2020年10月30日金曜日

ロックダウン前日 大荒れのフランス ロックダウン・テロ・デモの全てが一日に起こった日


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まるで何もなかったような、ロックダウン前日の夜のパリのカフェのテラス



 マクロン大統領のロックダウン宣言から一夜、自由に動けるのも、今日一日限り・・何かやり残したことはないか?(考えながら、なんだか我ながら、大げさだと思いました・・)と思いつつ、昨日、あまり考えることもなく、買い物に出かけて、エラい人出だったので、残りの買い物をしようと、朝、開店5分まえに近所のスーパーマーケットへ行きました。

 ロックダウンになっても、外出証明書を持っていれば、買い物には出かけられるし、外出証明書のダウンロードも大した手間ではないのですが、やはり、気が重いのは、なぜでしょうか? 

 ロックダウンになれば・・と考え始めれば、前回のロックダウンの様子などがまざまざと思い出され、スーパーマーケットなども、入場制限で、いつ行っても長蛇の列・・そんな思いが、ロックダウン前に買えるものは買っておこう・・という気持ちにさせるのです。

  

カーフール開店5分前、すでに行列が・・

 考えることは、皆、一緒のようで、 5分前には、すでに行列が出来始めている状態で、今日のところは、想像はついていたものの、やっぱりビックリ!

 そして、店内に入って、すでに平日にも関わらず、結構な人・・しかも、男性客が多く、明らかに買い貯め用の買い出しの体制。フランスでは、日常から男性が買い物に来ているのは珍しいことではありませんが、ロックダウンのための買い物となると、さらに男性の比率が高くなるような気がします。

         

ロックダウン前の買い物は男性が多い

 まだ、開店直後というのに、すでに、ガラガラの棚もあり、またまたビックリ!第一波の時には、スーパーマーケットの職員にも犠牲者が出ていたため、緊迫感が漂っていましたが、今回は、今のところ、そこまでの緊迫感はなく、ただ、皆、淡々と買い物をしていました。

               

朝から空っぽのオイルの棚

 私が、そうして買い物をしていた頃、ニースでは、大変な事件が起こっていました。ニースのノートルダム教会で、刃物を持った男が複数の人に襲いかかり、死者3名、複数の負傷者が出るカトリックの教会を狙った凶悪事件、先日のパリ近郊で起こった路上でのテロ事件に続き、イスラム過激派のテロ事件が再び起こっていました。             

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テロの起こったニースの教会前

                               

 犯人は、21歳のチュニジア国籍の男、イタリア経由でつい数週間前にフランスに入国したばかり、犯人の持ち物からは、コーランとナイフが発見されています。テロ目的で入国した可能性もありますが、警察の反撃のため、現在、犯人は重体、事情は聞けていません。

 明日には、ロックダウンというタイミングで、ロックダウンと並んで、まさかの再びイスラム過激派のテロ。トップニュースとして、扱われる驚愕のニュースとなりました。ロックダウンの詳細が発表されるとともに、フランスには、テロに対する警戒が最大レベルに引き上げられました。 

      

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明日からロックダウンとは思えない賑わいぶりのパリのレストランのテラス

       

 夜には、ロックダウンについての詳細が発表される中、パリのカフェやレストランには、最後の時間を惜しむかのごとくに集まる人々。ロックダウンされるほど、感染状況が危険な状態だとは考えずにギリギリまでカフェやレストランでの時間を過ごす人を見ながら、これだから、フランスは、ロックダウンしなければ、どうしたって、感染拡大は抑えることが出来ないんだ・・と、もはや、私には、ため息すら出ません。

             

あと数時間でロックダウンを控えてロックダウン反対のデモ


 カフェやレストランでの賑わいぶりに拍車をかけるように、あと数時間でロックダウンというのに、パリ・リパブリック広場では、ロックダウン反対のデモ。昨日のマクロン大統領のロックダウン発表の放送は、3,270万人もの人が見ていたと言われているのに、聞いていなかったのでしょうか? 

