「マクロン大統領がコロナウィルス陽性」まさかの衝撃的なニュースが流れたのは、17日の午前10時半頃でした。
フランスは、ロックダウンが解除され、バカンス前の学校2日間は、学校に行かずに、感染回避をしましょうなど、ノエルに向けてのコロナウィルス感染への警戒が盛んに呼びかられ始めたばかりの出来事にフランス中が大騒ぎになりました。
国民も驚きましたが、誰よりも驚いたのは、きっとご本人に違いありません。
マクロン大統領は、16日の夜に、咳、鼻水、極度のだるさ、身体の痛みなどのコロナウィルスの症状と思われる兆候が現れたために、翌日朝に、PCR検査を実施、結果、コロナウィルス陽性と診断されました。
コロナ禍中、忙しく動き回っているマクロン大統領が一週間以内に接触した人の数は、計り知れないず、接触人物をリストアップするだけでも、大変なことです。
日本でも菅首相の夜の会食が問題になっていましたが、マクロン大統領も15日に、エリゼ宮で12人と昼食会議を行っていることが取り上げられています。
ノエルの会食には、1テーブル6人以内に抑えましょうと言っているのに、12人・・・しかし、一般家庭とは違って、エリゼ宮の食事は、テーブルの大きさも桁違い、隣の人との距離も充分に離れており、部屋の天井も4〜5メートル以上はある空間で、一般的なケースとは、比較にはなりません。
(ちなみに、関係ないけど、この日のエリゼ宮の昼食のメニューはポトフとシュークリームでした)
とはいえ、この時期に、昼食を取りながら、会議をする必要があるのかどうか?という点については、疑問は残りますが、政府はあくまでも、充分な衛生管理が取られた上での昼食会議や夕食会議は、国で許可されているものであるとしています。
また、それを正当化するためなのか? マクロン大統領のコロナウィルス感染に関して、オリヴィエ・ヴェラン保健相は、「マクロン大統領は、エリゼ宮での食事会ではなく、恐らく、数日前(10日)にベルギー・ブリュッセルで開催された欧州評議会で感染したと思われる」と発言しています。
実際のところ、彼がどこで感染したのかは、わかりませんが、とりあえず、彼が仕事を共にしている政府要人の多くは、1週間の隔離が必要となりました。
中には、症状がなく、接触したものの感染の危険は考えられないとして隔離を拒否している人もいるようですが、とりあえず、カステックス首相は、1週間の隔離、リモートワークに切り替える宣言をしています。
また、彼の妻もPCR検査の結果が陰性でしたが、1週間は隔離生活を送ります。
マクロン大統領は、これまでコロナウィルスに感染した国家のトップであるアメリカのトランプ大統領やイギリスのボリス・ジョンソン首相、ブラジルのボルソナロ大統領のように敢えてマスクをせずにいたわけでもなく、感染には、一般人以上に気遣っていたはずです。
彼はペンの一本一本までもきれいに消毒していたそうなのです。
そんな彼が感染したことは、「リスクはどこにでもある」という警鐘を鳴らしたことになります。
マクロン大統領は、1週間、ベルサイユ近くのラランテルンの大統領官邸で隔離生活を送りながら、リモートで仕事を継続する予定になっています。
同日の夕刻には、国民の不安を払拭するために、マクロン大統領は、リモートで珍しく紺のハイネックにマスク姿でテレビ出演し、自分がコロナウィルスに感染したこと、1週間の隔離生活をしながら、リモートで仕事を継続することを発表しました。
彼の症状が悪化することがなければ、1週間後には、ちょうどノエルを迎えます。
彼のコロナウィルス感染が、感染のリスクとしてフランス国民に少しでも響いてくれれば、こんなに大きな警告はないと思います。
彼が感染していても症状がなかった人から感染したことは明白です。なんといっても国家のトップとしては、群を抜いて若い42歳の大統領。
翌日には、Twitterの映像を通して、自分の病状を毎日、報告することを約束し、国民にメッセージを送っていましたが、その姿は、いつもはエネルギッシュな彼とは違うものでした。感染して症状もあるのですから当然ですが・・
早く順調に回復して、これから恐らく第3波を迎えるフランスのために頑張って欲しいと思っています。
<関連>
「フランスのロックダウン緩和へのステップ マクロン大統領の会見」
https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2020/11/blog-post_25.html