2020年3月26日木曜日

コロナウィルスによるロックダウンは、別の混乱も生み始めた・・




 コロナウィルスが拡大し続ける中、フランスは、何よりも人命優先で、感染の拡大を防ぐために、いわゆる「ロックダウン」の状態にあります。

 来週は、交通機関もさらに縮小され、シャルルドゴール空港は、ターミナルもわずかとなり、オルリー空港(主に国内線やヨーロッパ便)は閉鎖という局面から、駆け込み移動でバタバタ。

「とにかく、家にいろ!」と外出禁止を強いられて、街には、警察が巡回し、外出の際にも外出許可の用紙を持ち歩き、検問に合った時に備えています。

 やたらとうるさい地域では、アパートの外にちょっとだけゴミを捨てに行った際に、「外出許可の用紙を持っていない!」と135ユーロを取られたとか、買い物に行く道すがら、ちょっと知り合いに会って、間隔を取りつつ、少し話していたら、「話をするんじゃない!」と怒られたとか、体を動かすために散歩(時間制限と距離制限がある)に出たら、「立ち止まるな!」と怒鳴られたとかいう話を耳にします。

 入ったことはありませんが、刑務所みたいだなと思います。

 どうやら、私の友人たちからの情報では、自転車で出かけると、検問で、止められる場合が多いそうです。(自ずと移動距離が広がることもあるかもしれません。)

 そうやって、検問にあったからと言って、「ハイ、すいませんでした。」と引き下がらないのが、フランス人で、大声で怒鳴り合いの口論になっている場合も少なくないようです。その怒鳴り合いの方がよっぽど、飛沫感染しそうな感じですが・・。

 もはや、そうして、少しでも罰金を稼ごうとしているような感じにも受け取れてしまいますが、どちらも、異常な事態にイライラしていることだけは、間違いありません。

 そうして、再度、違反とされた場合は、1500ユーロ、3回以上、止められると、3700ユーロ(約45万円)の罰金の上に、投獄されるという厳しい法令。フランスでは、簡単な窃盗などでは、なかなか投獄にまで至らないのに、どれだけ、この外出禁止を徹底させようとしているのかがうかがえるものだと思っていました。

 ところが、ここへ来て、刑務所内での感染を恐れて、すでに留置されている受刑者5000人を釈放することになったとか。

 テロリストや、凶悪殺人犯などは、除外とされてはいますが、これは、コロナウィルスとは、別の意味での恐怖が街に放たれることになります。

 もともと、フランスでは、生半可なことでは、投獄されないのですから、その人たちを釈放というのは、それはまた、別の意味での恐怖です。

 投獄するとか、釈放するとか、こうして、厳戒令の中、社会は、別の混乱も生んでいくのか・・と、ますます外出するのが怖くなっているのです。

 日毎、コロナウィルスによる死者が200人、300人、400人と増えているフランス。この混乱は、まだまだ、収まりそうにありません。

 日本のテレビなどを見ると、ロックダウンなどという状況が、「想像もつかない!」と言っていますが、私だって、こんな状況は、全く想像つかなかったです。まさか、フランスで、こんな事態が起こるなんて・・。
 でも、フランスだけでなく、世界中で起こっているのです。

 せめて、日本は、何とか持ちこたえて、こんな状態に陥らないようにと、心から祈るばかりです。

 

 

2020年3月25日水曜日

コロナウィルス被害で、日本へ帰る人、帰らない人、帰れない人、それぞれの決断




 コロナウィルスがヨーロッパで、これだけ蔓延してしまった今、日本への帰国は、既に、容易なことではなくなってしまいました。

 当然ではありますが、今、フランス(ヨーロッパ)から、日本に入国するのには、空港でのチェックに加えて、空港からの公共交通機関利用の禁止、ならびに2週間の自宅待機、あるいは、ホテルでの監禁生活が義務付けられています。ですから、家に帰るのにも、家族に空港まで車で迎えに来てもらうか、レンタカーを借りて、帰らなければなりません。

 しかし、来週からは、JAL、ANA、エアフランスともにパリ発の日本への直行便は、欠航となってしまうため、また、フランスでも、さらなる外出禁止の延長が確実視されているため、駆け込みで帰国しようとする人も多いようです。

 特に留学生などは、学校閉鎖に伴い、奨学金等も打ち切りになってしまう人もいるようで、まさに、折角の限られた留学期間を泣く泣く帰国せざるを得ないのは、本当に残念なことでしょう。

