2019年12月31日火曜日

フランスの年末年始にかけての食事




 フランスで、一番、季節感が味わえるのは、やはり、クリスマスから年末年始にかけての食事だと思います。

 明らかにクリスマスが一年の一大イベントと見なされている様子がその食料の豪華さや、豊富さ、圧倒的な量からもわかります。

 12月に入ると、スーパーマーケットやデパートの食料品売り場などは、莫大な量のフォアグラや、鴨肉、シャポン(普通の鶏よりもひとまわりもふたまわりも大きな去勢鶏)、キャビア、トリュフ、生ガキ、生ハム、スモークサーモン、テリーヌ、タラマ、いくら、オマールなどのエビやカニ、貝類が盛り合わせてあるシーフードのプレート、たくさんのチーズがのったプレート、シャンパン、ワイン、山積みにされたチョコレート、ブッシュ・ド・ノエルと呼ばれる丸太の形をしたケーキ、などなど、高級な食材で溢れかえります。

 日頃は、スープにハムにチーズとパン・・などという、かなり質素な食生活を送っている家庭が多いフランス人も、クリスマスや、年末年始には、ここぞとばかりに贅沢な食事を楽しみます。

 クリスマスイブとクリスマス当日、大晦日、元旦と続く、パーティーメニューに何を作るか? 何を食べるか?のテーマは、毎年のことながら、皆が楽しみながら、思考を凝らします。

 日本だと、クリスマスには、チキンという印象があるかもしれませんが、フランスでは、クリスマスの時期にしか、あまりお目にかかれないシャポン(大きな去勢鶏)が登場します。

 赤ワインの煮込みなどもありますが、多くは、栗やレバーなどをコニャックで風味付けしたものをお腹に詰め込んで、丸焼きにします。

 チキンよりも見た目にも立派で大きく、食べ出もあり、テーブルを華やかに飾るので、カッコつけたがりのフランス人には、好まれます。

 クリスマスは、家族で過ごし、大晦日から元旦にかけては、友人と過ごす人が多いのですが、どちらにしても、ただでさえ、食事に時間をかけるフランス人、ほぼ、数日、食べ続ける生活が続き、ほとんど、フォアグラのために飼育されている鴨のような状態になります。

 しかし、このフォアグラ状態は、まだまだ続きます。

 元旦もようやく終わり、クリスマスのバカンスも終わって、ヤレヤレという頃にまた、ガレット・デ・ロワという、アーモンドペーストを包んだパイ菓子を食べるという公現説(1月6日)の行事が控えています。

 ガレット・デ・ロワは、中にフェーブと呼ばれる陶製の小さな人形が一つ入っており、家族で切り分けて食べ、フェーブが当たった人は、ガレット・デ・ロワを買うと、必ず付いてくる王冠をかぶり、祝福を受けて、一年間、幸運が継続すると言われています。

 この時期になると、しばらくの間、家庭だけでなく、会社や友人などの間でも誰かしらが、ガレット・デ・ロワをシャンパンやシードルなどとともに買ってきては、王様ゲームのようにして食べるということが続きます。

 これで、一区切りではあり、ようやく落ち着きますが、2月2日には、ラ・シャンドゥルール(キリスト教の行事)でクレープを食べる日もあります。

 とにかく、年末年始にかけてのこの食事に、私たち、日本人は、海外在住といえども、大晦日の年越しそばや元旦のおせち料理やお雑煮をなんとか、挟み込みます。

 おせち料理などは、揃えるのも難しいのですが、そこは、なんとか出来るものだけでもとお重箱に詰めたりもしてみます。

 私は、今年は、誘惑に負けて、フライングで、年もあけていないのに、ガレット・デ・ロワを食べてしまいました。

 こうして、毎年毎年、年明けには、深く深く、ダイエットを決意するのであります。

 

2019年12月30日月曜日

理解できないストライキの続行



今年の12月に始まった年金改革に反対するストライキは、一向に解決の兆しが見えません。ストライキが始まって以来、もうそろそろ、一ヶ月が経とうとしています。

 今日も、買い物に行こうとして、トラムウェイ(パリ市内を走る路面電車)に乗ろうとしたら、通りを黙々と歩く人々がやたらといて、嫌な予感・・・やっぱり、電車は、来ないのです。

