2020年11月27日金曜日

コロナウィルス第2波 制限を緩和していくフランスと手綱を緩めないドイツ

 

  

         

 今週に入って、マクロン大統領から発表されたロックダウン緩和へのステップを歩み始めたフランスとは対照的に、昨日、ドイツのメルケル首相は、新規感染者数に大幅な減少が見られない限り、現行の感染対策を来年の1月初旬まで延長、しかも強化する方針を表明しました。

 新規感染者の推移を見れば、フランスは一時は、一日6万人近かった新規感染者数もどうやら1万人台にまで減少し、ICUの患者もあわや5千人の壁を超えるかと思われていたところが、こちらも少しずつ減少し始め、4,018人(11月26日現在)までに下がっています。

 これまでドイツは、コロナウィルス感染に関しては、被害の大きいヨーロッパ全体の中でも常に優等生で、フランスとは比較にならないほどに、常に感染者数は、フランスよりもずっと少ない状況に抑えられてきました。

 これまでの総感染者数は、フランス 2,183,660人、ドイツ 1,001,965人(半分以下)コロナウィルスによる死者数は、フランス 50,957人、ドイツ 15,706人(3分の1)となっています。

 フランスが医療崩壊を起こして、あっぷあっぷしている時もドイツはいつもフランスを助けてくれていました。

 ところが、メルケル首相の発表を見て、ここへ来て、久しぶりにドイツの新規感染者数を見てみると、なんと、わずかではありますが、ドイツがフランスを追い抜いているではありませんか?(ドイツ14,306人・フランス13,563人・11月26日現在)

 フランスのゆるゆると思われるロックダウン1ヶ月で、よくもここまで下がってきたものだと正直、感心していますが、ドイツとて、ロックダウンと呼ぶのかはわかりませんが、感染症対策の様々な制限をしてきたはず、飲食店の営業や劇場やジムなどの文化施設も閉められ、フランスと違う点といえば、小売店の営業が許されてきたことくらいです。

 にもかかわらず、ドイツでさえも、感染状態が悪化してきているということは、小売店の営業による人の流れが、かなり感染状態に影響していると考えざるを得ません。

 感染状況からすると、フランスは減少傾向、ドイツは増加傾向にあるとはいえ、現在の数字は、どちらも似たような状況で、フランスは、制限緩和の措置をとり、ドイツは、制限を継続、しかも強化するという両極の対応。

 ノエルに向けて、ヨーロッパ諸国が制限緩和を開始する中、メルケル首相は、「今の状況は、目標からは、程遠い。もうひと頑張りしなければならない」としています。

 特に、ノエルのバカンスはスキーのシーズンでもあり、また、ヨーロッパでは、スキー場になっている山を隣国と共有しているようなところがあり、ドイツは、EU全体に対しても、特にノエルのバカンスにスキーをすることを禁止するように呼びかけています。

 フランスは、12月15日以降、ロックダウンが解除となった場合、移動制限はなくなり、72時間以内のPCR検査等の衛生管理規則を守れば海外旅行も許可されることになりましたが、スキーに関しては、スキー場は開けてもいいが、リフトは営業禁止というどこか不明瞭な立場をとっています。

 ヨーロッパという地続きの国々での制限の違いは、このバカンス期間は特に、ある程度は、足並みを揃えなければなりません。

 12月のこの対応の違いが1月には、どのように表れるのか、制限が緩和されることにちょっとホッとしかけたものの、ドイツの対応を見て、やっぱり不安が膨らんでくるのです。


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「ヨーロッパのコロナウィルス感染拡大 国の対策の取り方で明暗を分けた理由」

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2020年11月26日木曜日

段階的なロックダウン緩和〜解除策には、83%のフランス人が賛成

                                           

  Comment vont se dérouler Noël et le Nouvel an cette année ?


