2022年7月4日月曜日

フランスで報道されている歴史的記録を更新した日本の猛暑 

   


 正直、フランスのテレビで日本のニュースがとりあげられることはあまりありません。G7などの会合があったりしても、参加国の一つとして日本の名前は挙がるものの、日本はあまり存在感もなく、下手をすると日本の首相が映像には映っていなかったりすることもあるくらいです。

 それが、ここ数日のニュースでは、日本が1875年以来、147年ぶりの記録的な猛暑に見舞われているというニュースが報道されています。

 私自身は、もう長いこと夏の間に日本に行っていないので、日本の夏というものを実感として、忘れてしまっていて、フランスのテレビのニュースで流されていた猛暑に見舞われている東京の街の様子に、多くの人が日傘をさしている映像が映って、「あぁ〜そういえば、日本には、日傘というものがあったんだ・・」と懐かしく思い出したくらいでした。

 フランス人は雨でもあまり傘をさすことはありませんが、それ以上に日傘をさす人はもっといないので、日傘というものの存在をすっかり忘れていたのです。

 以前は、子供の夏休みに合わせて日本に行っていた頃もありましたが、日本に飛行機が着いて、飛行機を一歩出た時に感じるムッとした湿度を含んだ息苦しいような暑さに、日本に帰ってきたんだ・・と実感することもありました。

 フランスでは今回の日本の歴史的な記録を塗り替えた猛暑について、「本来ならば、日本は7月半ばまではTSUYU(梅雨)とよばれる雨の多い時期で、ここまで暑いことはなく、2週間ほど前のフランスでの猛暑のように、夏の暑さが早くやってきていることを気象学者などが出てきて語っています。

 夏の暑さが早くやってきて、遅くまで続くというこの世界的な傾向が日本の猛暑を例にあげて、紹介されているのです。

 また、併せて、日本の猛暑では、電力消費の問題も起こっていると伝えています。日本のほとんどの家庭や公共の場では冷房が効いており、日本での電力消費量のピークは夏である・・と珍しそうに伝えています。(おそらく、フランスでは日本ほど冷房は普及していないため、どちらかといえば、電力消費量が多いのは、寒くて日も短くなる冬なのだと思います)

 2011年のTSUNAMI・津波や最近の地震の余波で、原子力発電所や火力発電所が不足しているため、首都圏の電力生産は苦戦しており、日本政府は、電力消費の抑制を呼びかけながらも、適切にエアコンを使い続けるという難しい奨励をしていることを、エレベーターを停めたり、電気を落としたオフィスで仕事をする映像を併せて紹介しています。

 きっと、フランス人にとって、一番、わかりにくいのは、この暑さに加えて、湿度も70%、80%を超えているという状態で、40℃に迫る気温と70〜80%の湿度は「致死量のカクテル」であると描写しています。

 先月もパリでは6月だというのにやはり40℃に迫る気温を記録していて、「いくら湿度が高くなくとも、さすがにここまで気温が上がるとキツい・・」などと思っていたのですが、我が家など冷房がなくともなんとか乗り切れるのは、やはり、この湿度の低さ所以であるのだろう・・と今さらながら思ったのです。

 考えてみれば、日本にいた頃は、エアコンをつけて、たとえ除湿だけに設定していても、なんだか涼しく感じたのは、同じ気温でも湿度の高さで体感気温が違って感じることからくるのかもしれません。

 また、この猛暑のために、日本では毎年、何千人もの人が入院したり、何十人もの人が亡くなっているのは、日本の人口の3分の1が60歳以上という高齢化社会であるということまでを指摘しています。

  「致死量のカクテル」とまで言われている高い湿度を伴う日本の猛暑、よほどのことがない限り、私が夏に日本に行くことはなくなりそうです。


147年ぶりの記録更新 日本の猛暑


<関連記事>

「フランスの猛暑というより40℃超えの酷暑とシャトールーの水道水に大腸菌で水道一時停止」

「夏にバカンスで閉めるフランスのプールとラーメンを出さないラーメン屋」

「最近、猛暑時に必ず起こるストリートプーリング」

「フランス 5月の記録的な熱波」

「パリで冷房なしで猛暑(42℃)を乗り切る方法」



2022年7月3日日曜日

シャルル・ド・ゴール空港 ストライキのための大混乱

   


