2020年5月29日金曜日

フランスのロックダウン解除・6月2日から第二ステージへ突入 

     注目されていたフィリップ首相のロックダウン解除・第二章は、「思っていたよりも、明るい報告となりました。」という言葉から、始まりました。  全国的にレッドゾーンが広がっていた感染情報マップも、イル・ド・フランス(パリを中心とした地域)以外は、全てグリーンになり、イル・ド・フランスでさえも、赤からオレンジになりました。イル・ド・フランスがオレンジに留まっている大きな理由は、病院の集中治療室の空き状況が充分ではないということが大きな理由です。  未だ、ウィルスは、消滅したわけではないので、依然として、注意が必要ではあり、制限や制約はあるものの、今まで閉ざされていた場所が6月2日から解放されることになり、日常が戻りつつあることに、国民は、喜びに湧いています。  これまで禁止されていた100キロ以上の移動も可能になり、学校、美術館、博物館、記念碑等のモニュメント、全てのビーチ、湖なども再開されます。公園、庭園などの緑地は、6月2日を待たずして、今週末から解放されることになりました。しかし、依然として、10人以上の集まりは、禁止されており、屋内でのマスクの着用等が求められます。  レストランも再開されますが、レストランについては、かなり慎重で、グリーンゾーンでさえも、1テーブル10人まで、テーブルごとに1メートルの間隔を取ること、カウンターで立ったままの飲食は、禁止されています。イル・ド・フランスのレストランについては、店内の営業は、禁止で、お店の外のテラスのスペースのみの営業が許可されることになりました。  これには、反発の声も上がっており、そもそもテラスのスペースのあるレストランは、全体の4割程度で、半分以上は、依然として営業できないということになります。そもそもパリのレストラン等は、郊外のようにゆったりしたスペースを取れていないお店が多く、営業再開の道は、険しそうです。  劇場についても、グリーンゾーンは、衛生管理を充分にした上で、再開することができますが、イル・ド・フランスは、未だ営業できません。  ナイトクラブ、コンタクトスポーツ、ゲームセンター、スタジアム、映画館等に関しては、全国的に閉鎖されたままです。  また、「STOP...

2020年5月28日木曜日

コロナウィルスは、季節性のものなのか? 娘の親友がコロナウィルスの疑い

 ロックダウン解除から2週間が経過しましたが、フランスには、現在のところ、感染爆発の第二波の予兆は、表れておらず、一日の死者数や重症患者数も減少してきていることから、コロナウィルスは、季節性のものではないか? これから夏にかけて、コロナウィルスは、その威力を失っていくのではないか?と言い出す人が増えてきました。  National Weather Serviceは、今年、5月、6月、7月の気温と降水量の上昇を予測しています。例年だと、これは、あまり歓迎されないニュースですが、今年ばかりは、暑くて湿度の高い夏がコロナウィルスにブレーキをかけるかもしれないことが、妙な希望を煽っています...

2020年5月27日水曜日

ロックダウン解除でもオープンできないパリのレストラン・カフェの抗議のアクション

 5月11日に全国的にロックダウンが解除された今でも、未だ、フランスのレストラン・カフェのオープンは、禁止されたままです。一部、テイクアウトや宅配などのサービスは許可されていますが、大多数の店舗は、閉店されたままです。  5月11日の段階で、ロックダウン解除の更なる段階は、6月2日に、その時点での感染状況を見て、判断、発表するとのことでしたので、6月2日を一週間後に控え、レストラン・カフェ・ホテルの経営者は、営業再開を訴えるアクションを起こすことを呼びかけています。  レストラン・カフェ・ホテル経営者は、彼らのシンボルであるオブジェ・パンのバスケット、シェフの帽子、コーヒーカップなどを店舗の前に積み上げて、「#ATable」ア・ターブル!(テーブルへ!)と営業再開を求めるアクションを起こしたのです。  5月7日のロックダウン解除の発表の際には、6月2日の段階で、グリーンゾーンと判断された地域では、レストランのオープンを段階的に行うとのことでしたので、発表以来、レストラン・カフェの経営者は、どのように安全対策をとって営業を再開できるかをこの間、試行錯誤してきたのです。  6月3日に営業再開が許可されるとしても、具体的な規制への準備を進めるためには、できるだけ早く、その詳細を発表する必要があります。  そもそもフランスの(特にパリ)レストラン・カフェは、狭いスペースに小さめのテーブルが所狭しと置かれている店舗が多いのです。当然、お客さん同士の間隔も狭く、人と人との1〜2メートルの間隔をとるとなると、通常の半分どころか、3分の1から4分の1くらいのテーブルしか置くことはできません。  カフェなどは、お店の前の、通り沿いのテラスにもテーブルが置かれていますが、テラスのスペースの拡大なども考慮されています。  これまでの席数に近い営業をするためには、人とのバリアを作るために透明なバリア等を設置するなどの設備投資も必要になります。  グルメ大国と言われるフランスではありますが、外食は、もちろん、美味しいものを食べに行くということもありますが、フランス人にとっては、人と話す、集うということも大きな理由です。普段、外食をして、周りを見ていると、フランス人の食事は、とにかく長い。そして、ひたすら喋る。食事のあいだ中、ひたすら喋り、ようやく終わりかと思うとデザートを必ず注文し、シメのコーヒーを飲み終わるまでには、相当な時間がかかります。  一度にお客さんが入れる人数が限られるとすると、少しでも回転を良くする必要がありますが、それもフランス人相手には、なかなかハードルが高いのです。  ロックダウン状況になって、あらためて思い知らされるのは、Uber...

