2023年5月19日金曜日

14年間、存在を隠されていた14歳の少年

  14年間にわたり、14歳の少年がその存在を隠された状態でいたことが発覚し、世間を騒然とさせています。昨年の7月、体調を崩した少年を母親が病院に診察を受けに連れてきたことから発覚したこの事件、少年が14歳という年齢にもかかわらず、体重が25キロしかなく、知的発達に遅れがあったことから不審に思った病院が警察に警告を発し、この少年は14年間、かかりつけの医者というものももたずにきたでなく、一切、学校というものに行っておらず、社会とは隔絶された家の中で母親とともに生活していたことがわかりました。 かかりつけの医者を持っていないという人は最近、増えているとは聞いていましたが、その存在すら...

2023年5月18日木曜日

これまで何回かあった日本に本帰国する機会

   海外に出て、もう四半世紀が過ぎようとしていますが、私はこれまで、一度たりとも、海外に永住しようと決意したことはありません。逆に常に、何かあったら、日本へ帰ろうと思っていました。 しかし、結果として、これまでは、何かあっても、日本に帰りませんでした。もちろん、両親もいて、娘もまだ小さかった頃は毎年のように、バカンスで日本に一時帰国はしていましたが、本帰国となると、そんなに簡単ではありません。 最初に日本に帰ろうか?という機会は、アフリカにいた頃の話で、妊娠して、「出産するのは日本の方がいいんじゃないの?」というタイミングでしたが、これは、どちらかというと私の方が子供の誕生と育児...