 7月1週目の週末は、学校が夏休みに入っての最初の週末のため、一斉に皆がバカンスにでるため、例年、何も問題がなくても、空港は大混雑に見舞われます。娘が小学生の頃には、日本の小学校に少しでも通わせたかったために、フランスの小学校がお休みになったすぐのこのタイミングで日本に行っていました。

 日本の小学校は、フランスの小学校とは少しずれて夏休みに入るため、その短い期間に日本の小学校への短期入学を受け入れて頂いていました。在仏邦人で同じことを考える人は、私だけではないようで、同じ目的のために空港で見かける在仏日本人ママを見かけることも少なくありませんでした。

 在仏日本人でなくとも、待ってましたとばかりに皆がバカンスに出発するこの週末はおそらく一年のうちで最も空港が混雑するタイミングでもあります。

 それが、今年のこの週末は、空港職員に加えて、空港の消防隊員のストライキのために、予定されたフライトの20%(5便に1便)は欠航という混乱に加えて、機械の故障も相まって、チェックインした荷物が飛行機に積まれず、乗客の約半数の荷物が積まれないまま出発してしまったり、また、到着便の荷物を回収するまでに5時間もかかったという人まで出ています。

 ただでさえ、混雑するこの時期に、キャンセルになったフライトの代替便を確保する人で空港は溢れかえり、また、荷物を確保するための人がどんどん溜まって膨れ上がっていくわけで、パリ・シャルル・ド・ゴール空港は大混乱に陥りました。

 空港職員のストライキに加えて、空港消防隊員のストライキのために、飛行機の離発着の安全性が確保できないためのキャンセルになっているのです。

 このストライキはインフレ、物価の上昇に対応するための賃上げの要求に加えて、パンデミックの初期のロックダウンや減便によるコストカットのために人員を大幅に削減したことによる人員不足による労働環境の悪化の改善要求も含まれており、早急に解決ができる問題でもありません。

 この掻き入れ時にこれだけのキャンセルに対する補償問題もさらに今後、上乗せされる問題として蓄積されていきます。

 フライトのキャンセルや遅延に関して、欧州消費者センター(ECC)フランスは、以下のように説明しています。

「スタッフのストライキを理由に会社がフライトをキャンセルした場合、キャンセルした航空券の払い戻し、または同等の輸送条件でキャンセルしたフライトの代替便を要求する権利がある」としています。

 さらに、「すべての旅行者は追加補償を受ける権利がある」と付け加えています。

「この補償金は、会社が航空券を払い戻した場合でも、お客様に追加で支払われるもの」とし、補償金額は、1,500km以下のフライトの場合は250ユーロ、EU圏内の1,500kmを超えるフライトの場合は400ユーロ、EU圏外の1,500~3,500kmのフライトの場合は600ユーロとなっています。航空会社が代替便を提供した場合、この補償額は半額になることがあります。

 航空会社がこれに対応しない、あるいは補償を拒否するなどの問題が発生した場合、苦情を申し立てることができます。

 また、航空会社が代替便を提供する場合、「翌日までに出発できない場合の軽食、食事、2回の連絡(電話、テキストメッセージ、メール)、ホテルや空港の移動費用」を負担しなければならないことになっているようです。

 ただし、これには、追記があり、「航空会社以外のスタッフ(例えば航空管制官)によるストライキの場合は、補償が拒否される場合がある」とされているため、今回のように空港スタッフや消防隊員のスタッフによるストライキの場合は、補償されるかは定かではありません。

 現在のフライトには、依然としてコロナウィルス感染対策のためのハードルに加えて、航空運賃の爆上がり、長距離迂回フライトなどのストレスが重なっていますが、それに加えてのストライキのためのフライトキャンセル、ロストバゲージなどのトラブルが加わっています。

 今回のストライキに関わっているのは消防隊員やADP(パリ空港公団)グループの従業員のだけではなく、ほとんどの航空会社の客室乗務員を代表し、「労働法の適用と残業代の支払い」を要求する全国客室乗務員組合(SNPNC)のクリステル・オスター会長は、「ストライキは繰り返される。必要なら夏中続ける」と徹底抗戦の姿勢を発表しています。

 これは恐ろしいことです。まだまだこのストライキは続く可能性があるのです。

 いよいよバカンス!という瞬間に、高いチケットを購入した挙句に、フライトが予定どおりに飛ぶかどうかを心配し、また運良くチェックインまで漕ぎ着けたとしても、荷物が無事に届くかどうかを心配しなければならない事態です。

