2024年7月14日日曜日

パリのスーパーマーケットで拡大し始めた日本みたいなお弁当

  


 日常の食料品の買い物は、大方、近所のスーパーマーケットで済ませてしまうことが多いのですが、私の場合は、一番近いというだけでカーフールに行くことが一番多いです。

 でも、食品によっては、これは、あそこのがいいとか、そんなものもバラバラとあるので、他のスーパーマーケットに行くこともあります。パリ市内だとおそらく一番ポピュラーなのは、MONOPRIX(モノプリ)なのですすが、このモノプリも場所によってはおいてある商品が違ったり、値段も違うので、あまり行かない地域に寄ったりしたときは、一応覗いてみると、意外な発見もあったりするので、こまめに覗いてみるようにしています。

 モノプリとは別に、先日、出かけた先に、新しめの Intermarche(インターマルシェ)ができていて、ちょっと入ってみたら、ほぼ、テイクアウトの食品が中心のお店で平たく言えば、日本のコンビニにもちょっと似た感じでビックリしました。

 その近辺には新しいオフィスビルもできていたりするため、そこで働く人々のランチ用のお客さんがターゲットなのかな?とも思いましたが、そのランチ用のテイクアウトのランチボックスの種類がけっこう豊富なうえに、そのランチボックスの中身が「えっ?ここパリだよね?」と思ってしまうほど、日本のお弁当に近い「ご飯とおかず」みたいなラインナップが多いことにビックリしたのです。

 日本食ブームで一番、先にパリ?に広まったのは、やっぱり「SUSHI」で、少々、日本のお寿司とは違うフレーバー?のものも多いのですが、今やどこのスーパーでもお寿司を置いていないお店はないくらいになりました。

 しかし、ここ最近、それがまた一段階ステップアップした感じで、まるで日本のお弁当?みたいなものを置いているスーパーが増え始めています。

 先日、出先でたまたま、モノプリを通りかかったら、まあ、見事なお弁当の勢ぞろいでさらにビックリしました。そのモノプリ(パリ中心部)は、地上階は、ほぼテイクアウトの食品になっていて、サンドイッチなどよりも、むしろ、お寿司、ポケボウル、トンカツ弁当のようなものや焼きそば弁当のようなもの、サラダ、パスタなどなどの方が多くて、でも、そこはフランスらしく、やっぱりヴィエノワズリーやデザート用のちょっと小さめなケーキなどなどがよりどりみどりな感じでちょっと興奮しました。

 むしろ、日常の食料品売り場は地下になっていて、場所柄というものもあるのでしょうが、このテイクアウトのランチボックスのスペースの拡大は目を見張るものがあります。

 ちょっと前、といっても、5~6年まえくらいでしょうか? フランスに「BENTO」ブームというものがやってきて、パリにもお弁当屋さんというものが増えたり、やたらと「BENTO BOX」とかいって、お弁当箱がやたらと売れるようになったり、ランチは、自分で家からランチボックスに入れて持ってくる・・という人も増えました。

 日本から上陸した「BENTO BOX」は、そのうち、カタチを変えて、フランス人使用のもっと大きなサイズ(フランス人が家で作ったパスタやサラダなどをざっくり入れてくるため大きなものが必用)で、それにフォークやナイフやスプーンがついているものが出回るようになりました。

 それが、ここに来て、スーパーで日本みたいなお弁当の進出・拡大にパリのランチ事情が変化している気がするのです。


パリのスーパーで買える日本みたいなお弁当


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2024年7月13日土曜日

6歳少女誘拐事件とフランスの誘拐警報システム



 セーヌ・マリティーム県(ノルマンディー地域圏)で6歳の少女が姿を消し、母親が警察に通報。事情を説明している、母親によれば、少女はおそらく彼女の元パートナーに誘拐されたであろうと証言していることから、警察はこれは恐らく母親の元パートナーによる誘拐事件である可能性が高いと判断し、捜査を開始、当日、午後6時からは、約100人の憲兵が動員され、機動憲兵や数名の犬隊も出動して捜索にあたっています。