 なんとか、歩くことはできても、買い物をして、帰り、荷物を持って、延々と歩く元気はなく、敢え無く、断念しました。

 もはや、数々の記録更新を目指していると言わんばかりの長期戦で、これだけ大規模なストライキが続くのは、30年ぶりとのことで、パリ市内、パリ近郊の交通機関、メトロなどは、自動運転の2線を除いては、何本かに一本の間引き運転のみという状態がずっと続いています。

 公共交通機関が使えないことから、車は大渋滞で、パリ市内と郊外を結ぶ環状線は、600キロの大渋滞を記録し、ひたすら困って、足を求める人が押し寄せ、Uber(ウーバー)などの価格も急上昇し、ストライキとは、関係ありませんが、今年の夏の42℃という異常な暑さの新記録更新とともに、2019年は、フランスでは、暮らし辛い記録が次々と更新された一年となりました。

 昨年の11月から続いていた黄色いベスト運動がようやく下火になってきたところに、再び開始された感のある今回の年金改革のデモやストライキ。

 フランスの年金制度の赤字は、明らかで、今後も赤字は膨らみ続けるのは、明白なのにも関わらず、時代とともに改革していかなければならないのは、必須なのに、既得の優遇された権利にしがみつき、反抗を続けるのには、全く納得がいきません。

 だいたい、ストライキというもの自体、気に入らないから働かない・・という、まるで、駄々っ子のような振る舞いが、私には、理解できません。

 この間に、働きたくても働けない人がどれだけいることか、クリスマス、年末年始のシーズンの観光客が、どれだけ足止めを食っていることか? 今後の観光客がどれだけ二の足を踏むようになるか? 経済的な損失は、計り知れません。

 この間に、払い戻されたチケットは? 働きたくても働けずに利益をあげられなかった会社や、観光収入等のこの損失は、誰が払うのでしょうか?

 毎年毎年、いや、日常茶飯事のように行われているフランスのデモやストライキで、都市機能が麻痺し、経済が停滞していることは、必須です。

 逆にこんな状態が毎年毎年続いて、フランスが先進国の地位を保っているのが不思議なくらいです。逆に、こんなことが毎年毎年、日常のように、続いても経済が回っているフランスという国の持久力というのは、相当なものなのかもしれません。

 しかし、一般庶民の私としては、多くは望みませんので、普通の生活を普通に送れるような生活が1日も早く、戻ってくれることを祈りながら、新しい年を迎えることになりそうです。

 







2019年12月29日日曜日

絶対に入院したくないフランスの病院




 以前に、フランスの病院の救急外来でひどい目に遭った話を書きましたが、ひどいのは、救急外来だけではありません。

 私自身は、フランスの病院に入院をしたことはありませんが、家族や友人で、入院をした際のトラブルは、色々と耳にします。

 ひどい話だから、広がりやすく、話題にも登るのかもしれませんが、それにしても、日本では、聞いたことがなかった話なので、やはり、トラブルは多いのかと思ってしまいます。

 いくつか聞くのは、手術のミスです。
 実際に、私の主人も、私と出会うより、ずっと前に遭った大きな交通事故の手術の際の輸血の際に肝炎にかかり、その上、体内にガーゼを置き忘れたまま、閉じられてしまうという目に合い、事故のために、脾臓を切除された上に、肝炎にかかって、肝臓にも負担がかかり、その後、長いこと苦しむハメになってしまいました。

 また、私の友人もガンで数度にわたる入院をし、一度は、完治したように思われ、約一年後に仕事にも復帰していたのですが、ちょうど5年目ほどに再発してしまいました。

 定期的に検査を行い、5年間は、異常は認められなかったのですが、ちょうど5年目に入った頃の検査で、病院からは、一応、完治という診断を受けたのですが、血液検査の中のある数値の変化に彼女は疑問を感じ、再検査を彼女の方から依頼したところ、再発していることがわかりました。

