2024年4月28日日曜日

農民たちの悲痛な叫びに対する政府の14の回答 

   高速道路を封鎖し、パリの街中まで農業用のトラクターなどが行進した農民たちの怒りが噴出した大規模なデモから2ヶ月が経ち、政府は、農民たちへの回答として、14項目の農業保護計画に関する措置を発表しました。 世界で起こっている戦争がインフレを加速させ、また地球温暖化による干ばつや洪水などの天候不順や、環境保護のための規制や、健康を守るための厳しい農薬基準等、がんじがらめに苦しめられている農民たちの怒りが爆発したのです。 また、フランスの農産物生産に課せられている厳しい規制が外国からの輸入品には、ほとんどスルーされている状態であったり、また、ウクライナを支援するためにウクライナからの...

2024年4月27日土曜日

パリオリンピック開会式1週間前からの通行止めとメトロ・RER 17駅閉鎖

  オリンピックの期間中は、かなり厄介なことになるだろうな・・予想はしていたものの、少しずつ具体的なプランが発表され始めて、けっこうウンザリしています。 パリ警視庁は、「2024年オリンピック開会式 安全保証セキュリティ システム」として、オリンピック前後の通行止め、駅の閉鎖などを発表しました。 オーステルリッツ橋からイエナ橋までの 6 キロ以上のセーヌ川の上をボートでパレードし、トロカデロでグランドフィナーレセレモニーを行うという前代未聞のオリンピック開会式は、その警備も前代未聞のようで、その1週間前から、この開会式の行われる予定の中心部には、赤とグレーの境界線が設定され、一般市民も思うように動けなくなります。 このあたりを通行するためには、デジタルパスを事前に用意する必要があります。 歩行者と自転車は、デジタルパス、チケット、または式典へのアクセスを許可するアクセス許可を持っていることを条件として、このエリアへのアクセスが許可されますが、グレーのゾーンには一般車両(特別なケースを除いて)は通行ができなくなります。 特に開会式当日...

2024年4月26日金曜日

フランスの空港管制官のストライキ 飛行機がキャンセルになった場合

   かねてから予告されていた空港管制官のストライキは、やっぱりけっこうな規模のもので、ストライキに動員されるとする人数から、オルリー便の75%、ロワシー便の55%がキャンセルになると予想されていました。 航空管制官らは航空交通管制の見直しを規定した改革に抗議するために動員され、経営陣が提案した支援策は十分ではないと考え、特に5年間で25%の報酬増額を要求しています。 労働組合との協議は難航していたものの、ストライキ通告は、一旦、解除されたにもかかわらず、結果的には、多くの空の便に影響が及び、マルセイユ・プロヴァンス空港発の便の65%、ロワシーシャルルドゴール空港発の便の55%が欠航となりました。 フライトの欠航は主に短距離および中距離のフライトではありましたが、短距離・中距離のフライトを乗り継いで、長距離便に乗るという人もいるわけで、フライトのキャンセルはその後のホテルなどの日程までキャンセルしなければならない大変なこと。とても他人事ではありません。 最も影響を受けたのは欧州地域での運航を増やしている格安航空会社で、ライアンエアーだけでも300便以上、イージージェットとトランサヴィアはそれぞれ200便以上がキャンセルになりました。 これらの航空会社は通常運行の場合は、本当にビックリするくらい安いのですが、このようなトラブルには、めっぽう弱いようです。 ストライキによるフライトキャンセルの場合は、チケットをキャンセルして払い戻し手続きを行うか、フライトを変更する必要があります。 このフライト変更に伴う時間差間の食費・宿泊費も航空会社が一定の金額を負担しなければならないことになっているので、請求するべきです。請求しなければ、支払ってくれません。 航空会社が代替便への変更を提案してくれる場合もありますが、必ずしもこれに応じる必要はなく、チケットをキャンセルする権利があります。チケットをキャンセルする場合は、フライトの飛行距離によって最低補償金額が定めらており、1,500...

