2024年2月21日水曜日

フランスの公立校の制服導入は、難航の兆し

   フランスの公立校(小・中・高校)で制服を導入するため、まずは、2024年度の新学期から試験的導入を開始すると発表され、思っていたよりも、この制服導入について、早く動き出そうとしていることに驚いていました。 なぜならば、これまで四半世紀以上もフランスで生活してきて、およそフランスの学校には、制服のイメージが結びつかないものだったからです。 それが、2年くらい前に、なぜかブリジット・マクロン(マクロン大統領夫人)が「フランスの学校にも制服があったらいい・・私の学生時代には・・」なんていうことを語ったというようなことが、話題にのぼり、「おいおい・・失礼ですけど、いつの話ですか?」なんていうことを思ったのですが、まさか、そんな話が本格的に制服導入という方向に進んでいくとは、その時には、微塵も思っていませんでした。 このブリジット・マクロンの政府内の影の力というか、発言の威力、影響力というのも見過ごせない気もしています。 フランスの学生は、学校にもよるのでしょうが、概して、みんなラフで自由な服装で、かといって、そんなに奇抜だったり、派手だったりすることもなく、また、学校自体も日本のような始業式とか終業式はもちろんのこと、入学式とか卒業式もなく、いつのまにか、始まって、いつのまにか終わっているという味気ないというか、よく言えばさっぱりしています。 そんな中、制服導入の話が昨年あたりから、急激に具体的に進みだし、政府は、まずテストケースとして、100校を集めるとし、このうち87校がこのテストケースに参加することになっていると発表しましたが、内情は、このテストケースでさえも、集めるのに苦労しているようで、このテストケース参加募集の期限が2月15日だったものを結局のところ6月末まで期間を延長しています。 つまり、期限内に試験的でさえ制服を導入してみるという学校が100校も集まらなかったということなのです。 そもそも、これが実験段階とはいえ、「理事会と学校評議会の同意、そしてもちろん地方自治体の同意が必要で、それらのハードルを越えられない学校が多い=つまり、反対意見が多いということなのです。 だいたい、この制服導入には、「格差社会の差別を抑制し、帰属意識を高めることを目的」としていますが、「制服で差別が解消されるわけではない」ということをみんながわかっているわけで、それ以上に自由な服装を縛られることを嫌っている・・「そんなことで差別が解消されると思うなよ!」というような気持ちが表れているような気がします。 現在、進められようとして提案されている制服は、制服といっても、いわゆる日本にある制服ではなく、ポロシャツ、セーター、ズボンといったごくごくシンプルなもので、よく言えば活動的ではあるのですが、あまり、若い子たちが着てみたいと思いそうなものではありません。 そもそも、みんなが同じでなくてよい、違った個性を認め合うところが、フランスの良さのような気が私はしているのですが、そこそこの国費を投じて制服?というのが、そこにお金使うの?という気もします。 そして、個人的には、この制服導入に際して、学校側の仕事が増えることも、学校側が受け入れない理由の一つではないか?とも思っています。とにかく、フランスの公立校の教師は、少しでも余計な仕事が増えることを拒否する傾向があり、新年度が始まる前にそれぞれの生徒が買い集めなければならない文房具やノートやファイルなどのリストが配られて、それぞれが用意するのですが、こんなにまとまった量であれば、学校側が注文して揃えて、後からお金を徴収すればいいのにと思うのですが、そんなことですら、学校側はやらない・・余計な仕事を増やしたくないのです。 フランス人お得意の「それは私の仕事ではない」というやつです。 制服が導入されれば、それぞれの生徒のサイズに合わせて、注文をとり、服が小さくなったとか、破れたとかいうたびに、学校側が対応しなければなりません。 それを「格差による差別の抑圧」など、もっともらしいことを言われても、私たちの仕事には、制服の管理などという仕事は入っていない・・と、さも言い出しそうなことのような気がします。 まあ、とりあえず、やってみるのは、よいかもしれませんが、このテストケースにさえも学校が集まらないというのは、そこのところは置いておいて、集まった学校での結果をもとに、強行的に制服が導入されるのか? 一部では、国歌を歌うことを推奨するとか、入学式とか卒業式を取り入れようとか、どちらかというと、引き締めにかかっているような感じのするフランスの学校教育。 とりあえず、何かを変えるということには、大変な国民の圧力が存在するフランスで、政府が思っていたようには制服は簡単には受け入れられそうもない感じです。フランス公立校の制服導入<関連記事>「フランスの学校での制服 2024年春から試験的に開始」「物議を醸すフランスの公立校でのアバヤ着用禁止...