 彼女自身が検査結果を注意深く見ていなければ、再発は、見過ごされていたわけです。

 それから、放射線療法や、化学療法、数回にわたる手術など、長期間にわたる彼女の闘病は、壮絶なものでした。そのうちの一回は、うまく縫合されておらず、長時間にわたる手術のやり直しなどもありました。

 ガンの疼痛も激しく、度々、医者や看護師が呼びつけられるのを避けるためなのか、モルヒネが点滴で常に繋がれているようになり、痛みを感じれば、自分の判断で、モルヒネは、好きなだけ、自分で投与できるようになっていました。

 痛みに耐えられなくなり、モルヒネを投与していくうちに、彼女は、幻覚を見るようになり、痛みよりも、自分自身を失っていくことが耐えられなくなり、モルヒネの投与は、断るようになりました。

 自分自身もこの治療をしたら、身体がどのような状態になるという説明が詳しくされておらず、治療に関しては、後から考えてみれば、まるで、実験材料にされたとしか、思えない状況でした。

 治療についての説明と話し合いは、とても重要で、この治療・手術をしたら、どのような、結果になる可能性があるかということは、しっかりと医者と話し合って、納得して、治療は、選ばなければいけないと、彼女のケースを見ていて、深く思い知らされました。

 治療に関してだけでなく、病院には、泥棒までいて、彼女が眠っている間だったのか、いつの間にかは、わかりませんが、彼女が病室に持ってきていた、お財布やカード、アパートの鍵などの入ったバッグが盗難にあったこともありました。

 病院にいながら、彼女は、クレジットカードを止めたり、保険のカードの再発行をしたり、アパートの鍵をつけなおしたりと、ただでさえ、体調が悪く、苦しんでいる彼女を狙うなんて、許せない!!ホトホト気の毒になりました。

 結局、苦しい闘病の末、彼女は、亡くなってしまったのですが、それから、意味のわからないことに、入院の記録があり、退院をした患者さんに対して、病院が事務的に送っていることなのかもしれませんが、これまた杜撰で、彼女の死後、しばらくしてから、その後の経過は、いかがでしょうか?というようなレターが彼女宛に届き、さすがに、あまりに失礼で呆れ果てました。

 こんな場面に、数々、遭遇してしまうと、たとえ、病気になっても、フランスの病院には、絶対に入院はしたくないと思うのです。

 

 









2019年12月28日土曜日

絶対に謝らないフランス人と謝ってばかりいる日本人




 昨日の午前中、携帯に複数の保険会社から電話がかかって来ました。どうやら、誰かが数社の保険会社に対して、自動車保険の見積もりを出すように頼んで、電話番号を伝えたところ、間違えたらしく、私の電話に立て続けに保険会社からの間違い電話が入り、最初は、「マダム〇〇ですか?」 と言われて、「違います・・」と言って、切っていたのですが、あまりに立て続けに何件も電話がかかるので、しまいには、うるさくなり、「今朝から、何件も同じ間違いでかかってくるけど、この番号は違うので、番号を記録から消してください!」と頼んだら、「それは、本当にすみませんでした!」と、間違い電話をかけて来た人が謝ったので、うわ!謝る人もいるんだ〜と、とても、びっくりしました。

 次にかけて来た人に、同じことを言ったら、「OK!」と言って、ガチャンと電話を切られました。こちらは、普通の応対ですが、いくら慣れても、やっぱり、感じの悪いものです。

 フランス人の接客、サービス業に関しては、とかく、間違いが多く、しかも、絶対に謝らず、常に、高飛車なのです。

 これに反して、日本は、とにかく、どんなに些細なことに対しても、すぐ謝るのが、当たり前で、もはや、謝罪があまりに日常的で、フランスのような、絶対に謝らない国に住んでいると、それは、それで、ちょっと妙な感じすらします。

 ほんのちょっとの間であっても、「お待たせして申し訳ございません。」、工事現場などで、よく見かける、黄色いヘルメットをかぶったおじさんがお辞儀をしている看板「工事中につき、大変、ご迷惑をおかけしております。」、何かミスでもあろうものなら、平身低頭で平謝りです。