 この警察・憲兵隊の捜索活動に加えて、内務省は、セーヌ・マリティーム川で誘拐された可能性のある6歳児に対し、「誘拐警報システム」が作動したと発表しました。

 警告状には、「セリア、06歳、ヨーロッパ型、ミディアムレングスのダークブラウンの髪、茶色の目、身長1.10メートルの黒いユニコーンドレスを着て、直前の2024年7月12日にサン・マルタン・ド・リフ(76190)の自宅から姿を消した。午後 6 時」と表示されています。

 この「誘拐警報システム」というものは、米国とカナダの AMBER 警報モデルに基づいて、2006 年 2 月にフランスで設立されたシステムで、未成年者の誘拐が判明した場合に、複数のチャンネルで警報をブロードキャストすることができます。

 これは、法務省と主要メディア、大手旅客輸送会社、高速道路会社、港湾、空港、被害者団体との間で締結された協定に基づくものになっています。

 このシステムは、捜査官との協議、控訴裁判所の検察官および法務省刑事・恩赦局からの情報を経て、検察官の決定によって発動されるというなかなかのハードルがあり、時間がかかりそうでもありますが、事件の性質上、緊急性が必須とされるために、通報から3時間以内という一応の規定があるようです。
 
 警報は、司法警察の中央指示、国家憲兵隊、または警察本部によって開始され、警察本部は警報メッセージをさまざまなメディアや公共スペースに送信することになるわけですが、母親の通報、警察・憲兵隊の捜査開始を午後6時とされているので、この情報が流れ始めたのが午後9時過ぎだったので、この規定の3時間以内という規定には、だいたい当てはまっているものだったように思います。

 また、この少女を連れ去ったと見られている母親の元パートナーは、「42歳、1.80メートル、非常にやせた体格、茶色の髪、青い目、ネイビーブルーのゴルフ登録番号7189 WM 76で移動中の男性」と示されています。

 詳細な真実はわかりませんが、彼女の母親によると、彼女はこの元パートナーに刺されて、家を飛び出して、彼から逃げたと説明しており、その後、憲兵隊が現場(彼女の自宅)に到着した時には、事件現場(刺傷事件の現場)にいたはずの6歳の娘が姿を消しており、彼女の元パートナーの男が少女を連れて立ち去ったとみられています。この男は少女の父親ではないということです。

 憲兵隊はセーヌ=マリティーム県内だけでなく、隣接する県にも大規模なネットワークを展開し、県外へのルートを遮断していますが、この3時間以内に彼がどこまで逃げたのか?は不明です。

 いずれにせよ、彼女の証言が真実であるならば、時々、耳にする元パートナーによるDVの狂暴化したケースではありますが、少々、訝しく感じるのは、そのような危険な男のもとに、6歳の娘を置き去りにするものだろうか?という点です。

 幸いにも、私はそのような目にあったことがないので、自分が刺される恐怖というものを体験したことがないので、当人にしかわからないのかもしれませんが、そのような危険な状況に娘を置いてきてしまう・・というのは、ちょっと理解できない気もするのです。

 いずれにせよ、この男が非常に危険な人物であることは、間違いなさそうで、「少女は潜在的に危険にさらされている」と説明しており、誘拐警報では、「子供を見つけたら、介入せず、すぐに 0 800 36 32 68 に電話するか、電子メールを送信してください。alert-enlevement@gendarmerie.interieur.gouv.fr」と呼びかけています。

 夏休みが始まったばかりのこの時期に、こんな危険な目に遭ってしまっている少女がどうか無事で見つかってくれることを祈るばかりです。


フランスの誘拐警報システム


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2024年7月12日金曜日

未だ逃走中のインターポールの赤通知も出ている凶悪犯の目撃情報募集

  



 どんな凶悪事件も時間の経過とともに風化してしまうものではありますが、この事件がたった2ヶ月前だったことに、もはや逆に驚いているくらいでもあります。個人的にはもっと昔のことのような気もするのです。

