2022年7月17日日曜日

ジロンド県の森林火災とフランス人の災害対応能力

   ここのところ、いつテレビをつけても森林火災、森が燃えている映像が流れている気がします。この夏の猛暑の中、フランスの森林火災が、南部、西部を中心にあちこちで発生しています。 なかでも、先週から火の手がおさまらずに被害を広げているのは、ジロンド県(フランス南西部に位置するフランス本土最大の県)で起こっている森林火災で、最新のデータによると、10,200ヘクタールが焼け、14,100人以上の人々が避難する緊急警戒体制が敷かれています。 もともとの地域住民に加えて、夏のバカンス期間で、この地域には、多くのキャンプ場もあり、砂丘近くの少なくとも5つのキャンプ場から、6,000人が避難し...

2022年7月16日土曜日

2回目のブースター接種を受けました

   フランスのコロナウィルス感染は第7波を迎え、ここ数週間、1日の新規感染者数は週ごとに5万人ずつ増加し、先週はとうとう1日20万人を突破する日がありました。さすがにここまで増加していくと、入院患者数や重症患者数も着実に増加しています。 私のところには、5月初旬の段階で、国民健康保険から「2回目のブースター接種のおすすめ」メールが届いていました。しかし、その時のフランスの感染の状況は、現在の第7波の波はまだきておらず、 私はきっと、夏のバカンスの時期に感染が拡大するであろうから、秋になって次の波が来る前にしようと、先延ばしにしていました。 しかし、私が想像していたよりも早い段階で第7波がやってきて、フランスではえげつないほどの感染者の増加を記録しはじめ、やはり、考えていたより早くに2回目のブースター接種をしなければ・・と思い始めていました。 私には、多少、心臓疾患があり、どうやら国民健康保険のファイルでは、私は感染して重症化した場合にリスクの高い人に分類されているらしく、年齢的には2回目のブースター接種が推奨されている年齢に達してはいないのですが、それでも「ブースター接種、おすすめメール」が来るらしいのです。 そして、つい先日、2回目の「ブースター接種、おすすめメール」が来て、いつまでもグズグズ迷いながら、感染に怯えているのも嫌になって、2回目のブースター接種を予約していました。 私が最初のコロナウィルスワクチン接種を受けたのは、かかりつけのお医者さんに相談して、昨年の3月に予約をして1回目のワクチン接種を受けたのがそれから1ヶ月後の4月、まだ、ワクチンについて、かなり不安もあったために、かかりつけのお医者さんにやってもらえば、その後、何か起こっても少しは安心だと思い、彼女にお願いしました。 2回目のワクチン接種はそれから2ヶ月後の6月、その時点では、もうこれでワクチンはしなくてよいんだろうな・・と思っていたら、ワクチンの有効性は半年後には急激に低下し始めることがわかりはじめ、また、年末にかけて、感染状況が悪化しはじめたこともあって、それから6ヶ月後の昨年12月には、ブースター接種を受けました。 当時は、このワクチンの有効性の低下が注目され、問題視されている頃で、2回目のワクチン接種から7ヶ月が経過するとワクチンパスポートが無効になることが決まった頃でした。 この時からは、Doctolib(ドクトリブ)というアプリでその時点で一番早く、できるだけ近い場所でブースター接種が受けられる場所を探しました。その時、ブースター接種を受けたのは、家からバスで15分から20分程度のところにある薬局で、ワクチンパスを提示して、問診票の質問事項に記入することが必要でした。 今から考えると、その時点では、1日の新規感染者数が6万人を超えた頃で、毎週のように1万人ずつ感染者数が増えていくことに恐怖を感じていて、当時、本当に少しでも出歩けば、すぐに感染者と接触しました!すぐに検査を受けてください!というアラームがくるような状況で、もういい加減、うんざりしていた頃でした。 しかし、ウィルスが変異するにつれ、ワクチンで感染は回避できないような状況になり、しかし、ワクチン接種率が上昇したこともあってか、感染しても重症化しないケースが増えて、フランスは、「これなら風邪とかわらない、これなら大丈夫感」が高まっていきました。 感染者数も昨年の12月の時点では、1日6万人で震えていたことを考えると、現在の1日の感染者数は想像もつかないほど増加しているにもかかわらず、世間の一般的な警戒感はダダ下がりのまま、あまり警戒感はありません。 結果的には、私はこれまで気づかなかったことがあるのかもしれませんが、何度か検査を受けてはきましたが、一度も感染していないので、私が感染して重症化するリスクが実際、どの程度あるのかはわかりませんが、やはり、ある程度のデータをもとにリスクの高い人に分類されている以上、やはり危険があると判断する方が妥当な気がしたまでです。#Communiqué...

