2024年11月11日月曜日

友だちと旅行に行くのも色々、難しい・・

  


 最近は、日本に一時帰国をする際には、必ず、日本国内をできるだけ旅行したいと思って、予定を組むようにしていますが、これが、なかなか簡単ではありません。

 そもそも、私がまだ日本に住んでいた頃は、私もまだ若く、どちらかというと、海外旅行ばかりに目が向いていて、国内は、実家の山小屋がある場所や箱根やせいぜい伊豆程度で、あまり日本国内を旅行していませんでした。

 あの頃は、むしろ、安いチケットなどを探せば海外旅行の方がなんだか割安感があったし、むしろ、国内旅行の方が割高な気がしていて、国内旅行は、もっと歳をとって、海外旅行がしんどくなったときにしよう・・と思っていました。

 もうすでに、場所にもよりますが、海外旅行はけっこう、しんどい(フランス⇔日本は直行便で15時間フライト程度)のですが、現状、フランスに住んでいる以上、日本の国内旅行をするためには、まず、この15時間フライトのハードルを越えてからになるので、これから先はよりしんどくなる一方なので、日本に行った時には、ここぞとばかりに旅行したいと思っています。

 それでも、若い頃は、私の世代の女性としては、海外・国内ともにけっこう旅行している方だったと思うのですが、あの頃は、だいたい友だちと二人で・・ということが多かったと思います。

 お互いに独身だったし、同じ会社の友だちとか、学生時代の友人とか、身近な友人の間で、まあ、お互いに比較的、自由に気軽に決められていた気がします。

 フランスに来てからは、娘が巣立つまでは、もう娘の学校のバカンスを埋めるためにスケジュールを調整するのが精一杯で、また、日本に行っても両親がいる頃は、常日頃、親のために何もしてあげられないので、日本にいる間くらいは・・介護というほどのことではなくとも、なんとか、生活しやすいように家の中を整えたり、介護の手続きをしたりと、病院に行って、お医者さんに会ったりとか、そんなことに大忙しでした。

 今、私は、もう娘も巣立ち、両親も他界してしまったので、日本に行っても、自分の好きなように旅行をしようと思えばできるようになったのですが、ところが、友人たちの方は、それぞれの生活があり、忙しく仕事をしていたり、親の介護に追われていたり、また、懐事情にも色々あって、なかなか一緒に旅行をするのも難しいのです。

 両親が隣に住んでいるという友人もついこの間、急に母親が入院してしまって、家に残った父親の世話と入院している母親を見舞うのにてんてこまい・・また、もう一人は90過ぎの母親と同居していて、もうとても2日以上は家を空けられない・・と完全にがんじがらめの状態。

 旅行先や旅費にかけられる予算というのもまた人それぞれで、私の方は、せっかく行くのだから、多少の出費は仕方ない・・もうおそらく二度と来ない場所への旅行だったら、少々贅沢してもいいな・・と思っているのですが、これがまた、そのあたりの感覚が合わないも場合もあって、そもそもそんなに友だちが多くない私で、もうなんなら、友人と旅行するのは諦めて、娘を誘って行こうかな?と思ってしまいます。

 娘と旅行する場合、これ、お誕生日プレゼント、あるいは、クリスマスプレゼントの代わりにしといてね・・と旅費は私が払うのですが、友人の場合はそういうわけにも行きません。

 結果的に、ここ最近、私が旅行したのは、友人と・・というのはごくごくわずかで、娘と旅行ということが圧倒的に多いです。

 私自身は母親と二人で旅行ということなど、一回くらいしかしたことがなかったので、ずいぶん親子関係も違うな・・と思います。まあ、それはそれで、それぞれで良いなと思っています。

 なんなら、一人旅というものも、してみたいと思いつつも、今のところは、なかなか踏み切れずにいますが、いつか挑戦したいとも思っています。


旅行


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2024年11月10日日曜日

パリのメトロであわやの救出劇

  