 ノルマンディーにあるルーアンの南にある高速道路のアンカービル料金所で護送車が襲撃され、刑務官2人死亡、3人重症者を出し、そのまま逃走した囚人モハメド・アムラはフランス国内の手配に留まらず、インターポールの赤通知のトップにのせられるほどの大きな指名手配者となりました。

 世間的に騒いでいたのは、このインターポールの赤通知が出た段階頃のことで、今回の目撃情報を募るという報道が再浮上した段階で、「えっ?まだ捕まっていなかったの?」と思ったくらいでしたが、実際に、未だ逮捕されてはいないようです。

 法務相をはじめとして、事件後比較的すぐの段階では、「捜査は順調に進んでいる」とのことだったのですが、その後に出てきた情報は、彼らは護送車からの逃走に少なくとも2回、車を乗り換えており、その2回の移動段階に使用された車は、その後、放火されており、その後の足取りはつかめていません(少なくとも公表されてはいない)。

 残念ながら、彼らの足取りや手口が少しずつ解明されていく中で、この逃走劇は極めて綿密に計画されていたもので、また、この逃走したモハメド・アムラが司法側が認知していた以上にいわゆる麻薬密売などの組織の中で大きな存在であり、巨大なチカラを持っている人物であったことがわかっています。

 警察側は、2ヶ月経った今、彼らが逃走に使用した車種を公表し、目撃情報を募っています。彼らが逃走に使用し、その後、放火され焼失した車は、黒のプジョー 5008 登録 EY-134-FY、白の AUDI S5 登録 CZ-328-HK と、 BMWブラックシリーズ4登録ED-398-RHであり、これが放火されたのは、ウエットヴィル (am11:20頃)、続いてゴーヴィル・ラ・カンパーニュ(am 11:50頃)であり、これらの車やこの車の周辺にいた人物の目撃情報を募り始めました。

 事件発生後、2ヶ月以上が経過した現在、彼らが逃走中である事実から、彼らはもう国外に逃亡していることも充分に考えられるためにインターポールへの要請まで出ているのですが、もちろん、主な目撃情報があれば、もうとっくに寄せられているであろうけれども、具体的な車種を公表するのが2ヶ月後というのもどうにも遅すぎます。

 事件の痕跡と記憶は時間の経過とともに消えていくなか、なにを今頃言っているのか?と思ってしまいます。

 そもそも、公に明らかになっているのは、モハメド・アムラ氏の独房には、何台もの携帯電話があり、外の世界とのアクセスを自由に行っており、彼は刑務所にいながら、麻薬密売を管理し、誘拐を組織し、刑務所からの武器購入の交渉を行っっていたということで、彼は、大変な危険人物であったにもかかわらず、司法側・刑務所管理者はまったく、この事実を把握していなかったという事実にも全く情けないとしかいいようがありません(警察が)。

 彼は麻薬密売組織の元締めのような存在でもあり、それに付随して武器・銃器の売買も自由に行い、最終的には、刑務所からの逃走を手配し、殺人を指示することもできる大悪党だったわけです。

 フランスでは、日本のように簡単な窃盗などで刑務所に収監されるということはなく、刑務所に入る時点でかなりの凶悪犯罪を起こしていることには、間違いないのですが、刑務所は刑務所で、その犯罪者にも慣れ過ぎていて、ずいぶん扱いが雑なうえに、囚人でさえも、すぐに人権問題などになるために、どこまで、適切に囚人が管理されているのかを疑問に感じるところでもあります。

 また、これだけ彼の凶悪ぶり、地下組織で大きな力を持つ存在であることが、公になってから、目撃情報を募っても、例えば、目撃情報を通告するのにも、彼らの組織の報復を恐れてしまうということもあり得てしまうのではないか?と思わずにはいられません。

 結果的に、彼が逮捕されるかどうかは、わかりませんが、彼の逮捕から逃走までの状況を見る限り、一貫して、彼らの方が警察よりも、ずっと上手(うわて)であった気がしてなりません。


モハメド・アムラ囚人逃走劇 目撃情報募集


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2024年7月11日木曜日

沈黙を破ったマクロン大統領が国民に向けて発表した手紙が波紋を呼ぶ

  


