正直、フランスのテレビで日本のニュースがとりあげられることはあまりありません。G7などの会合があったりしても、参加国の一つとして日本の名前は挙がるものの、日本はあまり存在感もなく、下手をすると日本の首相が映像には映っていなかったりすることもあるくらいです。
それが、ここ数日のニュースでは、日本が1875年以来、147年ぶりの記録的な猛暑に見舞われているというニュースが報道されています。
私自身は、もう長いこと夏の間に日本に行っていないので、日本の夏というものを実感として、忘れてしまっていて、フランスのテレビのニュースで流されていた猛暑に見舞われている東京の街の様子に、多くの人が日傘をさしている映像が映って、「あぁ〜そういえば、日本には、日傘というものがあったんだ・・」と懐かしく思い出したくらいでした。
フランス人は雨でもあまり傘をさすことはありませんが、それ以上に日傘をさす人はもっといないので、日傘というものの存在をすっかり忘れていたのです。
以前は、子供の夏休みに合わせて日本に行っていた頃もありましたが、日本に飛行機が着いて、飛行機を一歩出た時に感じるムッとした湿度を含んだ息苦しいような暑さに、日本に帰ってきたんだ・・と実感することもありました。
フランスでは今回の日本の歴史的な記録を塗り替えた猛暑について、「本来ならば、日本は7月半ばまではTSUYU(梅雨)とよばれる雨の多い時期で、ここまで暑いことはなく、2週間ほど前のフランスでの猛暑のように、夏の暑さが早くやってきていることを気象学者などが出てきて語っています。
夏の暑さが早くやってきて、遅くまで続くというこの世界的な傾向が日本の猛暑を例にあげて、紹介されているのです。
また、併せて、日本の猛暑では、電力消費の問題も起こっていると伝えています。日本のほとんどの家庭や公共の場では冷房が効いており、日本での電力消費量のピークは夏である・・と珍しそうに伝えています。(おそらく、フランスでは日本ほど冷房は普及していないため、どちらかといえば、電力消費量が多いのは、寒くて日も短くなる冬なのだと思います)
2011年のTSUNAMI・津波や最近の地震の余波で、原子力発電所や火力発電所が不足しているため、首都圏の電力生産は苦戦しており、日本政府は、電力消費の抑制を呼びかけながらも、適切にエアコンを使い続けるという難しい奨励をしていることを、エレベーターを停めたり、電気を落としたオフィスで仕事をする映像を併せて紹介しています。
きっと、フランス人にとって、一番、わかりにくいのは、この暑さに加えて、湿度も70%、80%を超えているという状態で、40℃に迫る気温と70〜80%の湿度は「致死量のカクテル」であると描写しています。
先月もパリでは6月だというのにやはり40℃に迫る気温を記録していて、「いくら湿度が高くなくとも、さすがにここまで気温が上がるとキツい・・」などと思っていたのですが、我が家など冷房がなくともなんとか乗り切れるのは、やはり、この湿度の低さ所以であるのだろう・・と今さらながら思ったのです。
考えてみれば、日本にいた頃は、エアコンをつけて、たとえ除湿だけに設定していても、なんだか涼しく感じたのは、同じ気温でも湿度の高さで体感気温が違って感じることからくるのかもしれません。
また、この猛暑のために、日本では毎年、何千人もの人が入院したり、何十人もの人が亡くなっているのは、日本の人口の3分の1が60歳以上という高齢化社会であるということまでを指摘しています。
「致死量のカクテル」とまで言われている高い湿度を伴う日本の猛暑、よほどのことがない限り、私が夏に日本に行くことはなくなりそうです。
147年ぶりの記録更新 日本の猛暑
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