2024年12月20日金曜日

当分、無理だと諦めていたノートルダム大聖堂 あっさり入れました!

   12月8日に一般公開を再開したパリ・ノートルダム大聖堂は、「当分は、大混雑が予想されるため、「予約が強く推奨されます」とのことだったので、じゃあ、予約取ってみようか・・と何回かチャレンジしたのですが、結局、全然、予約がとれなくて、まあ、どこかに行ってしまうわけでもなく、まあ、少し落ち着いてからでいいや・・と諦めていました。 ところが、X(旧Twitter)で、予約がなくても入れた!そんなに待たなくてもよかった・・などという投稿が上がり始めて、「えっ?なら、行ってみようかな?ノエルのバカンスに入ると、さすがに混むかも・・?」と急に思い立って、とりあえず出かけてみました。 朝はあんまりお天気がよくなかったのですが、うっすら晴れ間が広がる中、久しぶりのノートルダム大聖堂。といっても、この間、オープンの前日に寄ってみたのでそんなに時間は経っていませんが、祝賀セレモニーのために囲われていたスペースは全て取り払われ、いつもの広場のような場所に戻っており、以前のように、正面入り口から入れました。 入口の少し手前には、「予約ありの方」、「予約なしの方」という2つの通路ができていましたが、私が行った時には、どちらも数人しかいなくて、待ち時間ゼロで入れました。 なんと、拍子抜けしたことか・・。 正面の壁の彫刻などを仰ぎながら、いよいよ久しぶりに足を踏み入れる段になって、なんだか急に感慨が沸き起こってきて、うるうる涙があふれだしそうになり、自分でもビックリしました。 私は別にクリスチャンでもないし、特別の思い入れがあるわけでもなかったので、自分でも意外でしたが、歳をとって涙もろくなったのかもしれませんが、「よくぞ、ご無事で・・」というか、「ご無事じゃなかったから、5年も閉まっていたのよね・・」とか、一人で心の中で思いながら、つい先日、テレビで見たノートルダム大聖堂に足を踏み入れたのでした。 いずれにせよ、想像外な感情に思わず涙が溢れてしまうような心を揺さぶられる経験は、滅多にないことで、遥か昔の若い頃、留学したばかりのロンドンのセントポール寺院の礼拝い遭遇した時にあったことで、信仰のあるなしにかかわらず、教会というものは、不思議な力があるものだと、思いました。 テレビの中継では、あの日は照明も特別であったためか、なんだかやけに真っ白な感じがしたのですが、そこまででもなく、でも、火災のあとは、全く感じられず、それこそ、中にある彫刻や特に奥の方にある壁画や祭壇近くの古い木造の彫り物の絵などは、「よくぞご無事で・・」という感じでした。 ところどころに、ノートルダム再建に関わった人々を讃える展示物や全世界から寄せられた寄付への感謝などがつづられている場所も見られました。 この中でも、おそらく今だけなのは、クレッシュ(キリストの誕生シーンを表現した模型で馬小屋の中に、赤ちゃん(イエスキリスト)とマリア様、父ヨセフ、牛、ロバ、羊飼いなどがいる模型のようなもの)の飾り物なのですが、これが、なかなか見事で、主要人物以外の登場人物がたくさんいて、おまけに、そのクレッシュが置かれている背景には、大聖堂そのものの彫り物が上手く活きるように飾られていて、なかなか見事です。 これは、クリスマスのための飾りなので、今時期にしか見られないので、これを見たい方は、年末年始のうちに行った方がよいと思います。 正面右側の奥には、宝物展のようなスペースがありますが、この中は有料(一般10€)です。せっかくなので、入ってみましたが、19世紀からノートルダムに保存されている宝飾品、金銀の食器類や衣類、彫刻品や礼拝堂の一部など、ついこの間、再開のセレモニーの時に司教が着用していた色鮮やかな祭服や最初にノートルダムの正面扉を叩いていた杖のようなもの?も一緒に飾ってありました。 念のため、大聖堂そのものの入場料は無料です。 大聖堂の中は、そんなに混雑しているという感じでもなく、私が滞在している途中に礼拝が始まりましたが、さすがに、礼拝の席はほぼ満席。とても穏やかで和やかで、ここで礼拝を受けている人々にとっては、ようやく日常が戻ってきたという静かな感じがしました。 どうか、この本来は神聖な祈りの場である大聖堂が政治に汚されることがありませんように・・と思うのでした。 大聖堂をゆっくり一回りして、外に出ると、さきほど私が入ったときには、なかった行列ができていました。私はとってもラッキーだったようですが、わりと列は早く動くので、けっこう並んでいるようでも、そこまで待ち時間はないのでは、せいぜい20分程度なのではないかと思います。 サクレクール寺院などでは、けっこう厳重な荷物チェックがあるのですが、今のところ、ノートルダム大聖堂では、そんなこともやっていませんでした。ノートルダム大聖堂<関連記事>「ノートルダム大聖堂再開の記念式典を見て感じたこと」「再開前日のノートルダム大聖堂に行ってきました」「ノートルダム大聖堂の再開には厳重警戒体制が敷かれるらしい・・」「ノートルダム大聖堂に入場料5ユーロは有りか?無しか?」「マクロン大統領...

