2020年6月28日日曜日

フランス最大の化粧品会社ロレアル商品の美白表現撤廃 フランス人は美白がいいとは思っていない



 世界最大のフランスの化粧品会社、LOREAL(ロレアル)は、スキンケア商品から、「ホワイトニング」「美白」「色白」「明るい」などの表示を撤廃することを発表しました。世界で起こっている人種差別問題の拡大による動向に対応したものです。

 ロレアルといえば、LANCOME(ランコム)などを始めとした比較的高価な商品から、庶民向けのお手頃価格の商品までを一手に扱うフランスの巨大メーカーです。そのため、ロレアルは消費者層も幅広く、研究部門なども巨大な施設を持ち、ランコムの商品などに関しても、最も広範囲の人の肌質に合うように作られており、たくさんあるフランスの化粧品の中でも、最もお肌のトラブルが少ないメーカーの印象があります。

 今回のホワイトニング商品の表示については、白い肌が優れているという印象を与えかねない表現ということで、ロレアルだけでなく、世界各国の大手の化粧品メーカーは、続々とホワイトニング商品の表示を変更を発表しています。

 しかし、当のフランス人などの白人には、白い肌が優れているという感覚は、全くなく、むしろ、フランス人は、真っ黒に日焼けしていることがカッコいいと思っており、(これは、肌の色そのものよりも、真っ黒に日焼けしてリッチなバカンスを満喫していることをアピールしたいということ)ホワイトニングや日焼け止めなどの商品は、全く人気がなく、むしろ、日焼けして、赤くただれて、象のような肌になっても、「こんなに焼けて、私って素敵でしょ!」というドヤ顔をしている彼女たちを、私としては、少しは、日焼けを控えて、ちゃんと手入れしないと、このまま歳をとったら、大変なのに・・と、こっそり心の中では、思っているほどです。

 ですから、ロレアルを始めとするフランスの化粧品会社のホワイトニング商品は、主には、アジアやを始めとする海外向けの商品で、フランスの商品だからとフランスで購入しようとしても、商品によっては、アジア限定の商品だったりします。フランスの商品なのにフランスでは売っていなかったりする、ホワイトニングケアの商品は、ある種、独特な位置付けであることは確かです。

 実際に、肌の色で酷い差別を受けている人々には、ホワイトという言葉だけでも、不快な思いをする方もいらっしゃるのかもしれませんが、ことアジアの人、日本人にとっては、何も白人に憧れたり、白人が優れているからホワイトニングケアをしているわけではなく、透明感のあるしっとりとした質感も含めての美しい肌になりたいと思っていると思うので、単に色だけを求めているわけではなく、白人への憧れでもなく、どうにも見当違いな感が拭えません。

 だからと言って、スキンケア商品の中でもかなりのシェアに当たるホワイトニングケアの商品が消えて無くなるわけでもなく、何らかの新しい表現に変わるだけで、新しいホワイトニングに変わるワードが生まれ、逆に新たなマーケティングのきっかけになるかもしれません。

 だいたい、ホワイトニングの表現を撤廃する発表をしたことで、フランスを始めとして、世界各国は、ロレアルの名前をあげて、ニュースで報道し、ロレアルの名前をさらに世界中に知らしめる結果となっているのです。


<関連>「フランス人は、女を捨てない!パリのジムでの大らかなパリジェンヌたち」
https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2019/07/blog-post_14.html

 


2020年6月27日土曜日

コロナウィルス新規感染者数が1500人を超えても全然、平気なフランス




 26日の一日のコロナウィルスの新規感染者数が1588名に跳ね上がったのを見て、私は、震え上がりました。それなのに、フランスのテレビは、全くこれを報道しないことをとても不思議に思っています。

 日曜日に控えた統一地方選挙、特にパリ市長の候補者についてや、SANOFI(サノフィー)というフランス大手の製薬会社が大規模な人員削減とか、果ては、話題に尽きたのか、パリ市長選挙にちなんでか、シラク大統領やカルロス・ゴーンやイギリスのヘンリー王子とメーガン妃が王室を脱退するまでのドキュメンタリー映像を流したり、まるで、コロナウィルスの新規感染者の増加は、問題視されていません。

