2019年8月21日水曜日

美しく歳を重ねる同じアパートのフランス人のマダム

 彼女は、私と同じアパートの住人で、今の住まいに引っ越して来て以来の付き合いなので、もう、ずいぶんと長い付き合いになります。  彼女とは、付き合いといっても、顔を合わせた時に少し、話をする程度です。  もう多分、60も過ぎていると思いますが、小柄な彼女は、出勤の際にも、いつも、きっちりとお化粧をして、髪の毛もキレイにセットして、香水の香りを漂わせながら、ニッコリと笑顔で挨拶をしてくれます。  そして、アパートのエントランスを出ると、振り返って、ベランダから手を見送るご主人に手を振りながら、華やかな笑顔で投げキスを送っていきます。  その姿は、ただただ、華やかで、見事としか言...

2019年8月20日火曜日

フランス人は、意外と長生き

 言わずと知れた平均寿命が世界一の長寿国である日本ですが、フランス人も意外と長生きなのです。  最近のデータによると、フランス人の平均寿命は、男女を合わせた平均だと、82.9歳で世界4位、女性だけだと、85.7歳と日本に次いで、世界第2位の長寿国なのです。  フランスは、日本ほど、健康のためには、これを食べるといいとか、食生活などでも日本ほど、健康を心がけているような感もないのに、不思議です。  日本は、少子化、高齢者社会と問題になっているので、ひたすらに、長寿が目立つ感がありますが、フランスには、少子化の問題はないとはいえ、高齢の親の介護の苦労話はよく聞きます。  私の周りでも、夫婦揃って90代後半のご両親の様子を定期的に見に行っているとか、高齢のお母様がどうやら一人暮らしが危険になってしまったために介護施設を姉妹で、必死に探しているとか、その施設もやたらと高額なのだとかという話を耳にします。  私が住んでいる地域は、富裕層の老人が多く、老人用の介護施設などもいくつかあり、街中でもお年寄りをよく見かけます。  老夫婦が寄り添って、買い物をしている姿などは、とても微笑ましいものです。  シニア層の人々の外出の多さも目を惹きます。 もしかしたら、健康寿命は、日本よりも長いのではと思ってしまうほどです。  でも、平均寿命の数値の男女差が物語っているように、カップルではない老人は、圧倒的に女性が多いことにも、あらためて気付かされます。  また、その女性たちの強いことと言ったら、ありません。 フランス人は、男性よりも女性の方が圧倒的に強い感があります。  それが寿命の差にも表れていると思うのです。  近所を通るバスなどに乗って、うっかり座っていようものなら、堂々と年配の女性がやってきて、”...

2019年8月19日月曜日

アフリカは、アフリカでいい

 私が住んでいたのは、西アフリカのコートジボアールという国で、アフリカのパリと言われるアビジャンという都市でした。  そこは、どうしてアフリカのパリと呼ばれるのか、アフリカ初心者の私には、到底、理解できない世界でした。まあ、中心部には、ビルが立ち並んでいたりして、ある程度は、都会的で、フランス領だったことからパリと形容されているのかもしれません。  私にとっては、初めてのアフリカは、ほんとうにカルチャーショックを通り越して、現実のアフリカの世界が3Dで飛び込んでくるような迫力でした。  住まいは、フランス人の集まっているレジデンスで、現地の人々の世界とは、隔絶された世界でした...