2020年5月26日火曜日

ロックダウン解除で行われたストラスブールでの無許可のサッカーの試合に400人参加に唖然

 フランス北東部(グランエスト県)に位置するストラスブールでは、先週の日曜日にアマチュアのサッカーの試合が行われ、約400人がサッカーの試合に熱狂しました。グランエストといえば、今回のコロナウィルスの被害が最も甚大であった地域でもあります。  にもかかわらず、市町村の許可なしに、サッカーの試合が行われ、その様子は、ここ2〜3ヶ月間に、まるで何事もなかったように、その多くの人々がマスクもなしに、歓声をあげ、戯れ、ゴールを決めるたびに、抱き合って喜ぶ様子は、コロナ以前のごくごく日常の生活の一部のようで、そのあまりにためらいのない様子に、驚きを通り越して、唖然としてしまいます。  この事態に...

2020年5月25日月曜日

コロナウィルスの第一線に駆り出されたインターンシップの医学生のトラウマ・PTSD

       今回のコロナウィルスの感染爆発により、フランスでは、医療崩壊が起こり、多くの地域の病院では、満床状態になり、病院のベッドだけでなく、医療機器、医薬品、医者、看護師も足りなくなる非常事態が起こりました。  次々に運ばれてくるコロナウィルス感染患者が病院の廊下にまで溢れ、少しでも余裕のある地域に、TGVや軍用ヘリコプターなどで、患者を搬送したり、足りない呼吸器の補充に動物病院から呼吸器を回収して使用したり、潜水用のマスクを改良して使ったりしていた時期もありました。  当然、医療に関わる人員も不足し、すでに引退している元医療従事者に呼びかけたり、医学部や看護学部の学生やインターンも多く動員されました。引退している元医療従事者でさえ、そのほとんどは、こレほどの危機的状況に立ち会ったことはないわけで、ましてや、まだ経験のない学生たちにとっては、いきなり、最初の壊滅的な第一線の現場での体験が衝撃的でないはずは、ありません。  フランスで一番悲惨な状況であった3月末から4月の初めにかけての期間から、一ヶ月以上が経った現在は、イル・ド・フランス(パリ近郊地域)以外は、病院も満床状態からは、回復していますが、少し落ち着き始めた今、いきなり第一線に駆り出されたインターンの学生の3人に1人が心的外傷後ストレス・トラウマの症状を訴えています。  Intersyndicale...

2020年5月24日日曜日

コロナウィルス対応と結果 フランスと日本の差 誹謗中傷による個人攻撃と自粛警察

 昨日の日本でのツイッターのトレンド1位が、「誹謗中傷」で、どうしたことか?と思ったら、テラスハウスに出演中の22歳の女性がSNSでの誹謗中傷から?亡くなったということに端を発しているらしいことがわかりました。  SNSでの誹謗中傷は、どこの国でもあることですが、日本での社会の目による攻撃は、なかなか、強烈なのではないかと感じています。明らかな犯罪者ならば、ともかくも、マスコミや社会のムードに煽られる感のある個人攻撃は、当事者になってしまったら、堪え難いことかもしれません。  今回のコロナウィルスの感染防止に関わる件に関しても、自粛警察なる人々が、あちこちに現れ、開店しているお店に張り紙をしたり、ごくごく身の回りでは、マスクをせずにいたり、感染防止のためのモラルに外れることをしている人がいたりしたら、周囲の人が非難するとか、白い目で見るとか、そんな感じであったのではないかと思っています。  こと、コロナウィルスの感染に関しては、そんな日本の社会の風潮で、結果、日本は、感染の被害も、フランスなどとは、桁違いの被害で抑えられ、プラスの結果をもたらしましたが、この「個人を集団で非難し、攻撃する風潮」は、時に、行き過ぎであることが、気になります。  フランスで、コロナウィルスの感染爆発が起こり、フランス全土がロックダウンになった頃、日本政府は、2020年のオリンピックを開催するかどうか?ということを盛んに議論していて、世界は、オリンピックどころではない!この世界的なパンデミックに、日本だけが、避けられるわけがない! フランスでの感染の急激な広がり、死亡者がうなぎ登りに増えていき、医療崩壊を起こしていく様子を見ていた私は、本気で、日本の悠長な状況が心配でなりませんでした。  しかし、オリンピックの延期が決まってからは、フランスのような完全なロックダウン状況には、ならなかったものの、緊急事態宣言が発令され、フランスのような被害には、ならないまま、緊急事態宣言もそろそろ解除されることを聞いて、少しホッとしています。  日本の状態も深刻な状態ではありましたが、結果、数字を見れば、日本は、やはりフランスとは、雲泥の差です。         人口   感染者 ...

2020年5月23日土曜日

フランスのロックダウン解除後・クラスターが続々と発生している

 昨日のニュースでは、ロックダウン解除後にフランス国内で、30件のクラスターの発生が確認されたと発表されていました。それが、翌日には、46件に跳ね上がっています。  確認された感染源となった場所には、病院、学校、企業、食肉処理場、障害者施設、宗教コミュニティ施設などが挙げられています。フランスは、これらのクラスター発生の確認を「クラスターを少しでも多く発見できる事は、感染者を隔離することができ、感染拡大を抑えることができることに繋がる。」と、非常に前向きな受け止め方をしていますが、ロックダウン解除前に公言していた一週間に70万件のPCR検査も達成できていません。  ということは、発...