2024年2月20日火曜日

ストライキラッシュ 今度はエッフェル塔がストライキ

   ストライキは、フランスのお家芸のようなものとはいえ、ここ最近のあちこちでのストライキには、「どうなっちゃってるの?」と思わずにはいられません。 まあストライキがあることが通常運転のようなところはあるものの、年明けからのRATP(パリ交通公団)、SNCF(フランス国鉄)、学校、農民たちの抗議運動などなど、大げさながら、もう黙っているのは損とばかりにストライキのお知らせが後を絶たないのは、ちょっといつにないストライキラッシュのように感じています。 子供の冬休みのバカンス期間をめがけてSNCFが行った大規模なストライキのために、少なくとも15万人に被害が及んだという騒ぎのあと、ようやくまともにTGVが動き出すらしいという話を聞いたと思ったら、今度はエッフェル塔がストライキ。 まあ、エッフェル塔に関しては、一般市民というか、住民の日常生活に影響はあまりないものの、やはり、依然として子供の冬休みのバカンス期間中なことに代わりはなく、国内の観光客もいるわけです。 なんだかこのストライキが目白押しの中、なんだか、エッフェル塔はパリ(フランス)の象徴的存在なだけに、そのストライキもシンボリックな気がしてなりません。 観光客の数もパンデミック前の状態に戻るどころか、それを越す勢いだったはずなのに、エッフェル塔がなぜ?ストライキをしなければならない状況に陥っているかは、その運営に何やら、問題がありそうです。 エッフェル塔の職員CGT(労働組合)は、このストライキを「記念碑の維持管理上の問題と、市会計が認めていないにもかかわらず自治体が徴収する手数料の増額」、「エレベーターの近代化、通常、定期的に行われるはずの修繕工事や塗装工事ができていない」、「30年以上も放置されている床やエレベーターの改修は、絶対的に不可欠なことであることにもかかわらず、...

2024年2月19日月曜日

ミスターフランス2024 今のフランスのイケメンはこういう感じ

   ミスフランスに比べると、注目度は低いものの、ミスターフランスというコンテスト?は、1993年から行われています。 ミスフランスとは、独立したものであるとしつつも、このコンテストの審査委員長は、元ミス・フランス大会の看板人物であったジュヌヴィエーヴ・ド・フォントネー(帽子を被った女性といえば、彼女の姿が思い浮かぶ人も多いだろうと思われる)の息子、ザビエル・ド・フォントネーが務めているので、あまり説得力がない説明でもあります。 今回、ミスターフランス2024に選ばれた男性は、ミスター・ローヌ・アルプのシャルル・スタンパー氏が優勝しました。 国際ビジネスの修士号を取得したばかりの青年は23歳で、身長1.79メートル、体重74キロで、現在は、自動車メーカーの営業担当として働いています。 仕事以外の時間には、フィットネスジムに通い、スキーもたしなむスポーツマンとのことで、スポーツに取り組むことにより、学生時代に受けたいじめ被害から抜け出したことを告白しています。 また、彼は動物愛好家でもあり、ボランティア活動にも参加しており、この「ミスターフランス」のタイトルを動物愛護家としての活動にも利用したいと述べています。👑...

