
フランスのバイオテクノロジー企業 Ose Immunotherapeutics が開発した肺がん治療ワクチン Tedopi が化学療法と比較して、死亡リスクを40%以上軽減するという研究結果ががんに関する医学専門誌に掲載され、がん治療に光が差したと話題を呼んでいます。 このニュースは肺がん治療に関わる人々にとっての大きな朗報であることには違いありませんが、現在のところは、このワクチンは、すべての肺がん患者を対象としたものではなく、最も重篤な患者、再発した患者、転移のある患者、既存のすべての治療に抵抗があるが免疫療法にすでに陽性反応を示した患者のみを対象としています。 つまり、この研究結果は、かなりの末期患者を対象としたもので、この臨床試験の結果も、「肺がんの末期患者の44%以上がこのワクチン接種後1年後も生存が確認されており、平均すると3ヶ月半の生存期間の延長がみとめられた」というもので、必ずしも完全治癒するというものではありません。 しかしながら、化学療法などと比較すると、副作用等も3分の1に減少するため、治療に際して患者さんのQOL(生活の質)も向上するとしています。 このワクチンは、現段階では、いわゆるワクチンでイメージされる予防のためのものではなく、治療薬であり、免疫反応を引き起こす抗原を選択し、免疫系のキラー細胞である...