかくといってはなんだけど、ホテルではなくて、家なんだから、ホテルに缶詰めになるよりマシだったのでは・・?とも思うのですが・・せっかくパリまできて、家で寝てるのもなんだか気の毒なことです。

 せめて買い物に行ったり、食事の支度をしてあげるくらいで何の力にもなれないのがもどかしいですが、仕方ありません。

 私もなんだか、せっかく来てくれているのに、彼女が寝てばっかりいるので、つまんな~い!なんて思っちゃうのですが、やっぱり彼女にしても、私にしても、もう少し控え目にスケジュールをたてなきゃいけなかったな・・とちょっと反省しています。

 少しでも早く彼女が回復して、元気を取り戻して、楽しいパリ滞在を再開させてほしいな・・と思っています。

 旅先で病気になるって、ホント辛いですよね。


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2025年11月13日木曜日

サルコジ元大統領が3週間で釈放された理由と国民の反発

 


 元大統領という立場にありながら、実刑の有罪判決を受けて、パリ市内の刑務所に収監されていた二コラ・サルコジ氏ですが、刑務所では既に収監されている囚人たちから熱烈歓迎?を受け、夜中には、野次や怒号が飛んだり、SNSで彼の情報が拡散されそうになったり、刑務所内でも、ちょっとした騒ぎなったようでした。

 サルコジ氏の弁護団は、彼の入所とほぼ同時に釈放請求を提出していたようで、結果的に彼は投獄から3週間後に釈放されました。

 釈放の際の映像を見ると、黒塗りの車がお迎えにあらわれ、警察の護衛隊のバイクや車に先導されて、帰宅する様子は、およそ、刑務所帰りとは思い難い様子でしたが、刑務所内でも他の囚人たちからの嫌がらせなどもあったことを考えれば、彼の身の安全を考えれば、あり得ることだったのかもしれません。

 しかし、なぜ?彼の釈放請求が認められたかについては、賛否両論あったようではありますが、釈放されたとはいえ、一応、控訴審まで司法監視下におかれるという名目で、これは、検察庁が下した決定のようです。

 パリ控訴院は、彼を釈放した理由として、「二コラ・サルコジ氏は家族、経歴、資産を通じてフランスに深く根ざしているため、フランスの司法を逃れるリスクはないと判断した」とし、刑事訴訟法第144条により、「拘留の継続は、証拠保全、強制の防止、逃亡の防止、あるいは被告人の保護のための唯一の手段である場合のみ」としているため、サルコジ氏はこれにあたらないと判断されたということです。

 また、彼の年齢も釈放される理由の一端となっており、刑事訴訟法第729条によれば、「70歳以上の受刑者に対しては、社会復帰または社会復帰が保障される限りにおいては、仮釈放が認められる」ということになっています。

 そんな経緯で彼は収監後から3週間後に釈放されたわけですが、この釈放の手続きには、数ヶ月間かかることもあることを考えれば、彼の釈放の早さは特別待遇だったのではないか?と反発の声もあがっています。

 また、彼の釈放の際には、釈放の際の慣例として、彼の年収が公表されてしまい、450万ユーロ(約8億600万円)という彼の年収がさらに一般市民の反発を買ったうえ、翌日から黒塗りの運転手つきの車でパリ市内の高級レストランに食事に出かけた様子などが報道され、SNS上では、「二コラ・サルコジは、運転手を雇い、国民の税金で賄われる経費を使いながら、年間450万ユーロもの収入を得ている贅沢な生活に戻った・・そんな者のために税金を支払っているフランス人はバカだ!」などという投稿が飛び交ったりしていました。

 まあ、彼にしてみれば、刑務所での3週間の生活は充分に耐えがたい生活であったに違いなく、また、今までしていたとおりの生活に戻っただけなのでしょうが、これを快く思わない国民は少なくないようです。

 

サルコジ元大統領釈放


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2025年11月12日水曜日

パスポートのスタンプ ヨーロッパ間の移動

  


 私は、旅行をするたびに、自分のパスポートにこれまで自分が行った国々のスタンプが増えていくことをなんとなく楽しみにしているところがあります。

 これまで、私はわりと旅行することが多かったので、10年有効のパスポートの最後の方までには、それなりにスタンプがたまっていっていました。

 かといって、そういえば、パスポートをそんなに見返してほくそ笑むようなこともないのですが、なんとなくスタンプが増えていくことが嬉しいような気持ちってないですか?