2024年2月18日日曜日

想像以上だったSNCF(フランス国鉄)のストライキに対する国民の怒り

   日頃から、普段は感情を激しやすいフランス人がストライキに関しては、比較的寛容だという印象が私にはありました。 ストライキやデモなどは、本当にいつもどこかがやっているイメージですが、日本で生まれ育った私にとっては、フランスに来たばかりの頃などは、ちょっと信じがたい気持ちで、怒りまくっていて、「まったく、信じられない国だな・・」と呆れていました。 しかし、そのたびに怒り狂ってばかりもいられず、怒るのにもエネルギーがいるため、このストライキをどうしたら、回避できるのか?を工夫するようになりました。 一番困ったのは、娘の学校のストライキで、そのたびに預かってもらえる場所を探し回らなくても済むように、ストライキのない私立の学校に入れ、私だけでなく、娘自身も安定した(というかストライキをやらないというふつうのことなのですが・・)学習環境が保てたことは、本当によかったと思っています。 バカンス時の長距離移動に関しては、時間短縮の意味もあって、たいてい飛行機で移動することが多かったので、これまでSNCF(フランス国鉄)のストライキの被害にあったことはありません。 それでも、バカンス時に定期的に行っていたのは、日本ですが、やはり一番、ストライキの被害に遭う確率が高いのはエアフランスで、ストライキのために勝手に帰国便を直行便から経由便に変更されたり、また、空港に着いたら、交通機関全て(電車もバスもタクシーもない)がストライキで身動きがとれなくて、途方に暮れ、いつもお願いしている運転手さんに慌てて電話して、会社の車が出払ってしまっているなか、奥さんの車で迎えに来てくれた・・なんてこともありました。 というわけで、それ以来、飛行機を予約する際は、私は、できるだけエアフランスは避けるようにしています。 今回のSNCFのストライキでは15万人に被害が及んだということで、多くの人は、長距離、長時間がかかる長距離バスサービスに流れたようです。 なかでも、今回はパリ⇔ボルドー間に最も影響が及んだということで、予定されていた便の3分の2がキャンセルになったとのこと、一時、娘がボルドーにいたこともあり、娘は、このパリ⇔ボルドー間のTGVを頻繁に利用していたこともあり、他人事とは思えない気持ちでした。 しかも、乗客が怒っているのは、そのキャンセル手続きが厄介なこと(自動的に返金されない)や、それでもまだ、返金されるのは、良い方で、返金されるのは一部だけだったり、次回の購入時の割引券で済まされたり、あるいは、まったく返ってこない・・なんていうのもあるらしく、そりゃあ、怒るのも当然のことです。 この次回購入時の・・という返金の仕方は、パンデミックの際にキャンセルになったパリ⇔ロンドン間のユーロスターでやられたことがあり(娘がこの時期、ロンドンに留学予定だったのが、出入国禁止になったためにキャンセルになった)、その時は、次回のチケット購入時のクーポンという形での返金?でしたが、いつ次に行く機会ができるかもわからないのに、そのクーポンは使用期限付きで、「これじゃ、返金しませんってことじゃない!」と大いに憤慨した記憶があります。 楽しいはずのバカンスが楽しいどころか、その往復のすったもんだだけで疲れ果ててしまうのですから、もうSNCFはできるだけ使わないようにしよう!と思うのは、当然のことです。 政府は、環境問題を考慮して、移動はできるだけ飛行機や車は使わず、電車に切り替えよう!などと言っているけれど、その電車でこんな思いをさせられるのは、ゴメンだ!と思うのは、当然です。 フランスは、ストライキやデモをする権利というものをとても尊重していますが、これはちょっとどうにかしてもらわないと困ります。 子供が小さい頃は、子供の学校のバカンスにあわせて、バカンスに行かざるを得ず、当然、その期間は、ハイシーズンになるため、移動のためのチケットも、宿泊施設も高くなり、おまけにストライキに遭遇する確率も高いわけで、その全てのリスク?デメリットを受け入れざるを得なかったのですが、今は子供の学校のバカンス期間は避けるようにしています。ストライキ<関連記事>「SNCF(フランス国鉄)大規模ストライキ 50%のTGVがキャンセル」「RATP(パリ交通公団)2月5日から...

