2024年11月4日月曜日

フランスの政治と日本の政治 似ているところと似ていないところ

   ここのところ、日本の衆議院選挙のために、日本の政治に関わるニュースはできるだけ見るようにして、自らも在外投票に行き、選挙の行方をうかがっていたら、自民党が大敗し、その後も全く日本の政権は落ち着く様子がありません。 アメリカも大統領選挙を目前に控え、フランスでもこのアメリカの大統領選については、毎日のように報道しているし、この政権の行方もまた目が離せません。 フランスは、今年の前半の欧州議会選挙の結果を受けて、マクロン大統領が突然、国民議会の解散を発表して、急に選挙という運びになり、結果は、どの党も過半数に達しない不安定な状態に陥り、首相任命まで1ヶ月近くかかるという異例の事態...

2024年11月3日日曜日

墓地の値段 リヨン市の墓地価格に社会的価格制度導入

   季節柄の話題だとは思いますが、あまり普段は話題にはしないものの、お墓については、多くの人が実は興味のある話題であると思います。 今、一部では「リヨン市が3月までに墓地の権利料に社会的価格制度を導入する」ということが話題になっており、「はて?墓地使用料とは、いくらくらいなものなのだろうか?」と思いました。 実際に、我が家も夫が亡くなった時に、家から一番近い墓地ということで、市内の市民墓地に埋葬してもらったのですが、恥ずかしながら、その時は、メンタルがボロボロの状態で、義理の息子たちが全てを手配してくれて、私自身は、ほぼ何もしていませんでした。 しばらくしてから、墓石は、私が注文して、私が自分で買ったので、墓石の値段は知っているけれど、墓地に関しての契約料には全くタッチしていないので、値段も知りません。 ただ、墓地も含めて、葬儀にかかった費用等に関しては、夫がけっこうちゃんとした保険に入っていたので、全て保険でカバーできたはずなので、葬儀費用や埋葬費用等の心配はありませんでした。市営墓地なので、そこまで高いとは思いませんが、一応、30年間の契約ということだけは聞いているので、私が死ぬのがそれ以降になる場合は、これを更新手続きしなければならないことだけは、承知していました。 まあ、まだけっこう期間があるので、期限が近付いてきたら、聞いてみようと思っていました。 話は脱線しましたが、リヨン市は、「社会的不平等を解消するということ」で、「私たちの考えは、社会正義の概念を葬儀政策に組み込んで、死が新たな社会的不平等を助長しないようにすること」と宣言しており、これまで富裕層に対しても、困窮層に対しても、同じ額を請求していた墓地使用料に収入、資産に準じて3種類の価格設定を行うという発表をしています。 リヨン市の場合は、現行の市民墓地使用料は、15年間で525ユーロ(約87,000円程度)(墓石などの価格は別)ということで、収入資産にかかわりなく均一価格でした。しかし、今回の改正によって、これに収入・資産によってグラデーションがつけられるようになるのだそうです。 この社会的不平等解消のためのこの支払料金の調整が「保育園、学校、文化施設などの一定数の自治体の公共政策」に適用されていることを考えれば、これは当然あるべき措置ではないか?と言っています。まさに「ゆりかごから墓場まで」にするということです。 これは、まだ議案の段階だそうですが、一律価格ではなく、360ユーロ、550ユーロ、750ユーロの3段階になるようです。 今まで、墓地については、前述したように、墓石以外は、全く関わってこなかったので、あまり墓地使用料について、気にしたことはなかったのですが、たしかに、フランス人の知人で、親が亡くなった時の葬儀にえらくお金がかかって大変だった・・と嘆いていた人がいたので、たしかに、このような配慮をしてくれるのは、ありがたいのだろうなと思います。 おそらく、パリはもう少し高いのではないかと思いますが、私としては、(自分が死んだ場合)、死んでしまった私に対してお金と手間をかけていただく必要は全くないので、一番簡単でお金のかからない方法にしてね・・と娘に言ってあります。 私の友人の一人が亡くなった時は、彼女は独身だったということもあるのでしょうが、自分が亡くなったときには、ペーラシェーズで火葬して、お墓のない人のために砂(フランスの場合、砂状になるまで火葬するのが一般的に遺骨ではなく砂という言い方をする)を撒く場所があるので、そこに一緒に撒いてほしいと言い残していたので、彼女の砂はそこに撒かれ、彼女は今、パリの土となっています。 これを書きながら、思ったのですが、お墓など、面倒なことがなくて、それも悪くないかも・・?と今度、娘に会ったら、提案してみようかとも思います。 日本の墓地は、どんな具合なのか?これまた、前の世代の人々が買ってくれてあるものなので、全然、値段も何も知りませんが、今後、子どもがいない人などが増えたら、このペーラシェーズの砂山?みたいな場所・・あってもいいのかも?と思います。 この友人の砂を撒いた日には、行けなかったので、今度、お墓参りがわりにペーラシェーズに行ってみようかと思います。ペーラシェーズはパリの有名な墓地で歴史的な偉人などもたくさん埋葬されている墓地で、お散歩にもなかなか良い場所です。リヨン市墓地価格...