2024年12月19日木曜日

サルコジ元大統領に懲役3年の有罪判決 

   フランスで元国家元首に実刑判決が出たのは、初めてのことで、このことが大きく報道されています。 サルコジ元大統領に関しては、これまで長い間、裁判が行われてきたので、彼が法廷の場に立っているのは珍しくない話で、正直言って、まともには、実刑判決が出ることはないのでは?と思っていましたが、今回の判決はサルコジ氏が上訴したものが棄却されて刑が確定したということなので、事態はなかなか深刻な話です。 これにより、サルコジ氏は、電子ブレスレットによる懲役1年に加えて3年間の公民権停止(選挙権、被選挙権の剥奪と公職につくことができない)が課されることになります。 同氏の弁護士によると、「判決には、潔く従うが、この問題を欧州人権裁判所(ECHR)に付託する」とのことで、彼が欧州人権裁判所に訴えれば、フランスの国自体が責任を負うことになるだろう・・とも語っています。 いずれにせよ、彼は、20日以内にパリの刑執行判事(JAP)に召喚され、ブレスレットが装着される日程も決定されます。ブレスレットの装着予定日には、刑務所管理局直属の監視員が自宅を訪れ、現場でシステムを調整し、装着。この瞬間から、有罪判決を受けた人物が自宅(あるいは、申請した外出先)にいない場合には、アラートが発動します。 フランスで最も多く使用されているこのような電子ブレスレットは足首に装着するもので、収監されている96,569人のうち、15,591人に装着されています。 しかし、サルコジ氏のような特別な人の場合は別だと思いますが、よくこの電子ブレスレットを装着しているはずの人がなにか、別の事件を起こして逮捕された時には、この人物の電子ブレスレットによる監視は作動していなかったとか、装着しているはずのものが装着されていなかったなどと言う話は、よく目にするような気がします。 今回の有罪判決は「ポール・ビスマス事件」と呼ばれている盗聴事件とそれにかかわる弁護士と判事と汚職協定を結んだとされる事件への判決ですが、サルコジ氏は、これ以外にも数件の裁判を抱えており、2025年早々、1月6日にも出廷する予定になっているのですが、今後の裁判に関しては、彼はすでに有罪判決を受けている者として扱われるために、他の裁判への影響が考えられると言われています。 この判決に対して、サルコジ氏は、X(旧Twitter)上で、12年間にわたる司法による嫌がらせと重大な不正義を非難。自分の責任は引き受けたいとしつつも、この決定に至った企業情勢や政治情勢には疑問を抱いており、最終的には、真実が勝利すると述べています。 この真偽はわかりませんが、大統領職にあった者にでも有罪判決は下るという事実で、多くの政治家が襟を正してくれる手助けになってくれればと思っています。二コラ...

