2019年7月31日水曜日

日本人の外国人アレルギーと外国ごちゃ混ぜ問題




 「I can not speak English. 」アイ キャンノット スピーク イングリッシュ。
ある、お店の店内に入ってくるなり、そう言って、手を振って、うつむいて、通り過ぎようとした日本人の中年の男性がいました。

 日本人の私に向かってです。
しかも、ここは、フランスで、英語の国でもありません。

 それだけ、外国で、他人から、話しかけられることを恐れているということと、そして、ご自分がフランスにいるにも関わらず、外国語=英語、という先入観があるのでしょう。私がその方に、何か、話しかけたわけではありません。
 これには、私も苦笑するしかありませんでした。

 また、ある人は、これから、ヴェルサイユ宮殿に行くという話をしようとしていたのですが、ヴェルサイユ宮殿という言葉が出てこなくて、” ほらほら、あの〜それ〜兵隊さんがさ・・赤い服着て、時間になると、交代するやつさ・・・”

 それは、バッキンガム宮殿、しかも、イギリスです。

 きっと、その方は、パッケージツアーか何かで旅行をしている方で、もう、自分がどこの国にいて、どこへ行こうとしているのかさえ、よくわかっていないのかもしれません。
 なんか、せっかく、はるばるヨーロッパまで来て、とても残念なことだと思いました。

 日本にも、最近、観光客であれ、移住であれ、外人がずいぶんと増えたようですが、欧米に比べるとまだまだ、外人は少なく、外人となると、日本人は、日本国内でさえも、少し身構えてしまうようです。

 日本は島国ですし、外国人をあまり受け入れてこなかったので、外国人に慣れていないのは、仕方のないことかもしれません。慣れるのには、一朝一夕というわけには、行かないでしょう。

 うちの娘でさえ、日本に行くと、”あっ!!外人だ!!” という視線を感じると言います。

 フランスでは、もはや、純粋なフランス人を探すことの方が難しいような状況なので、外人に対する抵抗は、あまり、感じられません。だいたい、学校のクラスの中にも色々な国の人が混ざっていますから、みんな、外人を外人とも思わないくらい、慣れているのです。

 その証拠?に、私は、街で、よく道を聞かれます。それは、ロンドンにいた時もそうでした。もちろん、パリでも、よく、聞かれますが・・。

 特に、ロンドンは、私が最初に海外生活を送った街だったので、最初の頃は、” こんな、外人の顔してる私にどうして、道なんか聞くのだろうか? ” (しかも、私は、ものスゴい方向音痴なのです。)としばしば思ったものです。

 しかし、気付いて見れば、ロンドンもパリも外人だらけの都市なのです。

 でも、パリの街で日本人を見かけると、遠くから見るだけでも、私は、かなりの確率でそれが日本人であることがわかります。

 それは、日本人が日本人のたたずまいというか、日本人の持つ特有の雰囲気を身にまとっているのを感じることができるからです。

 逆に、私たち、外国に住む日本人は、よく、他のアジア圏内の国とごちゃ混ぜにされ、”ニーハオ!と言われたり、両手を前で合わせてお辞儀をされたり(これは、 "サワディーカー” と挨拶するタイと混同していると思われます)することがよくあります。

 ヨーロッパの人は、とかく、アジアの国々をいっしょくたにする傾向にあります。
私たちから見れば、” 全然違うでしょ〜!!” と思うのですが、例えば、日本人が、アフリカ大陸全体がもうアフリカという一つの国であるかごとく印象を持っているのと同じ感覚なのかもしれません。 

 私は、海外にいるときは、自分が外人であるということをいつも意識しています。そして、同時に、日本にいるとき以上に、自分が日本人であるということも意識します。

 自分が外人という存在になる経験は、自分自身を客観的に考える上でも、とても意味のあることだと思っています。



 

 