 しかも、今日は、土曜日で、もはや、ロックダウン解除後には、恒例となったデモが行われることになっており、パリだけでも7件のデモ開催の申請に対して、5件に許可が下りていることが発表されています。

 統計の取り方も安定していないのかもしれませんが、先週あたりから 344, 458, 467, 811と、グングン増加していると思っていたら、今週に入って、373, 517, 81, ? と、若干下がったの?と思いきや、先日は、テクニカルプロブレムとかで、新規感染者数は、不明。そして、昨日になって、いきなり1500人超えというのですから、驚きます。

 先日、ドイツで食肉処理工場でのクラスターのでさえも、一日の最大の新規感染者数は、1122名でした。フランスがドイツ以上に検査をしているとも思えず、クラスターでなく、1500人超えの新規感染者数というのには、愕然とします。

 テレビでは、相変わらず、垂れ流しのように、コロナウィルスへの警戒を促すコマーシャルが流れていますが、今となっては、何も国民には、響いていません。

 3月の時点でのロックダウンにしても、3月1日には、すでに学校閉鎖は、決まっていたと言います。ところが、フランス政府は、国民の動揺を考えて、段階的にロックダウンを行った結果が、今の3万人近い死亡者数に繋がっています。

 意外にも、国民の動揺を重視して考えるフランスには、驚きですが、最悪の結果を迎えた場合の動揺は、考えないのかが不思議です。無症状の感染者の増加で、今は、気候の影響で発症、重症化しないことから、騒がないのかもしれませんが、この状態で、一定の、あるいは、それ以上の感染者を保ちつつ、気温が下がる秋を迎えれば、再び、最悪の状況に陥ることは、必須です。

 この危険な状況を報道せずに、無意味なコマーシャルを流し続け、毎週のように数万人規模のデモが行われています。この数字がいかに危険なことかを報道することの方が、よほど、コマーシャルよりも国民には刺さると思うのです。

 今やマスクは、誰でも買える状態になりましたが、暑さも合間って、マスクは店頭に山積み状態、つまり、ほとんどの人がマスクをしない状態です。今日、通りを歩いていた年配の男性が、暑いのにジャケットを着て、手には、マスクをぶら下げているのを見かけて、この人は、暑い街中は、マスクを外して歩いても、屋内に入ったらマスクをするんだろうな・・と思って、フランスにも、ちゃんとした人がいるんだと、マスクを手にぶら下げて歩いている人を見つけるだけで嬉しい自分にビックリします。

 24日のデータが81名というのも、少し少なすぎておかしいので、翌日の不明分も合わせて、3日分のデータで、1500人超えという数字になっているのかもしれませんが、それでも一日あたり安定の500人超えの数字です。

 だいたい、現在の状況を正確に把握できないこと自体、はっきり言って、ぬるいです。

 今週末は、デモ、選挙、7月に入れば、パリ祭と、これからもクラスターとなりうる行事が満載のフランス。どうにかして!!と思うのは、私だけなのでしょうか? 

 フランス人のモラルの低さには、ほとほと呆れ返るばかりです。



<関連>「フランス(ヨーロッパ)でコロナウィルスが広まる理由」
https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2020/03/blog-post_19.html

 

2020年6月26日金曜日

パリで冷房なしで猛暑(42℃)を乗り切る方法


昨年の記録的な暑さのパリの気温、記念に?スクショを撮りました


 まだ6月だというのにパリの気温が35℃近くまで上がることが、昨日からの天気予報でわかっていたので、朝から、少し警戒して過ごしました。こんな時に限って、外出する用事ができて、午前中の出来るだけ早い時間に用事を済ませ、往復、30分ほど歩いて、家に戻った時には、もう汗だくで、シャワーを浴びて、冷たい飲み物を飲んで、一息つきました。

 しかし、午後には、さらに暑くなることから、シャッターのある部屋は、全て、シャッターをしめて、窓も閉めて、シャッターのない部屋には、衝立をして、光を防ぎました。これは、ここ数年、酷暑と言われるほどの夏をなんとか、冷房なしで乗り切って培った予防策です。