2024年12月18日水曜日

2030年フレンチアルプス冬季オリンピックはありか?なしか? 大幅に増額され得る大会費用に警鐘

   2030年の冬季オリンピック開催地が決定したのは、2024年7月24日のIOC総会、パリオリンピックの最中のことで、「え~~??また、フランスでオリンピックやるの?」と驚いた記憶があります。 しかし、国際オリンピック委員会は、「フランスが財政赤字の可能性を補填することを約束しなければ、オリンピックは開催されない」という条件を設定しています。 現在、莫大な赤字を抱えるフランスにとって、単純に考えれば、これは、「ふつうに無理でしょ!」と思うところですが、政府では、この2030年の冬季オリンピック開催について、意見が割れているようです。 マクロン大統領は、2030年フレンチアルプス冬季オリンピックが決定した場において、この大会をフランスで開催させるために、「次期首相には、この予算の保証を盛り込むだけでなく、新政府でオリンピック法を交付するように求めるつもりだ!」と宣言しています。 オリンピック法とは何なんでしょうか? 現在、フランスの赤字が一体、どこまで膨らんでいるのか正確にはわかりませんが、前首相が掲げていた来年の予算では、600億ユーロの赤字を是正すると言っていたので、少なくとも600億ユーロは、切り詰めなければいけない状況で、結局は、首相の退陣により、現在は、宙づりになっていますが、公務員の削減(4,000人教職員削減)や健康保険自己負担拡大などの様々な予算削減案が提案されていた状況です。 これに対して、オリンピックの予算は、20億ユーロ未満(この段階ですでに当初の計画の2倍に膨れ上がっている)に抑えるようにという通達がでているそうですが、それにしても、国民の生活を犠牲にしてまで行うべきものとも思えません。 このオリンピックの予算問題は、IGF(財務総監察局)が作成している2種類の機密報告書の中に挙げられているもので、「2030年フレンチアルプス冬季オリンピックの会計は、大幅な赤字になることが確実視されており、現在、作成されているオリンピック組織委員会が作成している予算を大幅に上回る可能性が高く、この予算作製に関しての再調査が必用である」と警鐘を鳴らしているのです。 それに加えて、フランス・オリンピック・スポーツ委員会会長は、夏季オリンピックに比べて、冬季オリンピックの収入は、少ないため、国家からの支援は不可欠であると述べ、チケット販売だけでも、およそ夏季の6分の1以下であることを明かしています。 このオリンピックへのGOサインの署名は、当初、当時の首相であったガブリエル・アタル氏が行うはずでしたが、彼は現在のフランスの財政状況から鑑みて、あまりに障壁が大きすぎたために、多くの圧力がかかりましたが、サインしたくなかった・・と語っています。 3ヶ月という短い就任期間ではありましたが、前首相のバルニエ氏は、すでにこのオリンピックについて、深く関わっており、首相退任後の今、この冬季オリンピック組織委員会のトップに据えられるのではないかと言われています。 このIOCに対する回答、もしくは、開催を約束する署名を行う期限が7月24日(開催地が決定した日)の6ヶ月後ということで12月24日のクリスマスイブなのだそうです。 そういえば、これに関して思い出したことがあるのですが、つい先日、首相任命にものすごく時間がかかって、なかなかどうなるのか?国民が固唾をのんでその行方を見守っていた時、首相任命の当日、マクロン大統領と、現首相のフランソワ・バイルー氏が朝から2時間近くも会談した後、実際の首相任命までのわずかな時間にマクロン大統領は、トーマス・バッハ氏(IOC会長)にレジオンドヌール勲章を授与していました。 なぜ?このタイミングにIOC会長にレジオンドヌール勲章??と、ちょっと疑問も感じたのですが、予め決められていたスケジュールだったら、変えられないのか・・とも思っていました。しかし、この冬季オリンピック開催問題が微妙に絡んでいたとは、なかなかいやらしい感じがしました。 そもそも夏季オリンピックであったパリ・オリンピックでさえも、成功した!とだけ、一方的に言っていますが、どれだけ国がこのために支出したのか?あの異常な警戒体制やド派手な開会式、にもかかわらず、期待していた観光客はむしろ減少という、もっともっと儲かるはずだったのに、その収支は、全体的には明らかになっていません。 この署名の期限まであと1週間、結局、現政府はどのような答えを出すのか、楽しみというか、大いに不安でもあります。2030年フランス冬季オリンピック<関連記事>「思いっきりジタバタした感じのフランスの首相任命劇 新首相はフランソワ・バイルー氏...

