ロックダウンから1週間、フランスの感染拡大は止まりません。
昨日のフランスの新規感染者は、再び?新記録を更新し、58046人を記録しました。
第2波の現状を重く受け止めているパリは、11月6日から、現在のロックダウンの措置に加えて、22時以降のレストランのテイクアウト・宅配サービスの営業を禁止することを発表しました。
この規制は、外食をできない人々が家に集まってパーティーをしたりすることを封じ込めるためですが、この22時以降の宅配サービスの禁止でどの程度、効果があるかは疑問です。
宅配サービスを利用しなくても、いくらでも家でのパーティーは可能です。むしろ、パーティーをしている人の大多数は宅配サービスなど利用していないでしょう
にも関わらず、このような制限を加えるということは、ロックダウン後、外に出れない人々が家でなかなかの割合でパーティーをしているということで、ロックダウンとはいえ、通報者でもいない限り、家の中にいる人の取り締まりは不可能ですから、このような制限でも追加するしかないのです。
現に、うちのアパートでも週末の夜などは、なかなか賑やかな声が聞こえてくることも多いので、たしかに家で群れている人は多いのです。
先日、クリスマスの権利をたてに非常事態宣言の延長が通らずに激怒した保健相オリヴィエ・ヴェランは、昨日、夕刻に、現在のフランスのコロナウィルスの状況についての説明をするために、記者会見を開きました。
詳細なデータ(数字)の発表に加えて、
・第2波は驚くほど暴力的に感染を広げ、すでにフランス国内の34県では、集中治療室が満床状態であること
・すでに61人の重症患者が他の病院に移送されている状態であること、満床状態の病院からの移送先がなくなってきていること
・ロックダウンをきっちり守らなければ、現在、4230床が埋まっている集中治療室の患者が11月中旬には9000以上に膨れ上がるであろうということ
・集中治療室の患者の4人に1人は生き残れないということ
という内容を発表しました。
なかでも、衝撃的なのは、「集中治療室に入ったら、4人に1人は助からない」という事実、フランス人は事を難しそうに、理屈っぽく語るのが好きですが、その実、聞く方には大して響いていないことも多く、殊に今回のコロナウィルスの感染状況に関しては、もう数字自体にみんなが麻痺している状態で、一日の感染者数が5万8千人などと言っても、どこかピンと来なくなっているのです。
ですから、今回のように、「ICUに入ったら、4人に1人は助からない」というような伝え方は、なかなか衝撃的で、(これを聞いていた人がどのくらいいるのかはわかりませんが・・)少なくとも、私は、震え上がりました。
毎日、3000人近い人がコロナウィルスのために入院し、その1割くらいの人数がICUに入っています。患者はかなり長いことICUでの治療が続けられるので、時間のズレがありますが、今週は、一日平均500人近い人が亡くなっています。
運よく、集中治療室から生還できたとしても、後遺症に悩まされ、長いことリハビリを続けている人が多いのです。
どちらにしても、感染して、発症したら、ただでは済まない・・フランス人にはどのくらい響いているかわかりませんが、私には、めちゃくちゃ響いた保健相の会見でした。
<関連>
「フランスのコロナウィルス感染 第2波は第1波よりも深刻かもしれない」
https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2020/10/blog-post_24.html