 新幹線や、電車などの交通機関であっても、たとえ、数分間の遅れであっても、「大変、ご迷惑をおかけいたしました。」などと、必ず、アナウンスが入ります。

 それは、サービス業だけには、とどまらず、ごくごく日常の友人、知人関係などにおいても、知らず知らずのうちに、自分でも、「ごめんね。」とか、「すみませんでした。」とか、気づかないうちに、挨拶がわりのように、ちょっとのことでも、口癖のように、ついつい謝っていることに気づきます。

 フランスにいれば、ちょっとでも、謝ってくれたら、気分も和らぐのにと思うこともしばしばですが、逆に考えれば、ミスに対して、寛容だと考えることもできます。ですから、日本だと、どんなに少しのミスに対しても、厳しく、ミスを許さない厳格な社会なのだと考えることもできます。

 以前、日本に住んで長くなったアメリカ人の友達が、久しぶりにアメリカに帰って友人に会った時に、「どうして、おまえは、そんなに謝ってばかりいるんだ!?」と言われたと、苦笑していたことがありました。

 日本に長くなると、外国人でさえも、すぐに謝る習慣がつくようです。

 
























 

2019年12月27日金曜日

フランス人の男性のお買い物





 フランスでは、専業主婦というものが、かなり、少ないということからなのか、スーパーマーケットにお買い物に行くと、やけに、男性が多いような気がします。
 しかも、それが、日常のものになっているせいか、やけに楽しそうにも見えます。

 特に、土曜日の朝などは、一週間まとめての買い物なのか、男性が一人で、あるいは、子供を連れて買い物に来ているのが、目につきます。それは、オムツやベビーフード、トイレットペーパーなどのごくごく日用品から食料品までも含めたなかなかガッツリした買い物です。

 むしろ、夫婦揃って買い物をしているのは、どちらかというと、すでにリタイアをした老夫婦のような印象があります。
 歳をとっても、仲良く、二人でお買い物をしている姿は、こんな風に歳をとりたいというような、多くの女性にとって、憧れの光景ではないでしょうか?

 私は、混雑やレジでのトラブルを出来るだけ避けるために、なるべく、平日の朝、早い時間に買い物に行くようにしているので、余計、年配の夫婦などが多い気がするのかもしれませんが、まだ、若い共働きのカップルなどは、お休みの日に、買い物と家事を分担して、男性がお買い物に行っている間に、女性が家事をこなしているのかもしれません。

 我が家の場合は、主人に買い物を頼むと、まるで、余計なものしか買ってこないので、まるで、当てにできない上に、私自身も、食材などは、自分の目で見て、献立を考えながら、選びたいので、主人が買い物に行くことはあっても、それは、彼が好きな欲しいものを買ってくるだけです。

 しかし、彼は、お買い物が決して、嫌いではないのです。むしろ、大好きです。

 メモを片手に、奥さんから頼まれたものを忠実に買っていく人もあれば、電話片手に相談しながらだったり、自分の目で着々と慣れた様子で商品をカートに入れていく様子は、見事なもので、完璧に自分の役割としている様子でもあります。

 また、クリスマスなどの行事の際の食料品の買い物などは、明らかにワクワクした様子で、男性が買い物をしているのも、見ていて、こちらまで、嬉しさが伝わってきて、自然と笑みがこぼれます。

 また、毎年、秋に開かれるワインフェアの時期などには、ワイン好きの親父がカタログ片手にじっくりと、積み上げられたワインの木箱の中を延々とワインと向き合っている様子も、お酒好きの私としては、嬉しい光景でもあります。

 日本のスーパーマーケットなどに行くと、最近は、老夫婦の買い物姿が見られるようになったとはいえ、圧倒的に女性の買い物姿が多く、お国柄の違いを感じさせられます。

 以前に、「あなた作る人、私、食べる人」とかいうコピーが、女性蔑視として、問題になったこともあった日本ですが、あれからもう長い時が経った今でも、その実、実際は、あまり変わっていないのかもしれません。