2024年12月17日火曜日

まだ、解決していなかったネスレグループ ミネラルウォーター問題 ペリエ水源汚染

   ネスレグループのミネラルウォーター問題が再度、大炎上したのは、今年の初めのことでしたが、当時は大いに腹立たしくもあり、危険性も感じたのですが、喉元過ぎれば・・というか、さすがにこれだけ騒動になれば、ネスレもそれなりの対応措置をとって、改善されたのだろうと、勝手に思っていました。 ところが、この問題、まだまだ解決には程遠かったようで、前回はネスレグループのミネラルウォーターの数種類が問題ありとして挙げられていましたが、今回は、その中の特に「ペリエ」が話題の中心になっています。 ル・モンド紙とラジオフランスが入手したガール県(フランス・オクシタニー地域圏)ARS(地域保健局)の機密報告書では、ガール県ヴェルジェーズにあるペリエ工場の水源地の汚染についてが報告されており、ネスレウォーターズに対して、この水源地でのミネラルウォーターの生産中止を求めています。 今年(2024年)1月には、ネスレグループがヴィッテル、エパール、コントレックス、ペリエなどのブランドに禁止されている処理を行っていたことが明らかにされていましたが、今回の新しい報告書では、処理以前の水源地の水質そのものを問題にしています。 この報告書はネスレウォーターズがこの水源地の水質が低下していることから、「生産停止」を真剣に検討しなければならないことを警告し、これまで以上の追加の安全保証を提供することを条件に「現在のミネラルウォーター集水域の活用による別の食品利用の可能性を戦略的に検討」するように警告しています。 昨年4月、ガール県は、法令により、ヴェルジェーズ敷地内にある7つの井戸のうちの1つの開発を禁止、非常に激しい雨の後、ガードの敷地内にあるボーリング孔の1つが糞便由来の細菌(大腸菌群)だけでなく緑膿菌の細菌によって汚染されていることが確認されたためです。 その結果、ヴェルジェーズにあるペリエ工場は数百パレットにも及ぶボトルを廃棄することになりました。本来ならば、これは一時的な水質悪化と考えられ得るはずでもあるところ、ネスレウォーターズが開発した地下水面の全体の水質悪化が関連していることが、発覚しています。 ネスレウォーターズのミネラルウォーター問題が最初に公になったのは2020年の内部告発によるもので、それ以来、数度にわたり、ネスレグループは、精密濾過、UVフィルター、マイクロフィルター、活性炭などを使用していることで、危険性を回避していると主張してきましたが、これらの処置がウィルスを除去するものではないことも指摘された時点で、政府との話し合いになっていたそうですが、当時のボルヌ政府は、マイクロフィルターの使用を許可。事実上、政府はその安全性に目をつぶったという事実も衝撃的な話でした。 今回の騒動に関して、ネスレウォーターズは、「これは矛盾したアプローチの一環としてARSが作成した暫定報告書で全く問題を構成するものではない。ヴェルジェーズのミネラルウォーター施設の運営条件に関する最終的な推奨事項のため、現段階ではこれ以上はコメントはできません」と強気に開き直っています。 食品メーカーならば、その安全性に疑問をもたれ、警告が放たれるくらい恐ろしいことはないと思われるのですが、もう鼻から県やマスコミを舐め切っているとしか思えない態度に、唖然とさせられます。ペリエ水源 水質汚染<関連記事>「ネスレグループのミネラルウォーターは、違法精製水を販売していたという大スキャンダル」「違法精製の問題にはとどまらないネスレグループのミネラルウォーターの安全性」「冷凍ピザ死亡事故に見るフランスの食品衛生管理」「ネスレ...

2024年12月16日月曜日

日本人がこのまま愛し合うことをやめ続けたら100年以内に日本は絶滅するだろう・・という記事を見つけた

   私は時々、フランスのメディアで日本について報じられている記事をチェックしています。それは、フランス人が日本をどのように見ているか?捉えているか?それが、全くの見当違いのこともあれば、なるほど、こんな風に見えるのね・・などということもあり、ちょっとしたエゴサみたいな感じでもあります。 日本についての記事の中では、もはや定番のような感のある「少子高齢化問題」は、フランスでも、まるで無縁の話ではないため、フランスのより先を行く日本の実態とその行方は、定期的に報じられるテーマでもあるのでしょう。 しかし、今回のタイトルは、「日本は100年以内に絶滅するだろう」という、これまでよりもさらにパワーアップしたものでした。 その記事によると、「日本は、容赦なく人口が減少し、現在、日出ずる国では、出生数の2倍の数の死亡者を記録している・・日本は出生率の低下と死亡者の増加が結びついたスパイラルに陥っており、それが着実な人口減少を引き起こしている」と。 また、いくつかの研究では、この出生率の低下の原因のひとつは若い世代の間での恋愛やセックスへの関心の欠如の結果であるとも指摘しており、「草食男子」というワードなども併せて説明しています。政府は財政的奨励策を含む出生率向上を目指す新たな計画を立ち上げ、東京都は、この対策のために週4日勤務を定めようとしている・・とも。 出生曲線が2%ずつ低下し続け、同時に死亡率が1.5%で増加し続けた場合、「日本は97年以内に人口ゼロに到達する」のだそうで、これは、AIによる計算上のもので、2121年に世界で最後の日本人が亡くなり、千年続いた文明が終わりを告げるというのは、憶測に過ぎないことであるとしつつ、やはり問題は深刻であることに違いはありません。 一方、在日フランス人の証言として、「逆説的ではあるが、日本ではセックスが偏在している。婚姻関係にある男女、それぞれに恋人や愛人がいることが珍しくはなく、この件に関して、社会がとても寛容でラブホテルがどこにでもある」、「日本では、多くの結婚は、社会の目から見た静けさの保証を含んだ夫婦間の一種の相互扶助契約のようでもある」と語っている談を掲載しています。 そして、最後には、「しかし、最も大きな原因は国の不況であり、それが本当の問題であるとし、政府は不況にもかかわらず、このために230億ユーロを投じて、学費の引き下げ、出産時の経済的援助の増額、育児休暇の報酬、両親手当の増額などに取り組み始めた・・」と締めくくっています。 これがどこまで本当のことなのかは、わかりませんが、フランスも放っておいたら、日本みたいになってしまうよ・・という警告の意味もあるのかもしれません。 日本人として、これを読むとき、なかなか複雑な気持ちになります。日本絶滅<関連記事>「フランスの出生率低下が浮き彫りにする中流階級が苦しい現状」「フランスの出生率低下にフランス人が提言する言葉 人生は美しい「la...