 一昨日にマクロン大統領から発表された段階的なロックダウン緩和から解除に向けてのシナリオには、83%のフランス人が賛成しています。

 概ね国民には、好意的に受け入れられたノエル・年末年始の予定ですが、12月15日にロックダウンが解除されるには、一日の新規感染者数が5000人以下、ICUの患者が2500人以下まで減少した場合という条件がついていることを皆、ちゃんと聞いていたのかな?と、ちらっと思います。

 とはいえ、現在のフランスの感染状況を見ると、まだ一ヶ月はあるし、まるで不可能な数字でもありません。

 そんなこともあってか、73%の人が12月15日までは、現在のロックダウンの制限を厳密に尊重すると答えています。(2回目のロックダウンが発令された10月28日の段階では、98%が尊重すると答えていたので、すでに大幅に減少しているとも言えます)

 このロックダウンの制限を厳密に尊重するというのが、もはや、この約1ヶ月間に起こっている数千人単位のデモや数百人にも及ぶパーティーなどのことを考えると、どの程度の尊守なのかはわかりませんが、ひとまず、目の前にぶら下げられたニンジンのために、頑張るつもりになっているのかもしれません。

 しかし、ともかくも週末からは、生活必需品以外の店舗も営業が許可され、20キロ、3時間以内の外出は許可され、ノエルには、家族と過ごすための移動も許可され、ノエルを家族と祝うこともできるのですから、多くの人が賛成というのも、そりゃそうだろ・・と、思います。

 しかも、ノエルと年末年始に関しては、「個人の自覚を持っての自粛して過ごすことを要請する」などという、「ここは、日本か??」と思うような政府の物言いで、そんなことが通用するほど、フランス国民は甘くありません。

 ノエルと年末に対してのこの政府の取った措置は、そりゃ〜国民には受け入れられるだろうけど、だからと言ってフランス人がおとなしくノエルと年末年始を過ごすわけがなく、政府は第3波への大きなリスクを背負ったのです。

 かといって、ノエルを制限するようなことがあれば、それこそ暴動でも起きかねないフランスです。もはや、国民のノエル圧を抑えきれない政府が半ば妥協して提案したとしか考えられません。

 何が起こっても、政府のせいだと責任転嫁する国民には、今回の政府の提案に反対する理由はありません。残り17%の反対の人は、おそらく、少なくとも1月20日までは営業が出来ないレストランやバー、ホテル、スポーツジムなどに関わる人々だと思います。

 しかも1月20日に営業ができるという確証もないのですから、怒り心頭なのも当然理解できます。(その上、このノエル・年末年始後の感染状況は、悪化している可能性大なので、さらに、それより先に延期されることも充分に考えられます)

 今日、近所にちょっと買い物に出かけましたが、街は着々とノエルのデコレーションが進み、街に出ている人たちも、とりあえずのメインイベントであるノエル・年末年始の目処がついたことから、どこかホッと落ち着きを取り戻したかのような雰囲気が漂っていました。

 今週の土曜日から営業が許可されたお店は、まだ今日の段階では営業していないものの、店内では、さっそく営業再開の準備をしている様子でした。

 とりあえずは、多くの人が当面のおおよそのプランが出たことで、少しホッと落ち着きを取り戻している雰囲気が、これまで先の見えない不安というものが、どれだけ人を変えていたのかと・・そんな不安定な状況が続くことへの心理的な影響の大きさを逆に思い知らされた気がしたのです。

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「フランスの感染がおさまらないのは政府の責任というフランス人」

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2020年11月25日水曜日

フランスのロックダウン緩和へのステップ マクロン大統領の会見




 フランスのロックダウン緩和は、とりあえず、今週末の全ての商店がオープンすることから始まることになりました。大方の予想では、12月からと言われていただけに、一週間早くなった全てのお店の再開は、明るいニュースです。

 そして、これまでどおり、外出許可証は必要ではありますが、自宅から20km、3時間以内の外出が認められるようになります。沢山のお店がオープンしても、行けないじゃん!と思っていましたが、パリは狭いのです。行きたい所もそうあるわけでもありませんが、とりあえず、行こうと思えば、いつでも行けるようになることは、思いのほか嬉しいことです。

 さらに、12月15日には、ロックダウンが解除になり、映画館、劇場、美術館などが再開し、外出規制が撤廃されますが、夜9時から午前6時までの時間帯の外出制限措置(夜間ロックダウン)が取られます。