 もともと、フランスは、湿度が低く、アパートもぶ厚い石で覆われた建物なので、外が暑くても、よほどの気温でない限り、アパートの建物に入れば、スッとするような感じで、扇風機くらいがあれば、十分に過ごすことができていました。だから、娘の学校の休みに合わせて、夏休みに、さほど暑さも厳しくない快適なパリを出て、わざわざ最も航空運賃の高い季節に日本に行くことを忌々しく思っていた時期もありました。

 それが、ここ数年、パリの夏の暑さは、異常で、昨年の夏のパリは、酷暑で、42℃まで気温が上がった日がありました。さすがに、いくら湿度がなくても、40℃を超える暑さを冷房なしで乗り切るのは、ちょっと恐怖でした。

 フランスでは、さすがに会社や店舗、レストランなどは、冷房がありますが、一般家庭では、未だに冷房のない家がほとんどだと思います。類に漏れず、我が家にも冷房はありません。言っても、一年のわずかな時期の暑さのために冷房を買うのは、躊躇われ、アフリカから引っ越して来た我が家には、扇風機だけは、やたらとあるのです。

 フランスの天気予報は、当たらないことで有名ですが、気温の上昇に関しては、かなり当たります。ですから、今日のようにかなり暑くなることがわかっている日には、朝の早い時間に家の空気を入れ換えて、夜の分まで、大体の料理を済ませ、あとは、窓を閉め、光を遮って、出来るだけ、外の熱い空気が入らないようにして過ごします。

 日本だと一番暑い時間帯は、正午から午後2時くらいの感じですが、フランスは、なぜか、午後4時頃が一番、暑いです。

 外出の際は、水やお茶を入れたペットボトルを凍らせて、それを小さな薄手のタオルに巻いて、抱えて歩きます。ポケットには、保冷剤を入れます。途中、ペットボトルは、どんどん溶けていくので、冷たい水を飲むこともできます。会社についたら、また、ペットボトルや保冷剤は、冷凍庫に入れておき、帰りに再び、それを抱えて帰ります。

 家にいる際は、バスタオルを濡らして、肩からかけています。暑い日には、あっという間にタオルが乾いてしまうので、何度も水で濡らします。そのうち、水道の水もぬるくなってくるので、お風呂に水をはり、たまらなくなると、水風呂に浸かって身体を冷します。

 我が家のベランダは、やたらと陽当たりが良く、とても暑くなるので、最近は、夏になると、きゅうりを植えます。きゅうりがグングン伸びて、良い日除けになってくれます。きゅうりも取れるし、日除けにもなるし、とても良い暑さ対策です。
 
日除けになってくれるきゅうり

しかし、昨年の42℃まで気温が上がった際は、さすがのきゅうりも瀕死の状態で、夜には、すっかりしおれてしまっていました。大切に育ててきたきゅうりが枯れかけてしまって、諦めきれずに、半泣きで夜中に水をあげたら、朝には、復活していましたので、きゅうりの生命力の強さに感激したりしました。

 暑い時には、身体の内側から冷やすのもなかなか効果的です。フランス人は圧倒的にアイスクリームの方が好きなようで、あまり、アイスキャンディーはないのですが、(暑い時には、アイスクリームよりもアイスキャンディーの方がさっぱりしていて好き)昨年、モヒートとライムのアイスキャンディーを見つけ、夏には、常備しています。

 
モヒートとライムのアイスキャンディー

日本なら、暑くても、どこでも冷房が効いていて、何かと快適ですが、こうして、原始的な工夫をしながら、サバイバル生活のように乗り切る生活も、なんだか少し、最近は、楽しい気がしている今日この頃です。

 3ヶ月間、ロックダウンになって、その間のパリの大気汚染は、解消されたかに見えましたが、3ヶ月だけではダメなのですね。ロックダウン中、空気がきれいになったというニュースを見て、神様が人間が地球に対して行って来た横暴を懲らしめるためだったのではないかと感じたことがありました。

 コロナウィルスは、気温が下がると活発になるらしいという話もあり、冷房の効いたところに行くのも、なんだか躊躇われる今年の夏は、この原始的な方法で、暑さを乗り越えていこうと、ちょっと暑かった今日の日に改めて思うのでした。