 約2週間ほどまえのこと、パリのメトロ8号線のラ・モット・ピケ・グルネル駅で年配の男性がバッグを背中に背負いなおそうとして、バランスを崩したのか、線路に転落するという事故が起こりました。

 パリ市内のメトロは路線にもよりますが、平日は、だいたい3~4分に1本の割合で電車がやってくるので、もしも、この時間帯に線路に転落したりした場合、そのタイミングにもよるとは思いますが、かなり急いでホームに這い上がらなければ、次の電車が入ってきてしまう可能性が高く、非常に危険です。

 パリのメトロのホームは、路線によっては、線路とホームの間に落下防止のためのガードの壁が取り付けられている路線もありますが、そうでない路線もけっこうあり、この8号線などは、恐らく、どこの駅にもガードはありません。

 にもかかわらず、ホームには、駅員はおらず、このような事故が起こった場合は、考えてみれば、RATP(パリ交通公団)は、どう対処するつもりでいるのだろうか?と思います。

 今回の事故では、男性が線路に転落して、すぐに近くにいた女性らが叫び声をあげて、すぐに人だかりができたとのことで、その中をたまたま居合わせた男性2人が即座に線路に飛び降りて、落ちたまま呆然としていた年配の男性をホームに持ち上げると、ホームにいた周囲の人々が救急隊を呼び、この救世主の男性2人は、ふたたび群衆の中に消えていったと言われています。

 ホームに転落した男性は、頭部外傷と脊髄損傷を負い、その後、パリ市内のジョルジュ・ポンピドゥー病院に搬送され、数日前に再び歩けるまでに回復したと言います。

 この応急処置をした医師は、いつ次の電車が来るともわからない線路に飛び降りて、負傷した年配の男性をリスクを冒してまで救いながら、さりげなく群衆の中に消えていった2人の男性の行為を称賛しており、また、救われた男性も心からお礼を言いたいと、その2人を探しているそうです。

 私は、ここまでの救出劇には遭遇したことはありませんが、本当にフランス人は、このような時、本当に困っている人に対して、とても親切でさりげなく手をかしてくれます。

 バギーで赤ちゃん連れの人などが、階段の前などにいたりすれば、どこからとなく、男性があらわれて、何も言わずに、手を貸してくれ、バギーを持ち上げてくれ、また、振り返りもせずに、あたりまえのように群衆の中に消えていくのです。かっこいいではありませんか?

 しかし、このニュースが流れるまでは、知りませんでしたが、メトロの線路のレールは、750ボルトで通電されているそうで、線路に落ちるということは、落下するというだけでなく、別の面でもとても危険なことなのだそうです。

 RATPは、線路上に人が落下した場合は、それを見つけた人は、全てのプラットフォームにある緊急端末に向かい、黄色いアラーム信号でRATPエージェントに連絡する必要があり、緊急用ハンドルで線路の電力を遮断することができるようになっているそうです。

 パリのメトロは治安は悪い反面、窮地に立たされている人に対しては、とっても優しい人がどこからとなく、表れて、あたりまえのように助けてくれるところは、フランス人の優しさで、いつもすごいな・・と思います。


メトロ8号線 線路転落者救出劇


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2024年11月9日土曜日

ワクチン接種の季節

  


 少し前までは、インフルエンザなどのワクチン接種のお知らせなどが来ても、私は、ほとんど無視したままで、長いこと、ワクチン接種はしていませんでした。

 そんな私がワクチン接種をするようになったのは、パンデミック以来のことで、当初、新型コロナウィルスのワクチンができた!となっても、まだ、開発されたばかりのものだし、その副作用や効用をどこまで信用していいものか?とコロナウィルスのワクチンも、しばらくは、どうしたものか?決めかねていました。

