最近、クリスマスも年末年始の行事も終わって、少し落ち着いたのか? どういうわけか?しばらく話していなかったフランス人の友人から、電話がかかってきます。思うように出歩けないので、電話ででも誰かと話したいのかもしれません。
とはいえ、話題は、コロナ関連のことになりがちなのですが、彼らが共通して怒っているのは、ワクチンの予約が全く取れなくなってしまったことです。両親のための予約を入れようとしているのに、全く、予約ができないのだそうです。
年が明けて、他のヨーロッパ諸国に比べて、大幅にワクチン接種が遅れていることが発覚したフランス政府は、大バッシングを受け、年が明けるとともに、これでもかというくらい、ワクチン接種の話題で持ちきりになり、政府は、今日は、どれだけワクチン接種が進んだかというニュースを大々的に発表し、かなり、ワクチン接種に躍起になってきました。
ところが、ファイザー等のワクチン製造販売元に問題が起こり、ワクチンが届かずに、供給が間に合わなくなってきてしまったのです。これは、フランスだけで起こっている問題ではありませんが、元々、ワクチン接種に遅れを取っていて、慌てて、ワクチン接種の枠を拡大したフランスには、特に問題が深刻化しているのです。
そもそも、このワクチンは、2回接種しなければならないもので、すでに、年初に1回ワクチン接種をした人々は、そろそろ2回目の接種をしなければならないのです。ところが、急にワクチンが届かなくなってしまったのですから、1回目の接種を希望する人の予約は受け付けられないのです。
新たに予約を入れるどころか、これまで予約した人まで実際に、ワクチン接種を受けられずに予約がペンディングになってしまっている混乱状態なのです。
まあ、知人やその家族がコロナウィルスに感染して、入院している・・などというニュースではなく、ワクチンが受けられないと怒っているのは、まだ幸いなのかもしれません。
日本の様子は、どうなの?と聞かれて、「日本も感染は、悪化はしているけど、フランスよりも全然、マシだよ・・」と言うと、「じゃあ、レストランやお店もやっているの?」「時間帯に制限はあるらしいけど、やっているみたい・・」と答えると、彼らはとても、ビックリします。
考えてみれば、日本は、フランスの2倍の人口を抱えているのに、これまでの死者数は5300人、フランスは、75,000人と日本の15倍近い犠牲者を出しています。(人口比率を考えれば、実質30倍と言うことになります)
2倍3倍ならばまだしも、これだけの差になると、もはや比較の対象にはなりません。まさに別世界です。
フランスは、2回のロックダウンに加えて、ほぼ、一年のうちのほとんどの期間をレストランなどは閉鎖したまま、その他に夜間の外出禁止などの日本よりもずっと厳しい措置を続けているのに、現在、再び、3回目のロックダウン間近と言われている状態です。
私は、彼らに日本の状況を説明しながら、現在、感染が悪化してはいるものの、日本は、フランスに比べてこれだけ感染を抑えられているのだから、やっぱり、凄いな・・と改めて思うのでした。
考えてみれば、私の父が入っていた介護施設に行った時、もう数年前のことで、コロナウィルスなど、まだ影も形もなかった頃でさえ、施設に入る前の手洗いとアルコールジェルを使用して入ってください・・と言う衛生環境への気の配り方にビックリしましたが、それを考えると、日頃からの衛生観念が全然、レベルが違うのです。
フランスの高齢者施設に行ったことはありませんが、現在、コロナウィルスが蔓延している状況でさえも、フランスの高齢者施設が、あれほど清潔な状態であるのかどうかは、甚だ疑問、現在のような状況でさえ、日本の通常の衛生レベルに達しているかどうかもわかりません。
そんな衛生観念の違いは、大きく感染状況にも影響しているのでしょう。
しかし、ワクチン問題で、頭がいっぱいの彼ら・・「日本は、まだワクチン接種を始めてもいないらしいよ・・」と言うと、さらにビックリするのです。「日本のように、何事も早く進んだ国で、なんで???」と・・。
<関連>「コロナウィルスワクチンに対する世界と日本の温度差」
https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2021/01/blog-post_18.html