2023年3月10日金曜日

フォーシーズンズホテルが始めた顧客向け高級ブランド品レンタルサービス

  フフォーシーズンズホテルが始めた顧客向け高級ブランド品レンタルサービス


 フォーシーズンズグループといえば、約36ヵ国に86以上のホテルを持つ高級ホテル業界の堂々たる一員ですが、独自の顧客獲得サービスの一環として、Vivrelle(高級ブランド品レンタルの会員制サービス)と提携して、プライベート レジデンスの顧客に対して、滞在中に高級ブランドのバッグ、アクセサリー、洋服などを共有ワードローブから無料でレンタルできるサービスを導入しています。

 フォーシーズンズホテルは、この新しいサービスについて、「ビジネスミーティング、ロマンチックなディナーなどの場に新しい表現のモデルの一部を提供するとし、あなたを輝かせるために必要なものを揃えてお待ちしております」とうたっています。

 ここで借りることができるのは、プラダ、エルメス、シャネル、ディオールのいずれかから、お客様は滞在中に着用したいハンドバックやジュエリーのモデルを共有ワードローブから無料で選択できるようです。

 プラダを除いて、すべて、フランスのブランドが勢ぞろいなところが、また・・と少々、閉口する感じでもありますが、ランダムに選ばれたブランドというわけでもないであろうし、いわゆる一般的に求められている高級ブランドがこれらのブランドだということなのでしょう。

 考えようによれば、旅先に自分の荷物をそんなに持っていく必要もないだけでなく、自分の持っていない豪華なアイテムを試したり、楽しんだりすることができる機会でもあり、このホテルに泊まれば、色々なファッションを楽しむオプション的な楽しみがついてくるのですから、最新のファッションを楽しみたい人には、なかなか魅力的な試みかもしれません。

 現在のところは、このサービスを行っているのは、ロサンジェルス(ビバリーヒルズ)とヒューストンの2ヶ所だけだそうですが、今後、このようなサービスが今後、他にも広がって行くかもしれません。


 また、今回、フォーシーズンズホテルと提携しているVivrelleは、2018年に設立された、月額料金で高級ブランド デザイナー ハンドバッグとジュエリーの共有クローゼットへのアクセスを提供するユニークなメンバーシップ クラブです。この高級ブランド品レンタルプログラムでは、アイテムとその価値に応じて 4 つの価格設定があり、プログラムによっては、返却期限なしの貸出も可能です。

 メンバーは割引アイテム (メンバー向けに特別に用意されたもの) を購入することもできます。

 そもそもフォーシーズンズホテルの顧客なら、レンタルせずとも高級ブランド品でもなんでも買ってしまいそうな気もしないではありませんが、旅先のフィッティングルームのような楽しみ方もあるのかもしれません。

 今のところ、パリのフォーシーズンズホテルでは、このサービスを行っていませんが、そんな煌びやかに着飾って出かけられるほど、パリは安全な場所でもありません。

 しかし、ホテルがレンタルサービスを提供するという新しいビジネスモデルとしては、全く同じものが対象でなくてもいいわけで、色々とヒントになることがあるかもしれません。

 

フォーシーズンズホテル 高級ブランド品無料レンタルサービス


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2023年3月9日木曜日

年金改革問題デモはルーブル美術館の中までも・・

 


 フランス人が年金問題に関して過敏に反応することはわかっていましたが、今回の年金改革反対の動きは、生半可なものではすまない感じになっていることをヒシヒシと感じています。

 思えば、今回のデモやストライキは、開始当初から、かなり腰を落ち着けて構えている感じがあり、最初のデモ・ストライキから次のデモ・ストライキまでは、10日間、あるいは1週間と多少の時間をあけて、続けられてきました。

 デモに対する政府側の警戒態勢もあるのでしょうが、かなりの人数が動員されているものの、そこまで破壊的な行動はおこらずに(そこそこの破壊行動は起こっている・・しかも、普通の感覚からしたら、そこそこどころではないかもしれない・・)、もう数ヶ月が経過しています。

 かねてから、3月7日のデモ・ストライキは国の機能をストップすると息巻いていましたが、具体的にどのような事態に陥るのかは想像がつきませんでした。デモはもとより、一般市民が全般的に実際に迷惑を被るのはストライキの方ですが、前日に引き続き、私は間引き運転されているバスを待つも、来るバス来るバス満員で乗れずにバスを2台見送り、3台目にようやくぎゅうぎゅう詰めのバスに乗るという事態に遭遇しました。