2019年7月30日火曜日

子育ては、根気が勝負  生意気盛りの娘との対決




 子供は、よ〜く見ているのです。親のことを。周りの大人たちのことを。

 そして、当の親が、忘れてしまっていることも、よ〜く覚えているのです。
 子は親を写す鏡とはよく言ったもので、時々、ギョッとさせられます。

 娘が3才くらいの頃だったでしょうか? ある時、娘がコップを倒して、中にある飲み物をこぼしてしまいました。

 ”あ〜あ!” と睨みつけた私に、間髪入れずに、娘がそのこぼれた飲み物めがけて、バーンとタオルを投げつけたかと思ったら、足を使って、ゴシゴシと拭いたのです。

 あまりに素早い彼女の行動を目の当たりにした私は、呆気にとられて、苦笑いしかありませんでした。私は、そんなこと、やった覚えはないのですが・・。

  そして、案外冷静で、客観的な目線も持っているのです。

 5〜6才の頃でしたか? 娘は、何でもやってみたい子でした。しかも、自分で・・。何かやってあげても、それを元に戻して、最初から自分でやってみる子でした。

 例えば、どこか高い場所に抱っこして、のせてあげても、一度、下まで降りてから、もう一度、自分で登るような子でした。
 よく言えば、自主性があるというか、まあ、悪く言えば、可愛げがないというか・・。

  その頃の娘は、”やりたい〜やりたい〜!!やらせて!やらせて!” というのが、口ぐせのようでした。何でもやりたいお年頃には、どんどん褒めて、やらせてみよう!と思っていた私は、台所のお手伝いをしてくれている娘をとにかく褒めちぎっていました。

 ”スゴい!お手伝いしてくれるとママ、ホント助かるわ〜!” と、私は、ひたすら、褒めることに一生懸命になっていたのです。すると、ふと、娘が手を休めて言いました。

 ”あなたも何かしなくちゃね!” と。

 ギャフンとやられた感じでした。

 飛行機に乗って、CAさんに、" りかちゃん、ちゃんとお座りしててね” と言われれば、”あなたもここにお座りね!” と切り返し、洋服を買いに行って、欲しい服があれば、さっさと着替えて、自分の服は、置き去りに。

 また、私が何か、同じことを注意しても、何度、言っても、きかないと、ついつい頭にきて、”一体、何度、同じことを言ったら、わかるの?” と言えば、すかさず、

 ”じゃあ、数えましょうか?” と切り返す。

 朝、何度も何度も起こしに行って、それでもなかなか起きなくて、ようやく起きてきた娘に、”もう〜!!何回、ママが起こしに行ったと思ってるの?!!” と言うと、娘は、あっさり、”一回・・。

 ”さっき一回、聞こえたから、起きてきた・・” と。

 幼少期の娘とのやり取りは、四六時中、こんな感じでした。

 娘は、とにかく、エネルギーの塊で、睡眠時間も短く、寝る直前まで、活動し、寝るとなったらあっという間に寝てしまう。そして、寝たら最後、なかなか起きず、そして、少しの睡眠によって驚くほどにエネルギーを回復します。

 お昼寝などただの一度もしたことがなく、休みの日など、私の方が疲れて横になると "
寝ないで〜!!寝ちゃダメ〜!!” とまるで拷問のようでした。

 娘から切り返される問答に思わずため息をついて、笑ってしまうこともしばしばでしたが、子育ては、根気と根性。強烈なパワーの娘に引きずられるようにして、生きてきました。それでも、めげずにそんな日々を淡々とこなしてきました。

 でも、今になってみると、現在の娘の強烈なキャラクターの根本は、もうすでに、この頃、出来上がりつつあったことを、振り返ってみると、改めて、確認させられる気持ちになるのであります。


 ヤレヤレ〜。ƪ(˘⌣˘)ʃ

 

 

 

 

2019年7月29日月曜日

国際カップルの習慣の違い  ギャ〜!ヤメて!なんで、そんなことするの?




