グルノーブルで死刑囚の遺体を展示するための16世紀の建造物が発見されました。
発見されたのは、グルノーブル市内の旧駐車場の下で、死刑囚の遺体を展示するための建造物=絞首台=死刑囚の遺体を通行人に展示するためのものです。
16世紀のことなので、現在の感覚では理解できないところで、死刑囚とはいえ、遺体を展示するとは・・なんと、おぞましいことか・・と思ってしまいますが、日本でも、その昔々には、さらし首・・なんていうものもあったということですから、この見せしめ的な罰は、存在していたのです。
フランスで、この種の司法施設の存在は、既に知られていたものの、その痕跡が見つかることは非常に稀で、考古学者たちは、文献記録のおかげで発掘物が何であるか?またその内容などを理解することができたのだそうです。
一年前に発掘調査が始まった頃、国立予防考古学研究所(INRAP)は、まず、骨を発見しました。それから徐々に、頭蓋骨を始めとした別の骨です。
発見された遺骨は合計32体、男性30体、女性2体でした。中には、首を切断されたものもあり、彼らは何の手入れもされず、装飾や適切な取り扱いにも全く注意を払われずに埋葬されていました。
この建造物は、誰もが見られるように設計されており、周囲は石造りになっています。なので、この死刑という行為を覆い隠すというよりも、むしろ、一目につくように作られていたということは、明白です。
考古学者たちは、当初、隠者の小屋か宗教施設ではないかと考えていましたが、彼らが県の公文書館を調べた結果、これが絞首台であることがわかりました。
この公文書館には、公共建築を担当していた建築主の記録簿があり、この記録簿には、この絞首台がどのように建設され、建設の各段階がどのようなものであったか、また、会計書類までが含まれています。
これが街の中心部からは少し離れた場所にあったのは、衛生上の理由ということで、吊るされた遺体が何週間も、何ヶ月間、あるいはそれ以上も屋外に放置され、腐敗していくためということです。
しかし、一方では、この場所は、グルノーブルへの主要道路の一つの端に位置し、航行可能な水路であるイゼール川の岸辺にも位置しており、遠くからでも見える位置に置かれているという面もあります。
歴史家たちは、現在、この絞首台の足元で発見された遺骨の身元確認の調査をしているそうです。
パリには、「カタコンブ」という600万人の遺骨が収納されている納骨堂があるのですが、このカタコンブが一般公開されるようになったのは、1809年と言われているので、この絞首台よりは、後のことになりますが、いずれにせよ、カタコンブも遺骨をこのように展示したり、デコレーションしたりするのって、ちょっとどんな趣味?と思わないでもありませんでしたが、これらも人類の辿ってきた歴史の一部。
今回、発掘された絞首台は、一般公開されているわけではありませんが、これが使用されていた頃には、現在はフランスでは廃止されている死刑という刑罰が、堂々と行われていたことを示しています。
死刑については、現在は、世界的には廃止の方向に進んでいるようですが、歴史の変遷を感じさせる、過去の歴史を知らしめる発見でもあります。
16世紀の絞首台
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