 しかし、ご両親にとったら、ここまで、危険と騒がれている国(実際に危険な状態であると思いますが・・)に、学校も閉鎖されている今(しかも、学校再開の見通しも当分つきそうもない・・)、まったく、フランスに残る必要もなく、1日も早く日本に帰ってきてほしいと思うのは、当然のことだと思います。

 私が、もしも、日本に住んでいて、フランスに娘が一人でいるとしたら、さぞかし心配で、「日本に帰ってきなさい!」と言っていたと思います。

 私には、もう両親もなく、逆に、もしも、自分が感染していたらと思うと、周囲の人をはじめ、日本の人に迷惑をかけたくないので、今は、パリで引きこもり生活をしている方が良いと思うのです。

 しかも、私には、猫もいるので、置き去りには、できないし、此の期に及んで、一緒に連れて帰るために、予防接種等を受けさせたり、猫用の書類を集めることもできないので、日本への帰国は、考えていません。

 たまたま、私は、先月、日本に帰国しており、2月の末にパリに戻ってきました。一年ぶりの帰国で、久しぶりに友人や親戚にも会うことができて、美味しいものもたくさん食べて、山ほどの日本食を持って、まさに、ギリギリのタイミング?でした。

 パリに帰ってくるのが、もう少し遅い予定を組んでいたら、日本から、ヨーロッパの悲惨な状況の報道を見て、もしかしたら、「このまま、日本に留まって、もう日本で暮らそうか・・」とか、考えていたかもしれません。

 人生は、少しのタイミングの差で、思ってもみない別れ道に遭遇することもあるのだと思っています。

 まさか、フランスから日本に帰るのがこんなに大変な日が来るとは、夢にも思っていませんでした。日本へ帰る人、帰らない人、それぞれに事情があり、どちらにしても、苦渋の選択をしていると思います。その全ての人々が、この苦難を乗り越えられますように。

 1日も早く、このウィルス騒ぎが終息し、気軽に日本と行き来できる生活になる日が来ることを祈っています。



2020年3月24日火曜日

コロナウィルスに対する各国首脳のスピーチ




 ヨーロッパ(フランス)に居を移して、もう20年以上になりますが、私は、滅多に、フランスを褒めることは、ありません。日常の生活でも、日本なら当たり前にスムーズに行くことが、いちいちすんなりとは行かず、不便なこと、不快なことが当たり前です。

 コロナウィルスの蔓延にしても、周囲からの警笛に耳を貸さない市民が、いつまでも予防をせず、ロクに手も洗わず、マスクもせず、大勢の人が集まる場所を避けずに、外出禁止令が出るギリギリまでデモで騒いでいたことも、爆発的な感染に繋がった要因になっているとも思っています。

 ただ、コトが非常事態になってからの政府の対応、マクロン大統領の毅然としたスピーチや対応は、なかなかなものだと、感じています。若いのに頼もしいな・・と。

 外出禁止令を発表した際の彼のスピーチは、落ち着いて、理路整然と、また毅然としたものであり、まっすぐ目を見据えて、自分たちの置かれている危機を「これは戦争である」という言葉を使って真摯に訴え、外出規制をせざるを得ないこと、また、同時に、それに伴う社会保障を約束しました。

 外出禁止令から、一週間が経ち、それでも、その規制を守らない市民のために、規制は、さらに厳しくなっているものの、この規則を守りたがらないフランス人が大方、おとなしくしているのも、社会保障の約束がされていることによります。

 また、ドイツのメルケル首相のスピーチも、さらに見事なものでした。

 私は、ドイツ語は、わからないので、訳されたものを読んだだけですが、印象的だったのは、「ドイツには、この危機を乗り越えるために必要なものを投入できる能力がある国であり、それを実行すると断言して、国民を安心させたこと」、そして、さらに印象的だったのは、スピーチの中の「開かれた民主主義に必要なのは、私たちが政治的決断を透明にし、説明すること、そして、私たちの行動の根拠をできる限り示して、それを伝達することで、理解を得られるようにすることです。」という部分でした。

 そして、民主主義社会は、強制ではなく、知識の共有と協力によるもので、皆が思いやりを持って、力を合わせることでしか乗り越えられないという彼女を通じての言葉は、彼女自身の温度が伝わるものでした。

 日本は、規律のある、皆が勤勉に働く、安全で、清潔で美しい国ですが、国のトップにこのような真摯な、説得力のある、体温を感じられるようなスピーチを期待できるでしょうか?