2024年11月2日土曜日

お墓参りで毎回、思うこと・・

   世間では、最近では、フランスでもトゥーサン(万聖節)というよりは、ハロウィン色が強くなってきていますが、私は、毎年、この時期くらいは・・とお墓参りをする習慣になっています。 我が家の墓地は、夫が亡くなったときに、まだまだ本人もずっと先のことだと思っていたでしょうが、机の裏側に少しだけ書きかけの遺言のようなものが張り付けてあって、その中に、墓地は、家から一番近い墓地に埋葬してほしいというようなことが書いてあったので、夫の希望どおりに家から一番、近い墓地にしました。 夫は自分の両親のお墓は、なんだかやたらとお金をかけて、自分の兄の家の近くに建てたので、当然、そこに一緒に埋葬してほ...

2024年11月1日金曜日

パリ中心部に交通制限ゾーン(ZTL)が設置

   パリ警察長官は、パリ中心部に交通制限区域(ZTL)を設置し、1区、2区、3区、4区の車両通行を禁止する命令に署名しました。この措置は、11月4日から開始されます。 これは、車で占拠されている公共空間を解放し、首都中心部の大気汚染と騒音を軽減することが目的で、パリ市長アンヌ・イダルゴ氏の選挙公約でもありました。 現在、パリ中心部のこのゾーン内を循環する車両の数は、1日あたり35万台から55万台(ずいぶん幅があるな・・)と言われており、この交通量のかなりの部分はそこで停まることなくこの地域を通過する車両であるといわています。 この車両通行禁止は、もちろんバス、タクシー、VTC車両は除外されるほか、この地域の住民、従業員、配達員、患者、店舗、企業、レストラン、劇場、映画館などの顧客も除外されます。つまり、この地域を通過するだけの車が排除されるということで、この地域を通過していた車両は、この中心部を避けてぐるっと遠回りをしなければならないことになります。 また、1区、2区、3区、4区の中でも高台の岸壁、サンルイ島、シテ島はこの交通制限区域から除外されています。 しかし、そもそもパリ市内を車で移動することは、渋滞や駐車スペースなどを考えても、どう考えても、合理的ではなく、私などはもうとうの昔にあきらめていますが、これで少しでも車が減ってくれることはありがたいことだと思っています。 このシステムは少なくとも3か月(あるいは6か月)の予備的準備期間を経た後、このZTLから「出る」際には電動車両のチェックが強化される見込みになっています。 将来的には、在留カードと自己申告制度がオンラインで導入され、同時にカメラによるナンバープレートの読み取りに基づいて違反をチェックする予定だそうですが、この自動カメラ撮影による制裁を可能にする規制と法律の変更が現段階では整っておらず、法律改正を待つ間は、一体、1日50万台以上と言われる車両通行のチェックをどうやって行うのかは、かなり厳しい話ではないかと思っています。 とはいえ、これに違反した場合は、罰金135ユーロが課せられるということです。 この類の通行禁止は、パリオリンピック開会式前の状況を彷彿とさせる感じがありますが、あの時は、パリ中がものすごい警戒体制で、警察官や憲兵隊がMAXで出動しており、そもそも、あの厄介な通行制限や行動制限にウンザリして、多くのパリジャンがパリを脱出していて、パリはガラガラになりました。 今度は、車両通行のみの制限で、日常的、恒久的に続けられるものであり、そのために膨大な数の警察官を配置というわけにもいかないだろうし、しかも多くの例外があり、一体、どの程度、みんなが遵守するのかと思いますが、成り行きを見守りたいと思います。 しかし、様々な取り組みにどの程度の成果があがるものなのかはわかりませんが、色々と問題点をあぶり出して実行していくのには、エネルギーを感じます。 パリ中心部に交通制限ゾーン(ZTL)<関連記事>「パリは想像以上にガラガラ・・パリジャンはパリにいない・・観光客もあんまりいない・・」「パリオリンピック開催時に予想される住民が迷惑すること」「オリンピックが始まる前からすでに渋滞 PARIS...