2024年4月25日木曜日

ニース市長 夏季期間中の13歳未満の夜間外出禁止を発表

   未成年による超暴力的な事件や非行の増加や過激化による問題は、昨今、報道されるニュースからも深刻な問題となっているのがわかります。 そんな背景を受けて、フランス国内の複数の地域の市長らは、13歳以下の未成年の子どもに対して、夏季期間中の夜間外出禁止令を発表しています。 最初にこの夜間外出禁止令の発令が注目されたのは、ベジエ市(フランス南西部・オクシタニー地域圏)の極右に近い市長の発表で、「13歳未満の未成年者は、4月22日から9月30日まで、午後11時から午前6時まで、市内の3つの地域に外出してはならない」というもので、「これに違反した子どもたちの親は刑事訴追の対象となる可能性...

2024年4月24日水曜日

SNCF(フランス国鉄)のストライキ回避のための活動早期終了制度 早期退職制度

   SNCF(フランス国鉄)は、年明けからしばしばストライキを始め、2月の段階ではかなり大々的なストライキをすでに行っており、これにより、15万人の人々が足止めをくう大混乱を引き起こしていました。 これによる国鉄側の損害も相当なものであったはずですが、その後も労働組合側は初夏からオリンピック期間に向けてのストライキを予告しており、これをどうおさめるのだろうか?と思っていたら、案外、あっさり経営者側と労働組合の話し合いの折り合いがついたということで、意外に思いました。 しかし、この折り合いがつくのも、当然といえば、当然で、彼らの要求であった年金改革による影響を軽減するという希望が叶ったようです。一般人の立場からすれば、「あんなに大騒ぎして改革した年金改革はなんだったのか?」と思うほどです。 そもそも、SNCF(フランス国鉄)やRATP(パリ交通公団)などの鉄道関係の運転手や管制官などは、退職年齢がかなり早く設定されており、年金改革後も引き上げられたとはいえ、一般職から比べると法廷退職年齢も低く設定されていました。 職種によって、法廷退職年齢が考慮されるのは、当然だとは思いますが、それがかなり幅があることに違和感もあります。 今回の国鉄経営陣と労働組合が締結した契約によれば、会社からの給与を残したまま退職を認める新たな「活動早期終了制度」というものを設けています。 これは、国鉄の中でも職種によって期間が異なるものの、過酷な仕事として位置づけられている運転士や転鉄士(ポイント切り替えなどを行う仕事)に関しては、法廷退職年齢の30ヶ月前には、活動早期終了制度を開始することができ、その間の15ヶ月間働いた分には100%、その後の15ヶ月間については、仕事をせずに給料の75%が支払われるといい、管制官に至っては、36ヶ月前にこの制度が開始できるというものです(18ヶ月は仕事をせずに75%分支払い)。 国鉄側はキャリアの終わりを2つの期間に分割する制度と説明していますが、結果的には、早期退職が認められつつ、75%とはいえ、給与が支払われるわけですから、年金改革前とどこが違うのか?と思ってしまいます。 今回の国鉄の決定により、とりあえずは5月以降のストライキが回避できたということで、今後、様々な公共交通機関がストライキを予定していますが、この国鉄の決定が指針のひとつになるのではないか?という見方もあります。 とりあえず近々では、空の窓口である空港の管制官がストライキを予告しています。 とにかく、今年は、オリンピックという一大行事を控えているため、最低限でも公共交通機関のストライキは、絶対に避けたいことに違いないので、今のタイミングのストライキ、あるいは、その予告は、いつも以上に要求が通りやすくなってしまっているのかとも思います。 だいたい、ストライキがなかったとしても、なんらかのトラブルは必須な公共交通機関です。そのうえ、ストライキなんてことになったら、大変なことです。 しかし、昔からこのSNCF(フランス国鉄)やRATP(パリ交通公団)などの特別扱い感は満載だったのが、年金改革で少しは軽減されたかと思っていたのに、結局は、やっぱり特別扱いなのには、「やっぱり結局、変わらないじゃん・・」という気がしてしまいます。 運転手はなにも国鉄だけではないだろうに、他の交通機関の運転手は、「運転手は国鉄だけじゃない!」と怒っているんだろうな・・と、少しまえに乗ったタクシーの運転手さんが、「タクシー運転手は夏は働かない人が多いよ・・」と言っていたことを思い出します。 外部の反発を恐れてか、SNCF側は、年金改革を否定するのではなく、あくまで一部を緩和するものとしていますが、この一部緩和でさえも、ふつうは認められないものであることには、かわりありません。SNCF(フランス国鉄)活動早期終了制度<関連記事>「全国労働組合のオリンピック期間ストライキ警告に見える社会的アンバランス」「SNCF(フランス国鉄)大規模ストライキ 50%のTGVがキャンセル」「想像以上だったSNCF(フランス国鉄)のストライキに対する国民の怒り」「RATP(パリ交通公団)2月5日から...

