2024年7月28日日曜日

フランスにとってのオリンピック開会式セレモニーの意味

  4時間以上にも及ぶ2024年パリオリンピックの開会式セレモニーは、悪天候の中にもかかわらず、大きなトラブルに見舞われることもなく、無事、終了しました。 マクロン大統領は、翌日、会見で、このイベント前から警備にあたった人々、ボランティアをはじめ、2024年パリオリンピックの成功に貢献したすべての人、特に大会の安全を確保した人たちに感謝したいと述べました。 また、X(旧Twitter)には「誰もが不可能だと言った・・しかし、私たちはやり遂げた!それは集団の力、国家の投資、そして私たちを守ってくださる皆さんの並外れた動員のおかげです。ありがとう!」とポストしています。Tout le monde...

2024年7月27日土曜日

大雨のオリンピック開会式当日 前夜の事件とセレモニーあれこれ

 🇫🇷 ALERTE - Le pont d’Austerlitz s’enflamme aux couleurs du drapeau français pour la cérémonie d’ouverture des JO. (France 2) #Paris2024 pic.twitter.com/NM8fe9FMWj— Mediavenir (@Mediavenir) July 26, 2024   朝、目覚めて外を見たら、雨が降っていました。前日の天気予報でも雨の予報だったので、「やっぱり雨か・・」と思いました。この日は、近所のバスなども全て運行休止。コマーシャルセンターまでクローズになっていて、最後のとどめか・・と思いましたが、ここまでされるともうその日は外出は断念、ロックダウンしていました。 オリンピックの警備のための様々な交通規制や制限のために、パリを脱出してしまった人も多いなか、私は、オリンピックの開会式などを見に行くことはしなくても、自分の住んでいる街でオリンピックをやるなんていうことは滅多にないこと!と思って、この期間は、パリに留まることにしていたのです。 しかし、実際に住んでいる街でオリンピックをやられるということは大変なことだと実感!、また今回の開会式がセーヌ川上6㎞にわたってパレードを行うなどという荒唐無稽?なことを実現させようとしたために、その1週間以上前から警備が異常に厳しく、広範囲にわたることになりました。 私は、オリンピックに関わる仕事をしているわけではありませんが、ここまで住民の犠牲を強いたからには、やっぱり素晴らしいものにしてほしいと思っていました。 それが雨に加えて、朝一番のニュースはSNCF(フランス国鉄)のTGVネットワークへの大規模攻撃による交通網大混乱のニュース。ℹ️...

2024年7月26日金曜日

あれだけいたパリの露天商はどこへ行ったのか?

   オリンピックの警備が厳しくなって、住民でさえも、通行は厳しく制限され、現在、パリの街には、警察官や憲兵隊が溢れています。特にここ数日では、警察官も海外からの警察官もけっこういて、物々しいこと極まりない感じです。 そんな警察官の警戒に気をとられて、しばらく気が付かなかったのは、日常、パリに数千人はいると思われる露天商がいつのまにか、姿を消していることです。 そもそも違法の商売なので、日常から摘発してもよさそうなものなのですが、通常は見て見ないふりをしているというか、見過ごしているというか、特に観光地と言われるような場所には、ものすごい数の露天商がいるのです。 一時、エ...

2024年7月25日木曜日

空いているパリを満喫する1日

   オリンピックまでのカウントダウンが始まり、今週に入ってから、公共交通機関や通行止めなどの不便さに腹を立ててばかりいるのもバカらしく、代わりに予想外に空いてきたパリを満喫することにして、いつもは、混んでいて断念してしまうレストランに行ったり、買い物(といっても食べ物・・)に行ったりして、それなりに空いているパリを満喫しています。 メトロやバスなどの公共交通機関は前もって予告されていたところ以外でも運行していなかったり(特にバス)、途中までしか行かなかったり、これには少々閉口し、移動に時間もかかるのですが、その代わりにというか、その分、パリに人が少ないので、半分は、「そりゃそうだよな・・」「こんなに迂回しなければならなかったりするのは面倒くさいもんな・・わざわざみんな出かけないよな・・」と思いつつ、「いやいや、こんな機会はまたとない!」とその空いているという部分を楽しむことにしたのです。 オデオン界隈(サンジェルマン・デ・プレ界隈)にお気に入りのレストランがあるのですが、そこは、いつも、行きたいな~行こうかな~?と思って覗いてみると、いつもすごく混んでいて、そうでない場合は時間を外してしまったりとなかなか行けていないお店があって、「そうだ!今なら、あそこも空いているかも?」と思って、行ったのです。 それでも、行ってみるまでは、「今日はもう混んでいるかもしれない・・」とか、「あそこは、例外的にやっぱり混んでいるかもしれない・・」と目の当たりにするまでは、どうかわからないな・・と思っていたのですが、類にもれずにそこもやっぱり空いていました。 このお店がお昼時にこんなに空いているのを初めてみましたが、ラッキーでした。地元のパリジャン・パリジェンヌにも大人気の、とっても美味しいお店です。久々のお気に入りのレストランのランチにとっても満足し、ゆっくり、ゆったりと食事をして出てきたら、サンジェルマン大通りがなんと通行止めになっていて、通りの向こうには行けなくなってしまい、帰りに生ハムを買って帰ろうと思ったのに買えず、「もう今日はやめておきなさいということだな・・」と自分に言い聞かせました。 この近くでいつもは大混雑しているお店といえば、シティファーマ(CITY...