2024年12月15日日曜日

アンジェリーナは相変わらず行列 やっぱりモンブランはアンジェリーナが安定の美味しさ

   パリの街は今、クリスマスのイルミネーションやデコレーションがきれいです。家からわりと行きやすくもあるので、この時期にチュイルリー公園にできている移動遊園地などもあるマルシェ・ド・ノエルもひととおり見ておこうと思って出かけました。 すると、今年は、コンコルド広場にもマルシェ・ド・ノエルのようなスペースができていて、そういえば、オリンピック以来、コンコルド広場には、来ていなかったと思いつつ、オリンピック当時は、大きな囲いの中に隠されていた、その周りにある噴水などがお色直しされて、え??こんな色になってたの?と驚きました。 チュイルリー公園のマルシェ・ド・ノエルは、パリ市内では、大きいマルシェ・ド・ノエルのひとつですが、移動遊園地のインパクトが大きくて、例年とあまり変わらず、あまり感動はありませんでした。 食べ物の屋台などは、ソーセージやラクレットのサンドイッチなどが人気のようで、あとは、季節柄、ホットワインやホットチョコレート、オニオンスープなどに加えて、チュロスやワッフルなどのスイーツ類、そして、冬ならではの焼き栗のお店などが並んでいます。 どのお店もいつもと同じような感じですが、違っているのは値段で、サンドイッチ(バゲットに焼き立てのソーセージやトロッと溶かしたラクレットなどを挟んだもので15ユーロ前後と、ファストフードと考えたら、けっこういいお値段です。 せめて、焼き栗くらい買おうかな?とも思ったのですが、小さい包みで5ユーロ、大きい包みで8~10ユーロとちょっと焼き栗にこの値段??と思ってしまったので、同じ栗なら、近くにあるアンジェリーナでモンブランを買って帰る方がいいな・・と久しぶりにアンジェリーナに寄りました。 アンジェリーナは相変わらずの人気で、お店の前には、大行列ができていて、さすがの人気です。もっとも、この行列は、アンジェリーナの中のカフェに入るための行列で、ケーキを買うだけなら、行列に加わる必要はありません。 以前は、モンブランはけっこうマイナーで、モンブランを作っているパティスリーは少なかったのですが、最近、秋から冬にかけては、モンブランを置いているパティスリーは少しずつ増えてきた気がします。 いつでもどこにでもあるわけではないため、モンブランを見つけると食べてみているのですが、なかなかこれは!というものには、あたりません。久しぶりに覗いたアンジェリーナのショーケースには、なんとモンブランが2種類になっていて、一つはオリジナルのモンブラン、もうひとつは、まっ白い新作のモンブランができていました。 ショーケースを覗いて、真剣に悩んでいた私は、お店の人に、「この新しいモンブランってどんな感じですか?」と聞いてみたら、「新しいものは、土台がサブレでできていて、オリジナルに比べて、少し軽い感じです・・基本的にこれはモンブランというよりもタルトです」と。それでも、悩んでいた私に、お店の人があっさり、「私はオリジナルの方が好きだけどね・・」と背中を押してくれたので、やっぱり、私はオリジナルのモンブランを一つ買って帰りました。 久しぶりに食べたアンジェリーナのモンブランは、やっぱり安定の美味しさで、やっぱり、人気なだけあります。ちょっと久々にその美味しさに再感動しました!やっぱりモンブランはアンジェリーナだ!と・・。 これまで私がパリで食べたモンブランの中ではやっぱりアンジェリーナが一番、そして、別枠でMORI...

