ここのところ、日本の衆議院選挙のために、日本の政治に関わるニュースはできるだけ見るようにして、自らも在外投票に行き、選挙の行方をうかがっていたら、自民党が大敗し、その後も全く日本の政権は落ち着く様子がありません。
アメリカも大統領選挙を目前に控え、フランスでもこのアメリカの大統領選については、毎日のように報道しているし、この政権の行方もまた目が離せません。
フランスは、今年の前半の欧州議会選挙の結果を受けて、マクロン大統領が突然、国民議会の解散を発表して、急に選挙という運びになり、結果は、どの党も過半数に達しない不安定な状態に陥り、首相任命まで1ヶ月近くかかるという異例の事態になりました。
そもそも、フランスの場合、結果論ではありますが、欧州議会選挙は欧州議会選挙で、国民議会は別として国民議会の解散などする必要もなかったのに、マクロン大統領の暴走ともいうべく解散・総選挙の発表は世間を驚かせました。
フランスは大統領制なので、日本とはシステムが違いますが、選挙の結果はこれまでのような過半数を持つ政党がなくなり、それでも、第一党となった党から首相が任命されるかと思いきや、そうでもなく、なんとなく不安定な感じです。以前にくらべると政府の求心力が下がった気がします。
現在、フランスは来年度の予算案の端々が漏れ聞こえてきていますが、とにかくパンデミックや戦争やインフレの際に大盤振る舞いで放出したツケの財政赤字を埋めるために、とにかく引き締め引き締めの話しか聞こえてこない感じで、社会保障費の削減や公務員削減とか、不景気な話ばかりです。
それでも、日本の政党の政治家たちの攻防を聞いていると、とにかく赤字続きの日本の国民の消費を促し、経済を回さなければ・・などと言っているのを聞くと、特にフランスでのパンデミックでロックダウンになった時などの国の補償がかなり手厚かったことを思い出します。
コロナウィルスに関しては、フランスは日本よりも被害が甚大で、かなり長い期間、長短の差はあるとはいえ、飲食店や映画館など人の集まる施設が営業できなかった期間、政府は各々の店舗などに前年度の売り上げを基に、補償金を支払っていました。
それでも、倒産した店舗などもありましたが、それによって救われた人は多かったと思います。
今から考えれば、大変な大盤振る舞いで、そのツケはそれこそ高くついているのが今の引き締め財政に繋がっているのですが、それでも、ロックダウンが解除され、これまで閉じ込められていた国民は、閉じ込められていた期間に使えなかったお金を一気に使い始めた時期がありました。もともとバカンス好きの国民、ロックダウンが解除されて、皆、バカンスに出かけたり、やたらと買い物したり、その間にため込んだお金を国民は一気に使いました。
それもこれも、一律10万円とかいう補償でもなく、その人の収入に準じた補償が速やかに支払われたので、これは大したものだったな・・と思います。
今は、さんざん、ああでもないこうでもないと揉めに揉めた結果で1ヶ月の期間を経て首相が任命されましたが、日本でいう与党がいない感じはフランスも同じです。
フランスの大統領は、2期8年までしか政権を続けることができない決まりになっているので(8年続けた後は、少なくとも1期休み、その後、再び立候補することは可能です)、日本の自民党ほどには、長期政権ということにはなりませんが、それでも、マクロン大統領も2期目に入った頃からは、かなり強引なやり方が目立つような印象を受けるので、あまり政権が長くなりすぎることは、よくないのかな?と思います。
ただ、フランスの場合は、あまりにも横暴なやり方をすれば、国民もマスコミも決して黙っていることはないので、たちまち、暴動騒ぎになるし、マスコミも糾弾します。
すぐに暴れて、街を破壊したりし始める国民に最初は驚きましたが、おとなしすぎるのもいかがなものかと思います。
国民議会選挙後は、前政権体制に比べて、めっきり発信力が弱くなった感のあるフランスの現政府です。
日本は、いつまでやってるの?裏金問題・・統一教会問題・・と思うところもありますが、悪いことを罰することができない政治のシステムを変えてくれなければ、どうにもならないので、なんとかしてほしいです。
色々な意味で、世界中、それそれの国の政情が不安定・・でも不安定だからこそ政府にはしっかりしてほしいものです。
フランスの政治と日本の政治
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