 第二波は、第一波以上の死者を出す恐れがあるということを・・。

 こんなパリの街の様子を見るにつけ、やっぱりフランスには、ロックダウン以外の道はなかったのだ・・ということを思い知らされる一日でした。

 それにしても、コロナウィルスの恐怖に加えて、デモ、テロ・・と、なんでもありの一日で、ロックダウンは気が重いながらも、どこかホッとさせられる気もするのです。


<関連>

「フランスは、いつも誰かが何かを訴え、戦っている フランスは、デモの国」

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2020年10月29日木曜日

フランス 再びロックダウン・・少なくとも12月1日まで


フランス 大統領からの発表の前に流れる映像



 この約1年あまり、この映像をどれだけ見たことかと思います。大統領からの重大な発表が行われる度に、大統領の発言が流れる前に、フランス国歌マルセイエイズとともに、威風堂々としたエリゼ宮(大統領官邸)を背景にしたこの映像が流れます。

 フランスは、今年、それだけ、重大な局面を何度も迎えているということです。

 昨夜は、前日からの予告どおり、マクロン大統領から、10月30日(金)午前0時より、少なくとも12月1日まで、再びフランスは全土にわたり、ロックダウンの措置が取られることが発表されました。

 特にここ2週間のフランスのコロナウィルスの感染拡大は、予想を遥かに超えたスピードで進み、感染者数等全てが倍以上の数に膨れ上がり、また、前回の第1波に比べると感染は、全国くまなく広がっており、パリ・イル・ド・フランスの病院の集中治療室の75%は、コロナウィルスの患者で埋まっています。

 今回の第二波で、すでに医療崩壊を起こしているオー・ド・フランスなどの地域では、すでに患者の移送が始まっており、この感染が増加し続けている状況では、他の地域の病院でも患者が増え続けている中、その患者の移送さえも困難な状況に陥るのも時間の問題です。

 現在のところ、毎日3000人前後の人が新たに入院しており、すでに3045床の集中治療室の病床が埋まっている状態。現在の感染状況から、11月半ばには、9000床の集中治療室の病床がいっぱいになる事が見込まれるため、ロックダウンは、待ったなしの状況で、約2週間前に取られた21時以降外出禁止の効果が表れるのを待つまでもなく、もう後には、引けない状況なのです。

 このロックダウンの話が具体的に上がり始めて、当初は、「金曜日の夜からロックダウン」という事であったのに、それが一日繰り上げられて、木曜日の夜からになったのには、もう一日たりとも猶予がない状態であることに他なりません。

                

店外まで行列ができるスーパーマーケット

         

 もはや誰もがロックダウンだ・・とわかっていた証拠に、昨日は、すでにスーパーマーケットには、ものスゴい人出、そういう私も、家から少し離れたところにあるアジア食材店には、ロックダウンになったら、行きにくくなるだろう・・と買い物に出かけたところ、午前中の比較的早い時間に出かけたにも関わらず、すでに店の外まで長蛇の列。

 しかし、わざわざ出かけてきたのに、買い物せずに帰るのも馬鹿らしく、列に並ぶこと15分くらい? 近所のカーフールなどのスーパーマーケットでは手に入りにくい日持ちしそうな大根やキャベツなどの野菜や調味料などを物色してきたのです。

 安全対策のために、入場制限を行なっているのかと思いきや、店内にも、ものすごい人、レジにも長蛇の列・・買い物を済ませるのにも、いつもの倍以上の時間がかかりました。

 5月にロックダウンが解除されて以来、久しぶりにロックダウンを見据えての買い物。つい忘れていましたが、ロックダウン時の買い物というのは、こんな感じ(どこでも行列・時間が異常にかかる)なのだった・・と、実感として思い出したのでした。

 今回のロックダウンは、幼稚園から高校までの学校は閉鎖せず、仕事もできる限り継続(工場や農場なども継続)、EHPAD(エパッド・老人介護施設)の面会が許可されている事が前回と違う点として挙げられています。

 全ての外出に際して、再び、外出証明書の携帯が必要になり、不携帯の場合は、135ユーロの罰金が課せられます。レストランに関しては、宅配、持ち帰りのみの営業となり、店内での飲食はできなくなります。

 詳細については、翌日発表とのことでしたが、つい一週間ほど前までは、あくまでロックダウンはせずにコロナと共に生きる、経済を回しながら、衛生管理を行う姿勢を崩さなかったマクロン大統領がロックダウンに踏切らざるを得なかったのには、フランスのあまりに急激で深刻な感染拡大があります。

  