2024年12月14日土曜日

思いっきりジタバタした感じのフランスの首相任命劇 新首相はフランソワ・バイルー氏 73歳

   思い返せば、このゴタゴタは、マクロン大統領が欧州議会選挙の結果を受けて、誰もが驚く国民議会の解散を宣言したことから始まっています。 マクロン大統領が2期目を迎えてからの首相任命は、当時の世論では、新しい首相には、女性を!と望む声が多かったこともあってか、女性で史上2人目である「エリザベス・ボルヌ氏」が任命されました。  彼女の就任期間中にマクロン大統領は、「年金改革」に取り掛かり、ボルヌ首相は、憲法49条3項を発令(首相の権限において、採決せずに発効するという手段を取り、フランス中がデモや暴動で大荒れになり、パリでもあちこちに積みあがるゴミの山が燃やされる大変な騒ぎになりました。 結果、彼女は20ヶ月で退陣、彼女の次には、今度は、史上最年少34歳のガブリエル・アタル氏が首相に就任しました。これも、当時、彼はフランスの政治家の中で一番人気!などと騒がれていたので、(そもそも彼はマクロンが政界での育ての親的存在でもある)彼の人気に乗っかったというか利用した感がないこともありませんでしたが、実際に彼は、マクロンの教え子?だけあって、非常に弁がたち、抜群の行動力の持ち主でもありました。 しかし、そんな彼もマクロン大統領の突然の国民議会解散宣言により、首相在任期間は8ヶ月で終わってしまいました。 そもそも、マクロン大統領の突然の宣言は、当時の内閣の面々もウンザリしている感じがあり、彼はますます求心力を失っていく感じになったのです。 そして、選挙の結果は、ますますマクロン大統領を難しい立場に追い込むものになり、新たに首相を任命する段になって、彼は大いに悩み、間にパリ・オリンピック・パラリンピックが挟まったこともあるとはいえ、首相任命までに2ヶ月近くを要してしまったのです。 2カ月近くもかけて熟考したはずの首相は、わずか3ヶ月で不信任案が持ち上がり、あっさり可決し、退任に追い込まれ、その翌日にマクロン大統領は国民に向けての演説で数日以内に首相任命を約束しましたが、約束から大幅に遅れ、1週間経過した時点で、あと48時間以内には、任命すると発表して、もう最後の1日は、分刻みでその動向が注目されていました。 新首相が任命された当日は、首相候補として名前が挙がっていたフランソワ・バイルー氏宛に早朝5時にマクロン大統領から「首相候補からは外れた」という電話が入ったという話が入ったと報じられてもいました。 また、午前8時30分にエリゼ宮に表れたバイルー氏はマクロン大統領と1時間45分にも及ぶ会談が行われ、フランステレビジョン閣僚担当者は「このやりとりは、非常に緊張したものであった・・」と交渉が難航しているかのように伝えられていました。 その後、マクロン大統領は、日程がずらせなかったのか?エリゼ宮にて、国際オリンピック委員会のトーマス・バッハ会長にレジオン・ド・ヌール勲章を授与。 マクロン大統領は、前日夜にポーランドから帰国したばかり。朝5時にフランソワ・バイルー氏に電話したとすれば、一体、いつ寝ているの?という感じでもあります。 いずれにしても、これでようやく首相が任命されたわけで、フランソワ・バイルー氏の力量は、これから厳しく注目されていくと思いますが、昨日、首相官邸で行われた首相交代のセレモニーでの新旧両首相の挨拶を見ると、フランソワ・バイルー氏の方が人に訴えかけるものをもっていて、鉄仮面のような前首相よりも人間味が感じられる気がしました。 しかし、退任させられた首相はともかくも、結局はマクロン大統領がぐらついているのは、この首相任命がこれだけジタバタしているのを見ても明白なことで、世間の目から見れば、マクロン自身が行き詰っているという見方が強く、「ノートルダムが再開しても、奇跡は起こらない!」などと言われ、マクロン大統領の信頼度は、彼が政権を握った2017以来、最低レベルに陥っていると言われています。 縁起をかつぐわけではありませんが、この首相任命が行われたのは、奇しくも「13日の金曜日・・」なんだか不吉な感じがしないでもありません。フランス新首相...