フランスのコロナウィルスの感染状況は、8月の一ヶ月間で悪化の一途を辿っています。
すでにレッドゾーンに指定されていたパリ(イル・ド・フランス)とブーシュ・ド・ローニュ(フランスのプロバンス・アルプ・コートダジュール県)に加えて、セーヌサンドニ、ヴァルドマルヌ、オードセーヌ、セーヌエマルヌ、エソンヌ、ヴァルドワーズ、イブリーヌ、サルト、ローヌ、ジロンド、オートガロンヌ、エロー、ガール、ヴァール、アルプマリティーム、グアドループ、マルティニーク、ガイアナの合計21の地域がレッドゾーンに指定されました。
7月末には、1000人前後だった一日の新規感染者数は、2000〜3000とどんどん増加し、昨日、6000人を突破、6111人という4月以来の驚異的な数字を記録しました。なんと一ヶ月で6倍です。
ことにここ2週間ほどは、3000を超えた・・4000を超えた・・と桁が変わっていくインターバルがどんどん短くなっていて、あれよあれよという間に6000を超えてしまいました。
この数字の上昇の速さは、もはや猶予がない感じで、先日、8月18日の段階で、会社内でのマスク義務化が9月1日から施行されることが発表されたばかり。その時点でも、会社内でのクラスターがかなりの割合を占めている(追跡がしやすいことから、このような結果が出ているとも考えられる)のにも関わらず、なぜ、9月まで待つのか? なぜ、すぐに義務化しないのか? と思ったものです。
8月18日あたりは、新規感染者の数字は3000〜4000を行ったり来たりしていたのですから、その時点から考えても2倍近くになっているのです。
その間にも、数字はグングン上がって、パリでも地域によっては、屋外でもマスクが義務化されていましたが、それも一歩違う通りに出れば、OKとか、わかりにくい中途半端なもので、その間には、多くの人がバカンスで国内を行き来し、サッカーのマッチに熱狂し、感染拡大しない方が不思議な状態が続いていました。
だいたい、フランス全土をマスク着用義務化したところで、絶対に従わない一定の人がいるわけで、厳しすぎるくらいでちょうどいいのです。「ロックダウンの時は我々は、よく頑張った」と、いつまでも言っている彼らには、いい加減、「いつまで言ってんだよ!」と突っ込みたくなります。
つい、昨日までは、感染状況の悪化が著しいマルセイユとパリのせめぎ合いのようなやりとりがあり、マルセイユ側もパリ側も、「おまえの方が死亡率は高いじゃないか!」「いやいや、おまえの方が感染率が高いじゃないか?」などという言い合いをしていて、「おまえら、子供か!」と言いたくなるようなやりとりに、情けない気持ちで彼らの喧嘩を見ていました。
そうしている間に、すでにイギリス、ドイツ、ベルギーなどの周囲のヨーロッパからは、フランスへの渡航制限が発表され、結局は、グズグズしているフランスは、外堀から埋められた形になっています。
さすがに新規感染者が6000人を超えて、パリ全域はマスク義務化、しかも翌日の朝、8時からという急激な統制に踏み切りました。
今回、レッドゾーンに指定された地域は、フランス国内でも南仏やボルドーなど、パリの人々が多くバカンスに出かけている地域です。来週には、9月に入り、バカンスに出ていた人も皆、パリに戻ってきます。そうなれば、断然、パリが感染状況最悪の状態に陥ることは、必須です。
いい加減、腹をくくって、「マスクぐらいしろよ! ロックダウンよりずっとましだろ! いつまで甘いこと言ってんだよ!」と言いたいくらいです。
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