2024年7月24日水曜日

環境活動家ポール・ワトソン逮捕で注目される日本の人質司法

   今週初めのグリーンランドでの環境活動家ポール・ワトソンの逮捕はフランスで憤りと支持の波を同時に引き起こしています。この男性の環境活動家としての歴史は長く、1977年シーシェパード保護協会(主に反捕鯨)を設立して以来、様々なアクションを起こし、過去にも、数回、数か国で逮捕されています。 彼のアクションはよく言えば、なかなかパンチがあるもので、捕鯨やアザラシ捕獲などの妨害行為や漁船乗り込みを始め、この反捕鯨を訴えるために、フランス人女優ブリジット・バルドーをカナダ北部の流氷に連れて行き、アザラシの赤ちゃん狩りを非難するアピールを行ったりと広報活動にも長けています。 しかし、その行動はなかなか強引で時に破壊的、暴力的でもあったりしていることから、1979年には、カナダのセントローレンス湾で1000頭のアザラシの屠殺を阻止した際に暴力をふるったとして逮捕、1983年、ポール・ワトソンと彼のチームはシー・シェパード2号でニューファンドランド州セント・ジョンズ港を封鎖。 10...

2024年7月23日火曜日

パリは想像以上にガラガラ・・パリジャンはパリにいない・・観光客もあんまりいない・・

   いよいよオリンピックを今週末に控えて、パリは一層、動きづらくなり、私も昨日、通行証を用意していなかったために通してもらえず、行こうと思ったところに行くのを断念し、まあ、どうしても行かなければならないというわけでもなかったので、急遽、予定を変更して、別の場所に行きました。 一時、アラート(エリアによっては通行証なしには通れなくなるので、通行証を取っておくようにというお知らせ)が来た時に、通行証を取ろうとしたのですが、通勤用などならいざ知らず、いつ、どこに行くという明確な場所や理由が必用で、その時々に自分の都合で動いている私はあらかじめ予定を決めきれず、この通行証をとっていませんでした。 「パス(通行証)がないなら、少し待ってください・・」と警備にあたっていた警察官に言われたので、「いつまで待つのですか?」と聞いたら、ニッコリ「土曜日までね・・」とのこと。ずいぶん、待たなければなりません。 この通行止めのちょっと手前にコカ・コーラがやっているフードフェスのような大きな会場があったので、「じゃあ、せっかく近くまで来たのだから、こっちを覗いて行こうか・・」と思って入ってみたら、大きな会場に人がまばらでガラガラ・・。これ?ほんとにフェス??? それでも入口には警備の人がいたので、「あんまり人が来てないですね・・」と言ったら、苦笑いしながら、「19時からはDJが来る予定だから、もう一度、夜に来てよ!」と。 せっかくこんなに大きな会場を用意してフェスとかやっているのに、こんなに人が来ないなんて、コカ・コーラも大赤字だな・・と思いつつ、どうやら、パリは本当にかなり人が少ないようで、メトロも空いているし、その割に、駅などには、行列対応の赤いテープが貼られていたり、やたらと警備用の警察官が控えているのですが、通常よりも全然、人がいなくて、なんだか手持ち無沙汰な感じで携帯を眺めて話したりしています。むしろ、お客さんよりも警察官の方が多そうな感じの駅というのも、なかなか微妙です。 例年、夏になるとパリジャンはバカンスにでかけて、多少、パリも空いてくるのですが、それも本格的に空くのは8月の話。しかも、それともちょっとまた違う不気味な感じです。まだオリンピックは始まってはいないとはいえ、オリンピック目当ての観光客がそろそろ増え始めてもよさそうなのに、そんな兆しもまだありません。JO...