 メルケル首相が仰っていた「政治的決断を透明にし、説明して、私たちの行動の根拠をできる限り示して理解を得られるようにすること」は、何よりも国民を納得させ、意識を強固にするために何より大切なことのように思います。

 現在の日本は、まだ、ヨーロッパのような深刻な状況にはなっていないものの、充分に危険を孕んでいる状態です。権限の範囲に違いはあるにせよ、もっと、説得力のある発言するべきところを、いつまでも、ただ、「自粛要請」などとしか言わず、色々なことに関しても、不透明なことが多すぎて、あまりにも、情けなく感じます。

 もしも、日本に、ヨーロッパのような危機が訪れた場合、果たして日本のトップが、マクロン大統領やメルケル首相のような、説得力のあるスピーチができるのかは、大いに不安を感じるところです。

 非常事態ほど、その国の本質が現れるものだと、今、私は、実感しています。

 

 












2020年3月23日月曜日

コロナウィルス外出禁止から1週間のフランスの変化




 コロナウィルスによる外出禁止の戒厳令状態になって、1週間が経とうとしていますが、状況は、日々、変化しています。

 フランスは、これまでに死者が674人出ており、昨日から、1日で、112人も増え、さらに一日経って、200人近く増え、現在は、860人となっています。重篤な患者は、余裕のある地方の病院に、軍の飛行機で移送されたり、新たな、テントを立てて、病室のような施設を作ったりと、緊急の対応に追われています。

 こんな状況の中で、必死でマクロン大統領が、「とにかく家にいろ!」と、繰り返し訴えているにも関わらず、91824人の人が、罰金を払っている状況です。ここまでの状況になって、罰金が課せられるとわかりながら、こんなにたくさんの人が外出していることには、驚きです。

 そんな、状況を深刻に考えているフランス政府は、さらに、外出禁止に関する処罰に投獄が追加しました。1回目の違反は、罰金135ユーロ、15日以内に再度の違反の場合は、1500ユーロに増加、3回目以上のルール違反は、犯罪と見なされ、6ヶ月の投獄と3700ユーロの罰金で処罰されることになりました。

 日常のフランスでは、生半可なことでは、投獄という措置は、なかなかない中、事態の深刻さが読み取れます。

 だいたい、フランス人というのは、規則に従うということを、とても苦痛に感じる人々なのです。


 数日前に、書留を届けてくれた郵便配達の人も、アパートの階下まで、書留を受け取りに行くと、距離を置いて、手渡しをしてくれ、「サインは、自分が代理でするけど、良いですか?」と、懸命に、人との接触を避けていました。

 フランスでは、マスク不足が深刻な状態で、限られたマスクは、軍の管理下にあり、医療従事者を優先に配布されており、しかも、そのマスクが盗まれたりしているため、このような状況の中でも、働いてくださる郵便配達員の人には、マスクはなく、それに反発する職員が増え、とうとう、郵便配達も滞る状態になってしまいました。

 その後の書留は、不在通知が入れられていただけで、受け取る事はできず、(在宅にも関わらず、不在通知が入れられている事は、普通の日常でもパリではよくあることではありますが・・)、今は、受け取りに出かけることもできずに、困っています。

 毎晩、夜、8時には、医療従事者を始め、この状況の中で働いてくださる方々に感謝の意を込めて、ベランダや窓から、拍手を送ることが広まり、日々、その拍手は、大きくなっています。

 始めは、なんとなく違和感があった私も、昨夜は、かなり大きな拍手になっていたので、ベランダに出てみると、感謝というよりも、家に缶詰になっている人々の不思議な連帯感のような励まし合いのような雰囲気があり、意味合いが変わってきている感は、あるものの、こんな分かち合いの時間も悪くないかもしれないなとも思いました。

 私は、普段、あまりテレビを見ないのですが、やはり、フランスの状況を知っておかなければと思い、夜のニュースを見る習慣がつき、内容は、ほぼ、コロナウィルスの現状ばかりですが、やはり、オンタイムの生のニュースで現場のお医者様などのお話もあったりするので、見逃せない気持ちです。

 昨日は、「とにかく、検査、検査、検査、フランスは、この道を行きます。」と前日に厚生大臣から発表があったとおりに、さっそく、ドライブスルーのような検査が開始された模様が報道されていました。

 私は、買い貯めたままになっていた本を読んだり、野菜の種を撒いたり、ネットを覗いたり、1日1日は、あっという間に過ぎていきます。

 日頃から、ストックのストックがないと気になるくらい、備蓄をしている我が家は、食料の買い足しなしにも、おそらく、数ヶ月は、持ちこたえられるくらい食料もあり、運動不足もYouTubeなどで、動画を見ながら身体を動かしたりと、あまり、不便もありません。