2024年4月23日火曜日

続々と発表される社会保障費の削減について

   昨年、大騒動を巻き起こした年金改革がどうにかおさまったと思っていたら、ここのところ、立て続けに社会保障の削減が続々と発表されています。 ついこの間は、失業保険の受給期間が削減されることが提案されたばかり。これに関しては、もちろん、第一には、失業率を下げるため、失業後にできるだけ早く仕事に就くことを促すためと言われていますし、一部は、初めから失業保険ありきの働き方をしているというか、受給資格を得るまで働いて、その後はしばらく失業手当で生活している人などがいることを理由のひとつに挙げています。 後者のようなケースの場合、そもそも再就職が比較的、容易に見込める場合なのだと思うのですが、比較的、本人にとっては、深刻な話でもないかもしれません。 ただ、底辺の人たちにとったら、再就職はそんなに簡単なことでもなく、おまけに就業期間中に支払う失業保険料の金額が減額されるわけでもないので、まさに、まさかの時の保険なわけで、「そんなことはありえない!」と抗議の声があがっていることも事実で、本当に困っている人からも保障を奪ってしまいかねないことになりかねません。 今回、この失業保険に続いて、また、他の社会保障が削減されるというので、今度は何かと思ったら、家族援助や最低限の老齢年金保障のようなものを受給するためには、最低9ヶ月はフランスに滞在していなければならない(これまでは、6ヶ月間)というもので、これには、逆に、「今までは、フランスにいなくてももらえていたの?」と逆に驚いた次第です。 これは、特に家族手当(児童手当など)に関するものだと言われていますが、子どもや家族がいる場合に、たとえ、9ヶ月としても6ヶ月としてもフランスに滞在せずに受給がどうやって可能になるのか?わかりませんが、そういう人々は、実にうまくこのような保障の類を利用しているものです。 我が家も娘がまだ小さいときに、夫が突然、亡くなってしまったので、家族手当などは、ずいぶん受けてきましたが、さすがに、これはフランスにいるからであると思っていたし、逆に日本に帰ってしまったら、こういうお金を日本では出してくれないんだろうな・・と思っていました。  そういう意味では、本当に我が家はフランスのお世話になってきて、娘は本当にフランスに育てていただいたようなものだととても感謝しております。 しかし、この社会保障の詐欺?申請は、相当な金額に上っているそうで、一番多いのは、医療保険詐欺で38億~45億ユーロ、家族給付金詐欺は25億ユーロから32億ユーロと言われています。今回の改正案により、その損失?を少しでも失くす計画だと見られています。 まさか、フランスに住んでいない人を援助しなくてもいいとは思いますが、この手の削減が、不正受給を受けている人のために本当に援助が必用な苦しい人をより苦しめてしまうのではないか?という感じもなくはありません。 そもそも、通常、ふつうに働いている場合は、税金、高いですから・・。フランスの社会保障費削減<関連記事>「フランスの出生率低下にフランス人が提言する言葉 人生は美しい「la...

2024年4月22日月曜日

嘘つきは泥棒の始まりは本当だった話

   以前、私がいた職場には、おかしな人がいました。同じ職場にいるのだから、ちょっと妙な人だな・・と思っても、関わらないわけにはいかず、仕事はふつうに一緒にしていましたが、プライベートでは、絶対に関わりたくない人だな・・と思っていました。 とにかく、自慢話のつもりなのか?自分がすごいお嬢様育ちであり、有能であり、美しく、いかに洗練されているかということを語り、それがいちいち、ピントがずれていたり、かなりのウソが混ざってどんどんエスカレートして辻褄が合わなくなっていることに自分で気が付かないのか、聞いている方も辟易するのですが、いちいち話を遮ったりするのも面倒なので、「へえ~・・」と...