 チェックインした荷物に関しては航空会社が責任を持って、本人の自宅または、ホテルまで届ける義務があるとされていますので、少なくともスーツケースには名前と連絡先を書いたネームタグをしっかりと付けることは、せめてものリスクオフ対応かもしれません。


パリCDGストライキ ロストバゲージ


<関連記事>

「夏休みの日本への一時帰国 日本の小学校体験入学」

「この夏のフライトはストライキ・人員不足のためにキャンセルが激増する模様」

「日本の外国人観光客受け入れと燃油サーチャージ値上げ」

「まだまだハードルが高い日本行き JALは運行なのに、ANAは欠航のパリー羽田便」

「バイリンガル教育は簡単じゃないけど、頑張れば、その子の一生の財産になる」

「フランス人の嫉妬心と日本人の嫉妬心 一時帰国の際の娘の日本の小学校への編入時のいじめ」

2022年7月2日土曜日

シャンゼリゼのマクドナルドのテラス席はおしゃれで可愛い

  


 フランス人は、テラス席が大好きで、夏の暑い時も冬の寒い時もカフェでは、テラス席が人気で、なぜ?この暑い時に外で・・?、なぜ?この寒い時に外で・・?、なぜ?この排気ガスいっぱいの車のそばで・・?と、思わないでもありませんが、カフェやビストロなど、外のテラス席からお客さんは埋まっていきます。

 ほどほどにお天気がよいくらいであれば、オープンエアに近い空間は、たしかに解放感があり、街行く人を眺めながら、また、街行く人に眺められながら、ちょっと軽く飲んだり、食事したりするのは楽しいものです。

 パンデミック以来、店内での換気の悪さの問題などもあって、テラス席はどこも、ここ2年ほどの間にかなり拡張し、また、テラス席をきれいにデコレーションするようになったのもここ数年のパリの変化の一つでもあります。

 もともとテラス席好きのフランス人にとって、この夏の間のテラス席の拡張やデコレーションはすっかり季節の風物詩となった感があります。そして、カフェなどを花で覆い尽くす派手なデコレーションが目立つようになったのも、ここ数年の流行りのようで、パリの街を歩いていると、その手の感じのデコレーションが目立つようになりました。

 そんな中、たまたまシャンゼリゼを歩いていたら、マクドナルドに可愛いテラス席ができているのを見つけました。シャンゼリゼは、そんなに頻繁に行くわけではないので、いつからできているのかわかりませんが、たしか、去年はなかったように思います。

 


 シャンゼリゼといえば、観光客の集まる場所でもあり、多くの観光客で賑わうところです。私が初めてパリに旅行で来た時、私が初めてパリで外食したのは、たしかシャンゼリゼのマクドナルドだったような気がします。

 なぜ、パリに来て、わざわざ普段はあまり行かないマクドナルドに行ったかと言えば、ハッキリ言って、フランス語ができなかったからで、オーダーも簡単でメニューも単純だという理由で行ったような記憶があります。記憶は定かではありませんが、あの頃は、まだまだ普通のマクドナルドで、今のような華やかな感じではなく、ごくごく普通のマクドナルドでした。

 しかし、今のシャンゼリゼのマクドナルドはすっかり洗練されていて、店内もすっきりしていて、ごちゃごちゃしたメニューの表示などもありません。また、マクドナルドといえば、赤に黄色の文字のイメージですが、色の基調もシックに統一されています。


  

     

 現在は、どこのマクドナルドでも(ファストフード店はだいたいどこも同じ)写真付きのタッチパネルでオーダーして支払いを済ませてから、レシートを見せて受け取るようになっているので、フランス語も必要ありません。

 

凱旋門からも近い絶好のロケーション 外のデコレーションの花は生花


 シャンゼリゼのマクドナルドはシャンゼリゼの中腹より少し上(凱旋門より)にあり、場所も絶好のロケーション、テラス席は簡単なテントが張られ、今、流行りとも言えるたくさんのお花でデコレーションされています。特に予約をする必要もなく、普通にマクドナルドで買ったものを自分でテラス席に運んで食べることができます。

 シャンゼリゼや凱旋門を眺めながら、可愛く彩られたお花に囲まれて食事することができます。シャンゼリゼの飲食店は、だいたい観光客価格でかなり高めの値段設定のお店が多い中、マクドナルドは安心価格で食事できるのも魅力です。