 しかし、長い間、おさまらなかったコロナウィルスの流行とこの病気にかかって悪化する恐怖の方がだんだん勝ってきて、しかも、途中からは、ほぼ、事実上の義務化のような状態になり、ワクチンをしていないと、極端に行動制限をされるようになった時期もあったので、その後は、もう大人しく従って、あっさりとワクチン接種を受けることにしました。

 また、それまでは全く無視していたインフルエンザの予防接種に関しても、インフルエンザに罹ったうえに、コロナウィルスにまで感染したら、さぞかし辛いことになりそうだ・・という恐怖から、ここ数年は、毎年、インフルエンザの予防接種も受けています。

 私の受けた医療の履歴は、私が医者に通ったり、薬を処方してもらった際には、すべて記録が保険のカードに蓄積されているためだと思いますが、私は、軽い心臓疾患もあったりするためか、虚弱な人々のグループに分類されているらしく、この手のお知らせ(ワクチン接種など)や、通知などが、メールなどでもやってきて、今回のワクチン接種に関しては、ご丁寧にバウチャーのようなものが送られてきています。

 私は、今年からは、インフルエンザとコロナウィルスの混合ワクチンのようなものになると完全に勘違いしていて、一応、他の診察の際にかかりつけのお医者さんに、これ?どうしよう?と相談してみたら、(このバウチャーが届いたのは、9月半ば頃でした)10月半ばには、ワクチンが出回りだすから、その頃にやった方がいいんじゃない?と言われていて、つい先日、バウチャーを持って、薬局に行ったのです。

 勝手に混合ワクチンだと思い込んでいた私は、ワクチンを受け取って、翌日にお医者さんの予約を入れました。

 混合ワクチンってどんな感じ?と思って、箱をまじまじと見てみたら、どうやら、それは、インフルエンザのワクチンのようで、薬局に戻って、コロナウィルスのワクチンは入っていないの?と言ったら、それは、来週以降にしか入らない・・というので、そのまま、とりあえず、インフルエンザのワクチン接種だけしてもらいにお医者さんに行きました。

 ちょうど、ふだん常用している薬も切れるタイミングだったので、ワクチン接種と一緒に薬の処方箋ももらってきたのですが、コロナウィルスワクチンは、私がやるから・・でも、インフルエンザワクチンとは一緒にはしない方がいいから、それは来週にしましょうと言われて、来週の予約を入れて、帰ってきました。

 インフルエンザとコロナウィルスの混合ワクチンができたのかと思っていました・・と言ったら、将来的にはできるかもしれないけど、今のところは、まだよ・・コロナウィルスのワクチンに関しては、未だにどんどん変異種が出ているから、新しい変異種に対応したものになっているはず・・とのことで、そんなに簡単な話ではないようです。

 インフルエンザのワクチンにしても、コロナウィルスのワクチンにしても、そのあと、だるくなったり、ちょっと熱っぽかったりすることもあるのですが、しないで、罹って、悪化した場合のことを考えれば、もう虚弱な人というカテゴリーに入れられているなら、それを素直に受け入れることにして、やっぱりやっておこうと気弱になっている自分を感じないでもありませんが、妙に強がっても仕方ないので、素直に従おうと思います。

 最近は、YouTubeなどを見ていても、テレビででも、「インフルエンザとコロナウィルスのワクチン接種をしましょう!」というコマーシャルが入ることもあるので、国は、このワクチンキャンペーンにずいぶんと力を入れているんだな・・と感心?しています。

 考えてみれば、以前に比べて、医者にかかる割合がグッと増えている私・・もうだんだん高齢者なみに医者通いが増えてる・・と自分でも思うのですから、虚弱な人の括りに入れられるのも仕方ないかもしれません。


インフルエンザワクチン接種


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2024年11月8日金曜日

フランス人はトランプ大統領の当選をどう受け止めているか?