<関連>「便利な生活が齎すもの フランスへの修行ツアーのススメ」
https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2019/10/blog-post_17.html
 

2020年6月25日木曜日

FAUCHON(フォション・パリ)破産申請 コロナの経済打撃は、パリの老舗にも・・





 パリの老舗である高級食料品店「FAUCHON」フォションは、裁判所に破産申請を提出しました。本社と、パリのマドレーヌ広場にある3つのパリの店舗(ブランドの象徴であり、130年以上にわたってブランドを象徴するもの)とオテルフォション(ホテル)のティールームがこれに該当します。(ホテル自体は、別経営)

 フォションは、日本では、紅茶やジャム、パンや焼き菓子などで有名ですが、パリの店舗では、むしろ、デリカテッセンや、フォアグラやトリュフ、生ハムのような高級食材、ワイン、チーズ、ケーキ、香辛料、チョコレートなど広範囲にわたる食材を扱う高級食料品店で、娘が小さい頃に、日本でフォションのお店を見つけて、日本には、フォションのパン屋さんがあるんだ・・と驚いていたことがありました。

 黒とピンクを使った独特なフォションの店舗の外観は、マドレーヌ界隈でも、一際目立つ存在でした。

 同じくフォションと目と鼻の先にあった競合店(同じく高級食料品店「HEDIARD」エディアールは、2013年の段階で、破産申請が行われており(現在は、オンラインショップと海外店舗の運営)、その時点では、フォションだけが生き残ったように思われていたのですが、実際の経営は、パリの店舗での売り上げは、全体の10%にも満たない状態で、経営危機に瀕していたのです。

 以前は、日本からの観光客もパリに来れば、フォションの紅茶(特にアップルティー)を買い漁っていた時期もあり、パリの街中ではよく、観光客がフォションの目立つ紙袋を持って歩く姿を見かけましたが、今や、パリで紅茶を探すといえば、Mariage Frères マリアージュフレールか最近は、KUSMI TEA(クスミティー)で、観光客の客足も激減していました。

 追い打ちをかけるように、2015年のテロ、2018年〜2019年にかけての黄色いベスト運動や年金改革反対の暴力的なデモ、そして、昨年末から今年にかけての大規模な交通機関のストライキ、そして、コロナウィルスのためのロックダウン。

 マドレーヌ界隈は、黄色いベストなどのデモが暴徒化した際の通り道でもあり、被害は、甚大であったと思います。

 134年も続いた老舗フォションの破産申請には、多くの人が驚き、ショックを受けていますが、実際に、私にとっては、ここ数年のフォションは、派手なパッケージとブランドばかりが鼻につく、やたらと高いわりには、大したことない(失礼!)印象がありました。それでも、マドレーヌ界隈に行けば、時には、店内をのぞいてみたりしていましたが、一昨年のノエルの際には、結構な値段のキャビアやスモークサーモンを値段も見ずに買っている年配の男性などを見かけてびっくりしたのを覚えています。

 しかし、考えてみれば、私がたま〜に買う高級食料品?である生ハムやチーズ、チョコレートなどもフォションのような高級食料品のデパートのようなお店で買うことはなく、それぞれ別の好みのお店で購入するのです。その場で焼いている焼き菓子や紅茶やジャムなどを別にすれば、フォションの商品は、パッケージがフォションなのであって、名前で売っているようなもので、当然、その分、値段は上がり、品質も安定しないこともあり、客足は、遠のきます。

 必ずしも関係はないかもしれませんが、以前、頂き物のフォションのボジョレーヌーボーのコルクがプラスチックだったことに驚いたことがあります。ボジョレーヌーボーは、もともと安いワインですが、それにしても、フォションのような老舗がプラスチックのコルクのワインにフォションのラベルを貼って売っていることに、とてもガッカリしたことがあります。(これは、私の勝手な印象で、プラスチックのコルクがそんなに悪いものではないのかもしれませんが・・)