 選挙終了後、マクロン大統領の対応については、エリゼ宮を通して「国の安定をはかるため、現首相のガブリエル・アタル氏の辞表は受け取らず、当面の間、留任を依頼したこと」が伝えられていました。

 しかし、とりあえずは、次期首相が任命されるまで留任とはいうものの、事実上、空席のようなものでもあります。大きなイベントを前に混乱を避けたいのはわかりますが、あるべきものがないままの不安定な情勢は、それがおさまるまでは、「一体、どうなるんだろうか?」という議論が延々と続くことになります。

 そんな中、現在、北大西洋条約機構(NATO)首脳会議出席のためにワシントンに滞在中のマクロン大統領は、フランスブルー及び、いくつかの地方紙を通じて、フランス国民に対しての書簡を発表し、それがまた大きな波紋を呼んでいます。

 マクロン大統領の手紙の内容は、第一に「どの政党も過半数に達していないため、誰も勝っていない」ということと、そのために、今後、「強固な多数派を構築するための対話が必用である」と国民に向けて訴えかけ、それが構築され、首相を任命するまでには、今しばらく時間が必用である」というような内容です。

 この中には、可能な限り最大の制度的安定を保証しなければならないため、また、国の主要な原則、明確で共有された共和主義的価値観、実用的で読みやすいプロジェクトを中心に構築され、選挙時に表明した懸念を考慮に入れなければならない・・と説明も加えて、薄めて?ありますが、一番、国民がこの手紙に反応しているのは、「マクロン大統領は、選挙の結果を受け入れていない」ということです。

 過半数には達していないとはいえ、一番、議席を獲得したのは、左派連合が勝ったのです。

 「フランス人が投票で選んだこと、つまり共和党戦線、政治勢力は自らの行動を通じてそれを現実にしなければならない」とも書いているのですが、どうにもすんなりと納得いかない内容でもあります。

 そもそも、誰も頼んでいなかった選挙を強行したのは、彼自身。その結果がたとえ、多数派が存在しないものであったとしても、優劣はついているのですから、どの政党も少数派であり、勝者ではないと彼が言ったとしても、この期に及んで、その話し合いを少数派の政党同士の話し合いに妥協案の構築を投げるのは、無責任だ!という声が上がっているのです。  

 もともと、二期目以降のマクロン大統領政権は、彼の政党が過半数を超えていなくなったことから、ぐらつきはじめ、年金改革などの際にも国民議会をすっ飛ばしての憲法49条3項を使用しての強行突破で、国内は大混乱しました。

 すでに国民議会に多数派がなくなったことは、今に始まった話ではありません。

 いつもは饒舌に国民に訴えかけることを厭わないマクロン大統領からしたら、このような重大な案件に対して、書簡で発表というのは異例のことです。たとえ、海外にいるとしても、同行している彼の陣営や記者たちも少なくないはず、映像で、彼自身の言葉で訴えかけることも、いくらでも可能なところがそれをせずに書簡で発表というのも姑息な感じがしてしまいます。

 なかには、この政党同士の話し合いを投げておいて、それに彼らが失敗するシナリオを国民に見せつけようとしているのでは?などと邪推する人もいます。

 X上などでは、「マクロン大統領は専制君主に変貌しつつある」とか、「気まぐれ!、権力の強奪、不機嫌…この国に住む国民のことなどまったく考慮していない!」とか、「オリンピック期間中にストライキを実施すれば、マクロン氏が動き、選挙後の権力維持のための悪ふざけを止めることができると思いますか?」など、彼を非難するポストが散見されています。

 しかし、彼自身、この国では彼への反感が本当に高まれば、X上の非難だけでは済まないことを身をもってよく知っているはずです。

 問題を先送りにしてよいはずはないのです。

 また、この手紙、問題を各政党に投げて置いて、「冷静かつ全員を尊重してこれらの妥協案を構築するために、政治勢力に少し時間を与える」と、あくまでも上から目線で時間がかかっていることを責任転嫁しているようなところも、国民のカンにさわる気もします。