2019年8月18日日曜日

フランスのドクターストップの制度

 主人の実家の近くのドクターのところに彼が行くと、第一声が、” Tu veux arreter ? " (ドクターストップにする?)なのだそうです。    ドクターストップは、お医者さんに、ほぼ全ての権限があり、このお医者様は、極端ではありますが、気軽に書いてくれる先生とそうでない先生がいて、ずいぶんと差があるようです。  あまり、ドクターストップの安売りをしている医者には、チェックが入るそうなので、それを恐れて、なかなか、出してくれないお医者さんもいます。  私の元同僚であった友人がガンで闘病中だった時に、逆に、手術後、しばらくすると、ドクターストップを解かれてしまい、まだ、体調も万全ではないにも関わらず、仕事に復帰せざるを得なくなってしまったというようなケースもありました。  フランスでは、厚生省が定めた、いわゆるどドクターストップのシステムの基準が大きく分けて、二つのものがあります。  一つは、一般的な怪我や病気の場合などは、いわゆるアレットドトラバイユ といって、ドクターストップがかかり、その間のお休みは本人の休暇として換算されることはありません。また、その間のお給料は、半分くらい、日割りの計算で支給されます。 (ただし、ガンなどの特別な疾病に関しては、100%保証されます。)  これに対して、アクシダンドトラバイユというのは、仕事中、もしくは、通勤・退社途中に起きた場合の疾病・事故に限定するドクターストップです。  これについては、2名の証人のサインが必要になり、セキュリテソーシャル(フランスの健康保険機構)に24時間以内に提出が義務つけられています。  また、この場合は、仕事場で起こった疾病・事故ということで、お給料も100バーセント支給されます。  ですから、フランスに在住の方は、もし、職場で何かあったら、早急に証人を誰かに頼んで、手続きをすることをお勧めします。  私は、一度、仕事中に会社の階段を踏み外して、転んで、足を怪我して、一ヶ月強、アクシダンドトラバイユで、休んだことがありました。  転んですぐには、恥ずかしさもあって、”...

2019年8月17日土曜日

日本にいる親の介護問題

 海外で生活していて、両親が歳をとってくれば、年々、気にかかるのは、親の介護問題です。  母は、心臓の病気を抱えていましたが、最後のギリギリまで、家での生活を何とか続けていくことができていましたので、看病らしい看病をする間もなく、亡くなってしまい、介護の問題といっても、私が帰国した際に訪問介護の手続きをしたり、家の内装を整えたりといったことは、できましたが、そこまで深刻な状況にはなりませんでした。  私は長いこと海外暮らしでしたし、弟もちょうど、母が倒れる直前に海外赴任になり、側にいることは、できませんでした。  母が亡くなって以来、父は、一軒家に一人で暮らしていましたが、同じ敷地内に父の兄家族が住んでいましたので、父、本人も、まるで、ひとりぼっちという気分ではなかったようです。  ところが、晩年になって、父が次第に弱ってきた頃に、問題は、勃発したのです。  弟は、それでも、日本から比較的、近い国、しかも、日本企業での勤務でしたので、出張で日本に来る機会もあったりしたので、その際には、顔を出して、宅配の食事の手配などをしてくれたりしていました。  私も、仕事も家庭も放り出して、日本に帰ることは、できませんでした。  父は、子供の頃から住んでいる場所に並々ならぬ執着があり、再三再四、説得しても、介護施設に入ることは、受け入れてはくれませんでした。”...

2019年8月16日金曜日

イギリスの不思議、ヨーロッパの不思議

 私が初めて海外生活を送ったのは、イギリス、ロンドンでした。  初めての海外生活に不安と期待でドキドキ、ワクワクしながらも生の英語での生活に慣れるのに必死でした。  英語なら、なんとかなるだろうと、タカをくくっていた私は、実際に思うことが思うように言葉にならず、また、同じ英語でもアメリカの単語だとわからないふりをされたり、いちいち直されたりで、ウンザリもしました。  街で見る景色も人々も新鮮で、不思議なことは、たくさんありました。  人々が寒さに異様に強いことも不思議でしたし、雨が降ってきても、誰も傘をささないことも不思議でした。  信号が赤でも、みんな平気でどんどん渡っていくし、地下鉄のシートは汚く、駅の時計などは、まともに動いている方が珍しい感じでした。  地下鉄では、何かあるたびに、”...

2019年8月15日木曜日

私がフランスで、未だに小切手を使う理由

 さすがに、最近は、スーパーマーケットなどで、小切手で支払いをしている人を見かけることは、(これをやられると、ただでさえ時間がかかるレジで、身分証明書を確認したり、サインしたりする作業などが加わるので、一層時間がかかり、行列を招きます。) 減りましたが、私は、時々、いくつかの支払いに未だに小切手を使っています。  それは、以前に edf(フランス電力会社)の支払いの際、自動引き落としにしていて、二桁も間違えられて、引き落とされた際の苦い思い出や、支払いの際の、払った、払っていないという問題が生じた場合に、小切手で支払えば、小切手のナンバーで、支払ったことを通知しやすいからです。  あくまでも、全て、ミスが起こることを前提として、考えているからです。 出来るだけ、ミスが起こらないように、そして、起こった場合に対処しやすい方法を考えるようになるのです。  edf...