 今回のフォションの破産申請は、再建型破産申請で、これから再建のための措置がとられ、一先ず、130名の従業員がその対象になるとのことですが、マドレーヌのお店が全く消えてしまうのか? なくなるとなると、色々、文句を言いつつも、やはり、マドレーヌ界隈が寂しく感じられるようなパリの街の一部であるようなフォションのお店です。

 フォションのようなお店でも、こんなことが起こるのですから、どれだけ、コロナによる経済危機が大変なことなのかを、日々、感じます。ロックダウンが解除になって、営業できるはずのお店が閉店したままだったり、開店したかと思えば、閉店セールをしていたり、あれだけ、テラスだけでなく、店内での営業許可を求めていたカフェやレストランの客足も今ひとつだったり・・。

 これがいつまで続くのか、長引けば長引くほど、経済は、停滞していきます。ごくごく、あたりまえだった日常が失われていきます。

 ちなみに、フォション・ジャパンは、存続するそうです。


<関連>「ロックダウンによる業績悪化・ルノー15000人削減・モブージュで従業員数千名による大規模デモ」
https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2020/05/15000.htm


















2020年6月24日水曜日

コロナウィルスの感染は、明らかに気温が影響している ドイツの食肉処理工場で1500人感染




 ドイツ西部、ノルトライン・ウェストファーレン州の食肉処理工場で約1500人の集団感染が起こり、ウェストファーレン州は、23日、工場がある地域全体を再び、ロックダウンしました。

 このロックダウンの対象となったギュウタースロー地域の、人口約36万人は、再び、外出制限、学校閉鎖等の生活に逆戻りしました。これは、とりあえずは、6月30日まで続きます。ドイツは、フランスよりも一足先にロックダウンを解除し、経済活動を再開してきましたが、先陣を切って経済活動を再開していたドイツでの1500人という大規模な集団感染は、フランスにとっても、ショッキングなニュースでした。

 これまでロックダウン中にも、アメリカ、フランスでも、食肉処理工場でのクラスターが報告されてきました。それでも、これだけの大きなクラスターにまでなってしまったのは、そもそもこの工場自体がかなり大規模な工場である上に、この工場の労働者には、ルーマニアやブルガリアなどの東欧からの労働者が多く、これらの人々は、宿舎で、一部屋に数名が生活しており、その宿舎で、さらに感染が広まったと考えられています。

 食品を扱うような、普通の工場よりも衛生には、注意を払っているはずの食肉処理工場での感染拡大の原因は、労働環境の悪さと、かなりの肉体労働のために呼吸が荒くなることから、マスクなどではウィルスの拡散が防ぎきれないことが挙げられていますが、何よりも、生の肉を扱うことから、工場内の気温が低く設定されており、ウィルスがより長く、活発に活動を続けることが大きいようです。

 もとより、感染学的にもウィルスは、気候の影響を強く受けるという説は、定説で、フランスで、今回のコロナウィルスのクロロキン(マラリアの治療薬)による治療で一躍、スターのようになったマルセイユ医大のラウルト教授なども、早い時期から、ウィルスというものは、季節の影響を受けるものなので、夏には、コロナウィルスもおさまるだろうと語っていました。

 今回のドイツの1500人の集団感染のニュースを受けて、フランスは、このウィルスと気温の関係について、深刻な受け取り方をしており、気温が下がり始める秋にはコロナウィルス感染の第2波が来ることは、もはや確実だと言い始めました。

 ドイツは、感染爆発がヨーロッパ各国で起こった中でも、(ヨーロッパの中では、)桁違いに死者数も少なく(フランスの死者数29720、ドイツの死者数8979・6月23日現在)検査数も桁違いに多く、検査と隔離を行ってきた、いわば、ヨーロッパの中のコロナ対応の優等生です。

 ロックダウン解除になってからも新規感染者数も200人前後で、(これは、圧倒的に検査数が多いことから、数字が多くなっています)それが、6月17日の段階で、急に1122人に跳ね上がり、それ以来、622、534、556、544と、高い数字が続いています。

 フランスにいる私にとっては、ドイツでさえ、あっという間にこんな状態に陥るのだから、フランスに、もしこの状況が起こったら、(気温が下がったら)ひとたまりもない・・と思ってしまうのです。