 たくさんの華やかなお花でデコレーションされたテラス席内部はマクドナルドのお客さんだけを入場管理させる人が配備されていて、内部も清潔に保たれています。

 



 パリに来てまでわざわざマクドナルド・・と思ってしまいそうなところですが、シャンゼリゼのマクドナルドは、店内の広いスペースも、さすがに洗練されていて、心地よく過ごすことができるので、このテラス席はもちろんのこと、ちょっと違うマクドナルドを楽しめるかもしれません。


  
         店内のマックカフェとサラダバーのコーナー

 このロケーションと可愛いテラス席で同じマクドナルドでも、ちょっとリッチな気分を味わえて、ちょっと得した気分になれるマクドナルドです。

 パリでシャンゼリゼをちょっと歩いたら、他とはちょっと違うマクドナルドを楽しんでみるのも一興かもしれません。


*ちなみに2024年5月現在シャンゼリゼのマクドナルドのテラスはシックな感じに変わっています




シャンゼリゼ マクドナルド テラス席


<関連記事>

「パリのカフェに見るフランス人の日常の楽しみ方」

「マクドナルドの水が呼び起こす大論争 Eau by McDonald's」

「拡張しているテラス席でのパリのレストランでのランチ」

「シャンゼリゼ・ラッピングされた凱旋門とディオールの躍進」

「シャンゼリゼのアップルストア Apple Store Champs-Elysées」

「シャンゼリゼで起きていたマカロン戦争」

2022年7月1日金曜日

フランスの政治外交の舞台裏 ドキュメンタリー番組

 



 数日前に「ロシアによるウクライナ攻撃の4日前のマクロン大統領とプーチン大統領の電話会談がテレビのドキュメンタリー番組で放送される」という予告を見て、「えっ?そんなのテレビで流していいの??絶対見たい!」とこの番組が放映されるのを楽しみにしていました。

 事前に細かい内容については知りませんでしたが、この番組は、「Un président, l'Europe et la guerre」(大統領、ヨーロッパ、戦争)と名付けられたこの番組は、エリゼ宮の裏側、マクロン大統領の周辺を今年の1月から6ヶ月間にわたり撮影されたもので、フランスがEUの議長国を務めた期間でもあり、奇しくもヨーロッパを揺るがす戦争に直面するフランス外交の記録になっています。

 今年の2月頃から、ロシアとウクライナの雲行きが極端に怪しくなってきた頃から、マクロン大統領がクレムリンを訪れ、あの長テーブルの端と端に座らせられての5時間にわたる直接会談に臨んだ時の映像、会談のあとの雪道を取材に答えながら歩くマクロン大統領、クレムリンを直接訪問したにもかかわらず、説得は通じず、その後もプーチン大統領、ゼレンスキー大統領との電話会談が頻繁になり、同時に他のヨーロッパ諸国、ドイツやイタリアの首相との会談の様子。別の間に控えるマクロン大統領の外交担当のスタッフが息を飲みながら、電話を聴いている様子。

 よもやヨーロッパも巻き込まれる戦争になるかもしれない危機感から、特にロシアの攻撃が開始される前後はニュースから目が離せなかった私は、その頃のニュースは細かく見ていましたし、マクロン大統領がどこの国の首脳とどんな内容の話をしたかなどのニュースはずっと追っていたので、これが、あの時の映像なのだ・・と思うと余計に臨場感があって、興味深いものでした。

 電話会談の模様は、プーチン大統領とのものに限ったものではなく、ゼレンスキー大統領との会談、ドイツ、イタリア、イギリスの首脳とのものも公開されていて、かねてから、彼らは一体、何語で会話をしているのだろうか?と素朴な疑問を持っていましたが、プーチン大統領とはそれぞれが母国語、ゼレンスキー大統領とは、時にはそれぞれに母国語、ロシアの攻撃が始まった直後は英語で、ドイツやイタリア、イギリスの首相とは英語でした。

 驚いたことは、彼らはかなり、フランクな感じで話しており、各国首脳、プーチン大統領とさえも彼らはお互いにファーストネームで呼び合っており、お互いに話し慣れた感じに会話が進んでいることでした。

 番組広告にもあったロシアの攻撃開始の4日前の会話では、本音かどうかはわかりませんが、プーチン大統領は、マクロン大統領がバイデン大統領の誤解を生み出したとか、ウクライナは核兵器の準備をしようとしているとか、ウクライナ政府は民主的な選挙で選ばれたのではないなどとかなりの応酬が続いています。