 普通の生活が近づいてきました。

 しかし、レストラン、バー、スポーツジムなどは、年内の再開はできませんが、どうやら、ノエルを家族で祝うことはできるようになるようです。

 特に12月24日と31日は、夜間ロックダウンも撤廃されるという甘々な措置、公道での集まりは禁止されていますが、今は、まだロックダウン状態でさえ、ここ数日のデモの人出を見ていると、これが守られることは、どうにも信じ難く、今からシャンゼリゼが人で埋まる様子が目に浮かぶようです。

 つまり、ノエルのバカンスには、皆が家族に会うための移動を始め、衛生管理に気をつけてと呼びかけてはいるものの、ほぼ、例年に近い年末年始を迎えることになりそうです。

 そして、このまま、感染状態が減少していった場合は、(一日の新規感染者数が5000を下回っている場合)、1月20日には、レストランやスポーツジムの営業が認められるようになります。

 マクロン大統領から、ロックダウンの緩和についての発表があると聞いて、小売店等の再開は、おおよそ予想がついていましたが、一番の問題は、ノエルをどうするのか?が最も気になっていましたが、まさかの24日と31日の開放に、今から、クリスマスイブと大晦日の惨状が目に浮かぶ気がします。

 これまでの締め付け?られた生活の鬱憤が、ノエルと年末年始に一気に爆発するような気がするのです。

 例年の一般的なフランス人の傾向としては、ノエルは家族と過ごし、大晦日は、友人と騒ぐという人が多く、特に31日は、レヴェイヨンと言われ、年明けのカウントダウンの瞬間は、より多くの人が集うのです。

 マクロン大統領からの発表があった数分後には、SNCF(フランス国鉄)の予約サイトは400%に膨れ上がり、これまで予約を躊躇していた人々が一気に予約を開始したようです。

 さっそくみんな、出かける気まんまんです。ちなみにフランスにはGO TOキャンペーンはありません。

 この会見で、マクロン大統領は、「第2波のピークは過ぎたけれども、依然として、深刻な状態、なんとしても、感染の第3波、第3のロックダウンは、避けなければならない」と話していますが、このノエルと年末への対応を考える限り、第3波は確実、1月20日のレストラン再開は、絶望的だと思います。

 しかし、フランス人の様子を見ている限り、ノエルをシャットダウンすることは不可能、こうするしか仕方がなかったかもしれないとも思っています。

 私個人としては、12月15日からのロックダウン解除は嬉しくもありますが、その間に、再び、次のロックダウンに備えなければ・・という気分になっているのです。

 フランスのコロナウィルスによる死亡者は、とうとう5万人を突破(50,237人)しました。


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「フランスの年末年始にかけての食事」

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2020年11月24日火曜日

サン・ドニの難民キャンプ解体による避難所要求のデモ

 Les migrants ont installé leurs tentes place de la République à Paris (photo d'association).


 次から次へとよくも、こんなに色々起こるもんだ・・と、ため息が出るほどです。

 一昨日のデモに続いて、またデモ・・です。

 先週の初めにパリ北部、サン・ドニ(セーヌ・サン・ドニ県)の難民キャンプで、警察により、2,500人が追放され、移動先の宿泊施設の解決策がないままに、700人から1,000人の人々が路上に残されました。

 行き先を失くした人々のうち、400人以上が安全を確保するために、パリ・レピュブリック広場に集結して、テントを張り、セーヌ・サン・ドニ県、パリ市役所、政府に対し、基本的権利の尊重と難民に対する警察の暴力の即時かつ継続的な終結と、1,000か所の無条件の即時宿泊施設の設置を要請しています。

 権利の主張は、あらゆる人に共通するようです。基本的権利や警察の暴力に対する抗議はまだしも、無条件の宿泊施設とは意味がわかりません。

 彼らは、同時に、先週のキャンプ解体による避難中に警察がとった暴力的な行動に対して、県と内務省に対する苦情の申し立てもしています。警察のとった暴力行為といえば、さっそく、先日、大きなデモを引き起こしたグローバルセキュリティー法第24条(警察・憲兵隊の撮影を禁ずる法律)の是非が問われる案件です。