 違う環境に育った二人が一緒に生活を始めれば、日本人同士とて、様々な問題が浮かび上がってくることと思います。

 これが、やはり、国際結婚ともなれば、なおさらのことです。

 それでも、私の場合は、主人が4年間、日本に赴任していた経験があったので、ある程度は、日本のことを知っていてくれ、日本人の習慣なども、ある程度は理解してくれていたので、とても救われました。

 アフリカや、パリでも、日々、ことごとく起こる、日本ではあり得ないことに、私がへこたれそうになっても、”そんなのパリでは、当たり前だよ・・” などとは、決して言わずに、” そりゃあね〜 日本みたいな国は、他にはないからね〜” と、言ってくれていましたので、少しでも、私のやるせない気持ちを理解してくれる人が側にいてくれたことは、私にとっては、とても大きな支えでした。

 とは言え、個々の文化、習慣の違いは、一緒に暮らしていれば、ところどころに出てくるものです。

 食べ物に関しては、概ね、何でも、美味しい美味しいと言って食べてくれる主人ですが、私が手をかけて育てた日本のきゅうりは、私は、カリカリと歯ざわりが良く、とても美味しいと思うのですが、このきゅうりは、水分が少ないな・・などと言います。

 また、ブロッコリーの茹で方なども、これは、日本風の茹で方だね・・(フランス人は柔らかいものが好き)と言い、猫舌な彼は、(全般的にフランス人は熱いものが苦手)、アツアツのものをと思って出すと、熱くしないで、料理ができないの?などと言って、わざわざ、冷まして食べたりします。

 そして、フランス人は、平熱が高いのをご存知でしょうか?
日本人なら、だいたい、平熱は、36℃くらいですよね。フランス人の平熱は、37℃くらいです。なので、私と主人、両方の血を引く娘の平熱は、何度なのでしょう?
 
 これが面白いことに、36.5 ℃くらいなのです。

 普段、少し風邪を引いたくらいでは、私は、熱を測りません。熱を測っても熱が下がるわけでもなし、ここらへんに、私のいい加減さが表れています。何となく、触ってみれば、どの程度なのかわかります。(笑)

 でも、ある時、娘が高熱を出した時、主人は水風呂に娘を入れようとしたのです。
主人曰く、熱が高いのだから、全身を冷たく冷やして、熱を下げるのだ、と言うのです。

 しかし、日本人の私としては、熱がある時は暖かくして寝かせ、頭だけ冷やす、と言うのが、習慣です。高熱のある娘を水風呂に入れようとした主人を見て、” ヤメて〜っ!!” と私は、恐ろしくて、身を呈して、娘を守ったものです。

 私には、熱を出して臥せっているときに、” 暖かくして、寝ていなさい” と布団をかけ、頭に冷たいタオルをのせてくれた母の面影が深く刻まれているのです。

 それから、こちらの人は、赤ちゃんに、シュセットという、哺乳瓶の先がついたような、おしゃぶりのようなものをくわえさせるのですが、これも、私は、あまり、好きではありませんでした。
 
 これは、幸いにも、娘の方が、吸っても何も出てこないので、ぺっと、すぐに吐き出してしまい、勇んで買ってきた主人もガックリして、諦めてくれました。

 また、靴のことでも一悶着ありました。
 娘が生まれた時、いや、生まれる前から、主人は娘のための靴を買ってきたのです。
まだ、歩けもしないのに・・、いや、生まれてすらいないのに・・です。
” 歩けない子供の靴がなんでいるのよ!!”  と。

 そして、生まれてからは、歩けないうちから、外出の際は、必ず、靴を履かせるのです。
なんと、もったいない!!と私は、思っていたのですが、靴を履かせないと足の形が悪くなる・・そして、冬は、靴を履かせなければ、寒いだろう・・と言うのです。

 冬、寒いフランスでは、靴は防寒の意味もあるのだと、私は、初めて知りました。
(娘は、そのうえ、その寒さゆえ、冬には、耳を守るために必ず耳を覆う帽子も被らされていました。)

 これには、ハッキリとフランスの靴文化などの文化の違いをまざまざと感じさせられたものです。

 こんな風に、細かいことではありますが、一緒に暮らしていれば、数々の違いに驚かせられる日々なのです。






















 