 しかし、結局、このロシアの攻撃前の最後の会談では、マクロン大統領がプーチン大統領に対して、バイデン大統領とも、ゼレンスキー大統領とも直接、話をすることを提案し、「それについては、外交担当の大臣と相談して検討する。エマニュエル、あなたとは率直に話せることを感謝している」というところで、電話会談が終わっています。

 このドキュメンタリーは、ロシアの攻撃が始まる前の日の夜のゼレンスキー大統領との会話やそれから数時間後に開始されたロシアの攻撃、それから数日間は特にもう日付の区切りがないようなスケジュールに密着しています。

 その後の戦争が継続されていく時系列、そして、つい先日、ドイツ、イタリアの首相とともに夜行列車でキエフを訪問する様子など、あの時はセキュリティー上、時間をずらして報道されていたものが、全て記録されていました。

 このドキュメンタリー番組を制作したジャーナリスト・ギー・ラガシュは、当初はフランスがEUの議長国を務める期間を取材し、欧州連合を身近なものにしたいという意向で取材を申し込んだと語っていますが、そもそも、こんな外交政治の裏側はそう易々と報道されるものでもなく、ましてや、この戦争という危機的な状況でこのような番組を制作することは、政府側の大変な理解と協力を得なければならなかったものだと思います。

 彼はこの期間を小さなビデオカメラとiphoneで撮影し、より個々の話、ストーリーに接近することを心がけたと語っています。




 フランスのEU議長国が6月末で終了するタイミングでの番組の放映もドラマチックでもありました。

 「は〜っ!ほ〜っ!なるほど・・こんな感じなんだ・・」と思いながら、とても興味深く番組を見ました。2時間強の長い番組でしたが、あと数回、繰り返してみたい気もしています。

 政治を少しでも身近に、そして興味を感じられるような、こんな番組、日本にもあったらいいのに・・と思った次第です。


戦争開始4日前のマクロンとプーチンの電話会談の内容 ドキュメンタリー


<関連記事>

「ロシア・ウクライナ問題 パンデミックの次は、本当の戦争の危機」

「マクロン大統領とプーチン大統領の電話会談の内容 ウクライナ問題の行方」

「プーチン大統領の演説にフランスの大統領選挙報道が吹っ飛んだ!」

「フランス共和国大統領のアジャンダ(議事日程)L'agenda du Président de la République」

「約1ヶ月ぶりのマクロン大統領とプーチン大統領の電話会談」







2022年6月30日木曜日

夏のベランダ菜園 鳩との戦いの日々

  

風鈴を吊るし、割り箸をたてまくって鳩と戦っている

 

 いつの頃から始めたか、私は、毎年、春先になると、我が家の狭いベランダを利用して、日本の野菜を育てています。春先の春菊やこまつな、水菜にはじまり、しそ、三つ葉、小ネギ、山椒などの薬味類などは、我が家の食卓には欠かせないものです。

 ちょっとした薬味があるだけで、何のことはないお料理が格段にレベルアップします。逆にベランダにちょっと出れば、手に入るこの薬味がなくなってしまったら、どれだけ味気ない食事になってしまうかと思うと、もうこれなしには、いられないほどです。

 狭いベランダゆえ、場所に限りがあるため、フランスの普通のスーパーマーケットで容易に手に入るものではなく、手に入れることが難しい日本の野菜で比較的簡単に育てられるものが中心です。そう・・、我が家のベランダはまるで椅子取りゲームのような感じです。

 中でも、5月に入ってから種まきを始める日本のきゅうりには、かなり力を入れています。

 きゅうりはある程度まで育つと、あとはグングン、目に見えて育っていき、黄色い花も可愛らしくて、夏の暑い時期には、よい日除けがわりにもなります。夏の間はどんどん収穫でき、我が家の狭いベランダでも、夏の間には、200本から300本くらい採れるので、ちょっとバカにできない食糧になるので、こちらも真剣です。

 なにより、大ぶりのフランスのきゅうりとは違って、こりっとした日本のきゅうり独特の食感がそれこそベランダで次から次へとできるので、これはやめられません。 このきゅうりで、もろきゅうや、パンとビールで作った糠床につけてお漬物にしたりできるのは、夏の間のみの、このうえない楽しみなのです。