マクロン大統領 国民への呼びかけの手紙


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2024年7月10日水曜日

パリはオリンピック会場設営のために突貫工事中

  


 選挙騒ぎのどさくさに紛れて、パリがオリンピックに向けて少しずつ封鎖が始まっていることをすっかり忘れていました。

 先日、お天気もよかったし、帰りはチュイルリー公園を突っ切って歩いて帰ろうと思ったら、もうチュイルリーやコンコルドの駅などは、すでに閉鎖になっていて、オランジュリー美術館の入口が違う場所になっていて、仮設の陸橋のようなものができていたり、近辺の道が封鎖されていたりして、ふだんはあんまり通らない道を通るハメになりました。




 コンコルド広場には、オリンピックのBMX フリースタイル、ブレイキング、スケートボード、3×3 バスケットボールなどの競技場ができると聞いていたのですが、今、まさに突貫工事中でそのスタジアムを作っています。

 最近、コンコルド広場は、ラグビーのワールドカップの際などもラグビーヴィラージュができたり、仮設の会場に使われることが多いのですが、今回は、さすがオリンピックだけあってか、以前のものにも増して、さらに大規模なもので、想像以上に大きなドーム状?の観客席を少なくとも2つは建設中で、ふだん、何もないときは、あまり感じないのですが、コンコルド広場って、こんなに広かった?と驚いてしまいました。



 そして、グランパレ側には、オリンピックのオフィシャルグッズショップができており、これはすでにオープンしています。これまでパリ市内にパラパラとあったオリンピックオフィシャルグッズショップよりもずっと大きいので、品揃えも多く、まだまだオリンピックはこれからというのに、結構、お客さんで賑わっていました。

 すでに夏休みに入っているからか?学生アルバイトみたいな店員さんも多く、えらく明るく、感じのよい店員さんが多い気がしました。




 しかし、特にこれは!と思うようなものも見当たらないわりには、値段がけっこう高いのには驚きましたが、これまた、よく売れています。以前、パリ市内に一店舗目のオフィシャルグッズショップができた頃に見に行きましたが、あの時よりも値上げしている感じがします。VISAの公式?ショップとなっているため、カードはVISAカードしか使えません。




 遠回りさせられたりするため、いつもはメトロやバスに乗ってしまうところを歩くことになったのですが、あらためて、このあたりは、パリの美しさを実感できる場所で、遠くにエッフェル塔が拝め、シャンゼリゼの遠くには、凱旋門が見えて、緑の街路樹が広がり、少し行くとセーヌ川がすぐそこで、グランパレ、オルセー美術館、ルーブル美術館とパリの宝箱がすぐそこに点在するベストスポットといってもいいくらいです。



 まあ、そんなパリをアピールできる場所であるからこそ、この場所にオリンピック会場のいくつかを設置することにしたのでしょうが、まさにそんな目的にハマってしまいそうです。

 しかし、この建設中のハコに人が満杯に入った場合、どのような事態になるのかは、ちょっと今の段階では想像もつかない感じです。

 今はまだ、そんなに人も多くないので、ゆっくりとそんなことを考えながら、パリの街を歩くのは、楽しいものです。

 選挙はなんとか切り抜けたものの、その後の組閣が一向に決まって行かないため、テレビ等の報道は、まったくオリンピックの話題にはならずに依然として政治の話題ばかりですが、パリの街は淡々と突貫工事が進んでいます。

 ふつう、パリの工事に工期というものはないのか?と思うくらい工事はいつ終わるのかわからないのがふつうですが、今回ばかりはオリンピックという期限があり、それに間に合わなければ、世界中に恥をさらすことになるため、かなり、キッチリと工事が進んでいます。

 やればできるじゃん!という気もしますが、これはきっと、特例です。


パリオリンピックのための突貫工事


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2024年7月9日火曜日

一難去ってまた一難のフランス・・首相任命

 