 少なくとも、フランス人の男性のように、男性が嬉しそうに買い物をしている姿を私は、日本で見たことは、ありません。

 家族でのバカンスの過ごし方でもそうですが、家族の中でのありようが、男性のお買い物の様子からもうかがえるような気がするのです。

 

2019年12月26日木曜日

美食の国と言われるフランスの意外な落とし穴 パリのイタリアンレストラン



 
 パリのイタリアンは、ハズレが多いことで有名ですが、パスタ・ピザ等は、比較的、安いこともあり、学生などからは、気軽に食べられる人気の食べ物でもあります。

 また、観光客にとっても、メニュー自体がわかりやすいこともあり、また、あまり、当たりハズレもないように思われるため、気軽に入りやすいのでしょう。

 しかし、フランス人にとってのパスタの一番人気は、カルボナーラで、基本、イタリアン=トマトベースのものを連想する私などにとっては、やはり、フランス人の基本的な食の好みが生クリームとチーズに偏りがちなフランス人好みのものとは、相容れないところがあります。

 また、柔らかいものの好きなフランス人にとっては、アルデンテの感覚に乏しく、下手をすると、茹で過ぎの予想もしていないようなものが出てくる恐れがあります。

 普段、あまり外食はしない私ですが、あるとき、出先で、昼食どきになり、お腹が空いて、パリのあるレストランに入った時のことです。

 とりあえず、安くて、簡単で、素早く出てきそうで、ハズレがなさそうな、スパゲティボロネーゼ(ミートソース)を頼んだのです。

 お腹をすかして、待っていた私の期待に反して、私の待っているものではない、予想外のものが出てきたのです。なんと、トマトを使っていないミートソースに、アルデンテからは、かけ離れた柔らかいパスタなのです。

 つまり、ひき肉を炒めただけのミート?ソースとブヨブヨのパスタに私は、愕然としました。これなら、サンドイッチでも買った方が良かった・・と思ったものです。

 呆気に取られている私に、娘は、平然と、「学校のキャンティーンのミートソースにもトマトが入ってない、こういうミートソースだよ!」と言うではありませんか?

 それ以来、私は、パリでパスタを食べるのは、極力控えるようになりました。

 また、これは、パリに来て、当初に私が感じた、私の個人的な感想ではありますが、こんなにチーズ好きな国なのに、ピザのチーズが少ないのにもびっくりしました。
 逆に言えば、日本のピザはチーズが多いのです。

 そして、極め付けは、先日、娘が行ったイタリアンレストランでの酷い接客の話。
これは、何も、イタリアンだからと言うわけではなく、パリでよくあるレストランでの店員の態度の悪さの話です。

 まあ、学生で、友達と食事すると言えば、値段の安さから真っ先に選ばれるピザですが、チュイルリー公園の近くのイタリアンレストランだったそうです。

 ピザ自体は、美味しかったそうなのですが、その接客態度の悪さに、パリでは、よくあることながら、そういう場面に遭遇するたびに、嫌な思いをさせられるものです。

 まず、オーダーしてから、注文したものが出てくるまで、延々と待たされ、会計の際には、店員同士がおしゃべりしていて、再び、延々と待たされます。

 そして、いざ、会計の計算にかかると、どこのテーブルだったか、なかなか把握できずに、テーブルの場所の客側の説明が悪いと逆ギレ。

 そんな調子だから、言葉使いもなっていなく、フランス語だと英語のYOUに当たる言葉が、丁寧な言葉使いならVousを使うところが、接客にも関わらず、親しい間柄しか使わないTuを使って、接客する。つまり、敬語が使えないのです。
 要するにお客様に対する接客を舐めているのです。

