フランスは、だいたいのお店が日曜、祝日は、お休みです。
パリに来て当初は、みんな、ウィークデーに働いているのに、日曜日にお店が閉まっていたら、不便だなぁと思っていました。
だいたい、私は、あまり、買い物が好きではないのですが、それでも、デパートなどは、日曜日に行くもののような気がしていたのです。
しかし、慣れとは恐ろしいもので、だいたいの日用品の買い物は、土曜日、あるいは、ウィークデーの仕事の合間や、帰りにすれば、日曜日には、まったくの休日を過ごせるので、それは、それで悪くもありません。
ものぐさで、ショッピングというものが、あまり好きではなく、買わずとも、ウィンドーショッピングをして歩くようなことが私にはないので、まあ、誰か、知り合いがパリに来た時に、付き合って、お店を回ることはあっても、何も買わずに見るだけで・・なんていうことは、私の場合は、まずありません。
パリでも、シャンゼリゼや、マレ地区、ベルシーヴィラージュなど、観光客が多い地域は、日曜、祝日でもお店はやっていますが、それ以外では、なかなか、日曜日の営業許可を取るのが大変なのだそうです。(レストランなどの飲食店は、別です。)
特に、通りごとに、日曜・祝日の営業許可がおりやすい通りとそうでないがあるそうで、同じ区内でも、ほんの一本、通りがズレただけでも、難しかったりするのだそうです。
それに加えて、フランスは、労働組合が強く、それもまた、日曜・休日営業の妨げになっているのです。
フランスの法律では、日曜出勤の場合は、double payé (ドゥーブルペイエ)といって、日曜出勤の分は、倍額の支払いになるので、独身だったり、子供がいない人などは、むしろ、日曜日に働きたい人もいるだろうし、これだけ、失業者が多いのですから、日曜・祝日だけ働くという人を採用して、休日も営業した方が増益になると思うのですが、労働組合からは、自分たちの職域を侵すとして、それも、ままならないそうなのです。
なんとも、経済的な効率の悪い国です。
24時間、年中無休の日本とは、エラい違いです。
それでも、12月のクリスマス前の多くの人がクリスマスプレゼントを買い集める書き入れ時ともなると、さすがにパリのデパートなども日曜も営業しています。
フランスでは、一年のうちのかなりの割合の売り上げがこの12月のクリスマス前のシーズンに偏っているのだそうです。
ところが、昨年は、11月から始まった黄色いベスト運動が加熱して、12月は、ショッピングどころではないことになり、土曜日なのに、デパートが閉店したり、多くのお店がシャッターをおろしてしまったりしていました。
今年は、12月は、大きな国鉄のストライキが予定されているので、また、パリのショッピング事情は、12月の書き入れ時というのに、ピンチを迎えそうです。
普段は、あまり、贈り物などをする習慣もない、ケチなフランス人がクリスマスの時だけは、家族みんなにプレゼントを用意して、クリスマスを迎えるので、フランスにとっては、クリスマスは、大きな経済効果をもたらしている行事でもあるのです。
知り合いに、これぞ、フランス人という、フランス人の良いところも悪いところもキッチリ持っている女性がいるのですが、彼女に去年のクリスマスプレゼントは、どうしたの? と尋ねたら、去年は、全然、買い物に行けなかったから、全て、ネットショッピングで済ませたのよ!と言っていました。
ネットなら、土日も休まず、テロもデモも関係ありませんから、ますます、フランスでも、路面店やデパートなどから、どんどん顧客は、離れていくでしょう。
それにしても、こう毎年毎年、経済に大きなダメージが出るようなことが起こっても、持ちこたえているフランスは、スゴい国なのかもしれないです。