先日、アパートの換気口の掃除業者の人が来てくれた時に、「バカンスには、行くんですか?」と聞いてみたら、「とんでもない!まだウィルスは、あちこちにウヨウヨしているんだよ!」と即答されたので、「あ〜フランス人でも、こんな風に思っている人もいるんだ・・」と少しホッとしました。
彼らは、たくさんの家を回る清掃業者の人たちなので、多くの人に屋内で会うわけで、しかも清掃という仕事をしているので、普通の人よりも意識が高いのかもしれません。
しかし、街中は、すっかり緊張感も緩み、マスクをしている人もかなり減り、レストランなどもだんだん、いつもと同じような人出になってきていますし、バカンスに出かける人も大勢います。どんどん、以前のような日常に戻りつつある気配です。
一方、昨日、東京にいる友人から、「東京の感染者の多さには、閉口してしまいます。早く普通の日常に戻りたい。」という内容のメールをもらいました。ここのところ、日本の新規感染者数が増加してきていることは、知っていましたが、やっぱり、大変、問題視されているようですし、やはり、普通の日常には、まだまだ戻れない・・と思っているようです。私としては、やはり、日本の反応の方が普通だと思うのです。
もともと、コロナウィルスの被害がフランスと日本は、比較するまでもないほどなので、おかしな話ですが、フランスは、昨日も今日も新規感染者が663名、621名と600名を超える数字で、現在は、ヨーロッパの中でも(検査数もそれほど多いわけでもないのに)ダントツの数字なのです。
ロックダウンが解除になった途端にデモだ、音楽祭だ、と目にするたびに気が遠くなりそうな人出が続いてきたのですから、むしろ、この数字で留まっていることが不思議なくらいです。
すでに、ドイツやスペイン、オーストラリアなどは、一部の地域で再ロックダウンになっているそうですが、フランスでは、今のところ、そのような地域はありません。これまでの状況を見ていると、ウィルスの拡散には、どうやら気温が関係していると思われる状況が多く、たとえ、この夏の間は、第1波のような感染爆発は起こらなくとも、感染者を一定以上キープしたままで、秋から冬を迎えれば、それは大変なことになります。
うんざりすることに、そんな秋を迎えた頃の9月17日、年金問題に関する大規模なストライキが行われることが発表されています。ストライキやデモもバカンス期間中は外すのがフランスなのです。
現在、再ロックダウンの措置をとっている国も、これ以上の感染爆発を起こさないためにやっているのであって、3月〜4月のような危機的状況に陥っているわけではありません。この段階で、小規模でのロックダウンや警告は、秋以降の状況に大きく差が出てくるような気がしています。
日本は、もともと完全なロックダウンの措置を取らずにここまで来ましたが、現在もその警戒を怠らずにいることは、やっぱり日本、凄いなと思います。日頃から、街中も国民も清潔で、マスクをする人が多い日本がこんなに頑張っているのに、感染者600名を超えても、すっかりバカンス気分のフランス人には、ため息が出ます。
今日、家の外から、パリ祭の航空ショーの練習のために轟音で飛んでいく飛行機の音が聞こえてきました。いつものパリ祭とは、形を変えるようですが、やはり、パリ祭は、行われるようです。革命記念日であるパリ祭は、全国民を高揚させる不思議な力を持っています。バカンス突入に加えて、パリ祭でさらにアクセルがかかりそうなフランスに、私は、大いに不安を感じています。
<関連>「フランスでコロナウィルスが広まる理由」
https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2020/03/blog-post_19.html