2019年7月28日日曜日

ヌーベル・キュイジーヌが嫌いなフランス人の夫




 以前、主人がアメリカのものが嫌いという話を書きましたが、嫌いなのは、アメリカのものだけではありません。

 主人が嫌いなものの一つに、いわゆる、「ヌーベル・キュイジーヌ」 というものがあります。フランス料理の好きなフランス人がなぜ?と、私は、思うのです。

 ヌーベル・キュイジーヌと言うのは、フランス語で直訳するなら、「新しい料理」のことで、いわゆる、ちょっと小洒落たような、現代的で、洗練された、軽くて、繊細なスタイルのフランス料理で、まあ、近代的な、新しい材料やスパイスを使って、見た目にも、彩りよく、美しく、新しいエッセンスで、どこか、日本の懐石料理に似たようなテイストが含まれているものと私は、解釈しています。

 しかし、主人に言わせてみれば、” お〜きなお皿に、ちょこっとだけお料理がのっていて、お皿の空間にソースで絵を描いてごまかしている料理 ” という、身も蓋もない、なんともデリカシーのない表現をします。

 あんな料理は、本当のフランス料理ではない!ナンセンスだ!”と言うのです。
まったく、彼のことは、知れば知るほど、古くさいフランス人なのだと思い知らされるのです。

 彼の言う、フランス料理は、ひとつひとつのポーションがしっかりとあり、伝統的な作り方をしているお料理で、レストランのテーブルクロスは、白。ナイフとフォークは銀。
あくまでも古典的なものがお好みなのでした。(ちなみに彼の大好物は、coq au vin という雄鶏の赤ワイン煮です)

 でも、それは、考えてみれば、彼が嫌いなのは、「ヌーベル」(新しい)なのであって、それは、なにも、「キュイジーヌ」だけに限ったことではなく、つまりは、古い、伝統的なものが好きなのです。

 本にしても、重たいハードカバーのついた、私からすれば、百科事典のような本が好きで、本の裏表紙には、必ず、日付と自分のサインを記入します。娘に本を買ってあげたりしても、これまた、ご丁寧にパパから娘へなどと書き入れてしまいます。

 手紙も自分のお気に入りの万年筆で手書きするのが好きだったり、きっちりと正装して出かけるのが好きだったり、子供にも小さい時から学校へ行くのにも必ず革靴を履かせることにこだわったり、(運動靴、スポーツシューズはスポーツをするときに履くものだと言い張ります)、骨董市のようなものを丹念に見て回ったり。

 こうして書いていると、どこのおじいさんの話?と思うほどです。

 何よりも食いしん坊ゆえの、「ヌーベル・キュイジーヌ」嫌いも、元を正せば、古いもの、伝統的なものが好きな、古典的なフランス人ということなのかもしれません。

 


































2019年7月27日土曜日

フランス人のビックリする日本食の食べ方

今、パリでは、お寿司は、日本食ブームを通り越して、かなり浸透、定着してきた感もあり、今や、どこのスーパーに行っても置いてあるようになりました。

 まあ、お寿司と言っても、フランス人好みにアレンジされているものが多く、サーモンやアボカドを使ったもの等が多く、中には、フランス人が苦手とする、海苔を使わない海苔巻き風のものなどもあります。
 
 そのクウォリティーと値段に関して(つまりコスパ)は、日本人の私としては、甚だ疑問ではあり、バカバカしいなあ・・とクビをかしげる私の思いをよそに、これがまた、結構、売れているのであります。

 パリには、中国人経営の日本食チェーン店がたくさんあり、また、おおよそ日本人からすると、おかしなメニューが並んでいます。お寿司はもちろん、焼き鳥、天ぷら、そして、餃子や唐揚げまでが、おいてあります。

 そして、その組み合わせや、それぞれのお料理も、なんとも奇妙です。

 例えば、にぎり寿司のセットにご飯が付いてきたり、天ぷら、と書いてあるのに、エビフライの写真が載っていたり、その天ぷらを頼むとマヨネーズが付いてきたりします。

 その類のお店には、お醤油が二種類、置いてあり、一つは普通のお醤油、もう一つは焼き鳥のタレを薄めたような、甘いお醤油です。

 例えば、にぎり寿司セットにサラダ、お味噌汁、にぎり寿司、ご飯、が付いて来れば、フランス人は、その一つ一つを順々に平らげていきます。サラダを食べながら、お寿司を食べる・・というような食べ方はしないのです。