 しかし、そんな各国への出入国スタンプが最近は激減していて、ちょっと残念なのです。

 夏の終わり頃に娘とイタリアに行った時も、先日、友人とスペインに行った時も、スタンプはないのです。

 ヨーロッパ間の移動ということで、たとえ、日本人で日本のパスポート(欧州の加盟国のパスポートではないという意味)であっても、まったくパスポートのチェックもありません。

 もちろん、出国の際、飛行機にチェックインする際、搭乗する際にパスポートを見せてはいますが、入国の際には、なんのチェックもないのが、「えっ??ほんとにこれでいいの?」という気分にさえなります。

 入国の際の荷物のチェックをしているのさえも見かけません。

 まあ、飛行機に乗る前のセキュリティチェックで荷物検査をしているので、まあ、これでよしとしているのでしょうか?

 考えてみれば、陸続きのヨーロッパ諸国の陸路の移動に関しては、ずっと前からパスポートを見せることもありませんし、ほぼほぼノーチェックで通過。

 島国の日本で生まれ育った私にとっては、国境をこんなに簡単に越えられてしまうことが不思議な気がしてしまうのは、長年、フランスに住んでいても変わりません。

 ともあれ、私が今持っているパスポートを書き換えたのは、今年の3月だったと思うのですが、あれからイタリア、スペインと旅行しているにも関わらず、新品同様のノースタンプ・・。私が旅行している痕跡はまったくパスポートには残っていないのは、なんだか寂しい気がしてならないのです。


パスポートのスタンプ ヨーロッパ間の移動


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2025年11月11日火曜日

バルセロナで大感激したレストラン・バル Cal PEP カル・ぺップ

 


 私が旅行をする大きな目的のひとつは現地の美味しいものを食べることで、まあ、常日頃から食べ物に対する執念・執着は強い方ですが、旅先となると、期間限定で食事の回数も限られてしまうため、その食事の1回、1回が真剣勝負。

 友人と旅行をすると、ちょっと呆れられます。

 今回の旅行はバルセロナ(スペイン)だったため、私は久しぶりに本場のパエリアがどうしても食べたかったのと(本場はバレンシアなのだそうですが・・)、バルでタパスを食べてみたい!と思っていました。

 パエリアもスペインのレストランにはさすがにけっこうな割合で置いてあるし、タパスのお店もなかなかたくさんあります。しかし、たくさんあるだけに、その中でどこを選ぶのかが大変、難しいことです。

 私の場合はGoogleで探して、メニュー、値段、写真を見て選ぶか?あとはホテルのフロントなどで実際に現地の人の声を聴いて、参考にすることが多いです。

 なんとなくの印象ですが、バルセロナはレストランはハズす確率は低いのではないか?全体的に食に関するレベルが高いような気がしました。しかも、パリよりずっと安いし・・。(こういっちゃ悪いが、パリの場合はハズレの場合でも、そこそこ高いので、とても腹立たしい思いをすることになります)

 今回は、あまり長い滞在ではなかったので、食事の回数もあまりあったわけではないので、大口は叩けませんが、今回の旅行で一番感動したのは、Cal PEP (カル・ぺップ)というバルでした。

 昼間でもけっこう混んでいるということだったので、時間を少し遅めにずらして行ったつもりだったのですが、それでも少しだけ待ちました。でも、恐らくあのお店では行列とは言えないほどの待ち時間(私たちの前に2人が待っていただけ)だったのだと思います。