再ロックダウンを発表するマクロン大統領

 それでも、今回の発表でも、現在の感染拡大は、ヨーロッパ全体で起こっていること・・というマクロン大統領。たしかにヨーロッパ全体で起こっていることには違いはありませんが、フランスは、他のヨーロッパ諸国とは群を抜いていることには言及しません。

 私の穿った見方かもしれませんが、あくまでヨーロッパ全体のこととしようとする不透明感からか、いつもの発表に比べて、力強さもオーラも感じられませんでした。

 しばらく自由に出かけられなくなるフランスでは、最後の一日、どこでも、大変な人出になること間違いありません。


<関連>

「ヨーロッパのコロナウィルス感染拡大 国の対策の取り方で明暗を分けた理由」

https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2020/04/blog-post_20.html

 

2020年10月28日水曜日

フランスのコロナウィルスによる1日の死亡者500人突破 

 

メトロの駅で清掃・消毒している人を見かけるのは久しぶりだった

  

 毎日毎日、悪いニュースばかりのフランス。昨日は、1日のコロナウィルスによる死亡者が523人を記録しました。うち288人が病院、235人がEHPAD(エパッド・老人介護施設)における死亡者となっています。

 老人介護施設でのコロナウィルス感染については、第1波から甚大な被害を出していましたが、にも関わらず、ロックダウン解除後も、面会の家族との接触の問題などが叫ばれつつも、感染が全国的に拡大している状況下、一番リスクが高いことがわかっていた(実証済みだった)老人介護施設で再び多くの犠牲者が出ていることに憤りを感じます。

 実証済みといえば、第2波ともなれば、ほとんどのケースにおいて、実証済みなわけで、結局のところ、再びロックダウン・・という状況を招いてしまったフランスでは、全てが甘かったわけで、「ウィルスと共に生きる!」を掲げてきたものの、ウィルスとともに生きることはできなかったわけです。

 こんな年に限って、私は、滞在許可証の書き換えの年(10年に1回)、おまけに銀行のカードも今月末で期限切れで新しいものに切り替わるタイミング。今や、振り込みや送金などは、全てオンラインでできるので、滅多に銀行に行く必要もないのにこんな時に限って銀行へ。

 銀行のカードがないのは、かなり困るので、ロックダウンになる前になんとか取りに行かなければ・・と、昨日は、慌てて銀行へカードを引き取りに行ってきたのでした。銀行のサイトを見ると、現在は、午前中のみの営業になっていて、なんとか朝のうちに行かなければなりません。

 

感染防止用の手袋をしている人を見つけてちょっと感動


 何週間ぶりかで乗ったメトロは、なかなかの混雑ぶり、当然、人との距離を取るために座席に貼られていたステッカーなどは、何処へ行ってしまったのやら? しかし、マスク率はさすがに100%、メトロの中では、初めて感染防止用の手袋をしているおばさんを見つけて、こんなに気をつけている人もいるんだと妙に感激し、また、乗り換えの駅の構内では、いつになく、清掃・消毒(手すりなどをアルコールで除菌していました)をしている人を見かけて、さすがに緊迫感が増してきたことを実感しました。

 しかし、家に戻ってきてから、ふと、駅で清掃?消毒をしている人を見かけただけで、なんだかすごく特別なことだと感じている自分に、この程度の駅の掃除、日本だったら、平常時にもやっていること・・こんなことに驚いている自分に苦笑してしまいました。

 銀行に着いてみると、サイトには午前中のみの営業と書いてあったのに、実は一般の窓口の受付はすでに、終日、閉鎖されていました。なんのためのサイト??なんてことは、フランスでは通用しませんが、銀行から来ていた「カードの用意ができました」というレターを持っていたので、カードを受け取ることはでき、ついでに他のお願いまでしてくることができたのでした。

 ダメと言われて、あっさり引き下がっていては、フランスでは暮らしていけません。

 そんな、コロナウィルスで緊迫し始めている中、パリでは、凱旋門周辺、およびエッフェル塔付近(シャンドマルス)において、爆発物が仕掛けられたという、まさかの爆弾騒ぎまであり、近接するメトロ3線、郊外線1線の運行が一時停止するという事態が起こりました。

 先日起こったテロ事件から、いくらも時間が経っていないこともあり、不審物に対する警戒も高まっているのでしょう。先日のテロの際のマクロン大統領の「表現の自由は、断固として守る!」との声明に憤慨しているイスラム教の数カ国では、フランス製品の不買運動が起こるなど、摩擦も高まっています。