2022年7月15日金曜日

パリ祭のシャンゼリゼの軍事パレード 完全復活とウクライナへのメッセージ

  毎年、フランスの革命記念日に行われるパリ祭のシャンゼリゼで行われる軍事パレードは、ここ数年、パンデミックのために中止はされなかったまでも、縮小されたり、観客なしで行われたり、いつもの規模ではありませんでした。 今年のシャンゼリゼはすっかり通常モードの規模に戻っていました。 シャンゼリゼの沿道の緑の樹々はフランス国旗に彩られ、凱旋門からコンコルド広場までを華やかな制服に身を包んだ兵士や各高等教育機関の学生など、今年は6,300人、64機の航空機、25機のヘリコプター、200頭の騎馬隊、181台の機動車両が2時間近くかけてパレードを行いました。 パレードの比較的前半には、トリコロールの噴煙を流しながら飛行機がシャンゼリゼ上空を飛び、我が家の窓からもトリコロールの噴煙がパリの空を舞っていく様子が見えます。 この数日前にたまたまパリの街を歩いていたら、突如、爆音が聞こえて、驚いて空を眺めたら、このデフィレ(パレード)の予行演習で、結構な低空飛行でその音のもの凄さに驚かされました。   中でも私が最も美しいと思うのは、終盤に登場する騎馬隊で、奥に見える凱旋門を背景にトリコロールのフランス国旗に彩られた沿道の緑の樹々に茶色い馬と紺と赤、ゴールドに光る騎馬隊の調和のとれた洗練された美しさには、いつ見ても感動させられます。         その年によって、登場する戦車、軍用車両(時には警察、消防車両など)は少しずつ違いますが、今年は、遠隔操縦機「リーパー」(空軍機)、陸軍は、新型装甲車「グリフォン」(装甲前面車(VAB)の後継車)と偵察車「ジャガー」を登場させています。 中には、こんな可愛いワンちゃんまで登場しています。   今年のパレードのテーマは「Partager...

2022年7月14日木曜日

脅威の時差ボケ 私は日本の食材の山を見ただけで時差ボケする

  娘が運んできてくれた日本食材の一部 現在、仕事で日本にいる娘が友人の結婚式のためにパリに来ています。ガッチリしている彼女は、少しでも安いチケットと、経由便の長距離フライトを選び、日本からパリまで20時間くらいかけてやってきました。 前回、私が日本に行った時には、彼女が夏にパリに来ることがわかっていたので、私がパリに戻る時に持ちきれなかった食糧などは、彼女が持ってきてくれることになっていました。 彼女はパリに来るのには、他にほとんど荷物がなかったために、持てる範囲で、日本で買ってきてほしいものをいくつか頼んでありました。 7月に入ってからのシャルル・ド・ゴール空港の混乱ぶり、特に...

2022年7月13日水曜日

この猛暑の中、パリ市内のプールがストライキ

   今年の夏のバカンスシーズンが始まるとともに、SNCF(フランス国鉄)やRATP(パリ交通公団)の一部、空港公団などのストライキが立て続けに起こり、バカンスに出かけようとする人々を大混乱に陥れています。 特に空港のストライキによる多くのフライトキャンセルとともに空港に山積みにされた荷物が2週間近く経った今も未だに空港に山積みにされている光景には、荷物を持たずにバカンスに出発させられた人々の困惑ぶりを思うと本当に言葉もありません。 私が同じ目に遭っていたなら、こんなトラブルに巻き込まれるくらいなら、フライトはキャンセルしていたのに・・と思っていたと思います。 まさにバカンスシーズ...

2022年7月12日火曜日

青く晴れ渡る空の下のセーヌ川岸 パリプラージュの圧倒的な美しさ

    夏になると、パリプラージュがセーヌ川沿いに登場するようになってから、なんともう20年近く経っているのだそうです。初めてパリプラージュができた年に親子でどんなものか覗きに行ったのは、まだ娘が小学校に入る前のことだったと思うので、言われてみれば、そのくらい時間が経ったのかなぁと思います。 パリプラージュは当初はなかなか画期的な試みで、夏に入ってもバカンスに出かけられない人にも身近なところでバカンスを楽しめるように作られたものでしたが、その後、すっかり定着し、パリの夏の風物詩のようなものになりました。 一昨年は、このパリプラージュに検査場ができた!などというニュースで賑わっていま...