 大波乱の国民議会選挙が終わり、大方の予想を覆して左派連合が勝利をおさめ、ガブリエル・アタル氏が首相を辞任、辞表を提出すると宣言して、翌日。勝利をおさめた左派連合の中から首相が任命されるかと思いきや、マクロン大統領は、依然として沈黙を続け、エリゼ宮は、マクロン大統領は、国の安定をはかるため、アタル氏の辞表を受け取らず、当面は首相を留任するように依頼したことを伝えています。

 考えてみれば、左派連合が勝利して第一党になったとはいえ、この党が過半数を占めているわけでもなく、大きく言えば、左派、右派、マクロン派(中間)に分断しているわけで、この国民議会を束ねていくのは、容易なことではないため、新首相の任命は、慎重を期す必要があります。

 基本的には、首相は、大統領の権限で任命できることになっているので、彼の采配で決定することができるとはいえ、この分断した国会の承認を得なければならないわけで、これがまた、下手を打つとまた大騒動になりかねないのは、必須で、この異なる政党の均衡をとりながら、国を動かしていくのは生易しいことではありません。

 欧州議会選挙の結果に対しては、驚くほど早い段階で、国民議会の解散・選挙を決定してしまったマクロン大統領も、今回は慎重に事を進める覚悟でいるようです。

 とはいえ、異例の若さで首相に就任したガブリエル・アタル氏も当初は、マクロン学校のミルク(哺乳瓶)で育った・・などと揶揄されるほど、マクロン大統領にビッタリだったにもかかわらず、わずか半年でマクロン大統領との間には距離が生まれているとも言われ、要は、彼の人気を利用して、新体制を整えたに見えたマクロン大統領はマクロン自身の不人気をカバーするには至らず、結果的にアタル氏の立場は微妙なものになってしまいました。

 フランスは、今週末にはパリ祭(革命記念日)、そしてオリンピックという一大イベントが控えているため、ここで、大暴動が起こりかねないようなことは避けようとしているという見方もあります。

 首相任命に法的な期限はありませんが、次回の国会開催は7月18日の予定になっているため、その前までには、新首相が任命されることが予想されています。

 いずれにしても、どの政党も過半数には達していないために、今後、どのような議決に対しても、すんなりとはいかないことが予想され、それを統治していく首相、そして大統領にとっては、茨の道となることが予想され、すでに一応勝利をおさめた左派連合にしても大統領陣営にしても、さらに連立を企てようとしているものの、どこがどこと連立するのか?また、すでに連立で成り立っている左派連合の中においても、常にバランスが問われる問題でもあります。

 これまでのマクロン政権では、様々な改革が行われ、強引などころがあったとはいえ、一応、議決、あるいは議決せずに決定してきたことなどもあり、黄色いベスト運動や年金問題などなど、大暴動のタネになることもいくつも起こりました。

 しかし、マクロン大統領自身が暴動など意に介さずに恐れず突き進む・・歴史に残るような問題をいくつも提供しようとしているとしか思えないようなところもありましたが、今後は、現時点では大統領陣営は第一党ではなくなったために、これまでのようにはいきません。

 とはいえ、マクロン大統領の支持者たちは、この分断された国会の中、右派あるいは左派の最も穏健派との連立を訴え続けていると言われていますが、現段階では、交渉が思うように進んではおらず、いわば「埃をしずめてはっきりと情勢を見えるようにしている」状態であると言われています。

 マクロン大統領と閣僚、国会の間の均衡をとりつつ国を統治していける人物とはどんな人物なのか? 一時は隆盛とみられた右派がほんの少し停滞したことで、なんとなくホッとしているものの、今後も目が離せない時が続きそうです。


フランス首相任命


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2024年7月8日月曜日

フランス国民議会選挙 予想外の結果と投票率の高さ

  


 よもや極右政党が政権を握りかねない事態に今回のフランスの国民議会選挙は、本当に心配していました。選挙権のない身としては、如何ともしがたく、「自分でなんとかできないことに心を煩わしても仕方がないと、もうなるようにしかならない・・」とまな板の上の鯉の気持ちでした。