 今週は、フランスも35℃以上の暑さが訪れるようで、これでは、エアコンが使われている場所へ行くのも躊躇われます。

 コロナでも人が亡くなり、猛暑でも人が亡くなります。にっちもさっちもいかないコロナウィルスとの戦いは、まだまだ続きそうです。


<関連>「5月11日のロックダウン解除は延期になる?ロックダウン解除予報マップ」
https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2020/05/11.html






2020年6月23日火曜日

フランス・夏のソルド(バーゲン)は、コロナウィルスの影響で7月15日に延期



 フランスでは、例年ならば、夏のSOLDES(ソルド)(バーゲン)は、6月最後の週の水曜日から4週間と決められています。今年は、昨年末からのデモやストライキでお店を開けられなかったり、売り上げが伸びなかったことに加え、従来ならば、春夏物の新作が出回る時期にロックダウン状態だったので、さぞかし、在庫処分のための掘り出し物が期待できるかと思っていました。

 本来ならば、6月24日(水)に始まるはずのソルドの下見にでも出かけようかと思い、とりあえず、今年のソルドの開始日を調べたところ、経済財政省からの通達が出ていて、(フランスでは、夏・冬のバーゲンの時期が法律で決められています)2020年夏のソルドは、コロナウィルスの影響により、7月15日(水)からの4週間、8月11日(火)までに変更されていました。

 しかし、実際には、各店舗の経営は、火の車で、この期日を待つことなく、「SOLDES」という言葉を使わずに、スペシャルオファーとか色々な言葉を使って、値下げして、セールを行っていて、悲惨なお店では、閉店セールなどもやっています。

 今年の夏は、バカンスに出ない人も、例年よりは、多いだろうし、(フランス人のことだから、案外、結構、行ける範囲内でバカンスに出かける人も多いかもしれません)その分を夏のソルドの消費に回す・・なんてこともあり得ないこともありません。

 例年ならば、春夏物の新作が出回り始めるのが、2月から3月にかけてですから、今年発表の予定?もしくは、発表したばかりだったはずのヌーベルコレクションは、ちょうど、新しいものが出回るはずの時期にロックダウン状態であったわけですから、ほとんど日の目を見ないまま、デモデ(流行から外れた状態)になってしまったわけです。

 ロックダウンが解除になった途端に、とにかく買い物をしたかった人で、フランス各地のZARAなどでは、行列ができるほどだったそうですが、そんなお店は、例外で、ほとんどのお店は、新作が届いて、荷ほどきをして、お店に陳列した状態のまま数ヶ月を過ごしたはずで、まもなく届くはずの秋冬物の注文の調整を行いつつ、今年の春夏物の処分に頭を抱えていることと思います。

 皮肉なことに、フランスは、なんでもスローで、古いものに価値を認め、大切に使う人々ですが、ことファッション・化粧品業界に関しては、春夏、秋冬と大きくは年に2回、一年以上前から翌年のモードは、決まっており、次から次へと新作が発表されます。

 まあ、他の業界に比べて、サイクルが早いことは、どこの国でも同じだと思いますが、ファッションなどの流行り物に関しては、時を逃せば、流行遅れになり、価値も激減するので、その分、この半年から一年にかけては、動向が読みづらく、厳しいものとなるに違いありません。

 私にとっては、新作がいきなりバーゲン価格で買えるのですから、またとないチャンスでもありますが、長いこと篭っていて、今年は、どんなものが出ているのか、街中の人々がどんなファッションをしているのかも見ていませんので、購買意欲も今ひとつ湧きませんが、7月15日まで猶予ができたことで、少し下見の時間ができました。

 ソルドは、初日、最初の週末と一週間ごとに値下げ幅を大きくしていくため、叩き売り状態になる最後の週が狙い目です。フランス人も、もうあまりマスクをしている人がいないので、マスクの叩き売りもあり得るかもしれません。(笑)

 とはいえ、外出を控えるようになって、今ひとつ購買意欲が湧かなくなって、ロックダウン解除以来、毎日のように騒がれているデモや音楽祭での人混みを鑑みると、案外、延期した7月15日には、再びロックダウン・外出制限状態になっていたりすることもあり得ないこともないかもしれません。