 フランス人は乗り物に上手に?詰めて乗るということができず、もう少し詰めて乗ってくれればと思いつつ、バスを2台見送るハメになりました。

 バスに乗れずにバス停に残されている人々からは、「次のバスに乗れって!私は10時間も待てない!(なぜ10時間というのかはわからないけど・・)」などという怒りの声も上がりだして、カオス状態に・・。

 公共交通機関以外にも、ゴミ収集車が来なくて、街にはゴミが山積みになっていたり、荷物を輸送するトラックが行き来するような道路がブロックされたり、製油所の出口がブロックされたり、週末にかけての空の便も20~30%キャンセルになるそうです。

 今回の年金改革反対の抗議運動は、表面的には過激すぎない分だけ、地の底からふつふつと湧き上がってくるような不気味な感じがあります。


 これまでは、ルーブル美術館などは、このような全国的なストライキなどの場合は比較的安易に閉鎖してしまうイメージがありましたが、今回は閉館はせずに美術館内でモナリザやサモトラケのニケなどの前に横断幕をかかげた職員150人ほどが立ちはだかり、いくつかの部屋をブロックするという、これまであまり例を見ない事態が起こっています。

 入場料をとっておいて、中に入れば、展示品が満足に見られないということは、ますますたちの悪いことです。

 国中を混乱に陥れているこの年金改革問題について、国会では審議が続いていますが、右派と中道派の間で議会の議事進行をめぐる争いが起こり、議論は膠着状態で、反対派によってしかけられた妨害戦略のために条文の検討になかなか至らないようです。

 この反対派の組合は、マクロン大統領との直接対決を希望しているそうですが、あまりの社会的抗議の強さのために、現在のところは、ボルヌ首相をはじめとした内閣陣営が盾になっている感じでもあります。

 しかし、ここまでくると、これだけ反抗しているフランス国民がこのまま黙って従うということも考え難く、「年金改革か破綻だ!」とまで言い放っていた政府は一体、どこに落としどころを見つけるのか?、解決方法は想像もつかず、お手並み拝見と少し楽しみな気もしているのです。


年金改革反対デモ ストライキ ルーブル美術館


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2023年3月8日水曜日

ストライキの被害を被りぐったりした1日

  

無残にも閉められていたメトロの駅の入口


 今回のストライキは大規模になると事前に予告されていました。にもかかわらず、そんな日にRDV(アポイント)が入ってしまって、もうなんで?この日??とウンザリしていましたが、当日にならなければ、どの程度、交通機関が止まるのかもわからず、わからないのに、わざわざ予定をずらしてもらうのも、予定をどんどん後送りにしていくのも嫌で、まぁ、少々大変かもしれないけど、行けないこともないだろうと、予定はそのままにしていました。

 前日にRATP(パリ交通公団)のサイトを見ると、私の利用する予定のメトロは、大変混乱する見込み・・とあり、まぁそれでも、なんとか辿りつけないことではないだろうとタカをくくっていました。

 当日になって、いくつかのルートをチェックして、メトロに乗れない場合はバスを乗り継いでいくつもりで、かなり早めに家を出ました。

 たいていは、間引き運転で、えらく待たされるうえに間引きされているのですから、その分の人がたまって大混雑という地獄絵図で、それでも最近は早々にテレワークに切り替えている人も多いので、それほどの混乱でもないというような話も聞いていました。

 しかし、駅に行くと、混乱どころか、駅がクローズ、私が乗るはずだったメトロは全く運行していませんでした。

 仕方なく、バスを2本乗り継いで、通常なら30分で着く道のりを1時間半かかって、ようやく到着。しかし、予定が入っていた場所が公的機関だったため、まさか、約束している人がストライキで来ていないこともあり得るかも??と、怒り心頭になる前に、そんなこともあり得ると心づもりをしていきました。

 フランスに来て以来、とりあえず、最悪の事態をとりあえず予想はしておくことで、まさかの事態に、「やっぱり・・」とか、「あ・・大丈夫だった・・」と思えるようなセイフティーネットを自分で張るようになりました。

 かなり時間に余裕を見て出かけたつもりが、途中、まさかの遅刻?(私は遅刻が大嫌い)と焦りつつ、どうにか時間ギリギリに約束の時間に到着しました。

 彼女に会う早々、「もう、ほんと、来るの大変だった~~でも、あなたがストライキしてなくて、ほんとによかった~~」と言ったら、「ストライキするんだったら、さすがに私は連絡入れるわよ・・歩いてきたの?」と言われて、ホッとするやら、疲れがどっと出るやら・・。