2023年5月17日水曜日

パリのブックオフ BookOff は生き残っていた・・日本語の本、CD、DVDの買取

   留学ではなく、一応、期限なしに私が海外で生活することになった時、最初の国はコートジボアール(西アフリカ)だったので、一年中夏ということで、夏服しかいらず、もう家は家具などすべて揃っていたし、あまり物も必要ないと思って、スーツケース一つと大きなボストンバッグだけで日本を出国したのでした。 今から考えると、全く考えられないことで、ほぼ日本の食べ物なども持たずにずいぶん身軽に出かけたものだと、最初はあんまり、海外生活が(しかもアフリカで)ピンと来ていなかったな・・と思います。 ただ、その頃、仲良かった友人の一人が、海外で生活するには寂しいこともあるだろうから、自分の拠り所になり得るような自分のものをできるだけ持って行った方がいいよ・・と言ってくれたので、私は日本語の本を別送で段ボール4~5箱分くらい送ったのでした。 私はとにかく本が好きで、本屋さんに入るとなんか安心する気がするほどで、自分の好きな作家の本などを大量に送ったのでした。アフリカですから、郵便事情もあまりよくなくて、送った段ボールのうち一つは紛失してしまいましたが、事前に送った本は私の到着後、数ヶ月たってから届き、私は大いに日本語の本に慰められたのでした。 パリに来てからは、日本に帰るたびに、あらかじめ書き留めておいた自分が読みたい本を買い漁り、食料でいっぱいのスーツケースの中には、本にするか、食料にするかを泣く泣く悩みながら、いつしか、パリの家にも、かなりの本が溜まってきました。 パリのオペラ座界隈にブックオフができたのは、もうかなり前のことで、一時はかなり人気だったと見えて、すぐ近くに2号店(日本語以外の本の扱い)もできるほどで、中古ながら割安な本を手に入れることができて、ずいぶんブックオフでも本を買っていました。 しかし、そんなブックオフの隆盛も長くは続かず、今では縮小して2号店のみが残っており、その後はあまり頻繁にオペラ界隈には行かなくなったこともあって、パッタリ足が途絶えていたのです。 それが、先日、たまたま近くを通ったので、懐かしくなって覗いてみたら、縮小されたものの、日本語の本も今でも扱っており、売るだけでなく買取もしてくれるということで、それならば・・と、断捨離中の私は、いよいよ家にたまりにたまった本を少しずつ処分していくことを決意しました。 家にある日本語の本は、娘の絵本などを除けば、ほぼ全て私の本で、私が少なくとも一度は読んだ本で、どの本にも愛着があり、本当は本が並んでいるだけでも落ち着く感じがするものの、これでは、私がいなくなった後、娘がこれらの本を読むとは到底思えないし、中には、私だって、恐らく、もう二度と読まないであろう本もかなりあります。 家の近くには、古本を置いておくと好きな人が持っていくスペースがあるのですが、さすがにそれはフランス語かせいぜい英語の本で、そこに私の日本語の小説などを置いたところで、誰も読むわけがありません。 しかし、もう多分読まないとはいえ、「本を捨てる」ということは、私には、とても抵抗があって、買い取ってくれなくても、もしかしたら、再び誰かが読んでくれたら・・と思ってしまうのです。 家のあちこちに収まっている本は想像以上にたくさんで、とりあえず、「これはもういいや・・」と思った本を袋に詰め始めると、あっという間に満杯で、車もなく、自分で運ぶことを考えて、持てる範囲でとりあえず一袋をまとめて持っていきました。 これくらいなら、持てるだろうと減らしたにも関わらず、袋を持ってでかけてしばらくすると、腕が引きちぎれるかと思うほど重く、挙句の果てに駅についたら、「なんで今日に限って??」と駅のエスカレーターは止まっており、ブックオフに着いた時には、もう汗だくでした。 店員さんが本をチェックして、状態のよい本しか買い取ってはもらえませんが、値段のつかない本に関しても引き取ってくれるところがあるとかで無駄になることはありません。 本当にいくらにもなりませんが、本を捨てなくても済むというところが私にとってはとても大事。自分でも何でこんなに本に執着するのかわかりませんが、捨てられてしまう本というものが、とても切ないのです。 それこそアフリカにいたころは、今のようにネットも繋がらず、送った日本語の本も全部読んでしまって、とにかく日本語の活字に飢えていて、意味不明な注意書きまで読んだりした記憶があるからかもしれません。 最近は、日本の本は持って帰るのも思いし、始末が大変なので、もっぱら電子書籍を利用するようになり、これ以上、我が家には本は増えないであろうとは思いつつ、四半世紀を超える海外生活でたまりにたまった本の数は、半端ではなく、日本人の友人などが家に来ると、フランスにいるのに、こんなに日本の本持ってるの?と呆れられます。 今日、少し持って行ったくらいでは、全く本が減った感じはなく、まだまだあと、何十回、通うかわかりませんが、これからしばらくは、オペラ界隈に行く度に少しずつ持っていこうと思います。 最近は、時間が経つのが早くて、1日が24時間ではなく、20時間くらいになってしまったくらいの感覚で、なんだかんだと忙しく、以前に比べると圧倒的に読書量は減ったのですが、それでも本がないと寂しい私です。 最初に海外に出る時に、自分が落ち着けるようなものを持って行った方がいいといってくれた友人の言葉はやっぱり正しかったなぁ・・と、本の山を見ながら思うのです。☆BookOff...

2023年5月16日火曜日

中産階級対象の減税措置の発表がまさかの大論争

   週明けにTF1(フランス国営放送TV)で放送された独占インタビューの中で、マクロン大統領がこの5年間で中産階級を対象に総額20億ユーロの減税を実施すると発表しました。 「一生懸命働き、子供たちをしっかり育てたいと思っている人々、そして今日、生活費の上昇と賃金動向のために、家計をやりくりするのに苦労している中産階級を対象に対して、少しでも豊かな生活を送れるように減税政策を検討する」というものです。 また、「人々の生活を少しでも楽にするために取る措置は、「減税」が賢明な方法であり、それは、購買力を促進するための価格の値下げやクーポンの配布ではない」という文言も付け加えています。 ...