 しかし、その年によって違うのですが、ある程度まで育つとベランダの手すりにひっかけた狭いプランターに鳩が巣を作ろうとするのが、悩みの種でもあります。もともと、鳥類というものが私は大嫌いで、私は鳩が怖いのです。あのクックーという鳴き声もバタバタと重そうに飛んでいく羽音もすべて気持ち悪くて大嫌い、鳥肌ものなのです。

 ましてや図々しく狭いプランターを踏み荒らし、巣を作ろうとする鳩は憎らしくて仕方ないのですが、この鳩と戦いながら、対策として、いつも、細く切ったアルミホイルを支柱巻き付けて、たなびかせたり、CDを吊るしてみたり、割り箸をプランターの隙間にさしたり、風鈴をとりつけたり、カカシがわりにTシャツをぶらさげておいたりして、鳩避けをしています。

 たいていは、ここまですれば、鳩は諦めて、退散していくのですが、今年は、5月から始まった猛暑できゅうりも異様に早く育ち始め、また、鳩も暑さを凌ぐ場所が欲しいのか、鳩の襲来もいつもよりも時期が早く、また、今年は異様にしつこく、ここ数日、毎日、朝起きてベランダに出ると、きゅうりのプランターには鳩がいて、大きな音をたてて追い払い、朝方からせっせと巣作りのために運んできた小枝や草などが積んであるのをウンザリしながら、片付ける毎日が続いています。

 それまで順調に育っていたはずのきゅうりが鳩のために、枯れ始めている苗さえもあり、余計に腹立たしくてたまらないのです。

 毎日やってくるのが同じ鳩なのかどうかわかりませんが、なぜ、我が家を選んで、せっせと運んでいる小枝を毎日のように取り払われても諦めずに毎日やってくるのかわかりませんが、こうなったら、鳩との根気比べで、毎日のようにプランターにたてる割り箸を増やし、鳩と戦っているのです。

 我が家には、猫がいるので、猫の助けも借りたいところなのですが、仮に、猫が鳩退治をしてくれたとしても、それはそれで恐ろしいことなので、猫の手を借りることもできず、ここ数日、午前中は鳩との格闘の日々です。

 なぜだか、午後になると鳩も諦めてくれるので、午後の時間は静かに過ごすことができるのですが、午前中は戦々恐々としながら、ベランダを覗いては、鳩にビクビクする日々です。こんな鳩相手に一人で戦々恐々としているのはバカらしいと思いつつも、どうにも鳩は耐えられないのです。

 これは!という鳩除け対策をご存じの方がいらしたら、ご教授頂ければ幸いです。


パリの鳩被害


<関連記事>

「コロナウィルス・ロックダウン生活と海外生活」

「ロックダウンの我が家の収穫 ベランダでの野菜の栽培のコツ」

「潤沢な日本食材を目の前にして思うこと 満ち足り過ぎると幸福に鈍感になる」

「幸せの感受性 海外生活でみつけた幸せを感じる方法」

「パリでのベランダ菜園 本格的な種まき開始 ベランダでの野菜の育て方」

「便利な生活がもたらすもの フランスへの修行ツアーのススメ」

「パリで冷房なしで猛暑(42℃)を乗り切る方法」





 

2022年6月29日水曜日

1日の新規感染者数一気に14万人突破の激増

   


 パンデミックが始まって以来、感染爆発に向かう時のパターンは、いつも同じ感じで、ある程度、感染が落ち着いてきて、感染対策に対する規制等が緩和されたりして、しばらくはホッとした時が続くのですが、ある一定の期間が過ぎると、「あれ??もしかして、また、そろそろ・・?マズい??」という兆候が続くと、次の段階では、一気に桁違いの感染者数に驚かされることになります。

 桁違いの感染増加に驚かさせられるのは、一度では終わらず、先週、この数字で驚いたばかりだったのに・・と、また、さらなる急激な増加に驚かされます。もうその次あたりからは、もう段々、数字にも麻痺してきて、諦めのような気持ちになってきます。

 今回もまさに同じ、いつものパターンで、3月には、若干の落ち着きを見せ、4月に入って若干上昇したものの、そこから、爆発的に感染が増加することはなく、少し落ち着いたと思ったら、5月に入って、「あれ?また増え始めてる・・?」と思ったのは、考えてみれば、マスク着用義務化が解除されて2週間後からのことでした。