 ネットのおかげで、友人や家族とも連絡が取れるし、これが、インターネットのある時代で、本当に良かったと、つくづく思っています。

 しかし、海外で生活をしていて、こんな状況もなかなかないわけで、そんな時に感じることや、考えることも、なかなか貴重だなと、そんな風にも考えています。

 何より、ご機嫌なのは、猫のポニョで、私がどこにも行かないので、どこか、満足げに悠々としています。

 当初は、最低でも15日間と言われていた、この外出できない生活、この調子だと、さらに延長されるのではないかと感じています。

 













2020年3月22日日曜日

在外邦人は、コロナウィルス対策への日本の状況を心配している




 フランス(ヨーロッパ)のコロナウィルスの事態は、日々、刻々と変わっています。イタリアでは、すでに医療崩壊を起こし、既に発症元の中国の死者数を上回っているので、イタリアの状態ばかりが報道されていますが、それは、イタリアに限ったことではありません。

 フランスとて、15000人近くの人が感染し、600人近い人が亡くなっています。つい、先週までは、黄色いベスト運動のデモが止まずにいたことや、フランス人の意識の低さを考えれば、致し方ないことかもしれません。

 外出禁止の措置が取られてもなお、従わない人が後を経たず、警察、軍、ついには、ドローンまで使っての監視が始まっています。

 当初は、若者には、脅威ではないと言われていたコロナウィルスも、若者でさえ、重篤な状態になりうることもわかっており、とにかく、いつまでたっても、外出禁止が徹底せず、市民の危機感の薄さに、マクロン大統領も、「とにかく、家にいろ!」と、必死で訴えています。

 そんな状況から、外出の縛りは、どんどん、キツくなっています。

 テレビ等の報道でも、パリの集中治療室の最前線で戦っている医師が、「この24時間で、集中治療室に入る患者が急増し、人工呼吸器が必要な重篤な患者が35%にも増えている。歩いてやってきた患者が2時間後には、集中治療室に入っている。事はかなり深刻だ。このウィルスは、最悪だ。だが、これは現実だ!外出をやめなさい!事の重大さは、あなたの想像を超えている!」と訴えています。

 米ジョンズ・ホプキンズ大の集計によると、新型コロナウィルスの感染者が世界全体で28万人を超え、3日間で約8万人が上積みされ、世界各地で、増加ペースが加速している実態が明らかになり、世界の死者は、1万1千人を超えました。

 日本は、これまで、高度な医療システムや、日頃からの衛生観念の高い、生活習慣や真面目な性格から、オーバーシュート(爆発的な感染)には、至っていません。

 しかし、このヨーロッパの(世界の)状況を目の当たりにしている在外邦人の多くは、逆に、日本にいる家族(特に高齢の両親)を心配しています。

 ここ数日の連休の日本の様子の映像を見ていると、オリンピックの聖火を東日本大震災の被災3県で巡回展示する催しに5万人以上が集まったとか、伊勢神宮や鎌倉の観光客が戻ってきているとか、テーマパークが再開したとか・・お花見気分でピクニックをする様子など、信じられない光景ばかりが目につきます。

 コロナウィルスのハッキリとした性質も解明されていない今、事態を舐めてはいけません。日本(東京)のように密集度が高い上に高齢化社会で、しかも、初期から感染者が出ていたことを考えれば、もうイタリア以上になっていてもおかしくないのに、重症化したり、亡くなった人が少ないという事は、そんなに酷くないと考えるのもわからないではありません。

 しかし、これまでも大丈夫だったから、これからも大丈夫だろうとの思い込み、日本なら、大丈夫だろうという過信は禁物です。オーバーシュートは、突然、起こるのです。

 本当に日本は、大丈夫なのだろうか? 世界の状況に比べて、あまりに緩い日本の状況を見ると、温度差を感じ、不安を感じます。

 人ごとではない状況ながら、コロナウィルスによる危機的状況を実感している海外に住む日本人は、日本の状況を心配しています。

 



2020年3月21日土曜日

世界は、オリンピックどころではない 日本人は、世界のニュースを見るべき





 「復興五輪」を掲げる東京オリンピックで、聖火は東日本大震災の被災地に到着し、此の期に及んで、まだ、オリンピックを開催するか否かで、喧々諤々としながらも、26日からは、日本国内の聖火リレーが行われるといいます。

 この時代に、海外からのニュースが入らないわけはなく、今やコロナウィルス(COVID-19)の蔓延は、世界規模になり、ヨーロッパをはじめ、世界の様々な国が、国を閉鎖しているというのに、予定どおりに東京オリンピックの開催の姿勢を崩さず、オリンピックの話題が横行している日本の状況は、本当に恥ずかしいです。