 そして、サラダ、お味噌汁、にぎり寿司を食べ終わった後に、白いご飯に甘いお醤油をかけて、ご飯だけを食べるのです。

 ある時、近くにいたフランス人の様子を見ていると、お寿司を食べるのに、甘いお醤油を手に取ったので、側で見ていて、” あ〜違う!違う!” と思ったのですが、見知らぬ人に声もかけづらく、まあ、一つ食べたら、気がつくだろうと思っていたら、なんと、二つ目のお寿司にも甘いお醤油をかけるのです。

 これには、驚きました。
お寿司に甘いタレをかけて食べるとは!? アナゴじゃあるまいし・・。
 
 全ての人がそうするわけではありませんが、この甘いお醤油、キッコーマンでは、ヨーロッパで、大変な売れ行きなのだそうです。

 また、ラーメン屋さんでも、音を立てて食べることがタブーな国なので、フランス人はラーメンをすするということをしません。というより、麺をすするということができないのです。中には、わざわざ、並ぶほどに混んでいるラーメン屋さんに来て、ラーメンを注文し、” 麺なしでお願いします。" という人もいるそうで、フランス人は、ラーメンをスープだと思っている節もあります。

 また、主人の友人を家に招いた時に、お料理の中の一品として、海苔巻きを出したところ、フォークとナイフで器用に海苔を剥がして食べ始めたのにもビックリしました。
わざわざ剥がすなら、無理して食べなくてもいいのに・・と思ってしまいましたが、これがまた、結構、海苔が苦手なフランス人は多く、体質的に海苔を消化できないという話を聞いたこともあります。

 日本に外国から入ってきている食べ物にも、おそらく、本来のモノとは、まるで、違った食べ方や、違う姿に様変わりしているものも沢山あるでしょう。

 カレーなどは、その最たるもので、日本のカレーは今や、日本食ともいえるような堂々とした地位を築いています。

 フランスに浸透し始めた日本食もいつの日か、まるで、違った姿になっていることもあり得るのかもしれません。

 







 





2019年7月26日金曜日

海外にいるからこそ、日本語を大切にするということ




 私は、本が好きで、どこへ行くにも、本を持って歩いています。
 もちろん、日本語の本です。

 私は、日本語というのは、とても美しい言語だと思っていますし、とても誇りに思っています。日本語ならではの美しい表現や、言葉の使い方などが、とても好きなのです。

 特に、パリでは、交通機関が当てにならないため、仕事の時は、もちろん、ランデブー(アポ)があったりする時も、時間に遅れないように、かなり、早めに家を出て、幸いにも交通機関に支障がなく、早く着いてしまった場合には、本を読んで過ごします。

 私が海外で初めて暮らしたのは、ロンドンでしたが、思っていたよりも、スムーズに英語が伝わらず、イギリス英語ならではの、単語や言い回しなどに苦戦していた頃、英語が出来るだけ、早く上達するようにと、一切、日本語をシャットアウトしていたこともありました。

 あんな風に頑なに頑張っていた頃の自分は、それはそれで、愛おしいような気持ちにもなります。

 しかし、海外生活も長くなってくると、やはり、どうしようもなく、日本語が恋しくなることもあります。

 アフリカにいた頃などは、ネットも繋がらず、日本語を使う機会もほとんどなく、持って行った本も少しだけで、ついには、主人が持っていたNHKの日本語講座のドラマ仕立てになっているビデオを見たりすることもありました。(笑)

 娘が生まれてからは、娘に日本語を教えようと、必死で、娘とは、日本語のみで過ごすようになりました。私と娘の会話は、100%、日本語です。

 甲斐あって、娘は、バイリンガルになりましたが、フランスで育った娘の母国語は、フランス語です。バイリンガルに育てる時に、注意しなければいけないことは、やはり、どちらかに重心をおいた母国語をしっかり持たせなければならないということです。

