
パリのメトロはよく止まるので、それがたとえ、トンネル内であろうと、そんなに驚きはしません。たいていは、しばらく止まっても、少したてば動き出すし、その時の情報はあまりあてにならないのもわかっているので、たとえ、「プロブレムテクニックでしばらく停車します!」などとアナウンスがあっても、その直後にいきなりドアが閉まって動きだすこともあるので、運よく駅に止まっていても、とりあえずは、そのまま、しばらく我慢して、様子をうかがってみます。 朝の通勤時間帯だったりすると、皆が遅刻を知らせる電話をしたり、メッセージを送ったりし始めるので、しばらくは、「まあ、みんな慣れたものだな・・」と大して怒りもせずに、淡々とやることを済ませていく様子をなんとなく観察しています。 時には、駅ではなく、トンネル内で止まってしまうこともあるため、そんな時は止むを得ずに、車内に留まりますが、それとて、ふつうはそんなに長い間のことではありません。 それが、先日、パリのメトロ4号線で、多くの乗客の帰宅時間帯に電車が止まってしまい、ちょっとパニック状態に陥りました。普段、たびたび止まるパリのメトロにも、日常の彼らの感情的な爆発のさせ方を思うと、比較的、怒っている人が少ない印象を受けるのですが、今回ばかりはちょっと違ったようです。 それもそのはず、当日のパリは午後の気温が31℃まで上昇する熱波の中、数百人の乗客が2時間近く、オーブンの中のような電車の中に閉じ込められることになり、暑さが怒りに火をつけるかたちになり、パニック状態になりました。 今回のメトロのブロックは、複数の問題が重なったもので、結果的に最悪の状況を引き起こした模様です。最初は午後6時頃に、信号機の故障により、部分的に自動化されている4号線の南部で最初に交通が減速していきました。 その後、ポルト・ド。オルレアンとモンパルナス間のネットワーク全体が混乱し、列車の損傷が起こり、シテ駅で乗客がバッグをドアに挟み込み、警報が鳴り響き、これらのいくつかの事故が重なって、ついには、トンネル内で列車5本がストップしてしまいました。 ブロックしてしまったメトロの車内では、詳しい説明もあまりなく、この暑さは乗客の不安と怒りを煽りたて、メトロの中は赤ちゃんが泣き出したり、1時間を過ぎたころから、子供だけでなく大人たちも怒りはじめ、全てを壊してやる!と警察に通報する者まで現れ始め、カオス状態になりました。 立往生している車内には冷房もなく、暑さの中、水もなく、何よりも、いつ、復興するかわからない状態に人々の不安と怒りは増すばかりで、そのうち、メトロのドアをこじあけて、脱出し始める人が現れました。PARIS...