 それからは、じわじわと増え続け、先週になって、ついに1日の新規感染者数は10万人に迫る勢いまでに達し、ついに10万人!!と驚いていたら、その後、数日間は、1日8万人程度の日が続いていたと思ったら、今度は一気に15万人に迫る勢いの1日147,248人の新規感染者を叩き出しました。1週間で55%の増加です。

 いみじくも、その日、先週から風邪をひいて、いつまでもスッキリしないので、もしかしたら、コロナ感染?ちょうど、その日に友人と会う約束をしていたので、もしも感染していたら、友人にも迷惑をかけてしまう・・と思い、久しぶりに薬局にPCR検査をしに行っていました。

 前回、私が検査をしたのは、日本に行くための陰性証明書のために検査して以来ですから、約3ヶ月ぶりの検査でした。相変わらずフランスは、ワクチンパスポートと健康保険のカードがあれば、検査は無料です。

 幸いにも結果は陰性でしたが、この日に陽性と診断された人が15万人近くもいたことになります。現在、検査にくる人の3人に1人は陽性だと言われている中、私は15万分の1にはならなかったわけです。

 現在フランスで主流に取って代わったと言われているBA5型の症状は7日間以上続くと言われているため、感染力は強く、長くなると言われているため、一人の感染者が他の人に感染させる人数も尾自ずと増えているわけです。

 この感染の急増にあたり、週明けにはブリジット・ブルギニョン保健相は、「公共交通機関や屋内の人の多い場所ではマスク着用を推奨する」と発表し、翌日には、エリザベット・ボルヌ首相も同様の呼びかけをしています。

 しかし、ここはフランス、「マスク着用推奨」などという言葉が通用する国ではありません。それ以上に、これから皆がバカンスに出かけて、人がさらに移動し、戯れる時期に向けて、感染対策としてふさわしい対応とは思えません。

 さすがに1日の新規感染者が15万人ともなれば、他の入院患者数を含む、すべての指標が上昇しています。

 5月末には人口10万人あたり185件まで減少していた全国10万人あたりの発症率は、6月19日から25日までの一週間で53%増加、5月末と比較すると295%増の731件にまで達しています。

 現在フランスでは15,496人がコロナウィルスに感染して入院しています。これは前日より400人ほど、先週より1,000人多い数です。

 こうなってくると、1日感染対策が遅れることで、感染者数は倍々に増加していきます。考えようによっては、昨年の夏に比べるとワクチンパスポートによる制限もなく、マスクもなく、ずっと感染するリスクは高まっているともいえます。

 エリザベット・ボルヌ首相は、特に60歳以上のフランス人や最も弱い立場にある人々に対して、ワクチン接種の状況を確認し、2回目のブースター接種を急ぐように推奨していますが、これもまた、推奨で、今のところ、公共交通機関でのマスク義務化規制を元に戻すつもりはないようです。

 公共交通機関のマスク着用義務くらいは、早々に元に戻せばいいと思いますが、(そもそも、この限られた空間でのマスク着用義務をなぜ撤廃してしまったのかわかりません)、一度、解除してしまったものを再び規制するのは、現在、内閣を再構築し直すと言っている政府には、荷が思いことなのかもしれません。

 しかしながら、そもそも国民の反発を恐れて、感染の再爆発を恐れないのもおかしな話です。

 やっぱり、国が規制のルールをどう定めようと、自分の身は自分で守らなければならないので、マスクはきっちりすることを自分に戒めなければなりません。

 もう次のワクチン接種を迷っている時間はなくなってきた気がしています。


フランス新規感染者数14万人突破


<関連記事>

「フランスのコロナウィルス感染者数 再びリバウンド 新しい波がやってきた」

「やっぱりマスクは侮れない フランスのコロナウィルス感染リバウンド」

「マスク着用義務撤廃とフランス人の同調圧力」

「フランスHAS(高等保健機構)4回目のワクチン接種を65歳以上に推奨」

「WHO(世界保健機構)が警告 ヨーロッパの感染対策解除はあまりに急激すぎる!」

「フランスのコロナウィルス感染リバウンド傾向に警鐘」


2022年6月28日火曜日

この夏のフライトはストライキ・人員不足のためにキャンセルが激増する模様

  