  


 アメリカの大統領選挙に際しては、フランスでも大々的に取り扱われ、報道各局もメイン級のジャーナリストが現地入りして、アメリカ大統領選の盛り上がりや成り行きを現地から報道するほどでした。

 両候補ともに接戦で、一時は結果が出るのはいつになるかかわからない・・などと言われつつ、案外、あっさりとトランプ大統領が当選が決まりました。

 このトランプ大統領が選出されたことに対して、フランス人はどのような印象を持っているのか? BFMTVの世論調査によると、質問を受けた「フランス人の79%がアメリカの新大統領に対して悪いイメージを持っている」と答えています。

 不人気度は高いけれども、2016年のトランプ氏の初当選の際に比べると、これでも少しは減少しているらしく、当時は、83%が悪いイメージを抱いていると答えていたそうです。

 今回のアンケートの詳細は、51%が「非常に悪いイメージ」を持っており、28%が「かなり悪いイメージ」を持っていると回答したということで、これを合計して79%という数字になっているようです。したがって、トランプ氏に対して良いイメージを持っているのは質問対象者の21%のみということになります。

 調査対象となったフランス人の62%がトランプ大統領の大統領就任に懸念を抱いていますが、この懸念材料の一番、大きなところは、「気候問題・環境問題」であるとしています。これは、2017年6月に米国がパリ協定から離脱したことに起因していると思われ、アメリカ大統領選挙の結果は気候変動との戦いにとって悪いことだと考えているようで、いずれにせよ、トランプ大統領の当選はアメリカとヨーロッパの関係において、また、ロシア・ウクライナ戦争の解決、中東の紛争の解決にとっても、良いニュースではないと考えている人が多いようです。

 このフランス国民の世論を最も象徴的に表しているのがトランプ大統領当選以来のマクロン大統領の言動であるとも言えます。

 トランプ大統領当選の報が流れてすぐに、マクロン大統領は、祝辞のメッセージをXに投稿して公表し、ほぼ、その直後にドイツのショルツ首相と電話会談し、ヨーロッパの連携について、連帯の意思を確認したとポストしています。

 そして、その翌日、マクロン大統領は、ブダペストでの欧州首脳会議の開会時に、「これは我々欧州人にとって決定的な歴史の瞬間だ!今こそ、我々が行動し、国益と欧州の利益を同時に守り、我々の主権と戦略的自治を信じることを決意する時だ!」と宣言しています。

 また、「世界は草食動物と肉食動物で構成されている。もし我々が草食動物であり続けると決めれば、肉食動物が勝ち、我々は肉食動物の市場であり続けるだろう。」 「私たちは雑食動物になることを選択すべきだと思います。私は攻撃的になるつもりはありません。私たちが自分自身を守る方法を知ってほしいだけです。」と比喩的な表現も使いながら、決意を述べ、欧州他国にも呼び掛けています。

 攻撃的になるつもりはないと言いつつ、かなり挑戦的な戦闘態勢な印象を受けます。そもそも、思い返せば、4年前にバイデン大統領が当選した時には、マクロン大統領は、バイデン氏本人を歓迎するというよりは、トランプ氏に取って代わってくれてありがとう!という歓迎の仕方だな・・と思った記憶がありますが、あれから、戦争や紛争が起こるより難しい世界情勢の中、不安を抱くのもわからないではありません。

 しかし、個人的には、トランプ氏が良いか悪いかというよりも、78歳であのエネルギーとパワーは、超人的だな・・と思うのです。


トランプ大統領


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2024年11月7日木曜日

インプラントが保険適用になる?

