2021年7月14日水曜日

マクロン大統領の発表がフランス人に与えた衝撃 ヘルスパスのトリセツ

    前日にマクロン大統領が発表したヘルスパス(Pass Sanitaire)やワクチン接種についての新しいフランスの措置にフランス国民は、想像以上の反応を示しました。 9月15日からの医療従事者のワクチン接種の義務化を始めとして、8月から、ヘルスパス(Pass Sanitaire)(ワクチン2回接種証明書、48時間以内のPCRの陰性結果証明書、6ヶ月以内にコロナウィルスに感染した証明書)がなければ、レストランにも行けない、文化施設、娯楽施設、コマーシャルセンターにも行けない、長距離移動の電車、バス、飛行機にも乗れない・・10月にはPCR検査も有料になる・・そんな衝撃的な発表に、...

2021年7月13日火曜日

フランスは、ヘルスパスがないと身動きが取れなくなる! 義務化という言葉を使わない事実上の義務化

  マクロン大統領のスピーチは、3月末に、4月から学校を閉鎖することを発表して以来の久しぶりのスピーチでした。 ここのところの、フランスでのデルタ変異種の急拡大により、これまで減少し続けていた感染者数が増加に転じ始めたことから、世界中でも再び、感染拡大が深刻化してきていることを述べ、東京オリンピックでさえも無観客で行われることになったことなどを例に挙げ、第4波が始まりかけている状況を説明し、これまで以上の注意を喚起し、とにかく1日でも早く、ワクチン接種をしてほしいと訴えました。 続いて、このワクチン接種の拡大において、これまで一番、問題視されていた医療従事者のワクチン接種が義務付けられることになり、医療、介護に関わる全ての人々は、ワクチン接種を9月15日までにしなければならないことになりました。 これには、病院、介護施設等で働く全ての人々、救急隊員、訪問看護士など、かなり広範囲の人が該当します。 罰則なしには、なかなか規則が徹底しないフランスのこと、しない場合はどうなるのかな?と思ったら、9月15日以降にワクチン接種をしていない場合は、罰金??と思いきや、給料が支払われないというかなり厳しい規定です。 これは大変なこと、モノ申すフランス人が黙っているはずはありません。国立病院組合は、その直後に、「ワクチン接種は、あくまで任意であるべき」という声明を発表しています。 また、一般市民に対してのワクチン接種の義務化はさらにハードルが高いためか、外堀を埋めていくような縛りが段階的に取られていきます。 7月21日(来週)からは、これまで1,000人以上が集まるイベントにのみ提示が求められていたヘルスパスが50人を超える全てのイベントにおいて求められ、これがない場合は入場できなくなります。※<ヘルスパス(Pass...

2021年7月12日月曜日

パリでビオコスメを買うなら絶対ここ! シティファーマ・CITY PHARMA

   外から見たところ、一見、普通の薬屋さんのようにも見える 以前、私は、仕事で少し化粧品にも関わっていたことがあったので、これまで私は、パリに来て以来、ほぼほぼ化粧品というものをまともに買ったことは、ありませんでした。 しかし、仕事を変わって以来、これまでストックしていた化粧品(特に基礎化粧品)が底をつき始め、このところ、夜用のクリームを中心に探して、気になるお店を渡り歩いていました。 化粧品と言っても、私が探していたのは、メイク用の化粧品ではなく、クリームやローションなどの基礎化粧品なので、選択肢もたくさんある中、どれを使ったら良いのかが、非常に難しいので、行く先々のお店に立ち寄っては、店員さんに相談して、紹介してもらいながら、値段を比較し、色々と説明を聞いたりしてきました。 もともとズボラで、化粧品は、あまり興味があるものではないのですが、お肌の曲がり角をとうに過ぎてしまった私としては、やはり、今後、ある程度、最低限の手入れをすることが必要なのは、周囲のフランス人を見ていても必須なことは明らかです。 フランス人は、もともとバカンス命の国民で、美白を心がけ、お肌の手入れに余念のない日本人などから比べるとびっくりするほどの杜撰さで、もともとの肌の質などの違いもありますが、それ以上に美意識が違って、夏は日焼けして健康的に、そしてリッチにバカンスを満喫しているのをひけらかすのが何よりも誇らしいらしく、結果、日焼け後の肌は、ガビガビで象のような肌に満面の笑顔でバカンス話をとうとうと語る人が少なくありません。 もちろん気を使って手入れする人もいるにはいますが、少数派、普通は洗顔していきなりクリームを塗っておしまい・・なんていう人が多いのです。 しかし、そこのところのフランス人の美意識は私には受け入れ難く、歳をとって、汚らしいおばあさんにはならないように心がけるのは、私の美意識?でもあります。 化粧品というのは、人の弱みに付け込んだ商売で、それこそ上を見ればキリがなく、たしかにブランド物の高いクリームなどは、品質も素晴らしいのですが、毎日使う消耗品でもあり、そうそう高価なものを買ってもいられません。 高価なブランド物と一般的にスーパーなどで買える化粧品の間に割り込んでここ10年ほどで急成長しているのが、パラファーマシーと言う、日本で言うビオコスメの分野です。 薬局、あるいは、薬剤師をおいた店舗でしか扱いを許されていない基礎化粧品で、フランスでは、パラファーマシーと言って、普通の薬も買うことができますが、その多くをビオコスメなどで運営しているお店がすごく増えました。 日本で有名なのは、ビオデルマとか、ラロッシュポゼとか、アヴェンヌあたりでしょうか?フランスでは、ビオコスメのご本家みたいなところがあって、それはそれはたくさんのビオコスメがどんどん登場し、どれにしたらいいのか、さっぱりわからないので、自分にあったものを探すのは、至難の業です。 しかも、年齢とともに、自分にあったものは変わっていくので、日々、アンテナを張っておくことは必要かもしれません。少しずつでも手入れをしながら歳を取るのと、何も構わずに歳をとってしまうのでは、数十年後に雲泥の差になります。 色々な情報から、また、たまたま通りかかって、「ん?ここは?」などと思うお店に立ち寄ってみた結果、結果的に今のところ、ここが一番だと思ったのは、サンジェルマン・デ・プレにあるシティファーマ(CITY...