 そして昨夜のレピュブリック広場に集結した難民との間にも再度、緊張状態が生じ、警察だけでなく憲兵隊まで出動する騒動に発展しています。

 もともと、サン・ドニといえば、パリ郊外の中でも治安の悪さで有名な地域、私は、20年以上パリに住んでいて、ほんの数回しか行ったことはありません・・というよりも、敢えて近寄らないようにしている場所です。

 サン・ドニ界隈に行けば、難民の多さは一目瞭然、ここはフランス??と思うほどの移民の多さ、治安の悪さは、すぐに肌で感じることができます。治安の悪さを肌でひしひしと感じるってなかなかスゴいことです。

 何か事件が起こる度にサン・ドニの地名が上がり、今回のコロナウィルス感染においても、パリ近郊では一番、感染状態が深刻だった場所です。

 一昨日も、殺人事件が起こったばかり、先日のテロ事件で、共犯で手配された犯人もサン・ドニのアパートで逮捕されており、私の身近なところでは、知り合いのガイドさんが、サン・ドニ界隈のホテルに日本人ツアーのお迎えに行ったところ、強盗に襲われ、殴り殺されたという悲惨な事件もありました。

 移民も多く、生活水準も低く、治安も悪いことから家賃も比較的安く、若者が多いのも特徴で、人が埋もれて暮らしやすい場所でもあります。

 今回、難民キャンプが追放されたことで、パリ中心部での騒ぎに発展して、彼らの意図した通りに注目を浴びましたが、サン・ドニを追放された700人から1,000人近くの人が行き場を失い、パリ近郊を放浪していることになります。

 治安が悪いサン・ドニを避けている私には、避けているものが向こうからやってくるような気持ちにさせられます。

 感染対策も含めて、難民キャンプを追放したと思われますが、追放するだけでその後の準備がなされていない雑なやり方は、また別な混乱を生むだけです。

 ロックダウン中とは思えない光景は、政府がわざわざ作り出している部分もあるのかもしれません。

 この騒動は翌日まで持ち越し、この避難した難民を擁護する人々がちょっと目眩がしそうなほどの規模で、再びレピュブリック広場に集合し、デモを行っています。


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「コロナ禍中でも続くフランス人の権利の主張」

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2020年11月23日月曜日

シャンゼリゼのイルミネーション点灯がフランス人のノエル気分に火を灯す

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 昨日、毎年、恒例のシャンゼリゼのイルミネーションが点灯されました。これから1月まで、シャンゼリゼは美しいイルミネーションに彩られます。

 私も毎年、一度は、このイルミネーションを見物がてら、まだ、日が落ちきらない、一番ライトアップがきれいに見える時間を見計らって、シャンゼリゼの近くに買い物に出かけて、立ち寄っていましたが、今年は、行けるかどうか??

 シャンゼリゼのイルミネーションをきれいに写真を撮るのには、ジョルジュⅤ(メトロ駅)よりちょっと下あたりが綺麗に撮れます。

 シャンゼリゼのイルミネーションは、街路樹に付けられるライトの色やデザインが毎年、変わり、今年は、どんなデザインになっているのか? それを見届けるのも楽しみにしています。やはり生で見るシャンゼリゼのイルミネーションは、圧巻です。

 今年のシャンゼリゼの点灯式は、例年よりは、ずっと縮小されてはいたものの、カウントダウンが行われ、そんな映像だけ見ていると、ロックダウンを忘れそうになります。

 2年前にシャンゼリゼのイルミネーションを見に行った時は、ちょうど、黄色いベスト運動が盛んに行われていた頃で、不謹慎にも、シャンゼリゼのイルミネーションに加え、警察車両の青いライトがきれいだと思ったりしたことが、すごく印象に残っています。

 シャンゼリゼのイルミネーションとともにシャンゼリゼの下の方にオープンするマルシェ・ド・ノエルも今年は、どうなることやら・・毎年毎年、同じもので、変わり映えもしませんが、季節の風物詩でもあります。

 しかし、今年は、マルシェ・ド・ノエル以上に営業許可を心待ちにしている一般の小売店、今週には、マクロン大統領から発表があるとのことで、色々な情報が錯綜しています。

 営業が許可されるかどうかなどの情報に紛れて、来年、3月初めから3回目のロックダウンが始まりますという政府から出されたという偽造文書まで流されています。ちょっと考えてみれば、目先の営業許可を出すか否かということでさえも、躊躇している状況で、3月からのロックダウンの発表を政府ができるはずもないことは、すぐにわかることです。