 現地の食材を使ったお料理を目の前で豪快にお料理してすぐにカウンターに出してくれるようになっていて、このお店には、いわゆるふつうのレストランにあるようなメニューはなく、その日の食材によってメニューは変わります。




 店内の黒板?に、今日のおススメ・・みたいなものが書かれていて、あとは、食材を見て、周囲の人たちが食べているものを見て「あれ!あれ食べたい!あれ下さい!」みたいに注文します。

 カウンターの前には数人のお兄さんたちがいて、それぞれ注文をとってくれます。この方々、語学が非常に堪能で、スペイン語、英語、フランス語、ちょっとカタコトの日本語を話してくれる人までいますので、言葉に関しては、わりと安心です。

 バルに関しては食べたいものを少し予習して行ったので、お店に入って、「あ~あれあれ!あれ!食べたかったやつだ!」と目がランラン!




 私が食べたかったのは、ししとうの素揚げやマテ貝といわれる細長い形状の貝などだったのですが、それらもすんなり注文出来て、その他、アーティーチョークの素揚げやイカのフリットなどなどを注文しました。






 中でも感動的だったのは「アンコウのグリル」で、これには、本当に感動しました。身はふっくらとしていて、ガーリックを少々使っているのですが、どちらかといえば、繊細な味のアンコウがそのガーリックに負けていないのが、絶妙なバランス!付け合わせのじゃがいもも、このアンコウの焼き汁が上手く絡んでいて、絶品です!



 量に関してもたっぷりしていて、満足感が半端ないです。正直、この1皿だけでも充分、満足できるほどの量です。

 値段がわからないので、ちょっと心配もありましたが、これが意外にも安く、パリだったら、このクォリティでこの量だったら、優に2倍の値段するのは間違いないだろうと思われ、(アンコウに関しては、1皿20ユーロ程度でした)最後に値段を見て逆の意味でビックリしました。

 マテ貝のグリルに関しても、火の入り具合が絶妙、しかも素材が新鮮なために、淡泊そうに見えて、貝そのものの味が濃くて、非常に味わい深いです。

 また、ししとうの素揚げは、そのものの味ですが、シンプルに調理されたものを塩だけで食べるという王道。そして、アーティーチョークの素揚げというものも初めて頂きましたが、まわりの部分がカリッとしていて、芯?の部分はホッコリしていて、これもまた素揚げしたものを塩だけで頂きます。

 フリットのイカが新鮮でカリふわなことは言うまでもありません。

 美味しいだろうと期待して行ったお店でしたが、想像以上に大満足。自信をもっておススメできるバルです。

 さすがバルセロナ!

 

Cal PEP カル・ぺップ 

Plaça de les Olles,8 08003 Barcelona

www.calpep.com (34)93 310 7961


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2025年11月10日月曜日

バルセロナは意外と日本人観光客が多くて驚いた

  


 ふだん、パリの街中を見ていると、以前に比べると海外旅行をする日本人が減ったんだな~と思います。

 それこそ、日本人の旅行形態も変化して、以前は大人数のグループで観光バスでド~ッとやってきている感じだったのが、その観光バスで移動している感じの旅行者が減り、(もっともパリ市内は観光バスが走れない場所も増えたこともありますが・・)、個人個人がこじんまりやってきて、自由に自分の好きなところを廻っている感じが多いです。

 とはいえ、相対的には実際にパリに来ている観光客はそれでも少なくはないのだとは思いますが、ふだんの私の日常生活の範囲内とあまり重ならないこともあるのか?あまり日本人観光客を見かけることは、そんなに多くはありません。

 今回、まさにバルセロナでは、私は日本人観光客の一人で、いわゆる観光客が行くような場所、サグラダファミリアやグエル公園やピカソ美術館などを見て廻っていたこともあるのでしょうが、そのどこでも必ず何組かの日本人観光客に遭遇し、市場や訪れたレストランなどでも必ず日本人がいるということにかなり驚きました。