 コロナウィルス感染に加えて、テロの脅威も抱えるフランス・・フランスに平和が戻る日は遠そうです。

 一昨日あたりから、フランスのツイッターでもトレンドの上位は#confinement2(confinement=ロックダウン)(ロックダウン2)で占められ、夜に発表になるとされている再ロックダウンの詳細に国民も戦々恐々としています。


<関連> 私の予想は残念ながら当たってしまいました・・

「コロナウィルス第2波は、いつ来るか?」

https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2020/07/blog-post_10.html


2020年10月27日火曜日

コロナウィルス感染第2波 待ったなしのフランスに残された道

 

   Des patients atteints du Covid-19 transférés depuis le CHU de Strasbourg arrivent à la gare Saint-Jean de Bordeaux, le 3 avril 2020


 一昨日のフランスの1日の新規感染者数は52,010人を記録し、この日の世界の感染者数を見ても、アメリカ 61,117人、インド 45,158人に次いで、世界第3位、いやいや、インドは超えて、世界第2位・・。しかし、人口を考えるとアメリカの人口はフランスの5倍、インドに至っては、21倍の国、実質的には、フランスは世界一とも言えます。

 この感染拡大は、フランス人の多くが本格的にバカンスに出始めた8月頃から徐々に増え始めましたが、特に、10月に入った頃(ここ1ヶ月ほど)からの上昇は、グラフの上昇曲線が斜めから縦線になるのではないかと思うほどの増加の仕方です。

 これには、Conseil Scientifique Covid-19 (コンセイユ サイエンティフィック)(フランスのコロナ対策の科学評議会・フランス政府に科学的助言を提言する機関)の議長・フランソワ・デルフレシ教授は、「フランスの1日の新規感染者数について、直近の公式発表の倍にあたる10万人程度になっている可能性がある。感染は、予想以上に早く拡大している。早急に次の対策を講じる必要がある」と発表しています。

 すでに、フランス北部を中心に医療崩壊が始まり、患者の移送も始まっています。先週の段階では、すでにオー・ド・フランス(フランス北部の地域圏)から、2人の患者がベルギーに移送され、先週末から週明けにかけて、ルーベ(フランス北部・ノール県)の病院では26人の患者が、リヨンから4名、ヌーベル・アキテーヌから8名が、飛行機やTGVを使って、国内の他地域に、移送されており、3月末から4月にかけて、フランスが必死に行なっていた国内大移動作戦が始まりました。

 今回は、感染がフランス全域に広がっているため、この移動大作戦がいつまで持つのかは、この感染の速度を考えると非常に悲観的になります。

 特別警戒地域での夜間ロックダウンが始まって、すでに、10日が経とうとしていますが、一向にこの夜間外出禁止の成果が表れず、それどころか、感染状況が悪化の一途を辿っていることから、新たな制限がここ一両日中にも発表されるようです。

 もはやフランスに残された道は、3月同様のフランス全土にわたる完全なロックダウン状態か? 地域によって夜間のみではなく終日ロックダウンを行うか、夜間の外出禁止に加えて、週末の外出禁止、もしくは、外出禁止時間帯を夜21時からではなく、19時からとか17時からにするという案も出ているようです。

 いずれにしても、もはや現在の夜間のみの外出禁止だけでは、フランスの感染は止められる状況ではなく、テレビのニュースなどでも、フランスはコントロールできていない状況になっていることを憚らずに述べるようになり、(当然だけど・・)、恐らく、ロックダウンしない限り、フランスで感染がおさまることはないかもしれない・・と多くの人が思い始めていると思います。

 検査で陽性になった人の隔離も、フランスのような観光大国にはホテルの空き部屋は山ほどあるので、それを利用すれば良かったと思いますが、感染者が1日、5万人も出ている状況では、もはや、その人たちを毎日毎日、隔離することも不可能で、家にいろと言っても、何かと理由をつけては出歩く陽性者を管理できないのであれば、ロックダウンしかないのではないか? と思ってしまうのです。

 前回のマクロン大統領の会見では、フランスはコントロールできている状態だと言い張っていましたが、コントロールできている状況で今の事態はありえないのです。

 ロックダウンが感染状態の最も深刻な地域のみだとしても、パリ(イル・ド・フランス)は、オー・ド・フランス(フランス北部)に次いで深刻な地域。私もロックダウン生活突入を覚悟して、今日もこれから銀行の用事を済ませに行ってきます。