 オリンピックの開催国としては、致し方ないこともあるかもしれませんが、フランス(ヨーロッパ)では、オリンピックの話など、誰もしていません。

 それどころではないからです。

 オリンピックは、世界の祭典であり、日本人だけが参加するわけではありません。
この世界の状況で、オリンピックを予定どおりの期日で迎えることが、不可能であることは、明白です。
 
 コロナウィルス対策にせよ、オリンピックにせよ、国のトップである人が、「慎重な対応を求める」などという曖昧な言葉ではなく、毅然とした態度で、国民に向けて説明できないことが、日本をまるで、違う惑星のような状況にしています。

 もとより、その清潔さ、安全さなどから、まるで、違う惑星のように感じを受けることもありますが、今回、私が感じている「違う惑星」というのは、世界の潮流からズレているということです。

 それもこれも、国のトップがしっかりと国民をリードしていれば、本来、日本人は、自制心が強く、他への思いやりもあり、衛生観念も優れ、規則はしっかりと守る国民なので、このような世界に恥じるような状況には、陥ることはないはずです。

 日本のマスコミは、明らかに偏っていますから、自らが海外のニュースにも積極的に目を向け、何が今、世界で起こっているのか? 何が本当なのか? 今、何が必要なのかを自分で見定めなければなりません。

 ここへ来て、コロナウィルスへの警戒が緩んでいる日本を心配しています。


<関連>
「コロナウィルスに関するマクロン大統領のテレビ放送を見て思うこと」
https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2020/03/blog-post_13.html

 

 

2020年3月20日金曜日

フランスのコロナウィルスのための外出禁止による二次災害




 新型コロナウィルスの感染が急激に広がっているヨーロッパでは、最も深刻なイタリアに続き、フランス、スペイン、オーストリア、ベルギーなどの国で不要不急の外出禁止令が敢行され、各国の人口の合計で外出禁止対象者は、2億人に上ります。

 フランスでは、違反者には、最大135€(約16000円)の罰金が課されることになっていますが、にも関わらず、外出証明書を持っていればいいだろうと言わんばかりに、外出する人が後を絶ちません。

 あるフランス人の女性の医療従事者は、テレビ局のインタビューに対して、「私たちが、必死でウィルスの蔓延を阻止しようと命がけで、働いているのに、(私の同僚は、妊婦であるにも関わらず、働いている!)外出する人が後を絶たないのは、許しがたいことだ! 今は、バカンスではないのだ! どうか、外出を控えてほしい!」と強く、訴えていました。

 また、こんな状況の中でも、それを逆手にとり、警官を装って、罰金を取ろうとする詐欺や、所持品検査を装って、財布から現金やクレジットカードを抜き取ろうとする盗難、防疫官を称する者が自宅に入ってきて、貴重品を奪われるなどの被害も出始めています。

(現在、フランスにおいての罰金徴収方法には、その場で現金で支払うことはありません。)

 そして、今やフランスでは、軍の管理下となっているマスクは、軍の手によって、各病院に配布されていますが、その病院において、そのマスクの転売のための盗難事件までもが起こっているのです。そんな盗難のせいで、命がけで、医療に当たっている人に充分なマスクが行き渡っていないのです。

 マクロン大統領が仰っている「ウィルスとの戦争」は、本来ならば、味方同士であるはずの人々の中でも、混乱を起こしています。

 また、事実上、軟禁状態にある人々の中で、さらに深刻な状況なのが、DV被害に遭っている人々です。ただでさえ、外出できずに、精神的な均衡を保つのが難しい状況で、DVが日常的に起こっている家庭での惨状は、察するに余りあります。

 ただでさえ、表面化しにくいDVは、この状況下では、さらに深刻化する懸念があります。このような事態を予測して、政府も外出禁止状況でのDVからの救済も呼びかけています。@gouvernementFR

 先日、ドイツのメルケル首相は、国民に向けて訴えていました。

「私たちの誰もが同じように、ウィルスにかかる可能性があります。今、誰もが皆、協力する必要があります。まず、第一の協力は、今日、何が重要なのかについて、真剣に考えることです。パニックに陥らず、自分には、関係がないなどとは、一瞬たりとも考えないことです。この戦いが、どれだけ他の人への思いありのある行動にかかっているか、どれだけ、私たちが力を合わせて行動することで、自分たち自身を守ることができるかということでもあります。」

 
 フランスは、このメルケル首相の演説の内容を肝に銘じる必要があります。

 コロナウィルスだけではなく、二次災害までが蔓延することのないように、祈るばかりです。


<関連>
「フランスでコロナウィルスが広まる理由」
https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2020/03/blog-post_19.html