2024年2月17日土曜日

人の味覚はそれぞれなので、自分の好みに合うものを見つけるのは簡単ではない

  私が日本に行く時は、半分くらい(もしかしたら、それ以上かもしれない)は、食べることが目的なので、当然、もの凄い勢いで食べまくるのですが、前回の一時帰国の際は、我ながら、これまで以上の興奮ぶりで、もう満腹中枢が壊れたかと思うくらい、食べまくりました。 日頃から、YouTubeやInstagramなどで、「これ最高!」などと紹介されているものをチェックしていて、「日本に行ったら食べたいものリスト」に書き足しています。 日本に到着するやいなや、日本の場合は、すでに慣れ親しんでいるお店やすでに知っているもので、どうしても食べたいものが、すでにたくさんある中、その新しく食べてみたいものリストから漏れずに食べて帰ろうとするために、色々と買い物に走ったり、お店に食べに行ったりします。 今回、多分、何かのYouTubeで、「成城石井の焼売がすごく美味しい!」と言っているのを見て、娘に話したら、「成城石井なら、会社の入っているビルに入ってるから買ってきてあげるよ!」と言ってくれたので、ものすごく期待して食べると、「うん、美味しいけど、べつに・・」という感じで、ちょっとがっかりしたという話を隣に住んでいる従姉妹に話したら、「うん、成城石井の焼売は特別感はない、焼売だったら、小洞天のが美味しいよ!」と買ってきてくれました。なるほど、さすがに、長い付き合いだけあって、好みが一緒で、この焼売には大感激でした。 すると、今度は、肉まんの話になり、肉まんなら「維新號」の肉まんが美味しい!という情報を得て、「維新號」の肉まんを探して歩くことになり、それまでの間に会った友人や叔母たちに聞いても、たしかに「肉まんなら維新號!」と口を揃えて言うので、何が何でもそのみんなが絶賛する肉まんを食べたくなり、さんざん探してようやく渋谷でゲット。 大変、満足でした。 フランスに戻って、しばらくは、日本から持ち帰ったもので満足して、フランスの食品が色褪せて見えていたのですが、結局、ないものねだりをしても仕方ないので、また、フランスでも、美味しいものを探して歩くことを再開しています。 しかし、フランスでは、日本ほどは、感激できるドンピシャのものを見つけるのは簡単ではなく、X(旧Twitter)やYouTube、Instagramなどで紹介されているお店に食べに行ってみたり、持ち帰れるものは買ってきたりしているのですが、どうにもハズレが多く、あんなに絶賛している感じだったのに、全然、大したことなかった・・とガッカリすることもしばしばです。 そんなお店に行ってみると、フランス人のユーチューバーらしき人々が撮影している場面に遭遇したりすることもあるのですが、「まあ、悪くはないけど、フランス人の好みなのかな?」、まあ、人の味覚はそれぞれなので、必ずしも私の口には合わず、「まあ、美味しいけど、また来るか?って言ったら、そうでもないかな・・」というところが多く、やっぱり自分の好みのものは、自分で探さなければ・・とそのたびに思うのです。 特にフランス人のインスタなどだと、ノリも良くて、ついついその気になってしまうのですが、なかなかハズレも少なくありません。 彼らがウソをついているわけではなく、単に好みが合わないだけの話、私も時々、ブログでパリにある私が美味しいと思ったお店や食べ物を紹介していますが、必ずしも万人向けかどうかはわかりません。 必ずしも有名なお店だったら美味しいというわけでもなく、パリの場合は、特に外食は、決して安くもないし、お店の雰囲気やサービス、そして提供される食べ物が総合的に値段相応のものであるかどうか?そんな感じで私は、美味しいものを探し歩いています。 それにしても美味しいものを探すのは日本でもパリでも楽しいのです。おいしいもの探し 味覚<関連記事>「私の私的な外出の大半は食べることが目的 最近のマイブームは、モンパルナス駅」「ずっと食べてみたかったバター Au...

2024年2月16日金曜日

SNCF(フランス国鉄)大規模ストライキ 50%のTGVがキャンセル

   ここのところ、毎日のようにSNCF(フランス国鉄)のストライキはどうなるのか?というニュースをやっていますが、週末に入り、やはりストライキはかなりの規模で決行されるようです。 今年の子供の学校の冬休みは、先週末から地域によって1週間ずつズレる形で(それぞれ2週間ずつ)3月まで続きますが、このストライキは2週目の週末から突入する模様です。 このストライキという脅しを受けて、SNCF経営陣は、2022年末の合意では、2023年にコントローラー200人を追加雇用する規定であったものに加えて、乗務員の特別賞与を年間600ユーロから720ユーロに増額、コントローラー200人を含む無期契約の鉄道労働者1,100人を追加採用することを発表しています。 これらの提案に加え、SNCFは、不動産市場が高騰している地域に住む鉄道労働者向けの住居手当も提案しています。 そもそもSNCFやRATPなど鉄道関係の仕事は給与はともかく(決して少なくもない)、福利厚生が一般の企業に比べると格段に条件がよく、このうえ、なにか気に入らなければ、できるだけ多くの人が迷惑を被る機会を狙ってストライキをすれば、どんどん要求が通っていくことには、常々、憤りを感じるところです。 今回は、このバカンス期間を目掛けて、TGVの約半分の便がキャンセルされると言われており、足止めを食う人々は大わらわです。 特に冬休みというのは、スキーに出かける人々、しかも子供だけで田舎のパピーやマミー(おじいさんやおばあさん)の家に行かせたりする予定にしている人も少なくなく、その交通手段が絶たれてしまうわけですから、大変なことです。 だいたい、子供の学校のバカンスが多すぎるフランスでは、たとえ、自分のバカンスが1ヶ月近くとれたとしても、それで子供の学校のバカンス期間をカバーできるはずもなく、私も1年の子供のバカンス期間をどう調整をつけるかには、本当に苦労していました。 思い起こせば、冬休みのバカンス期間は、娘はたいてい、スキーのコロニー(合宿のようなもの)に行かせていたので、それは、長距離バスであったために、その発着場所であったポルトドヴェルサイユか、ベルシーなどに送って行って、2週間後に迎えに行くというのが恒例であったため、SNCFのストライキに左右されることはありませんでした。 SNCFは、このストライキのためにキャンセルになったチケットに関しては、無料で変更するか、全額返金すると言っていますが、このバカンス期間の予定を滅茶苦茶にされた場合は、たいてい、チケット以上のお金がかかることは必須。なんなら、そのために余計にかかった費用も負担してもらいたいところです。 最近では、私も、時には抗議運動やストライキも必要だとも思うようにもなったのですが、このSNCFやRATPのストライキに関しては、どう考えても、ストライキなしに交渉、解決していく道を考えてもらいたいと思うのです。 だって、当然、得られるはずの利益を返金しなければならないのですから、大損害のうえに、結局、要求はのむことになるのですから、だったら、その前になんとかした方がいいのに・・と単純に思ってしまうのですが、甘いのでしょうか?SNCFストライキ<関連記事>「いろいろなバカンスの過ごし方」「子供のために使うお金 フランスのコロニー(子供の合宿・サマーキャンプ)」「年金改革交付後...