 現在のところ、ロックダウンの効果で、新規感染者も1万人台にまで減少してきて、緩和に向けて勢いづきそうになっている国民を「今回の発表はロックダウン解除ではない!」としきりにブレーキをかけていますが、どうやら、小売店の営業は許可されるのではないかという見方が強いです。

 だいたい、数千人規模のデモが許可されて、生活がかかっている小売店の営業が許可されないというのは、おかしな話です。

 マスク着用や店舗内の人数制限、衛生管理を行えば、営業は可能だと思います。どうしてもマスクをし続けることができず、滞在時間も長くなり、衛生管理がお客さん側の良識に委ねられるのレストランやバーについては、年内の営業は不可能なようです。

 しかし、シャンゼリゼのイルミネーションの点灯は、フランス人のノエル気分に火を灯したようなもの・・着々と近づくXデー(ノエル・クリスマス)は、もうすぐそこまで来ています。

 これまでの様々な出来事に対する政府の対応を見ていると、ノエルを家族で祝うことを全面的に政府が禁止することはあり得ません。とはいえ、到底、野放しにできる状態でもありません。

 新規感染者は減少したものの、ここ一週間のフランスでのコロナウィルスによる死亡者は4,209人と1時間に25人が亡くなっている状況、4月以来の驚異的な数字を記録しています。

 ノエルのバカンスの移動を許可するタイミングや家族での集まりの人数制限など、問題は山積みです。黄色いベスト運動などで、あれだけ嫌われていたマクロン大統領も支持率が41%と上昇しています。

 このノエルと年越しを迎える重大な局面をどう乗り切れるのか? 夏のバカンス解禁で大失敗している前科を持つフランス政府が、夏のバカンスに次いで、フランス人が大切にしているノエルをどう対処するのか? フランスは、国民の良識に頼れる国ではないのです。

 この重大な局面、全て、マクロン大統領の裁量にかかっています。

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「フランスの国会を騒がせる「フランス人のクリスマスを迎える権利」」

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2020年11月22日日曜日

グローバルセキュリティー法に反対する数千人規模のデモ

                                           

Place du Trocadéro à Paris ce samedi 21 novembre, manifestation pour le droit d'informer


 これがロックダウン中の光景であることに驚かないわけにはいきません。土曜日にデモがあることは、前日からわかっていましたが、まさかこれほどの人出とは・・・。

 この人たちの外出許可証の理由は、どの欄にチェックしてあるんだろう? と思って姉妹います。外出許可証の外出理由の中には、「デモに参加」なんていう項目もないし、まさかの「健康を維持するための運動」???なのでしょうか? クソ真面目にそんなことを考えている私は、日本人なんだな・・なんてことを思います。

 しかし、デモ自体が一応、警察に届出が出ており、許可?されたものである以上、参加する人もOKということなのでしょうか? フランスに住んで、もう20年以上経ちますが、本当にフランスという国は、未だによくわかりません。

 このデモは、20日(金)の国会において、グローバルセキュリティー法の第24条が採択されたことによるもので、これに異議を唱える数千人の人がパリ・トロカデロ広場に集まりました。

 グローバルセキュリティ法の第24条は、国民を保護する立場である警察や憲兵隊を保護するために、彼らを撮影する(顔や身分を明かすもの)ことを禁ずる法律で、これに違反した場合は、1年間の懲役と45,000ユーロの罰金を規定しています。

 たしかに彼らが撮影され、それが悪意を持って拡散されることによる危険もありますが、逆に、人種差別とみられる警察の横暴な振る舞いなどが表面化したりすることもあります。この法律が容易に認められ難いのは、当然です。

 いずれにせよ、表現の自由を声高に訴える国で、この種の法律の採択は、物議を醸すのは、必須。

 このロックダウン中の、しかも感染がおさまるか否かの瀬戸際のようなタイミングにわざわざ国民を刺激する法律をどうしても急いで採択したことの方が解せません。明らかにデモが起こるであろう採択を今、国会でするのはどういうつもりなのか?と思うのです。