2024年10月31日木曜日

フランスの刑務所受刑者数過去最高の新記録

   法務省は、フランスの刑務所の受刑者数は、前月の7万8,969人に対して、7万9,631人で刑務所の収容密度は127.9%、14の施設では+200%と新記録を樹立したことを発表しました。フランスの刑務所は慢性的な過密状態から抜け出すどころか、ますます悪化の一途を辿りつつあり、現状では、通常収容が間に合わずに、床には3,810枚のマットレスが敷かれている状況であるとも伝えられています。 「刑務所は崩壊しつつある!刑務所の規制メカニズムを早急になんとかしなければならない!」と言われ続けていますが、この過剰収容状態は受刑者だけでなく、刑務所職員でさえも虐待している状況であると叫ばれて...

2024年10月30日水曜日

ツナ缶の水銀汚染スキャンダルの衝撃

   「缶詰マグロは100%水銀汚染・絶対に食べてはいけない!」とか、「水銀汚染されたツナ缶の健康上の危険は何ですか?」など、ツナ缶水銀汚染スキャンダルの話題が炎上しています。 これは、海洋防衛NGO BLOOM(ブルーム)が、18か月にわたる調査を経て発表した報告書の中で訴えているヨーロッパ 5 か国 (ドイツ、イギリス、スペイン、フランス、イタリア)で販売されているツナ缶についての危険性の話です。 このNGO は「ヨーロッパ 5 か国 (ドイツ、イギリス、スペイン、フランス、イタリア) の148 個のツナ缶を無作為に選択し、独立した研究所で検査させたところ、100% が水銀で汚染されていた!」というもので、そのうち、約1割は、欧州連合で認められている水銀含有量基準 (1...

2024年10月29日火曜日

最近、パリでやたらとクッキーが目につくようになった・・

   暇さえあれば、美味しいものを探して歩いている私ですが、パリには、たくさん美味しいものがあるとはいえ、やっぱり一番お手軽で、一番美味しいのは、パンやヴィエノワズリー、ケーキなのではないか?と思い至るところもあり、もっぱらブーランジェリーやパティスリーなどを巡り歩いているのです。 そもそもブーランジェリーやパティスリーはさすがに店舗の数も多く、食品店の多い通りなどだと、一つの通りにブーランジェリーは何軒もあったりして、それこそピンキリとはいえ、一般的なレベルは高く、思わぬおタカラ(美味しいもの)を見つけたりもするのです。 以前(といっても、私がまだパリに来たばかりの20年以上前の話ですが・・)は、ブーランジェリーといえば、だいたい、どこへ行っても同じようなものしか売っていなくて、たいていは、パンは別としてもヴィエノワズリー(クロワッサン、パンオショコラ、ショッソンオーポム、パンオレザンなど)とりんごや梨、季節の果物のタルト、フラン、ベニエ(揚げパンみたいなものでたいていチョコレートクリームなどが入っている)、パリブレスト、エクレア、ミルフィーユなどで、「まったくフランス人はいつも同じものばかり食べていて、飽きないのかな?」などと思ったものでした。 それがここのところ、ケーキの種類もグッと増えました。そして、もうひとつ、特に目につくようになったのは、どこのブーランジェリーやパティスリーに行っても、必ずクッキーが置いてあるようになったことです。 駅のパン屋さん(クロワッサンなどのヴィエノワズリーに加えて、サンドイッチや簡単なケーキ類を売っている)などにも必ず、大ぶりなクッキーが並んでいるのです。 いくら大ぶりとはいえ、1枚3ユーロ程度なので、なんとなくクッキーにしては、高いな・・コスパ悪いし、クッキーなら自分で焼ける・・などとケチな根性が頭をかすめるため、これまで、このようなクッキーを買うことはありませんでした。 しかし、次第にパリ市内にもクッキー専門店というものが増えだして、「えっ??クッキーだけで、成り立つの?」と思ったりしていました。 先日、たまたま、別のお店に行こうとしていた時に、このクッキー専門店のひとつをみかけて、全然、買うつもりはなく、クッキー専門店ってどんな感じなのかな?...