6月も残りわずかとなり、フランスの異常な猛暑は徐々におさまりつつあり、ひとまず、ちょっとだけホッとしています。
今回の猛暑は私の肌感覚としても、本当に厳しく、個人的には、これで寿命が5年くらい縮まった気がしていますが、寿命が縮まるどころか、寿命がストップしてしまった死亡者数も相当数に上っており、現段階では、正確な数字は出ていないものの、平年よりも約1,000人増と言われています。
1,000人増ということは、少なくとも1,000人以上の人が亡くなってしまっているということであり、それよりもずっと多いということです。
この増加は特にイル・ド・フランス、ヌーベル・アキテーヌ、ブルターニュ、サントル・ヴァル・ド・ワール、ノルマンディーといったレッドアラートが発令された地域に顕著にみられる傾向であると言われています。
あらゆる年齢層が影響を受けていますが、65歳以上の高齢者が特に大きな打撃を受けています。また、特にイル・ド・フランス地域では、病院や介護施設での死亡者数よりも自宅での死亡者数の増加が急激に進んでいます。
フランスにおける熱波は2003年の熱波が特に人的被害が甚大であったと認識されており、2003年の熱波では、1万5,000人が亡くなりました。
しかし、今回の熱波は気候学観点からみると、2003年よりもさらに深刻であると見られており、ここ数日でフランスでは100を超える気温記録が更新されています。
こうした異常な高温にもかかわらず、政府は国民の不安を払拭しようと、保健相が出てきて、「今回の熱波は2003年と同程度だが、健康面では、過去のような被害には至らないであろう」などと述べています。
しかし、これは、あまり根拠の見えない、説得力のない言葉、この20年強の間にどれほどの対策が取られてきたのかと言えば、日常的にはあまり感じられません。
また、この猛暑に関連して、この間の溺死者数が異常に増えているのも痛ましい話です。
内務大臣は、この猛暑に際しての溺死者数が6月18日以降74件も確認されていることを発表しています。
あまりの暑さにサンマルタン運河での遊泳が許可されたりもしていましたが、このサンマルタン運河でも死亡事故が起こっています。
内務大臣は、「これらの死亡事故は、おもに許可されていない、監視されていない水域、特に河川、小川、池などで発生した」と説明し、「私有のプールでの溺死もあった」と付け加えています。
原因は突然の冷水への浸水や、時には過度の運動が多く、心臓発作による死亡例も多いと言われています。
金曜日(最も高温を記録した日)、パリの救急医療サービス(SAMU)は109人の死亡を記録。1日でです。この死亡者数は、SAMUのサービス(自宅や公共の場で対応されたもの)を記録した数字のみの話で、病院内での猛暑による死亡は含まれていません。
まだまだ夏は始まったばかりなのに、悲惨な数字ですが、少なくとも溺死のような事故は避けようと思えば避けられるもの。遊泳禁止地域での事故も少なくないとのことですが、この禁止事項を守らないのがフランスでもあり、今回はあまりの暑さの中というヤブレカブレな感じもあったのかとも思いますが、少なくとも、泳ごうと思えるほど元気だった人が亡くなってしまうというのは、やはり身につまされます。
6月の猛暑による人的被害
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