  


 フランスの高等保健機関(HAS)は、歯科治療へのアクセスを改善するという目的で、歯科インプラントの償還を認める決定を下しています。

 現在、歯科医療に関しての社会保障は比較的、軽い補綴(ほてつ)物(虫歯や歯周病などで、歯が欠けてしまったり、失ってしまった部分を人工的な材料で補うもの)のみを補償しています。つまり、義歯やブリッジとクラウンです。

 しかし、現在、フランスで行われている歯科治療のインプラントは、年間100万本にも及ぶようになっており、今後もこのインプラント治療を受ける人は増加し続けるであろうし、特に平均余命の延長により、歯(1本以上)を失う人が増えているといいます。

 インプラントの技術がそれだけ一般的に普及してきたこともありますが、HASは、この状況の変化に応じて、必要かつ最適なケアを保障したいとしています。

 HASの報告書では、感染症や緩みに伴う歯の1本、あるいはすべての喪失は、例えば栄養欠乏などの機能的、審美的、そして社会的な健康への影響を伴うハンディキャップを構成するとみなしています。

 また、かつては、本当に特別な治療でほんの一握りの人しかやらなかった治療が一般的な治療のひとつになってきたということも言えます。

 これが実現すれば、本当にありがたい話ではありますが、高等保健機関(HAS) は政府から独立した機関であり、このような勧告を出しますが、結局、決めるのは政府なので、政府が彼らの決定を受け付けるとは限らないのだそうです。

 現在の政府は、「緊縮財政の金メダル政府」と揶揄されるほどの、600億ユーロ削減計画で色々な予算が削られつつあるタイミングで、このインプラントの保険適用は、実現するのは、難しそうではありますが、それでも見て見ぬふりをせず、何度でも提案していってくれれば、いつかは・・という期待も持てないことはありません。

 それでも、できるだけ、お世話になりたくない歯医者さん、ましてや、インプラントなど、保健適用になったとしても、できれば、二度とやりたくはないのです。

 とはいえ、数年に一度は、お世話になるハメになる歯医者さんですが、もうこれが保険適用部分とか、ミューチュエル(国民健康保険を補う保険)も加えて、これだけとか、この方法だといくらで、この材料を使うといくらで・・とか、もうややっこしいことこのうえないのですが、歯医者さんも、そこはお仕事で、一応、歯の状態を見て、必要な治療を判断すると、すぐに、いくつかの方法で見積もりを出してくれます。

 こちら側もその見積もりを見て、治療方法は選択しています。

 しかし、食べることが大好きな私にとって、歯は、何よりも大事なもので、結局は、いつも、かなりの額を支払うことになります。インプラントの時などは、パンデミックの時に重なったこともあり、とにかく時間はかかるわ、お金はかかるわ、痛いわで、頬を抑えながら、ちょうど改装中でもあった歯医者さんの新しくなった金の扉を恨めしく眺めながら、この扉の一枚分くらいは、私がつけてあげたのよ・・などと思ったものです。

 それにしても、こうして、どんどん長寿になっていく・・のも、いいのか?悪いのか?などと思わないでもありません。


インプラント保険適用


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2024年11月6日水曜日

自分が死んだときのことを考えていたら・・

  


 ここのところ、トゥーサンだったり、夫の命日だったりで、珍しくお墓参りをしたりして、なんとなく、自分が死んだときのことをぼんやりと考えています。

 まあ、今のところ、具体的に差し迫った予定?はないものの、いつ何があるかわからないし、いつかは必ず死ぬということだけは、確かなことです。両親も夫も他界しているとなると、次は私の番と思うのです。くれぐれも、娘には、この順番は守ってほしいとだけは切実に思います。

 常日頃から、わりと「死」については考えることも多く、大学やその後もホスピスなどの勉強をしてきたので、家庭内でも「死」についての話題は避けないようにしてきたつもりです。大方のことは、娘に話してあるし、そんなに大きな金額ではないけれど、日本とフランスにバラバラと散らばっている銀行などの口座についても書き残してあります。あとは、具体的に誰に知らせてほしいとか、そんなことも書き残しておいた方がいいかな? などと、ぼんやりと考えていたのです。