2023年5月15日月曜日

シャンゼリゼ近くで48歳男性 射殺事件 パリに安全な場所はない

   ここ数年で、フランスではずっと銃による事件が増加したような気がします。何も、パリだけに限った話ではありませんが、以前は、こんな銃による殺人事件を今ほど頻繁には耳にしなかった気がします。 しかも今回は、シャンゼリゼのほぼほぼ近くでおきた事件で、地図を見てみると、シャンゼリゼの George Ⅴ(ジョルジュ・サンク)の駅から数分の場所でシャンゼリゼとは目と鼻の先。フランス人が世界一美しい通りと誇るパリで最も有名な大通りの近くで射殺事件とは、ちょっと絶句してため息も出ない感じがします。 事件が起こったのは先週の土曜日から日曜日にかけての午前0時すぎ、シャンゼリゼの近くのワシントンストリートを見下ろすギャラリーモールの中で起こりました。被害者は48歳のマリ出身の男性で被害者自身も警察にマークされていた人物であったようです。 発砲は1発のみで、胸部に命中しており、被害者は即死の状態。犯人は銃声にどよめき騒ぎになって集まった群衆に乗じて逃走し、まだ逮捕されていないようです。 しかし、初動捜査により、犯人はすでに特定されており、前夜にこの二人が口論になっていたことをわかっており、その前夜からの諍いの報復のための犯行と見られています。 被害者の身体からは小口径の自動拳銃が発見されていますが、これが犯行に使われたものかどうかは、判明しておらず、両者ともが拳銃を所持していたとも考えられます。 とにかく、最近は発砲事件と聞いても、そんなに驚かなくなった気もするのですが、今回は、場所が場所だっただけに、まさかシャンゼリゼのすぐ近く??ということが何よりも衝撃的でした。 気候も良くなってきて、観光客もふえてきたパリで時間は午前零時すぎという時間ながら、この時間帯でさえも人通りがない場所でもなく、観光客が多い場所でもあります。観光客狙いのスリやひったくりなどの犯罪はあるという意味では治安が良い場所とは言えないかもしれませんが、一般的には、特に治安が悪いとされている地域ではありません。 今回の犯行は、個人的というか、はっきりと被害者を狙って一発だけ発砲しているもので一般大衆に向けられたものではないにせよ、騒ぎになった犯行現場では怪我人も出ています。 こんな場所でまで、射殺事件が起こるとは、やはりパリには、もう安全な地域と言える場所はないのかもしれないと思うと、あらためてウンザリします。 すでに捜査が開始され、暗殺容疑でパリ第1司法警察に捜査が委託されていますが、犯人は依然として逃走中でまだ逮捕されていません。 真夜中のシャンゼリゼの散歩など、ちょっとロマンチックで素敵な感じもしますが、命がけでするほどではありません。シャンゼリゼ射殺事件 <関連記事>「パリ16区で起こった銃撃事件で1名死亡、1名重症の衝撃」「マルセイユ麻薬密売組織による銃撃事件で一晩で3名死亡...

2023年5月14日日曜日

大所帯でやってくるパリのバスの検札 

   このあいだ、パリ市内のバスに乗っていて、ある停留所に着いたところで、降りていく乗客を待ち構えているRATP(パリ交通公団)の検札の一団がいて、ヤレヤレ、最近は降りようとしているところを待ち構える作戦に切り替えたんだな・・でも、検札やっている様子を見かけたら、切符やNavigo(定期券のようなもの)を持っていない人、つまりキセル乗車をしている人は、そのまま乗り過ごせば検札を避けられちゃうんだろうな・・と思っていたら、さすがにそれは甘い話で、その停留所で降りる人のチェックがすんだら、今度は、その一団がバスの中に乗り込んできて、検札を始めました。 しかも、それが6人組くらいの一団で...