2022年7月11日月曜日

シャルル・ド・ゴール空港のロストバゲージの行方

   パリ・シャルル・ド・ゴール空港の大掛かりなストライキから1週間経って、空港に足止めを食ったスーツケース約2万個が依然として持ち主の元に届いておらず、空港に山積みにされているようです。 先週末のパリの空港でのストライキは、多くのフライトをキャンセルさせただけでなく、何万人もの旅行者の荷物を奪いました。荷物係もストライキを起こしていたうえに、荷物積載のシステムダウンが原因だったと言われています。 今回のシャルル・ド・ゴール空港でのロストバゲージの多くは当然のことながら、最も発着便の多いエール・フランスの便に関するものが多いそうで、エール・フランスは、荷物を積まずに離陸してしまった旅行者に対して、当初は、「1週間以内には、荷物を届ける」と発表していたにもかかわらず、荷物は山積みにされたまま、持ち主の元には届いていないのです。 そもそも、このハイシーズンに人員不足にストライキ、次から次へと離発着が続く空港では、その日の荷物の処理で手一杯。賃金値上げとともに、過剰労働の緩和を訴えていた空港職員が、残業までして山積みにされた荷物を処理するとは考え難く、また、時間が経てば経つほど、空港に残された荷物の配送先は、旅行先に届けられるべきものなのか?それとも自宅に届けられるべきものなのか?どんどん複雑な要素が含まれてきます。 平常時のフライトでさえも、荷物が無事届くかどうか?盗難にあったり、スーツケースが壊されたりしていないか?いつも不安を感じるところですが、空港に足止めをくって1週間以上経ってしまったスーツケースに関してはもう不安というより絶望的です。 エールフランスおよびシャルル・ド・ゴール空港は現在、ロストバゲージ扱いになっている荷物は空港で保管していると発表していますが、スーツケースが何の保護もされずに倉庫の外、コンテナでむき出しになっているものもあることがわかっています。 これまで、個人的には最も荷物のトラブルが多いのは、イタリアというイメージがあって、ローマからの便でスーツケースの鍵が切られていたこともあったし、サルディニアに行った際は、空港について、やたらと空港内にロストバゲージのコーナーが多くて嫌な予感がしていたら、やはり荷物は同じ便には積まれておらず、必ずしも荷物は同じ便では届かないのは普通というようなことを言われてびっくりし、荷物は翌日ホテルに届けてくれたものの、一晩は着替えもなく不自由な思いをして以来、イタリアに行く際には、もう荷物は預けずに手荷物以外には持たないようにしているくらいです。 しかし、ここまで大掛かりに荷物が溜まって保管(というより、放置)されている状態には、楽しいはずのバカンスが荷物のクレームを入れることに費やされるストレス満載のものになってしまいます。 この事態を受けて、エールフランスは、一刻も早くスーツケースを持ち主に返すために増援を動員したことを発表していますが、このロストバゲージの量を考えると、パリ空港組合は、この荷物の山が処理されるには、数ヶ月間かかるはずだと断言しています。 ということは、バカンスに出かけた人はさすがにもうバカンスを終えて帰ってきたあとに荷物が戻るということです。 エールフランスは「荷物はすべてこちらに向かっている」と、これ以上荷物の配達の遅延を否定していますが、荷物の保管状況を考えると現実的な解答ではありません。 すでに、補償問題についての解説が始まっていますが、荷物が遅れた場合、補償を受けることができることが可能で、荷物がない間に生活必需品(衛生用品、下着など)を購入しなければならなかった場合、請求書の提示により航空会社に払い戻しを請求することができます。また、荷物を紛失した場合、乗客1名につき約1,200ユーロを限度として弁償を請求することができます。 しかし、どちらもクレームを申し入れるのは、書面で21日以内に航空会社宛に申し立てをする必要があるので、この期限を過ぎてしまえば、補償されることはありません。これは、旅行保険などの補償とは別のものなので、もしも、泣き寝入りしたくなければ、航空会社と保険会社との両方の手続きが必要になります。 航空会社が補償を拒否した場合、民間航空総局(DGAC)にオンラインで苦情を申し立てるか、旅行観光オンブズマン(MTV)に連絡し、解決を図ることができます。 友好的なアプローチがうまくいかない場合は、裁判を起こし、被った損害の賠償(物の交換、荷物の紛失・破損)を請求することができます。管轄の裁判所は、紛争に関わる金額によって異なります。会社や裁判は2年以内ということです。 まさに、ここまでくると、完全な戦闘体制、やっぱりフランスで生きていくためには、常に戦闘体制に入る覚悟が必要なのか・・と、ほとほとウンザリします。 私の場合、飛行機を利用するのは、やはり日本⇄パリ便が最も多く、スーツケースの中身はほぼ食糧、しかも航空便ならではの保存のあまりきかないものなども多いので、もし、今回のようなロストバゲージになり、数ヶ月間も放置されてしまったら、ほぼ私のお宝の食糧は絶望的なことになると思うと、ゾッとしてしまいます。 それでも、無事に回収できたらまだマシですが、保管?放置されている間に盗難に遭う可能性も大です。今は、海外からの小包も規制が厳しくなり、やたらと税金がかけられるようになっている今、ロストバゲージに泣き寝入りするわけにもいきません。 本当に今は航空運賃も爆上がりしている上に迂回ルートなどで時間もかかり、そのうえロストバゲージで荷物を受け取るのに数ヶ月もかかるのでは、本当に踏んだり蹴ったりです。シャルルドゴール空港 ロストバゲージ<関連記事>「シャルル・ド・ゴール空港 ストライキのための大混乱」「マリアンヌの切手の買い置きとパリでの戦闘体制の日々」「フランス生活の修行の一つ 「届くはずの荷物を待つ」「...