 私の場合、今の現状を考えると、圧倒的にフランスにいる時間が長いので、フランスで死ぬ確率が高いので、日本の友人等は、知らせたところで、仕方ないとも思うのですが、それでも数人だけ、親しい友人には知らせてほしいかなと思っています。でもその他の人々には、「そういえば、あの人亡くなったんだってね・・」、「へえ~~」というくらい、ひっそりと、消えていきたいです。

 いつか、娘に「私が死んでも、お葬式はしてくれなくていいよ・・」と言ったら、「お葬式は死んだ人のためだけにするものではないよ!」と怒られたので、「じゃあ、あなたがやりたかったら、やってもいいけど・・あまりお金をかけるのはもったいないからね・・」と言いつつ、同時に、娘もいつか来るであろうそんな日のことを考えることがあるのだろうか?とビックリした覚えがあります。もう、そんな話をしてから、何年も経っていますが・・。

 それは、残された娘のために何かの繋がりとか、心の中を少しでも埋めてくれるものなのか?は、わかりません。まあ、お葬式が好きという人もいないと思いますが、私自身は、お葬式に会社や仕事の義理でやたらと人が集まるお葬式は嫌いです。

 幸か不幸か、今、娘は日本にいるし、日本の私のごくごく親しい友人たちと娘は、娘が小さい頃から日本に行く度に一緒に会っていたので、正直、親戚のおばちゃんに近い存在で、今でも私がいなくても、個々、一緒に食事をしたりすることもムリなくできる間柄であることは、ありがたいことです。

 しかし、考えてみれば、彼女たちは、ほぼほぼ私と同い年。向こうだって、いつなにがあるかわからないし、もしかしたら、私の方が長生きしてしまうかもしれません。それならそれで、もし、彼女たちに次の世代の子どもがいたら・・娘とも付き合いが続くのに・・と、一人一人、顔を思い浮かべて、あらためて考えてみたら、なんと、私のごくごく親しい友人で子供がいる人は、一人もいませんでした。今さらですが、ちょっと衝撃的でした。

 私が子どもの頃、若い頃は、なんとなく、女の人は、ある程度の年齢になれば、自然に結婚して、結婚したら会社を辞めて、子育てして・・とそれがあたりまえのようなことだと思っていて、いつまでも結婚せずに会社にいるオールドミス(今はもちろん死語だと思いますが・・)になんて自分は絶対になるわけない!などと思っていました。

 今から思うと、今とはずいぶん価値観が違いますが、私が子どもの頃はそんな感覚だったのです・・。というと、おばあちゃんの昔話みたいですが・・。

 ところが、どういうわけか、仕事のことは別として、私の周囲には、子どもがいる人が全然いなくて、むしろ、私よりも良いママになりそうな子ばっかりなのに、私に子どもがいることの方が奇跡的な気さえしてしまいます。

 彼女たちは、経済的に困窮しているわけでもなく、結婚していたり、していなかったり、立場は様々ですが、あらためて、考えたこともなくて、付き合いはそれぞれ別々なのですが、誰にも子どもがいないのです。しかし、自分の身近でもこんなんだから、やっぱり、日本の少子化って、大変なことなんだなとつくづく思ったのです。

 彼女たちの家などは、全部、空き家になるんだろうか?と思ったら、まったく凄い話です。


遺言


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2024年11月5日火曜日

TikTokをフランスの7家族が提訴

  


 フランスの7家族が団結して、ソーシャルネットワークサービス TikTokを告訴し、再びTikTokの危険性が注目されています。

 彼らは「ソーシャルネットワークとそのアルゴリズムが子供たちを危険をもたらすコンテンツをさらしている!」、「TikTokが自殺や自傷行為、さらには摂食障害を助長する多数の動画を危険なコンテンツを子どもたちの前にさらし、これらの危険な動画に関して、プロバイダーとして正しく管理できていない」と訴えています。