 この日のデモは内務省の発表によると、フランス全土で128万人、CGT(労働組合)の発表によると350万人を動員したとされていて、いつもこの両者の発表する数字は大きく異なるのですが、デモはどうぞ、ご勝手にと言う感じでも、こうして実害を被るストライキは勘弁してもらいたいと思うのです。

 私は、現在は、めったにこのような目に遭うこともないのですが、それにしても、こうした実害に遭うのは、リモートワークもできない弱い立場の人ばかり。学校なども閉鎖になって、小さい子供を抱える人々も大変な思いをしていると思います。

 現在のところ、どちらもあとに引く気配が全くなく、一体、これがいつまで続くのか? 実害に遭ったとたんに「この生産性のない抗議、もういい加減にしたら?」と思うのでした。

 しかし、とりあえずは、今回のストライキは3日間連続とかで、国を行き詰らせることが目的なのだそうで、どういう理屈なのか少々理解に苦しむ気もしますが、今回ばかりは全国民に共通する「年金改革問題」です。

 これにどうやっておさまりをつけるのか? 日本ならば、無理やり政府が押し通しそうなところ、フランスでは、そうはいかないのです。


ストライキ 年金改革


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2023年3月7日火曜日

フランスの大人気ユーチューバー Mcfly et Carlito(マクフライとカーリト)燃え尽き症候群 休業宣言

 


 720万人の登録者を持つフランスの大人気ユーチューバー(デュオグループ) Mcfly et Carlito(マクフライとカーリト)は、加熱し、エスカレートしすぎていたユーチューブの活動に燃え尽き、疲れ、ユーチューブの動画制作をしばらく休業することを発表しています。

 彼らがユーチューブの動画投稿を始めてから、10年が経過し、彼らは単なるユーチューバーではなくなり、忙しい家庭生活を送りながら、本を書き、映画に出演し、アルバムをリリースし、ツアーに出かける生活を送っていました。

 ユーチューブの動画自体も10 年前、自分の部屋で携帯電話を使い、チームも機材もなく、最も基本的な編集で自分自身を撮影していたシンプルな喜びや楽しみが消え去り、 今日は、制作チームが組まれ、スポンサーがつき、ゲストは、次から次へと名声を上げており、彼らの動画で一堂に会するダイナミックなものになりました。

 パンデミックの際には、マクロン大統領に依頼されて、ソーシャルディスタンスを呼び掛ける動画を作成したり、その後には、マクロン大統領とエリゼ宮で「逸話大会」を行ったり、トム ホランドとボード ゲームをしたり、地中海をボートでコルシカ島まで横断したりしました。

 次から次へと彼らのユーチューブはダイナミックになっていき、それがどんどんエスカレートしていき、また、エスカレートすることがあたりまえのようになってしまったとき、彼らは疲れてしまったのです。

 エリゼ宮で大統領と動画を回したり、パリ祭の軍事パレードの飛行機に乗ったり、大スターと共演してアドべんチャラスな挑戦をしたりと、それはもう、ちょっとしたテレビ局以上の規模の企画です。

 マクフライは休業を発表したメッセージの中で、「一歩下がって自分自身を見つめなおし、友人間でより簡単にコンテンツを作成する純粋な喜びを再発見したい!」と述べており、「私たちデュオにはすでにいくつかのアイデアがあります」と記しています。

 彼らは自分たちの家庭、子供の教育もとても大切にしており、2 人は、新しい世代の父親の一員であることに誇りを持っており、子供たちの教育により多く貢献もしてきました。

 今回の休業宣言は、カーリトに3人目の子供が生まれたことを機に、決定したものでもあると言われています。

 ユーチューブは楽しいコンテンツではありますが、作成する側としたら、動画を撮影して、編集して投稿する・・この一見、単調な作業も長く続けていくのは、大変な努力が必要です。

 彼らほどの規模ではなくとも、ユーチューバーが動画内でネタ探しに苦しんでいるというようなことを告白している人も少なくありません。

 彼らのように成功すればするほど、それを取り巻く世界は大きなものになり、ネタ自体も生半可なものではない規模になっていき、エンドレスにエスカレートしていきます。

 彼らは今、過度に作りこまれた動画、ゲスト、コンセプトの競争があたりまえになってしまっていることを非難しています。 

 それだけの収入や知名度がついてくるとはいえ、この先、ただただ消耗していくことを選ばずに、一旦、活動を休止するという決断というものも、できそうでいて、そんなに簡単ではなかったはずです。