 挙句の果てに、帰ってきて、お腹を壊した娘。

 娘は、友人と共に、トリップアドバイザーに書き込みをしてやると、息巻いています。

 やっぱり、パリでイタリアンに行くのは、気をつけた方が良さそうです。










2019年12月25日水曜日

2週間しか行かないの? フランス人のバカンス感覚




 クリスマスから、年末年始にかけて、海外在住者の日本への一時帰国は、少なくありません。

 こちらにフランス人の家族がいる人は、クリスマスは、家族で過ごす、一大イベントなので、この間、日本へ帰国、という人は、少ないかと思いますが、それ以外の人にとっては、やはり、日本でも年末年始のお休みで、家族や友人もお休みで会いやすかったり、日本で年越しをしたい、お正月を過ごしたいと思えば、一時帰国には、良いタイミングなのかもしれません。

 とはいえ、私自身は、海外に出て以来、年末年始に日本へ行ったことは、ありません。

 まあ、単純に、年末年始にかけて、長期間のお休みが取れなかったこともありますが、航空運賃も高く、気候も決して良くはなく、混雑する時期に何も行かなくても・・というのが正直なところです。

 私は、どちらかというとあまのじゃくなのか、お盆の時期や年末年始にかけては、皆がバカンスに出てくれて、少し、人の少なくなった街を楽しむ方が好きなタイプなので、パリにいても、メトロも空いていて、せっかく、ゆったりと通勤できる期間に何もバカンスなど取ることはないと思っているのです。

 それでも、子供がいれば、ただでさえ、年がら年中、バカンスに追い立てられているようなフランスの学校へ通っていれば、せっかく学校をやっている時期に学校を休ませてまで日本へ行くなどは、もってのほかで、日本へ行くといっても、子供の学校がバカンスの時期に、行くしかないわけです。

 ですから、大抵は、それでも、やっぱり航空運賃の高い夏の時期に行くしかないわけです。夏とは、いえども、お休みが長期間、取れずに、2週間、あるいは、10日間・・なんてこともありました。

 2週間のバカンスで、日本へ行くというと、フランス人は、まず、「2週間しか行かないの?」と驚きます。

 日本は、遠い国で、行くのには、時間もかかり、(直行便でも12時間、往復、最低でも24時間)航空運賃もそれなりに高いことを彼らも知っているので、それだけの移動時間とお金をかけて行くのに、2週間しか行かないということが、普通のフランス人にとっては、信じ難いことなのです。

 初めは、そんなに驚くか?と思うほど、彼らの驚きぶりに、逆に驚いた私でしたが、最近は、フランス人のバカンスも見慣れて、彼らが驚くのもわかるようになりました。

 しかし、逆に、日本人が、例えば、フランスに旅行に来るとしても、2週間も滞在する人というのは、恐らく、稀であることも事実です。

 日本の会社に勤めていて、2週間のお休みを取ることが、どのくらい大変なことなのか、今の私には、具体的には、わかりませんが、そうそう簡単なことではないでしょうし、せいぜい、一週間から10日間くらいなのでしょうか?

 日本から来る旅行会社が組むツアーなどでは、本当に弾丸ツアーのような、一週間くらいのツアーで、パリ、ロンドンを周り、しかも、パリに早朝に到着したと思ったら、いきなりパリを観光して、ベルサイユを経由して、そのまま、モンサンミッシェルへ、そして、翌日、モンサンミッシェルを観光したら、夕方には、ロンドンへ・・ロンドン最終日は、昼食がアフタヌーンティーになっている・・などという目まぐるしいツアーもあり、
参加している人は、何がなんだかわからないうちに、旅行が終わっているのではないかと思ってしまいます。

 私もフランスでの生活が長くなり、どちらかというと、バカンスは、フランス人よりの感覚になってしまっていますが、今となっては、私にとっては、日本行きは、バカンスというよりも、買い物(しかも食料品の調達)と所用を済ませるためとなってしまっているため、バカンスなら、日本ほど遠くなく、時差もなく、用事がなく、ゆったりとした時間を過ごせるイタリアなどのヨーロッパ周辺の国に行くことの方が多いです。

 行ったことに意義があると言わんばかりの日本人の旅行と、ゆったりと時間を過ごすフランス人のバカンス。

 二週間しか行かないの? 二週間も行くの?という言葉に、そのバカンス模様の違いが見えるような気がするのです。