2021年7月11日日曜日

「スペインとポルトガルには、行かないで下さい!」 今年の夏のフランス人のバカンス

    フランス人にとって、一年中で一番のイベント「夏のバカンス」に突入し、週末には、フランス全土で、1,000キロの交通渋滞が発生しました。 今年の夏のバカンスは、一年半の間に3度のロックダウン、数々の制限された生活から、ようやく解放されたこともあって、一段と気合が入り、例年のバカンスよりもバカンスに当てる費用(予算)も平均20%増なのだそうです。 フランス人の夏のバカンスといえば、短くても3週間、長い人なら1ヶ月間の長期のバカンスです。多くは、7月組と8月組に分かれています。学校に至っては、2ヶ月以上がお休みですから、子供たちも1ヶ月はコロニー(合宿のようなもの)に参加して、もう1ヶ月は、家族とバカンス・・と、1ヶ月単位の区切りです。 しかし、まだまだ終息してはいないコロナウィルスの影響から、バカンスに出ると行っても、83%の人は、国内旅行なのだそうで、フランス政府にとっては、国内消費が増加する不幸中の幸いなのかもしれません。 そんな中、フランス政府は、現在、デルタ変異種のために、急激に感染状況が悪化している「スペインとポルトガル」への旅行は、避けるように呼びかけています。 フランスでも、デルタ変異種の拡大は毎週毎週、増え続け、現在は、50%以上がデルタ変異種に置き換わり、一時は1日の新規感染者が1,000人前後まで下がったにも関わらず、あっという間に現在は、4,000人を超えてしまっています。 しかしながら、現在のところ、フランスでは、感染者は増加しているものの、集中治療室の患者数は減少を続け、さらなる深刻な状態には、至っていません。 感染者は増えても重症化していないのは、何よりもワクチン接種の拡大の成果で、現在のフランスのワクチン接種率は52.75%、さらにデルタ変異種が拡大する前になんとかワクチン接種を拡大していくことに躍起になっています。 ですから、1日の感染者数が2万人超えに跳ね上がってしまっているスペインなどに対しては、当然、警戒体制をとっているのです。比較的近いバカンス地として、スペインやポルトガル、イタリアなどはフランス人には人気の場所でもあり、すでに予約してしまっている人、これから予約しようとしている人も多く、SNCF(フランス国鉄)は、スペインやイタリア行きのチケットは、100%払い戻しをすることを発表しています。 しかし、払い戻しをしてくれるのは、SNCFだけで、その他の航空券、ホテル等に関しては、予約時の契約次第ということになるわけで、フランス政府とて、はっきり禁止というわけにもいかず、「避けれるものなら、避けてください」という呼びかけに留まっています。 また、ポルトガルは、感染悪化を受けて、リスボンやポルトを含む45の自治体で夜間外出禁止令を復活、ポルトガルにバカンスに出かけても、夜の外出はできない不完全燃焼のバカンスになりかねません。 そして、地中海に浮かぶマルタ島(マルタ共和国)などは、非常に厳しい入国制限を敷くことになり、ワクチン接種証明書(しかも、2回目のワクチン接種から14日以上経過していなければならない)に加えて、マルタ行きの飛行機搭乗の際に検査の陰性証明を提出することが義務付けられています。 人口50万人の地中海の小さな島であるマルタは、EU圏内で最もワクチン接種が進んだ国の一つであり、成人国民の79%が2回のワクチン接種が完了しています。にもかかわらず、感染者が再び増加して100人近くになり始め、しかも感染者の90%はワクチン未接種の人であったこともあって、現在のヨーロッパ全体のデルタ変異種の拡大を鑑みて、この措置を決定したと思われます。 しかし、すでに近々のマルタ行きを予約していた観光客で、ワクチン接種が済んでいない人、または、済んでいても2回目のワクチン接種から14日間経過していない人は、入国できないわけで、この急なマルタの入国制限に憤っています。 結局のところ、フランス国内でのバカンスが今のところは、一応、安泰なわけで、概ね83%のフランス人は、予定どおりに例年よりも2割り増しの贅沢なバカンスを楽しむことになると思います。 しかし、フランス国内とて、第4波は7月末か8月初めか??などと言い始めていて、今まで、私たちは、第1波から第3波を経験してきて、今、第4波の前にいる・・などと、もう第4波ありきの感じになっています。 下手をすると、8月には、国内でも、また再度、制限が加わって、「7月に行っときゃよかった・・」なんてことになるかもしれません。  日本人である私は、今はことあるごとに、もうすぐ始まる日本でのオリンピックに伴う入国制限のことを考えてしまうのですが、やっぱりオリンピックともなれば、世界中のオリンピック関係者が日本に入国するわけで、そりゃあもう、デルタ変異種はもとより、様々な変異種の巣窟になりかねないわけで、小さなマルタ島でさえ、観光客の受け入れに、2回のワクチン接種済み(しかもワクチン接種後14日以上経過要)+陰性証明書と制限しているのだから、オリンピック関係者にも同等の制限を敷いても良かったんじゃないかな?などと思ってしまいます。<関連記事>「フランス人の金銭感覚 フランス人は、何にお金を使うのか?」「バカンスを何よりも優先するフランス人 フランスに...