 フランスでは、「国民のショックを考えて・・」という政府の発言をよく聞きますが、ロックダウンは、ショッキングなことではあっても、もはや、誰も驚かないと思います。


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「パリ、イル・ド・フランスをはじめとするフランス8都市での夜21時以降の外出禁止」

https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2020/10/21.html

 

2020年10月26日月曜日

新規感染者数5万人突破・2日で1万人増加 サマータイムも終わり 本格的な冬支度


Les chrysanthèmes "pompon" reviennent en force cette année. En forme de boule, ils donnent beaucoup de couleurs pour peu de feuillage apparent.


 秋休みとも言えるトゥーサン(万聖節・諸聖人の祝日)のバカンスが終わり、サマータイムも終わり、一段と冬の様相が深まっていく季節です。トゥーサンのバカンスというのは、カトリックの行事によるバカンスでフランスでは、皆が故郷に帰省して、お墓まいりに行く習慣があります。

 この季節のフランスのお墓は、なかなか華やかで、お墓一面に備えられたお花の様子から、この時期は、皆が意外と真面目にお墓参りに来ていることがわかります。日本で言うお盆のお墓まいりのような感じでしょうか? 家族が集まってお墓まいりをしたり一緒に食事をしたりします。

 家から歩いて行けるところにありながら、あまりお墓まいりをしない我が家でさえも、さすがにこの時期にお花がないのはかわいそうな気もして、一年のこの時期には、必ずお墓まいりをしています。

 このトゥーサンのバカンスが終わると、街は、さっそく、ノエル(クリスマス)の飾り付けに入ります。あらゆることがグズグズと遅いフランスで、唯一、早くから準備にかかるのがノエルです。

 サマータイムが終わって一時間、時間がずれたことに身体が慣れ始めると、あとは、グングン日も短くなり、朝は、遅くまで暗く、夜も早くに暗くなり、憂鬱な長い冬に入ります。

 そんな時期にフランスのコロナウィルス感染状況は最悪の一途を辿り、これで4日連続、一日の新規感染者数は新記録を更新し続け、5万人を突破、昨日は、52,010人を記録しています。4万人を突破してから3日目のことです。

 たった2日後に1万人増加するとは、感染の速度が尋常ではありません。1日5万人を超える感染が、実際に、さらに、病院での治療、病室の占拠状態に大きく関わってくるのは、その1〜2週間後のことです。そして、一度、入院すれば、滞在が長くなるのもコロナウィルス治療の特徴で、病院でのコロナ患者数はこうして堆積してくるのです。

 現在のイル・ド・フランスの集中治療室のコロナ患者の占拠率は67%、アルプ・オーベルローヌ地域では74%にまで上昇しています。満床になるのは、時間の問題です。

 1日に5万人の感染者が出ている状態では、もう、「犬も歩けば棒に当たる・・」ような状況で感染者に遭遇する感じがします。だいたい、検査で陽性になった人でも、フランスでは、隔離されることもなく、マスクさえすれば、外出していいような風潮で、これでは、いつどこで感染者に遭遇しているか? かなりのその確率も高くなっていることでしょう。

 娘がスタージュに通っている会社でも、感染者が出たということで、ミーティングが開かれたということでしたが、感染自体は会社で起こったものではないと判断されたようで、さらに、注意して、生活するようにという注意喚起や社内のキャンティーン(食堂)や休憩室などの衛生環境の改善(プラスチックのバリアが貼られたり、席の間隔がさらにあけられたり・・)に留まり、会社が閉鎖になったりすることはないようです。

 これだけ、感染が蔓延してしまっては、逆に感染者が出たくらいでは、誰もひるむこともなく、皆が感染に対して、衝撃を受けなくなっているのです。

 サマータイムの夏の時期と冬時刻の季節の差がやたらと大きいヨーロッパでは、夏は夜も10時くらいまでは明るく、開放的ですが、冬は、夜が長くなります。3月〜4月のロックダウンの際には、どんどん日も長くなり、明るくなる季節にどれだけ救われていたかわかりません。

 これから暖かくなっていく季節にと、私は、ベランダで日本から持ってきた野菜のタネを撒き、せっせと野菜を育て、明るい日差しのもとにどんどん育っていく野菜の成長を楽しんだりしていました。