  

デモの終盤、警察とデモ隊の衝突

 実際に、このデモ自体も取材しようとする人と警察との間に衝突が起こっています。

 国民を守るはずの警察を守るための法律が、さらに、衝突を起こし、感染も拡大させる悪循環の最悪のシナリオです。

 数千人がデモに集まり、警察と市民が戦う様子を見ていると、ロックダウンどころか? この人たちは、今、何と戦っているのだろう??と思います。

 今、まず、戦うべきは人と人ではなく、コロナウィルスなのです。


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「ロックダウン解除・第二ステージの幕開けは、2万人規模のデモというフランスの惨状」

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「ロックダウン解除・抑えきれないデモとレストラン・カフェの営業制限の矛盾」

https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2020/06/blog-post_7.html


2020年11月21日土曜日

フランスのメディアが日本のクラスター対策に注目し始めた!


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 ここのところ、フランスのメディアで再び、日本の感染症対策の利点に注目し始めました。

 一度目は、マスクの着用が有効か否かという極めて、基本的な感染症対策について、日本などのアジア諸国では、日常的にマスクを着用する習慣があるために、感染が広がりにくいということで、日本が取り上げられていました。

 普段、フランスではあまりニュースに上がることのない日本の話題、Japon・ジャポン・・という言葉が聞こえてくると、「ん???なになに??」と耳がダンボになるのです。

 今回は、マスクとは別次元の話で、日本が取っているスーパースプレッダーと言われる感染者の中でも、特に一人で数十人に対して感染を広げる人物を特定して、感染者の追跡と隔離を行っている流行の波の始まりを芽で潰す日本のスーパースプレッダー対策に注目しています。

 「日本は、これまでに一度もフランスのロックダウンのような大規模な外出制限はしていない。フランスと違って、個々の感染例の起源を突き止め、スーパースプレッダーを割り出している。日本の人口は、フランスの倍近いが、感染者数は、16分の1で、死者数に至っては、とても比較にならない。日本がこれほどまでに感染を抑えることが出来ているのは、日本がこのスーパースプレッダーを特定し、感染者の追跡を行っているからである。フランスも第3波を回避するためには、この方法が有効であろうことから、複数の専門家がこの追跡方法を検討し始めている。」と、フランスのメディアは報じています。

 夜のゴールデンタイムのニュースで堂々と日本が取り上げられているのは、嬉しいことです。

 夜のニュースを見ながら、「どうだ!日本は凄いだろ!」と、日本人として、なんとなく誇らしい気持ちになりながらも、「日本の感染がフランスよりずっと抑えられているのは、それだけじゃないんだ・・日本人の真面目さ、辛抱強さ、モラルの高さ、日常からの衛生観念など、たくさんのことの積み重ねなんだ! 日本人は一度使ったティッシュをもう一度使ったりはしないぞ! コロナがなくてもみんな手を洗うぞ!除菌してるぞ!」などと思っていました。

 しかしながら、国民の意識を急に変えさせることは無理だとしたら、スーパースプレッダーを追跡することは、フランスにも可能な、有効な手段なのかもしれません。

 ましてや、PCR検査を拡大して、検査を多く行ってはいても、感染者の隔離がほとんど出来ていないフランスでは、スーパースプレッダーを特定し、少なくとも、多くの人を感染させる人だけでも、厳重に隔離することできたら、効果が期待できるかもしれません。

 フランスにまだ、第3波が来ていない?のは、一先ず、ゆるゆるとはいえ、一応、ロックダウンの措置を取っているからであり、しかも、今はまだ、第2波の真っ只中、第2波のピークを超えられたかどうか・・という状況なだけであり、これから、ノエル、年末年始を控え、気温もさらに下降していく季節を迎えるフランスが、第2波が少し、おさまりかけてきたとはいえ、第3波を迎えるのは確実です。

 今からでも、日本のスーパースプレッダーを追跡する方法に注目し、フランスとしては、新しい試みを模索していることは、嬉しいニュースに違いありません。


<関連>「コロナウィルス対応 日本人の真面目さ、辛抱強さ、モラルの高さ、衛生観念はやっぱり凄いなと思う」

https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2020/04/blog-post_28.html