<関連>「フランスのモードの世界」
https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2019/08/blog-post_22.html

 

2020年6月22日月曜日

フェット・ド・ラ・ミュージックでまた、群衆 飲んで踊って大騒ぎのフランス人

 
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  フランスには、デモ以外にも、群衆ができる催し物があることを私は、すっかり忘れていました。夏至でもある6月21日は、毎年、Fête de la musique(フェット・ド・ラ・ミュージック)と銘打った音楽祭が各地で行われ、夕方から夜にかけて、場所によっては、朝方まで、お祭り騒ぎです。

 例年は、パリの街中のたくさんの場所で広場などに仮設のステージを建てたりして、コンサートなど、音楽に関する催し物がたくさん開催されます。今年は、コロナウィルスのために、多くの場所でのコンサート等がキャンセルになりましたが、それでも、パリ10区のサンマルタン運河沿いの仮設会場では、多くの人が集まりました。

 もはや、フランスには、フランスにマスクは、ないのかと思うくらい、この群衆には、マスクをしている人は、見当たらず、屋外であるから許可が下りたのかもしれませんが、屋外であることが、ますます、人々を開放的にし、大声で歌い、騒ぎ、踊り、アルコールも入り、ソーシャルディスタンスへの配慮などは、皆無で、22時には、音楽祭自体は、終了させられたものの、盛り上がっている人々は、音楽祭の終了後も近隣の通りに集まり、ますます狭い場所で歌う踊るの大騒ぎ。

 警察もソーシャルディスタンスを呼びかけ、警戒体制を取っていましたが、なすすべもなく、交通整理。音楽で、アルコールも入って盛り上がった人々がどうなるのか?いい加減、政府も想像がつきそうなものの、厚生大臣のオリヴィエ・ヴェランは、SNSで、「今日は、フェット・ド・ラ・ミュージックです。皆さんは、おそらく家族や友達と一緒に集まることでしょう。しかし、ウイルスは依然として蔓延しており、あらゆる状況でバリアジェスチャーを尊重し続けて下さい。自分自身とあなたの愛する人を守ることは、全員の責任です!」などと呼びかけていましたが、そんな呼びかけが伝わるようなフランスではありません。厚生大臣なら、こんな呼びかけをするのではなく、このような集まりは、禁止にすべきでした。

 昨日のデモでも大概、頭にきましたが、今日のフェット・ド・ラ・ミュージックでは、若者が多いとはいえ、大の大人が、この人たちは、バカなんじゃないか? と正直、思いました。また、このような国民を抱える国で、このような催しに、なぜ、許可を下ろしたのか、許可を下ろせば、このサンマルタン運河の状態になることは、事前に充分に想像できたはずです。今は、フランス人を興奮させるような状況を作ってはならないのです。国民の良識におもねるとか、モラルを期待するとかいうことは、フランスでは通用しないのです。

 これまでも、そして、今回のコロナウィルスの件では、本当にフランス人は、どうしようもない、感染が広まったのも致し方ないと度々、思ってきましたが、今日もまた、やっぱり、どうしようもない・・と、再び、強く思いました。

 一方、学校の再開についてや、スポーツ競技に関してなどは、依然として、とても慎重な対応を取っているのが、なんだかすごくチグハグな感じがするほどです。毎日毎日、何千人、何万人という人が集まっている中、学校の再開や他の業種の営業には、やたらとうるさく二の足を踏んでいることが、なんだか、バカバカしく感じられてくるのです。

 これから、毎週、土曜日のデモはあるだろうし、7月に入れば、フランスの革命記念日であるパリ祭がやってきます。いくらでも、人が集まる機会が訪れます。

 来週のパリは、気温が上がり、30℃を超える日が続くそうです。ますますマスクをするのが辛くなる季節になります。まあ、もう既にマスクをしていない人がほとんどなので、関係ないかもしれません。もう、なんだか、投げやりになりそうです。

 今日は、また、つくづく、フランスは、ダメな国だと思いました。

<関連>
「フランスは、やっぱりダメだと、絶望した理由 コロナウィルスは、蔓延し続ける」
https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2020/04/blog-post_26.html