 しかし、私は逆に、そんな風に、完全に消耗しきってしまうまえに、休業宣言した彼らは、すごいな・・と思うのです。

 もうおそらく、十分に稼いだと思われても、もっと、もっと・・となるのが人間です。

 そこを一時休業して、登録者数を失うことがあっても、自分たちを見つめなおす機会を持つということは、とても賢明なことなのではないかと思うのです。

 そして、それはユーチューバーだけではなく、私たち一般人にとっても、一度、立ち止まって、自分自身を見つめなおすことが大切な時もあるのだということを教えてくれているような気もするのです。


Mcfly et Carlito(マクフライとカーリト)休業宣言


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2023年3月6日月曜日

大手スーパーマーケットチェーン「カーフール」が提案する「アンチインフレバスケット」

  


 止まらないインフレに、「赤い3月」などと、さらなる価格の上昇が見込まれている中、大手小売業者は、消費者に対して、購買力をサポートするための措置を講じる準備をしています。

 大手スーパーマーケットチェーン「カーフール」は、3 月 15 日から6月15日まで、フランス国内の5,945店舗において、選ばれた200の商品価格をブロックし、固定価格として、値上げしないまま販売することを発表しています。

 2ユーロ未満で販売されるカーフールが選んだ200 の商品は、100の食料品と100の日用品の大きく2つのカテゴリーに分けられています。

 ヨーグルト、卵、新鮮な野菜、缶詰または冷凍野菜、パン、シリアル、牛乳など、リストは長く、このリストには、栄養スコア A または B、バランスの保証がついている製品であることという共通点を持っています。

 あらゆるものの価格が上昇する中、今までよりも食料品のランクを落として買い物をする傾向にある、国民が摂取する食料の質の低下が問題視されている中、これを十分に考慮に入れた選択がなされています。いわゆる「安かろう悪かろう」というわけではない、安いものを安くしているのではないという設定です。

 日用品については、赤ちゃんのおむつなどの衛生用品、スプレッド、小麦粉、さらにはクッキーなどを挙げています。

 具体的にその商品を見ていないので、あまりピンとこないところもありますが、とりあえずは、最低限必要なものが選ばれているとは思うので、ありがたいと言えば、ありがたい措置であるとは、思います。

 しかし、これを素直に受け取って安心しているわけにはいきません。

 このような200の商品の値上げしない宣言をする理由は、顧客を繋ぎとめておこうとする彼らの戦略にほかなりません。実際にカーフールなどの大手のスーパーマーケットが1店舗で扱う商品はおよそ、5万点と言われ、たとえ、200の商品が値上げしないとしても、残りの49,800の商品はこの200の商品の値上げをしない宣言を隠れ蓑にして、着々と値上げしていくのです。

 消費者は、その値上げしない200の商品のうちの何かを買いに行くと同時にしっかり値上げしている商品にも手をのばすことに繋がるのです。

 私などは、だいたい何か必要なものを買い物に行っても、結局は買い物の8割がたは当初予定していなかったものを結局、買ってきてしまうのであって、それを無駄にするわけではなくとも、差し迫って必要でもないものを買ってくるということをするのが常です。

 ということは、節約をするためには、少しでも買い物に行く回数を減らすことが一番よいのではないか?と最近では思うのです。

 いずれにしても、セイフティラインと言われるものの価格上昇を止めてくれるのはありがたいながら、それ以外は、確実に値上げするという宣言でもあるのです。

 残念ながら、現在のところ、価格が下がる要素は何もないのです。


カーフール アンチインフレバスケット 2ユーロ未満 200品目


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2023年3月5日日曜日

モンパルナス駅でお買い物 M&S カヌレ ヨーグルトソフトクリーム

  


 最近、私の個人的なお気に入りスポットの一つは、パリ・モンパルナス駅なのです。TGVも発着する大きな駅はパリには他にいくつかあるのですが、私が最近、時々、モンパルナス駅に出向くのは、いくつかの私のお気に入りのお店があるためなのです。

 お気に入りのお店といっても、それはすべて食料調達なのですが、他には、あまりないお店がどういうわけか、モンパルナスにはいくつかあることで、最近は、定期的に行っています。

 パリで買い物をしたいなら、総合的には、Chatelet(シャトレ)の駅に隣接しているショッピングセンターやその界隈に行けば、まぁまぁ、たいていのメーカーはほぼ全て網羅していると思われるほど、何でも揃うとは思うのですが、このシャトレは、規模も大きく、人も多くて、年齢層も比較的若くて、元気な時には、悪くはないのですが、個人的にはあまり好きではありません。