2023年5月13日土曜日

2023年パリ・バゲットコンクール グランプリ受賞のバゲット オー・ル・ヴァン・デ・ピレネー

 ここ30年間続いているパリ市が主催するバゲットコンクールですが、今年は30年目という節目の年を迎えて、今年2023年最高のバゲットが発表されました。 バゲット(バゲットトラディショナル)といえば、昨年、ユネスコ無形文化遺産にも登録されたフランスの誇る食文化でもあり、フランスには数々の美味しい食べ物や料理があるものの、パン、バゲットは、結局、シンプルで手軽で、一番美味しいもののひとつであると私も思っています。 正確に言えば、コンクールで競われるバゲットトラディショナルは、いわゆる一般的なバゲットとは区別されており、バゲットトラディショナルと称するためには、冷凍をせず、添加物を一切使わずにその場で調理するものに限られており、一般的なバゲットよりもお値段も若干高いのですが、ほんの少しの値段の違いで各段に味は違うので、せっかくならば、フランスでは、バゲットトラディショナルをお求めになることをお勧めいたします。 今年のバゲットコンクールには、同時刻に176本のバゲットが出品され、その中から126本が選択基準にしたがって選ばれ、同じ条件のもとで審査されました。審査基準には、製品の外観、調理の質、パン粉の硬さ、重量、匂い、そしてもちろん味が含まれます。 コンクールのグランプリ獲得者には、賞金4,000ユーロ(約60万円)と今後1年間エリゼ宮(大統領官邸)の公式サプライヤーを務めることになります。 毎年行われているこのバゲットコンクールは、ここ数年の私の楽しみにもなっており、今年もさっそく、今年最高のバゲットを買いに行ってきました。 グランプリ受賞直後ということで混雑が予想されたので、お昼時は避けて行ったにもかかわらず、お店の前には、行列ができていて、せっかく買いに来たのに、もしかして買えない?とちょっと焦りました。 行列に並ぶ人々の中には「バゲットコンクールでグランプリ!」をとったのよ!と説明して歩く近所の住民ら式おばさんなどもいて、なんだかお客さんまでウキウキしている感じでした。 ちょうど私のふたり前くらいでバゲットの入っていた籠が空になってしまったので、一瞬、呆然としたのですが、すぐに奥から焼き立てのバゲットを持ってきてくれて、おかげで正真正銘、焼き立てホヤホヤのバゲットをゲットすることができました。 本当に手に持つのも熱いくらいホカホカの焼き立てのバゲットは家に帰るまで待っているのがもったいなくて、お店を出るとすぐに食べずにはいられませんでした。 バゲットをちぎってみると、ほわ~んとした湯気があがるほどのホカホカぶりと、すぐに立ちのぼる香ばしい小麦の香りに大感激。 すぐに口に運ぶと外はパリッとしていて、中はふわっとしながら、もっちりとした程よいねばりもあり、もう一人でバゲットをほおばりながらニッコニコしてしまいました。 焼き立てというだけでもかなり、美味しさは倍増して感じられたとも思いますが、冷めてもなお、いや、冷めたら冷めたで余計に味わえる香ばしさと小麦そのものの味に大感激したのでした。  食の好みは人それぞれなので、必ずしも、毎年選ばれるバゲットが最高に美味しい!と感じるわけではなく、「もしかして、去年のお店の方が美味しかったかも??」などと思ってしまうこともあるのですが、今年は文句なしに大満足したバゲットでした。 今回、グランプリを受賞したのは、スリランカ出身のパン職人で2006年に来仏、その後、イタリアンレストランで仕事をしていたところ、彼の仕事ぶりやパンの味を見込まれてスカウトされてパン屋さんを任されたという人で、すでに2018年には、このグランプリの3位に入賞しており、今回の優勝は待ち焦がれていたもので、優勝の知らせを聞いて泣いてしまったとのこと。 しかし、驚くことに彼は小麦アレルギーで医者から仕事を辞めるように言われたこともあると笑いながら語り、「とにかく、仕事、パンを焼くことが好きでたまらない!これが自分の趣味だ」という、とにかく真面目でよく働く、根っからの職人気質の人のようです。 パリ20区は、普段、あまり行く地域ではないのですが、これならまた、バゲットを買うためだけにでも、私はまたきっと行くだろうな・・と思っているのです。美味しいものに出会えることは、本当に楽しいことです。☆Au...