 それが、今回は、どんどん日も短くなり、暗くなりがちな季節に向かっていく時期であることに何か一層、憂鬱な気分です。今では、寒くてベランダに出るのも躊躇われます。

 前回のロックダウンでは、家に閉じ込め状態の中、DVも大きな問題になりましたが、この冬の鬱屈した時期でのロックダウンともなれば、DV被害は、春のロックダウン以上に問題になりそうな気がしてなりません。


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「コロナウィルス監禁生活でのストレスの矛先 DV・暴動」

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2020年10月25日日曜日

新規感染者数4万5千人突破のフランス 取締りの警察もさらに強硬化

 

                                                      パリ市内を取り締まっているBRAVM


 昨日のフランスの一日の新規感染者数は、45,4222人。フランスは3日連続で、新記録を更新し続けています。当然のごとく、あらゆる数字が悪化しています。

 それでも、ロックダウンではなく、日中は街には人が往き交い、レストランなども全て営業していることもあり、週末ともなれば、気が緩みがちな街中を、一般の警察だけではなく、通常では、あまり目にすることのないBRAVM(Brigades de répression de l'action violente motorisées・暴力行動抑止団)がパリ市内を取り締まっています。

 このBRAVMは、通常は、テロやデモなどの暴動や暴力行為などの緊急事態に編成されるバイクで移動する憲兵隊のような性質をもつ連隊で彼らが身を包んでいる防護を兼ねたヘルメットを含めた制服も黒づくめで威圧感があり、退去の求め方なども警察よりもさらに容赦のない雰囲気が漂っています。

        

               歩いているだけで物騒な感じ漂うBRAVM


 土曜日の午後、パリのあるレストランのテラスでは、賑やかにグラスを傾ける人々のもとに現れた彼らは、歓談するお客さんたちに向かって、「ソーシャルディスタンスが取れていませんから、今すぐに退去してください!」と退去命令。

 突然の彼らの登場に動揺しつつも、彼らの威圧的で有無を言わさない強硬な態度に、慌てて立ち去るお客さんたちは、支払いをする間さえも与えられません。

 お客さんにとっても、あまりに突然の彼らの登場に動揺してのことなのか? ビールを片手に、「マスクは、ここに持ってきている・・」とか、ビール片手に席だけ移動して居座ろうとしたりしていましたが、お金を払わないで済んだこともあってか? 彼らの威圧感からか? 一応、文句を言い返しつつも、わりとあっさり退散。

 レストランの店主でさえも料金を回収できなかったにも関わらず、すごすごとテーブルを片付け、店内に消えて行きました。

 本来ならば、レストラン側が衛生管理の基準に満たない状況での営業を違反と見なされて罰金、あるいは営業停止となっても致し方ない状況でもありますが、直接、お客さんを退散させることで、直ちに人が集まっている状態を有無を言わさずに、とにかく即座に解散させるやり方は、フランスの取り締まりには必要なのかもしれません。

                   

             環状線で車を止めて外出証明書のチェックをする警察
      

 21時以降の外出禁止の取締りは、車での移動の取締りも強化。パリ市内を通る環状線は午後9時になると、警察が一台一台、車を止めてチェックを行なっています。もちろん、外出証明書がない場合は、一人につき、135ユーロの罰金です。

 もちろん、渋滞に巻き込まれたなどの言い訳も一切、通用しません。

 それでも出かける若者たちは、一応、門限に間に合うように、まるでシンデレラのように必死な様子で、21時近くになると、バスやメトロに乗るために、普段は決して急いで走ることのない彼らが走っている様子が見かけられるそうです。

 また、パリで若者に大人気の有名な大きなレストランなどは、夜8時半ごろになると、彼らが読んでいるUber(タクシー)の長蛇の列ができるそうです。

 21時門限では、はなから楽しめないと、家に集まり食事をしている人たちも少なくないようですが、それでも外に出たい!外で楽しみたい!と思う若者たちが、普段の生活ではありえない門限に間に合うように必死になっている姿には、滅多に見られるものではありません。(単に罰金を払いたくないのだと思いますが・・)

 そんな彼らに、ただただ、集まるな!戯れるな!と怒るには忍びない気もするのですが、そこは、今のフランスの状況を考えれば、今しばらくは、辛抱してもらいたい・・と、思うのです。