 今年の夏は多くの航空会社がストライキや欠航の影響を受けると予想されており、航空会社にとっても乗客にとっても、この夏のフライトは複雑で厄介なものになりそうです。

 欧州運輸労連は公開書簡で「航空業界が直面する混乱は夏の間、悪化の一途をたどるだろう」と述べています。

 ストライキといえば、私にとって一番に思い浮かぶのはエールフランスで、予定どおり飛んでくれれば、サービスや機内食なども決して悪くはなく、何よりも日本との直行便(パリ⇄東京)があるために、これまで、何回かは利用してきましたが、以前、立て続けに2回ほど、ストライキのためにフライトが勝手に突如、変更されたため、これに懲りて以来、エールフランスは避けるようになってしまいました。

 これは、コロナウィルスも戦争もなかった頃の話ですが、今年の夏は、フライトがキャンセルになるのは、ストライキだけでなく、人員不足もフライトキャンセルの原因となっているようです。

 まず、ストライキに関しては、エールフランス航空とトランサヴィア航空(KLMオランダ航空の子会社でエールフランス-KLMグループ)がパイロットのストライキを予定しています。同社の経営陣は、パリ・シャルル・ド・ゴール空港とオルリー空港で「パイロット300人、整備士200人、季節限定の地上職員200人を採用する」と発表し、これにより、エールフランスは「観光客の回復を見込んで、この夏は一度もフライトをキャンセルしない」としていますが、にもかかわらず、パイロット組合は、ストライキを計画しています。

 これに加え、トランサヴィア航空は、すでに「7月と8月のフライトの3%をキャンセル」しています。同社によると、これは、プログラムの堅牢性と時間厳守を確実にするためとしていますが、ヨーロッパの航空会社の堅牢性と時間厳守ほど不確かなことはありません。

 また、ライアンエアー、イージージェットの格安便に関しても、イタリア、フランス、ベルギー、ポルトガル、スペインなど多くの地域への便がストライキを予定しているようです。

 これらのストライキに対しては、経営陣と組合の言い分が食い違っており、経営陣は必死にストライキによるキャンセルの影響はないとしていますが、ストライキは確実に予定されており、このためにパイロットが不足していればキャンセルは必須です。

 また、ルフトハンザドイツ航空は、人員不足、ストライキ、コロナウィルス感染により、これまでに発表されているた900便に加え、さらに2,200便をキャンセルが出る予定と発表しています。

 同社は、夏期スケジュールでは、なんと合計で3,000便以上が欠航しています。同社は、現在、「管制官のストライキ、天候、そして何よりもコロナウィルス感染の増加がより重くのしかかっているうえに、コロナウィルス感染のための病欠が、ここ数日で急激に増加した」と報告しています。

 そう言われてみれば、コロナウィルス感染のリバウンドに関しては、ドイツもまたフランスと肩を並べるほど(1日の新規感染者数は8万人程度)、感染者が急増しています。

 パンデミックの影響で大きな打撃を受けていた航空業界もそれに加えてウクライナ戦争の影響での燃料費の高騰などで経営が難しくなっているところにまた、ストライキやコロナ感染のリバウンドでの欠員のための欠航続出。

 強制的な民主化を徹底的に擁護し、様々な税金や国の介入に対して厳しいことを言い切れなかった航空業界が、生き残りを確保するためにあらゆるところから大規模な資金の水増しを受け入れてきた一方で多くの従業員を解雇してきた結果が今、現れているのです。

 その結果、2年半前から誰もが待ち望んでいた回復が、市場を枯渇させ、輸送コストの高騰も相まって、ますます業界の動きを著しく鈍化させているのです。

 旅行を予定している者にとって、急なキャンセルは致命的で、私も前回の日本行きで再度にわたるフライトのキャンセルでつくづくうんざりしています。楽しいはずの旅行でこのフライトキャンセルのストレスでイライラさせられるくらいなら、当分、行きたくない・・と思ってしまうのは、私だけではないはずです。3月にキャンセルになったチケットの料金はまだ返金されていないのです。

 そのうえ、大幅な航空運賃、燃料サーチャージの値上げでは、二の足を踏むのは当然です。


フライトキャンセル ストライキ


<関連記事>

「日本の外国人観光客受け入れと燃油サーチャージ値上げ」

「まだまだハードルが高い日本行き JALは運行なのに、ANAは欠航のパリー羽田便」

「ちょっとひと段落と思ったら、もう帰国の心配 帰国便欠航」

「パリから日本行きの直行便キャンセル 国際郵便も届かない」

「キャンセルした日本行きの日本の航空会社のアフターケアー さすが日本の航空会社!」