2021年7月10日土曜日

無観客になった東京オリンピックについてのフランスでの報道

    オリンピックを目前に控えた日本で非常事態宣言が発令され、その直後に今年の東京オリンピックが無観客で開催されることになったことは、フランスでもすぐに報道されました。 「デルタ変異種の出現とともに、感染状況が悪化している日本は、非常事態宣言が発令され、20時以降のレストランの営業も制限(アルコールの提供も禁止)され、コンサート等も21時までに制限され、その上、ワクチン接種も国民の15%しか済んでおらず(2回の接種)、オリンピック選手だけでも1万1千人が全世界から集まるこの世界的な大会において、感染拡大回避のために、オリンピックを無観客で行うことに決定した」「入場できるいくつかの会場でさえも、観客の数は定員の半分を超えてはならない」と伝えられています。Suite...

2021年7月9日金曜日

16年ぶりに再開したパリ・サマリテーヌに行ってみました!

    2005年に老朽化による改修工事のために閉鎖されてきたパリの老舗デパート サマリテーヌが16年ぶりに再開されました。 当初2011年に再開するはずだったこの店舗は、数々の工事に関わるトラブルやデモ・テロ、パンデミックの影響なども受け、工事は遅れに遅れ、パリ1区、セーヌ川沿い、ポンヌフの正面、リヴォリ通り近くのパリの中心も中心、抜群のロケーションの超一等地にあるこの店舗が16年間という、これほどの長期にわたり閉鎖してきたのは、驚愕的なことで、むしろ、実際に再開した時には、もはや「あれ、ほんとに再開するの?」と拍子抜けする気分でした。 なにせ、これだけの地の利の良い場所ですから、見過ごすのが難しいくらいの場所で、私がパリに来たばかりの頃、一度は行ったことがあったのですが、それから、私もすぐに仕事を始め、娘もまだ小さく、仕事と子育てでゆったり買い物をしに行く時間などもないままに、あっという間に閉鎖され、それからは、近くを通るたびに、「こんな一等地の店舗をいつまでも閉めていて、勿体無いな・・」などと、横目で見ながら、通り過ぎてきたのでした。              改装工事中の写真も展示されている サマリテーヌの再開は、同業のプランタンなどが店舗を縮小していく中、再開される老舗デパートとして、再注目されましたが、再開と同時に不正金融取引と課税に反抗する過激派の標的になり、白いオーバーオールに身を包み、防毒マスクを身につけた活動家がショーウィンドーを黒く塗りつぶし、白い文字で「ダーティーマネー」などの落書きをして騒ぎを起こし、ちょっとケチがつきましたが、すぐにそのウィンドーには、カバーがかけられ、大勢に影響はありませんでした。 店舗の中心部分に位置する太陽の光を取り入れる開放的な空間に、アール・ヌーヴォーとアールデコの入り混ざった空間には、有名な孔雀のフレスコ画が完全に復元され、まさに古くて新しい洗練された空間に仕上がっていました。 こんな仕上がりを見ていると、フランスは、自分たちの文化の継承を10年や20年などは、ものともせずに、もっと長いスパンで捉えているのではないか?とも思えてきます。  フレスコ画も完全復元    店舗中央の階段部分 店舗の中央部分にあえて見せるように作られている階段は、ちょうど登りやすい段差で、階段を登りながら、店舗全体も見渡せるようになっており、そのすぐ横には、エスカレーターも目立たない感じで配置されています。    感染対策のため? 