 特にレストランでは、こんなところ、日本人いるわけないよね・・というところでも、けっこう年配の日本人カップルがいたりするので、これは、けっこうな日本人がバルセロナに来ているのでは・・ひょっとして、今、バルセロナって日本人にかなり人気なのかもしれない・・と思いました。

 考えてみれば、比較的、こじんまりとしていて、自分の足でも廻りやすいし、なによりもパリよりも格段に物価が安い!治安もさほど悪くはないし、街はわりと清潔です。

 友人に言わせれば、フランス語よりもスペイン語の方が地名からして、読みやすい(基本的にカタカナ読みでだいじょうぶ)ので地図なども見やすいのだそうです。

 物価に関して言えば、逆に言えば、パリって物価が高いんだな~とあらためて実感。

 もうバルセロナにいると、レストランにしても、ちょっとした食品などにしても、全然、パリよりも安くて、もうごくごく簡単な日常の食料品、野菜や魚や肉類などまで買って帰りたくなりました。

 なんか、肌感覚として、パリの物価はバルセロナの1.5倍くらいな感じです。


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2025年11月9日日曜日

サグラダファミリアは2週間以上前に予約を取らないと入れない バルセロナ観光チケット問題

  


 バルセロナは国際的な観光都市とはいえ、パリに比べると規模も小さい?ので、比較的、簡単に廻れるイメージがありました。

 バルセロナに行ったのは、なんといってもガウディの建築、サグラダファミリアやグエル公園などが見たくて・・・、あとは美味しいものを食べたくて行ったのですが、私たちはサグラダファミリアを甘く見ていました。

 私も友人もバルセロナは2回目で、とはいえ、2人とも、前回、行ったのは、ウン十年前のこと。色々、事情も変わっていて、簡単に言えば、サグラダファミリアは、予約が取れなくて、中には入れませんでした。

 ちょっと前に予約サイトを見た時は、まだまだ全然、空きがあったので、これなら天候を見て、ギリギリになってからでも、なんなら、当日券でもいいんじゃない?今はバカンス期間でもないし・・とか言っていたのが、甘かった・・。

 実際に行ってみると、当日券どころか、2週間先まで予約がいっぱいとのこと。現場にはチケットオフィスなどはなく、全部、オンラインで予約とのこと。

 外観を見るだけでも大感激なので、残念ではあるけれど、まあ仕方ありません。それでも、2人とも、以前見た時には、20〇〇年完成予定・・なんて話を聞いても、そんな先の話、もうそんな先まで私は生きてないでしょ!くらいに思っていたのに、もう完成間近のサグラダファミリアを見れて、それなりに、やっぱりすご~く完成に近づいていて、感無量の感激を味わいました。

 やっぱりサグラダファミリアはすごい!比べるのはおかしな話だけど、これまで相当な数のカテドラル、大聖堂を見てきた私でもここはちょっと全然、違います。

 とても精巧で、色合いもデザインも壮大さも荘厳さも、全く異質です。

私たちは、その日、お天気が良かったので、そのままグエル公園に行くことに・・。

 グエル公園の方は、入れはしたものの、やはり現地でのチケットオフィスはなく、その場でネットでチケットを購入することになります。

 いつの間にか、全てがオンラインになっていて、ビックリ仰天。

 翌日、ピカソ美術館に行ったのですが、ここは、さすがにチケットオフィスがあり、その場でチケットを購入できます。



 ついでにバルセロナ観光で購入して、とっても良かったものは、バスやメトロやトラムなどが無制限で乗れるチケット(Hola Barcelona Travel Card)。これは、公共交通機関に乗るたびに、いちいちチケットを買う必要もないし、割安になるので、とっても便利でした。

 値段は、72h26.30€、96h34.40€、120h42.10€で、事前購入も可能です。


サグラダファミリア バルセロナ


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2025年11月8日土曜日

中国大手SHEIN 児童ポルノ人形販売による業務停止処分とCDG空港での中国からの小包20万個検査

  