 若者が多いこともあるのか、近辺のお店、レストランなども比較的、リーゾナブルなお店が多いような気もします。

 しかし、私がモンパルナス駅に行くのには、正直、いくつかの私が行きたいお店があるからなのです。これまでは、駅というのは、旅行に行く際の通過地点でしかありませんでしたが、現在はちょっと違っています。

 まず、私がモンパルナス駅に行く理由の一つは、M&S(マークスアンドスペンサー)というイギリスのスーパーマーケットが入っていることです。以前は、パリ市内にいくつもあったM&Sは、ブレグジットとともに姿を消していきました。




 そんな中で、かろうじて店舗が残っている一つがモンパルナス駅なのです。現在は、MONOPRIX(モノプリ)とジョイントしているような感じ店内の一部でしかありませんが、M&Sの商品はクッキーやケーキなどのお菓子類、パン、紅茶類の一部だけです。

 クッキーなどは、私はフランスのものより、イギリスのものが好きで、これまでも定期的に買っていたもので、私にとってはテンションがあがるお菓子類です。(モノプリと提携しているだけあって、モノプリのポイントカードが使えます)



 そして、2つ目の理由は、「カヌレ」です。モンパルナス駅には、ボルドーでは有名な「La Toque Cuivree」というカヌレ屋さんのスタンドがあり、これがびっくりするほど安いのです。カヌレはフランスではポピュラーなお菓子で、どこのブーランジェリーやパティスリーなどでもたいていおいているものではありますが、これが中途半端に高いのです。



 例えばPAULなどで売っている1個2.4ユーロの大きさのカヌレはこのお店では0.70ユーロです。このお店はボルドーには何軒もある大人気のカヌレ専門店で、逆にパリで他のお店でカヌレをなぜ、こんな高い値段で売っているのか不思議なぐらいです。




 外側はカリッとしていて、中はもっちりしている独特の風味がたまらない逸品です。パリには、このお店はモンパルナス駅にしかないので、(ボルドーからのTGVがモンパルナスに入るからだと思いますが・・)ここでしか買えません。ちょっと、他のお店とは離れた場所にあるものの、知る人ぞ知るといった感じで、いつでもお客さんが並んでいます。

 そして、最近、もう一つ見つけたのが、「Yogurt FACTORY」というヨーグルトアイスクリーム?のお店で、ここのムースのようなソフトクリームのようなヨーグルトアイスクリームが感動的に美味しいのです。




 最初、私は、このお店を知らなくて、トッピングのために並べられているチョコレートやクッキーやマシュマロなどが、ヨーグルトのヘルシーさとは、かなり不釣り合いだなぁ~と思いながら眺めていたら、お店の人が「試食してみませんか?」とヨーグルトアイスを試食させてくれました。

 すると、これが感動的に美味しく、全く期待していなかっただけに衝撃も大きく、「えっ??美味しい~~!」と思わず声をあげてしまいました。

 こうして書いていると、若い頃は全くの辛党で甘いものはどちらかというと苦手だった私がパリに来て、すっかり甘いものが好きになったもんだ・・と我ながら、ちょっと信じられない気持ちではありますが、「美味しいものは甘くても辛くても美味しいのだ・・」と開き直りたくなります。

 この他にも、ちょっと可愛い小物を扱っているようなお店がピンポイントで入っているし、最近は日本のお菓子なども扱いだした「normal(ノーマル)」という日用品や化粧品などをメインにしたディスカウントショップなども入っています。



 駅といえば、単なる通過地点に甘んじてしまう傾向にありますが、最近、私はお買い物をしに、モンパルナス駅に時々、行っています。もっぱら、食べ物ばかりの買い物ですが、ここでしか買えないものが一同に会しているため、ごきげんで通っているのです。


パリ モンパルナス駅 M&S カヌレ ヨーグルトファクトリー


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2023年3月4日土曜日

冷凍ピザ食中毒死亡事故から1年 ブイトーニのコードリー工場閉鎖へ

  


 ちょっと見るだけでもおぞましいピザ工場から生産された大手食品メーカーのピザから、溶血性尿毒症症候群(HUS)と毒素産生性大腸菌(STEC)が検出され、75件の食中毒症状を発症したと報告され、そのうち2人の子供が死亡した事件から、約1年が経過しています。