階段には上り専用の表示 地上階は、バッグなどのマロキネリー(皮革製品)、1階(日本でいう2階)には、女性ファッション、2階が時計・宝石、3階が男性ファッション、4階は女性用靴、そして、地上階から光の入るガラスの屋根までが吹き抜けになっている最上階は、真ん中の吹き抜けを囲むように配置されたレストランと、リラックススペースには、適宜、移動可能な組み合わせて座れるソファーが置かれた薄暗いスペースの前に、セーヌ川沿いのパリの動画が流されている大画面があり、ゆったりとくつろいでいる人には、まるでホームムービーを見ながら、昼寝しているような人までいて、なかなか自由にリラックスできる感じになっています。   最上階にあるリラックススペース 大画面はパリの景色の動画 デパートに入るとフワッと香ってくる香水の香りなどがないと思っていたら、化粧品、香水などのコーナーは、地下にありました。 現在のところは、あまり海外からの観光客もいないので、客層は、地元の人と思われるような比較的、年配の人が多く、落ち着いた雰囲気でしたが、高級品が多いこともあり、どちらかというと買い物というよりは、半分は観光のようなひやかしのような空間を楽しんでいるような感じで満員なのは、レストランだけでした。      人だかりができていたシャンパンのコーナーも美しい 売り場でちょっとした人だかりができていたのは、店頭販売の男性が「シャンパンは絶対に光に当ててはいけないものだ!」と熱弁を奮いながら、皮のカバー付きのシャンパンを売っているコーナーで、取り囲むちょっと年配の人々が和やかに談笑する光景をキラキラ光るシャンパンのボトルを背景に、ほんわかとした気分で、眺めてきました。 最上階のスペースには、レストラン、カフェ、ティールームがあり、スターシェフの創造性を楽しめる最高のフランス料理から最もトレンディなペストリーまで様々なメニューを楽しむことができます。レストランのメニューを覗いて見たら、結構、和のエッセンスも加えられていたりするメニューもありました。    レストランのメニューの一つ 和牛を使ったメニューがやたら高い    デパート全体では600のブランドのファッション、化粧品、ジュエリーなどを扱い700人を雇用しています。最終的には、保育園、公営住宅、高級ホテル(9月オープン予定)が加わるこのサマリテーヌ全体では、3,000人の雇用が見込まれています。  階下には現在のサマリテーヌのオーナーであるルイ・ヴィトンのオブジェ このサマリテーヌの完成もフランスの経済復興の一つになることは間違いありません。しかし、考えてみれば、このサマリテーヌでさえ、観光客が本格的に戻ってくる頃には、ものすごい人出になるに違いなく、パリに住んでいる方には、今がチャンスかもしれません。 すっかり引きこもりの生活が続き、すっかり私の物欲も消え失せていたと思っていたところ、久しぶりにゆったりと贅沢な高級品を眺めて歩いて、思わぬ指輪に遭遇、しかも滅多にフランスでは見つからない私のサイズまであり、ピッタリ! しかし、値段を聞いて、びっくりして、なんとか思いとどまり、久しぶりに「欲しい!」と思う気持ちを抑える苦しさを味わった、ちょっぴり危険な16年ぶりのサマリテーヌ訪問でした。【SAMARITAINE...

2021年7月8日木曜日

自転車泥棒の組織化と自転車登録・マーキングの義務化

   今では、自転車を扱う店舗も増えた 私がフランスに来たばかりの頃、フランスで自転車といえば、移動手段というよりも、スポーツという位置付けで、休みの日に、車の後ろか、屋根に自転車を括り付けて移動して、広い場所に行って自転車に乗りに行く、あるいは、本格的にツール・ド・フランスのような競技さながらのヘルメットをかぶって、サイクリング用のウェアを身につけて乗るような感じが主流でした。 日本で生まれ育った私としては、ちょっと自転車で買い物に・・なんて感じがとても便利で、フランスでもそうできたら、どんなに良いだろうと思ってきました。 しかし、フランスでは、自転車の盗難が異常に多く、生半可な...