 そのどちらかの軸足がしっかりしていないと、その子のアイデンティティーがぐらついてしまうからです。

 それと同じように、私は、海外、どんな国にいても、日本語を大切にしていたいのです。それは、娘をバイリンガルに育てた時に大切に思ってきたように、自分自身のアイデンティティーを守り、保つことでもあるからです。

 また、皮肉なもので、海外にいるからこそ、自分が日本人であるという自覚がはっきりしてくるものです。

 私は、日本人で、日本語を母国語として育ちました。

 英語やフランス語も多少はできるようになり、今までよりも多くの人と関われるようになりました。そして、イギリスやアフリカ、フランスで暮らしてきて、日本にだけ住んでいた頃とは違う考え方や感じ方もできるようになりました。

 しかし、私のアイデンティティーを育ててきたのは、日本語を軸としたものなのです。

 幸い、今では、ネットで世界中の人たちと繋がれるようになり、世界中の色々なものを見たり、感じたりしている人たちと、色々なことを日本語で共有できるようになりました。

 なんと、素晴らしいことではありませんか?



 












2019年7月25日木曜日

フランス人はとうもろこしをブタのえさだと思っている




 フランスには、コーンスープというものがありません。

 そもそも、とうもろこしというものをフランス人は、あまり食べないのです。
コーンを食べるといったら、サラダに散らしてある缶詰のコーンくらいなものです。

 ですから、スーパーマーケットにも、とうもろこしは、たまに、しおれたようなものは置いてありますが、あまり、華々しい場所に置かれていることはありません。

  フランスにおけるとうもろこしの地位は、極端に低いのです。

 ですから、缶詰のコーンもホールコーンは売っていても、クリームコーンは売っていません。ですから、私は、時々、コーンスープが恋しくなって、ホールコーンの缶詰を買ってきて、自分でミキサーにかけて、コーンスープを作ります。

 玉ねぎのみじん切りとベーコンを細かく切って、ちょっと胡椒を振って、炒めて、ミキサーで潰したコーンを入れて、ミルクを入れて、ブイヨンキューブを入れて出来上がりです。

 これは、我が家の母から直伝の、私のご自慢のコーンスープです。
 クリームスープではありませんが、帰って、ザクザクした玉ねぎや潰しきれていないコーンが美味しいのです。
 よかったら、お試しください。とても、簡単で美味しいです。

 主人曰く、とうもろこしは、フランスでは、主に、豚のエサ用に栽培されているもので、あまり、人間は、食べないのだとか・・。

 かく言う主人は、珍しいことに、フランス人が食べない、コーンスープが大好きで、これは、日本に住んでいた時の名残りだと言います。

 アメリカのものは、嫌いなくせに、日本のものは大好きなのです。しかし、そもそも今、日本にあるコーンスープは、アメリカから来たものを改良して作られたものだと思うのですが、彼は、そこは、勝手にスルーしています。

 私たちが日本に行くときも、必ず、コーンスープを買ってきて!と頼まれます。

 フランス人もスープは、簡単だし、好きで、よく食べるので、スーパーなどのスープ売り場には、たくさんの種類の液体、粉末、冷凍のスープがたくさん売られています。
 シャンピニオン(マッシュルームやセップ茸など色々)、ポアロ、トマト、アスパラ、野菜のミックス、オニオン、かぼちゃ、などなど種類もなかなか、豊富です。

 しかし、コーンスープはないのです。

 日本人は、カップスープ、インスタントスープをよく飲まれると思いますが、おそらく、一番人気は、コーンスープでしょう。そのコーンスープがないのは、私には、なんとも解せないのです。

 何しろ、私は、大のとうもろこし好きで、3食、とうもろこしでもいいくらい、とうもろこしが好きなのです。

 ですから、夏の間は、わざわざ、アジア系の食材を置いているスーパーまで、とうもろこしを買いに行きます。

 実際に、コーンスープを食べてみれば、絶対、フランス人も好きになってくれると思うのですが、どこかの食品メーカーの方、フランスで、コーンスープを売り出してもらえないでしょうか?