 この7家族の子どもたちは、全員10代で、このうち2人が15歳で命を絶ち、残りの2人が自殺未遂をおこしています。このうちの一人の親は、すでに娘の自殺の後、「自殺への挑発」「危険にさらされている人を助けなかった」「自殺手段の宣伝」の罪でTikTokに対して刑事告訴状を2023年9月に提出しています。

 この少女は、ソーシャルネットワーク上で体重を理由に嫌がらせを受け、TikTokの世界に逃げ込み、少女はそれに夢中になり、不快感に関連するコンテンツを探し、それが彼女を一層その、悪循環のスパイラルに陥らせたようです。

 アルゴリズムは検索スタイルを捕捉し、彼女の検索傾向に即したものがどんどん提供されるのですが、その中には、うつ病や傷害に関するものさえあり、同年代のティーンエイジャーが決して見るべきではないコンテンツを提供したため、うつ状態はさらに増幅されてしまったようです。

 TikTokというと、ダンス動画やメイクのチュートリアルというイメージがありましたが、なかには、鉛筆削りの刃を分解して傷をつける方法を解説する動画や子どもたちがうつ病などの傷跡に満足していることをアピールする動画まであるそうで、アルゴリズムにより、この負のスパイラルに巻き込まれていくと、この家族は訴えています。

 TikTokは、今や全世界で12億人のユーザーを抱えるプラットフォーム。フランスでは、約2,100万人がユーザーであるといわれていますが、ユーザーの56%が女性、44%が男性、そして、ユーザーの51.3%は13歳から24歳の女性ということで、圧倒的に若い女性の利用が多く、今回、提訴するに至った犠牲者?も全員が10代の女の子の家族です。

 また、統計によると、ユーザーがTikTok に費やす平均時間は、1 日あたり 95 分ということで、これは、ユーザーが Snapchat に費やす平均時間 (21 分) の 4 倍、X(Twitter)に費やす時間 (29 分) の 3 倍、そして最終的に Facebook に費やす 1 日の時間 (49 分) のほぼ 2 倍に相当することからもわかるように、よく言えば、とても魅力的なのだと思いますが、逆に言えば、非常に中毒性が高いとも言えます。

 「TikTokではコミュニティ、特に年少者を守ることは非常に真剣に受け止める責任である」とプレスリリースには書かれています。このソーシャル ネットワークには、「世界中に 40,000 人を超える信頼とセキュリティの専門家」がおり、「ユーザーとそのデータのセキュリティと保護を保証します。その中にはヨーロッパを中心とした 6,000 人以上、フランス語の 637 台のコンテンツ プロセッサーが含まれており、他の同等の専門家よりもはるかに多いです」と主張しています。

 しかし、どれだけ、大勢のスタッフや機械を備えようと、しっかり管理できていないんだから、ダメじゃん!と思うのですが・・。

 また、「Le Journal de l’économique (JDE)」によると、フランス政府は、これらの訴えを重く受け止め、フランス当局はフランス人によるオンライン検索の監視を強化し、政府情報サービス (GIS) を通じて、Google、TikTok、Instagram などのプラットフォームで人工知能の助けを借りて検索を監視するプロジェクトを立ち上げたと報じています。

 SNSは、誰でもどこでも利用できる便利なツールですが、やはり若年層は、なかなかコントロールして利用することが難しいところもあるようで、本当に管理が難しいですが、やはり、これは、このサービスを提供する側が責任をもってしっかりやるべきことだと思います。

 しかし、フランス政府は、あまり、これを期待しすぎてはいないようで、フランス人によるオンライン検索の監視を強化するということは、相手の対応を信用しきってはいないところが感じられます。一時、暴動がSNSで拡散された時には、TikTokに停止通告?などとまで騒がれましたが、一方では、多くの商業活動がこの恩恵も受けているために易々と停止にもできず、かといって、管理が充分でないことに業を煮やし、ついには、政府がこれに取り組み始めるというのも、なんだかやむに已まれない感があります。


TikTok告訴


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