 この事件により、このピザを製造していた工場は生産を一時停止し、「過失致死罪、14人に対する過失傷害罪、人や動物の健康を害する製品に関する偽装、食品に使用される食品が偽造または破損して健康を害する展示または販売、健康を害する製品を市場に出して他人を危険にさらす容疑」として捜査が進められてきました。

 それから、かなりの時間が経って後、昨年12月には、ようやく衛生管理の改善や調理済みの生地を使用したピザのラインのみという条件付きで、一部の生産再開の許可が下りて、生産を再開していたようですが、ここへきて、当該工場が閉鎖されることが発表されています。

 このピザはイタリアンの食材を扱っているBuitoni(ブイトーニ)のブランドの大手食品業界ネスレ・フランスの冷凍ピザ工場での話で、このたび、ネスレ・フランスがフランス北部コードリーにあるブイトーニピザ工場の操業を停止することを決定したものです。

 これは、この食中毒事件のスキャンダルのために冷凍ピザ市場は1年で20%減少したことによる売り上げ減少によるものとしています。

 この工場は当事者なわけで、この冷凍ピザの消費が減少したのは、そもそもこの会社のスキャンダルなのですから、仕方ない話でもあり、これに影響された同業他社は全く大変なとばっちりを食ったことになります。

 ネスレの広報によると、「2022 年 12 月に最高の状態で工場を再開できるようにあらゆる努力を払ったにもかかわらず、受注見通しの悪化により、ネスレ フランスは対応を余儀なくされました」とのことですが、これは、事件後の被害者への対応等、危機管理にも大きな問題があったためでもあると私は思っています。

 この事件の後、実際に被害に遭った子供の家族などからは、ブイトーニ、ネスレの塩対応の様子が伝えられており、再三の問い合わせにも、なかなか連絡がとれなかったり、ようやく連絡が取れても、会社からの十分な説明が得られなかったり、被害者へのお詫びは、ブイトーニのピザを買える金券が送られてきただけだった・・とか、信じられない誠意のなさがいくつも伝えられていました。

 この事件は結果として、民事事件と刑事事件の両方で裁判が行われていますが、調査が終わらないということで、裁判は再三におよび延期されているのも被害者の怒りをさらに膨らませているようです。

 この被害者の一人である少女は、この冷凍ピザを食べた後、嘔吐と下痢に苦しみ、緊急治療室で 3 週間昏睡状態に陥り、2 回の心停止に見舞われ、2 か月間入院。その後も彼女は後遺症に苦しみ続け、心臓の薬を飲み続け、週に3回理学療法を受けています。 

 医師によると、彼女はいつか腎臓を失うと宣告されていますが、すでに、感覚や運動能力が失われています。

 民事レベルの裁判においては、すでにネスレに対して身体的傷害の補償として、20,000ユーロの支払いが命ぜられていますが、将来のある子供がこれだけの障害を負って20,000ユーロとは、大企業ネスレにとって何の痛みもない20,000ユーロという金額も信じられない話です。

 また、フランスでは業績悪化という理由があるにせよ、工場を閉鎖したりするのは、そう簡単な話ではなく、今回の工場も180人の従業員が雇用を失うわけで、労働組合も国も黙って、ハイソウデスカ・・と従うわけではありません。

 とりあえず、ネスレ側は、この工場閉鎖が正式に決定するまでは、従業員の給与は補償すると発表していますが、この工場のあるコードリー市の市長は、「ネスレは、世界中で数十億ユーロの利益を上げているグループであり、責任を負い、代替生産を見つけてもらいたい」と、この従業員が引き続き就業できることを望んでいます。

 ネスレ フランスは、2,000 以上のサンプルを採取し、生産ラインとその環境 (壁、グリッドなど) で細菌を検出しなかったことを示していましたが、実際には、2021 年 10 月から 2 月までの間に生産された冷凍ピザで細菌が検出されていました。

 過去に何度か警告があり、従業員からの非難の証言の後、清掃や衛生状態なども問題視されてきました。

 今日、「非自発的殺人」の捜査の一環として、北部のコードリーにあるブイトーニ工場と、オー ド セーヌ県のイシ レ ムリノーにあるネスレの本社の捜索は続いていますが、まだまだこの事件が解決するのには、時間がかかりそうです。

 ネスレ フランス社長は 昨年7 月、被害を受けた子どもたちの家族に「お詫び」を述べ、「被害者支援基金」の創設を発表していますが、食品会社としては致命的な食中毒事故に対しての対応を、この会社はちょっと甘くみていたような気がするのです。


ネスレ フランス ブイトーニ 冷凍ピザ食中毒 工場閉鎖


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