 これまでにも数々の波紋を生んできた中国大手 eコマース「SHEIN」で、またひと騒動起こっています。

 これは、同社がプラットフォーム上で販売していた女の子の人形が摘発されたことに端を発しているのですが、この人形というのが、なかなかエグいもので、編み髪の少女を模した人形がナイトガウンを着て、テディベアを抱いている人形で、「エロティックなボディと本物の膣と肛門を備えた男性用オ〇ニー玩具」という説明文とともに、掲載され、つい数日前まで販売されていました。

 この人形は単なる空想だけに終わらず、児童性的虐待の促進となるものとして、SHEINに対しては、即刻業務停止命令がおり、この商品が国内に流入することを避けるために、急遽、異例の方策の一環として、パリ・シャルルドゴール空港に到着した中国からの荷物を100%検査すると政府は発表しています。

 フランス政府は5日、SHEINに対して、「全てのコンテンツが最終的に法令に準拠していることを示すまでの業務停止命令」を発令しています。

 この種の人形は、これまで「こうした人形を使うことで小児性愛傾向のある人が空想を封じ込められる」という言い訳がなされてきたそうですが、これは逆にこの人形を使用?することで、人形だけでは飽き足らなくなり、実際の子どもに対しての行動を起こしてしまう起爆剤のようになり得るものであり、小児犯罪行為の過激化を招くということをフランス未成年者保護監視機構(Ofmin)戦略部門の責任者は語っています。

 20万個の荷物を検査するということは、生半可なことではありませんが、中国からの荷物の95%は、シャルルドゴール空港を通過することから、この措置がとられていると説明されています。

 また、すでにこの人形は、相当数、フランス国内での購入者がいると見られているため、この購入者も罰せられるとのこと。フランス当局は同社に対し、これらの人形を購入した人物の氏名を明らかにするように要請しており、SHEIN側もこれに応じることに同意しています。

 よって、このリストを入手次第、今度は、この購入者の追跡が始まると見られており、このような人形を所持している人は、国家性暴力犯罪者登録簿(Fijas)にも登録することが検討されています。

 すでに、この人形がブッシュ・ド・ローヌ地方で配達中の荷物の中に発見され、受取人の56歳の男性が逮捕・拘留されています。検察当局によると、この男性は過去に性的暴力で有罪判決を受けており、性的目的でこの人形を購入したことを認めていると言います。男性は、刑事裁判所への出廷延期召喚状を受け取り、検察は彼を司法監督下に置くことを要請しています。

 また、このような人形は、SHEINだけではなく、ライバルサイトであるAirExpress社のサイトでも確認されており、パリ検察庁は、これら2社に対して、本格的な捜査を開始したことを発表しています。

 これまで、多くの案件に関して波紋を呼び続けてきたSHEIN。なんとかSHEINの勢いを止めたかったフランスにとっては、憎さ100倍というか、さぞかし熱心にこの件についての捜査が進められることになるのではないか?という感じがしています。

 それにしてもネット販売恐るべし・・こんなものがそんなに出回っているとは・・驚きです。


SHEIN児童ポルノ人形


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2025年11月7日金曜日

イベリア航空と格安航空会社 VUELING(ブエリング航空)のよくわからない関係

  


 日本から来ている友人とバルセロナに行きたい!ということになり、2人で久しぶりのバルセロナに行ってきました。

 まず、航空券の予約!!と、勇んで探しにかかったところ、私が、これまで格安航空券では、何度か極度の遅延とか、荷物の問題で揉めたりだとか、色々あったので、格安航空券は避けたい!ということで、ふつう?の航空会社・・ということでエアフランスか?スペインなのでイベリア航空・・ということで、結局、往復ともにイベリア航空パリ(オルリー)⇔バルセロナで予約しました。

 当日、不測の事態に備えるという意味で、オルリー空港には2時間前に到着していました。まあ、時間に余裕があったら、空港で時間を潰せばいいのです。バタバタ焦るのは嫌なお年頃です。