2024年7月22日月曜日

フランスでの甘いお醤油と辛いお醤油

   私が別で書いた記事の中でお醤油の話がちょっとだけ登場していて、フランスのお醤油には大きく分けて?甘いお醤油と辛いお醤油というものがあって、お寿司にまで、その甘いお醤油をかけて食べる人もけっこういて、しまいには、その甘いお醤油をご飯にかけて食べる人もいる・・という話を書いたら、それにビックリしたという感想をもらって、もうなんか、私の中では、驚かなくなっていることに反応があって、「そうか・・いつのまにか、慣れてしまったけど、そういえば、最初はビックリしたな・・」と思い出したので、その時の話とお醤油にまつわる話を書こうと思います。 私がフランスに来たばかりの20年くらい前は、お醤油というものは、フランスの一般的なスーパーマーケットでは、あんまり存在感がなくて、よ~く探してみれば、中国製のよくわからないもの(知らないもの)があるくらいで、日本食材店やアジア系のスーパーマーケットにいけば、キッコーマンもあるかな?というくらいでした。 それからしばらくして、フランスにもSUSHIブームがやってきて、ある時期から、お寿司屋さん(といっても中国系の人の経営するチェーン展開のお店でいわゆる日本のお寿司屋さんとは、ちょっと違うサーモン中心の焼き鳥なども置いている感じのお店)が一気に増えてきて、当時は、珍しくもあり、また日本食恋しさも手伝って、たまに行くことがありました。 その手のお店では、お寿司に焼き鳥が組み合わせてあるセットのバリエーションがけっこうありました。 これ以上、小さく切れるか?と思うほど小さく、さいの目に切ったお豆腐の入った薄いお味噌汁にこちらの固いキャベツを機械で細~く千切りして、小学校の時に家庭科の授業の調理実習で作ったようなドレッシングがかけてあるサラダがついていて、なぜかお寿司なのに白いご飯もついてくるという不思議なセットメニューがけっこうありました。(最近は、その手のお店には行っていないので、今はどうなのかはわかりませんが・・) その手のお寿司屋さんには、甘いお醤油と辛いお醤油(辛いといっても甘くないお醤油ということで、ふつうのお醤油)が置いてあり、甘いお醤油は焼き鳥のたれのように焼き鳥に追いダレのように使うものなのかな?と私は思っていました。 ある時、娘と二人でそのお寿司屋さんで食事をしていたところ、近くにいたフランス人が甘いお醤油をお寿司につけようとしていたので、「えっ??違う違う!教えてあげた方がいいかな?」と思ったのですが、「まあ、一つ食べれば気が付くだろう・・」と、ちょっとビックリする様子を半ばちょっと楽しみに見守っていたのでした。 すると、その女性は、何も驚くことなく、次のもう一つのお寿司からもその甘いお醤油をつけて食べ続けたのには、こっちがビックリでした。そして、最後には、お寿司なのに、なぜかついてくる白いご飯に、その甘いお醤油をかけて、美味しそうに平らげていたのです。 もともと、フランス人は一つ一つのお皿を順々に食べ進めていくという食べ方をする人が多いので、お味噌汁を飲んで、サラダを食べ、お寿司、焼き鳥、そしてご飯という風に順々に食べることが多く、どれも同時にちょっとずつ食べるということをあんまりしないので、最後に甘いお醤油でご飯ということになるのかもしれません。 その後、その手のお店に行く度に、フランス人はこんな風にお寿司セットを食べているのを見かけることが多くて、いちいち、そんなことにも驚かなくなっていました。 お寿司ブームがさらに進むと、どこのスーパーマーケットに行ってもお寿司が並んでいるようになり、それと同時にあたりまえのように日本のお醤油もスーパーマーケットに並ぶようになっていったのです。 今では、それに乗じて、甘いお醤油、辛いお醤油だけでなく、TERIYAKIソースとか、YAKITORIソースとか、中にはポン酢までおいてあるところも出てきました。 スーパーマーケットでお寿司の試食販売をしている際などは、ひとくちサイズのお寿司とともに、2種類のお醤油があって、「試食しませんか?お醤油は、甘いお醤油、辛いお醤油どちらにしますか?」と聞かれます。 ということは、フランス人には、かなりの割合でお寿司に甘いお醤油をかけて食べる人がいるということです。 私自身、個人的にはお寿司に甘いお醤油をかけるのは、ちょっと受け付けられませんが、まあ、人それぞれ、好きなように食べればいいので、別にそれを推奨することはしませんが、否定もしません。 世界各国のお料理は、その土地のそのままのものが伝わっているとは限らず、少なからずその国の嗜好に寄ったものになっているということはあることですが、お寿司に甘いお醤油というのもフランスの定番として、定着してしまったと思われます。 また、蛇足ですが、娘が日本で一人で生活を始めてすぐに、一番、驚いていたことは、「お醤油ってこんなに安いものだったの??」ということでした。 それくらい、フランスではお醤油は高いのです。フランスの甘いお醤油と辛いお醤油<関連記事>「フランスで日本の餃子(GYOZA)が浸透し始めた!」「フランス人と日本食」「今、パリで人気のうどん屋さん 喜心...