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「決死のお迎えで、ある日、気付いたこと・・フランス人は、走らない」

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2020年10月24日土曜日

フランスのコロナウィルス感染 第2波は第1波よりも深刻かもしれない

 


 フランスの1日の新規感染者数は、連続で新記録を更新中、一昨日には、初めて4万人を突破して41,622人を記録したと思ったら、昨日は、さらにそれを上回る 43,032人を記録しました。もう何と言ったらいいのやら・・。

 また、Santé publique France (フランス衛生局)は、初めて、地方自治体レベルの細かい地域にわたるコロナウィルス発生率を記した地図を発表しました。

 この地図で見える様子が、今回のフランスがまさに直面しているコロナウィルス感染第2波が実は、第1波よりも悲惨な状況に陥るかもしれないとささやかれ始めている所以です。

 というのも、この色分けされた地図から見えるように、ほとんど白い地域(発生率の低い地域)がなく、感染が全国的にくまなく広がっていることから、第1波の際には、満床状態に陥った地域から、病床に余裕のある地域への患者の搬送をヘリコプターやTGVを使って、少しでも犠牲者を散らし、減らしていく努力ができたのですが、今回の第2波の感染が全国的にまんべんなく広がり、どこの地域でも病院が逼迫し続けている状況では、それが不可能となってしまうのです。

 毎日、4万人以上の新規感染者がいるのですから、当然といえば、当然でもあるのですが、恐ろしいことに、病院の逼迫は、日々、深刻な状態に陥っており、イル・ド・フランスのコロナウィルス患者の集中治療室の占拠率は、62%を超えています。

 ARS(Agence Régionale de Santé)(地方保健機関)の発表によれば、昨日、すでに、オー・ド・フランス(フランス北部の地域圏)から、2人の患者がベルギーに搬送されました。

 つまり、オー・ド・フランスの病院では、すでに医療崩壊が起こっており、患者の治療が抱え切れない状態になっており、しかも、その患者の搬送先がベルギーだということも国内に余裕がないという状況を示しています。

 たしかに上の地図を見るところ、フランス北部は、ブルーの色も濃く(発生率が高い)、ほとんど濃紺の状態、北部から3分の1くらいまでは、真っ青状態、フランス国内のかろうじて青の薄い地域に患者を搬送するよりもベルギーの方が近かったということもあるのかもしれません。

 とはいえ、余裕さえあれば、ベルギーは外国、自国内で何とかなるのであれば、フランス国内に搬送するのが普通だと思われます。

 テレビの報道などでも、あちこちの病院の逼迫状態、医療従事者が悲鳴をあげている様子が報道されています。なかでも、患者をベルギーへ搬送したというオー・ド・フランスの病院の医師は、「現在、我々は、3月25日頃のレベルの集中治療を受ける患者を抱えています」と語っています。

 3月25日頃といえば、第1波の際に、ロックダウンされてまもなくの、犠牲者のグラフが急上昇した時期です。今、1日の新規感染者数4万人の状態があの3月25日のグラフの波のポイントにいると考えると、これは、ほんの入り口のようなもので、それは、恐ろしいことです。

 そして、現在、21時以降の外出禁止(夜間ロックダウン)等の措置が取られ始めたのが17日、まだ、一週間しか経っていません。この効果を期待している間に感染はどんどん拡大していき、夜間ロックダウンの地域も拡大されましたが、どうやら、感染の速度が上回っているようです。

 マクロン大統領は、この逼迫した状況について、「今後、さらなる夜間ロックダウンの地域を広げるか? それとも地域的な全日にわたる再ロックダウンを行うかどうかの検討は現時点では時期尚早、少なくとも来週半ばまで様子を見る」としています。

 このコロナウィルス対応において、これまでことごとく、打つ手が後手後手に回っている感が拭えないマクロン大統領、フランスは、夜間だけのロックダウンで乗り切ることができるのでしょうか?

 チェコとアイルランド、ウェールズは、22日から再ロックダウンに突入しています。


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「コロナウィルスの感染は、明らかに気温が影響している ドイツの食肉処理工場で1500人感染」https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2020/06/1500.html

「パリ、イル・ド・フランスをはじめとするフランス8都市での夜21時以降の外出禁止」

https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2020/10/21.html