 空港に着いて、まず、フライトスケジュールの電光掲示板を確認してみると、「イベリア航空バルセロナ行き10:30発」の便はオンタイムになっていて、少しだけホッとしてから、チェックインカウンターへ。

 ところが、イベリア航空のカウンターというものが見当たらず、なんだか不安になり、空港の案内の人に聞いたら、あちらのカウンターでチェックインしてくださいということだったので、云われたとおりの場所でチェックイン手続きを完了。

 その時点では、出発ゲートを確認して、早々に出国手続きをして荷物検査を済ませて、ゲートへと進みました。

 そして、次にゲートでもう一度、フライトスケジュールを確認すると、なんと私の乗るはずだったイベリア航空のフライトがキャンセルになっていました。

 「え~~~~~!!」と目がまんまるになって、途方に暮れると、一緒にいた友人が、「これ、VLって書いてない?」とチケットの違いに気が付きました。

 要は、いつの間にか、私のイベリア航空の予約は、フライトキャンセルが理由なのかわかりませんが、自動的にVUELING(ブエリング航空)という格安航空会社の便に振り分けられていたのです。

 こういうトラブルが嫌だから、格安航空会社は避けたつもりだったのが、勝手に振り分けられるとは、なんたる心外なことか!と腹は立ちましたが、かといって、パリからバルセロナ行きの便がそうそうたくさんあるわけではないので、とりあえず、行けるだけでも助かった!と思うことにしました。しかし、なんだか、とっても納得がいかない気分でした。

 でもまあ、パリ⇔バルセロナ間のフライトは正味1時間20分程度、まあ、あっという間に着いてしまうので、そこまで大きな問題でもありません。

 なんだかモヤモヤした状態でバルセロナに着いたら、いつまでもそんなことを言っているより、充分に楽しみたい!ということで、そのことは忘れていました。

 でも、帰りの便もやはり同じイベリア航空で予約が入れてあります。友人と二人で「なんとか、帰りだけでもイベリア航空で帰れますように・・」と祈りながら、それでも不安な気持ちでやはり2時間以上前に空港へ。

 バルセロナの空港はパリの空港よりも規模が小さいので、ラクといえばラクなのですが、やはり、チェックインカウンターに行っても、イベリア航空のカウンターというものがありません。嫌な予感はしていましたが、ますます嫌な感じです。

 まず、セルフチェックインを試みますが、途中でシステムダウン。荷物のチェックインカウンターでさえも、バルセロナの空港にはほとんど人がいないのです。

 仕方なく、長蛇の列のVUELING(格安航空会社)の列に並ぶことになりました。延々待って、ようやくチェックインができたところで、係のお兄さんに聞いてみると、「あなたはイベリア航空を通じてVUELINGのチケットを買ったことになっているのです」とのこと。

 しかし、私のチケットの画面には、VUELINGなどというものは、影も形もなく、あの赤と黄色のイベリア航空のマークのついたイベリア航空のチケットが手元にあるのです。

 お兄さんは涼しい顔をしているので、「すみません!これはイベリア航空の便がキャンセルになったから、振りかえられたんじゃないんですか?イベリア航空って今でも存在してるんですか?」と聞いたら、そもそもイベリア航空のパリ⇔バルセロナ便というものはないのだそうで、まったく詐欺にひっかかったような嫌な気分になりました。

 最初から、VUELINGと知って買っていれば、少なくとも、カウンターを探し回ることなんてなかったのに、イベリア航空と名前を偽ってチケットを売るなんて酷いです。

 調べてみるとVUELINGというのは、どうやらイベリア航空系の格安航空会社なようで、そんなことを知らないでチケットを購入した私たちは、大混乱に陥りました。

 わざわざ格安航空券を避けたつもりがとんでもない落とし穴。

 皆さまもどうかお気をつけください。


VUELING ブエリング航空 イベリア航空


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