 第一回の投票では極右政党が有利な位置を占めており、充分に第二回の投票までぶっちぎりとなる可能性はありました。

 第一回の結果を受けて、左派政党と環境保護主義政党などが連合政党を組み、各政党は、票割れを防ぐために候補者の一部を撤退させる等の対策をとっていましたが、結果、新人民戦線(NFP)が最多数の議席を獲得するという大逆転というまさかの結果になりました。

 大手各紙もこぞって、「誰も予想していなかった大逆転!」と驚きを隠せない書き方をしています。たしかに、結果的には、極右政党は、過半数どころか1位でも2位でもなく、3位という結果になりました。

 私自身も、個人的には、この結果を予想していなかったので、言い方は悪いですが、作戦が功を奏したとはいえ、この連合政党の勝利は「漁夫の利」っぽい感じがしないでもありません。

 マクロン大統領は、この選挙にあたって、「フランス人が賢明な選択をすることを信じている」と、あくまで強気の声明を発表していましたが、さすがに民主主義の国と言われるフランスが極右に向けてまっしぐらに進むことはありませんでした。しかし、反マクロンの国民の感情が消失したわけではないことを彼はどの程度受け入れているのでしょうか?

 今回の極右政党は、SNS(特にTikTok)などを巧に使って、若い党首を前面に押し出し、ソフト路線イメージに移行しようとしていたのですが、それはあくまで広告的なイメージ戦略で、根本的なポリシーは、変わっていないのです。

 そのソフトイメージが盛り上がりを見せていたところに、マクロン大統領には、ガマンならない!という気持ちが拍車をかけた結果が当初の欧州議会選挙の結果に繋がったものと思われますが、そこで留まっておけばよかったものを国民議会解散・選挙などという暴挙に出たのですから、「またマクロン大統領!思いあがって、なにをやりだすのか!」という国民の気持ちが第一回の選挙結果に表れていたのかもしれません。

 フランスの国民議会の選挙は2回にわけて行われますが、多分に第一回の結果とは違った結果が第二回には表れると言われており、今回、多くの人が予想外だった!と語っている結果も、第一回の結果からはかけ離れたものです。

 しかし、後になって考えてみれば、「マクロン大統領は嫌だ!でも極右に偏るのも嫌だ!」となれば、左派連合に流れることは充分にあり得ることであったのではないかとも思われます。この投票を2回行うというやり方は、一回、投票してみて、その結果を踏まえて、あらためて熟慮して結果を出すという意味では、とてもよい方法なのではないか?と、今回、あらためて、思いました。

 時として、その時の流れに踊らされてしまう感情から、有権者側も次の投票までの間、多くの政党の討論会などを見ながら、本当のところを見つめて、本当に自分たちは何を求めているのか?候補者たちの本音を注意深く見極めていくのには、一度、立ち止まって、もう一度ゆっくりと考える・・そんな機会があるのはとても大切なことだと思うのです。

 なんなら東京都知事選挙ももう1回やってくれたら、違う結果が出るかもしれません。

 そして、もう一つ驚くべきことは、投票率の高さで、今回の第二回選挙は、学校も夏休みに入り、7月バカンス組の多くはバカンスに出てしまっているタイミングにもかかわらず、投票率は、おそらく67%を超えるであろうという投票率の高さです。ということは、多くの人がバカンス前に不在投票をして出かけたということだと思われます。

 フランス人は黙ってガマンするということはしない国民ですが、最低限、大多数の人々は、投票の義務は果たしているということは、さすがだな・・と思うのです。投票に行かないことは、恥ずかしいことだという感じです。

 この結果を受けて、ガブリエル・アタル首相(35歳)は翌日、大統領に辞表を提出することを発表しています。

 とりあえず、極右が政権を握らなかったことに移民の一人としては、ホッとしています。

 選挙の結果如何では、また大変な暴動でも起こりかねないと思っていましたが、少なくとも、その日の夜は喜びに沸きあがっていました。

🇫🇷 FLASH - Des milliers de personnes célèbrent la victoire du Nouveau Front Populaire à Paris. (via @LucAuffret) #legislatives2024 pic.twitter.com/jDFMHNtsLw

— Mediavenir (@Mediavenir) July 7, 2024 >

 


フランス国民議会選挙 


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