2024年2月15日木曜日

運転免許証がスマホに取り込めるようになった・・

   もう、どんどん時代は進化して、スマホなしには生活できないようになってきていますが、逆に「スマホ一つさえあれば、なんでもできるようになってきた・・」という方が前向きな捉え方かもしれません。 今や、スマホで支払いもできるようになったため、現金を持つ必要がなくなり、Navigo(メトロやバスのチケット(定期券)も身分証明書もスマホに読み込めるようになり、ついに運転免許証もスマホに読み込むことが可能になりました。 今まで、お財布の中に入れていた様々なカードはお財布ごと必用なくなりつつあり、スマホさえ持てば、済むようになりつつあります。 私は個人的には、どちらかといえば、アナログ人間で、このスマホの操作は億劫で苦手で、いつも娘にバカにされながら、教わりながら、少しずつ取り入れざるを得なくなってきています。 フランスでの、この証明書類のデジタル化が想像以上に進んでいることを一番、目に見えて感じたのは、コロナウィルスがまだまだ蔓延しつつ、ロックダウンが解除されていく過程で、ワクチンパスポートがないと、出かけられなかったり、レストランに入れなかったりするようになった頃のことで、かなり高齢の人々でさえもスマホにワクチンパスポートを読み込んで提示していた時に、こんなおじいちゃんたちもスマホをちゃんと使えるんだな・・と驚いたのです。 このようなシステムは、使用方法が簡単であり、且つセキュリティーがしっかりしていることが最低必須条件ではありますが、今回の運転免許証は、これまでに、すでに存在していたfrance-identite.gouv.fr/の中に、運転免許証を追加できるようになったという感じです。 この証明書関係を読み込むためのアプリをインストールして、そこから簡単に読み込むことができます。フランスの古い運転免許証は、ピンクの紙でできた、それこそ、なんで?こんな大きいの?というようなものでしたが、最近発行されている運転免許証は、ICチップ入りの銀行カードサイズのものに移行しています。 現段階で最も簡単にスマホに読み込めるのは、このICチップ付の運転免許証ですが、近々、この古いピンクの免許証も電子ID(身分証明書)を取得済であれば、読み込み可能になります。 この運転免許証のデジタル化、スマホ読み込みが急がれたのは、検問の際の免許不携帯があまりに多いこと、そして、罰金の未回収があまりに多いために、その場で罰金支払い請求が行われるようになって、その場で罰金切符を発行し、その後の追跡がしやすくなることも大きな目的の一つであると思われます。 しかし、逆に悪い方向で考えれば、スマホを失くしたり、盗られたりしたときには、大変なことになるわけで、この治安の悪いパリでは、スマホを盗られたりすることも珍しくはないわけで、やっぱり、二の足を踏んでしまうところはあります。 ペーパーレスの次は、カードレス・・時代はどんどん進化していき、アナログ人間はついていくのが大変です。デジタル運転免許証フランス<関連記事>「2024年から運転免許証がスマホに取り込めるようになる!...