2023年1月17日火曜日

12年ぶりの労働組合統一戦線  年金改革抗議の強力なストライキの予定

  年がら年中、誰かがデモやストライキをやっている感じがするので、ストライキ自体に少々、麻痺している感じもあります。とはいえ、自分が利用する交通機関などだったりすると、それなりにうんざりして、対策を考えるのですが、個人的には、防ぎようもないことなので、こうなると、あまり怒りすぎないように、大きくため息をつく感じです。 怒ったときには、一度、大きく深呼吸をするといいといいますが、なるほど、ため息というのは、深く息をつくという意味では、自然発生的に自分がとっている防衛本能の一つかもしれないなどと、つまらないことまで考えます。 さて、1月10日に政府が提示した年金改革は予想どおりに大きな...

2023年1月16日月曜日

フランソワーズ・モレシャンのインタビュー記事

   偶然、フランソワーズ・モレシャンのインタビュー記事を見つけて、「あ~そういえば、彼女はフランス人だったんだわ・・」と思うほどに、私の中での彼女の記憶は曖昧なのですが、そういえば、「モレシャンさん・・」と呼ばれていた彼女を子供の頃は時々、テレビで見かけることがあり、昭和生まれの人なら記憶があるかもしれません。 インタビュー記事によると、彼女は私が生まれる前から日本に来ていたらしく、いわゆる外タレの先駆者みたいな存在だったようです。今の日本にいる外タレはビックリするほど日本語が流暢で堪能な人が多い感じがしますが、私の記憶の中での彼女は「ワタシノク二では~~!」と、今から...

2023年1月15日日曜日

パリに巻き起こる「エミリーパリへ行く」現象と経済効果 Emily in Paris

   Netflix の人気シリーズ「エミリーパリへ行く」(Emily in Paris)がその舞台となっているパリで、訪れる観光客やドラマの中に登場するブランドなどに大旋風を巻き起こしているようです。 新シーズンは、放送開始後わずか5日間で全世界で1億1700万時間の視聴時間を記録したという「エミリーパリへ行く」は、もはや、どんなファッション雑誌よりも影響力が大きく、ドラマに釘付けになっている視聴者、特にテレビから離れてしまっているといわれているティーンエイジャーや若い層(若くない場合もあり)へのアクセスの役割を果たし、彼女たちは、ドラマを見ると同時に、ヒロインと同じバッグ、同じ洋服、アクセサリーをインターネットで探しはじめ、ドラマに出てきたブランドの売り上げが急上昇するのだそうです。 視聴者にとってあこがれの存在であるヒロインに少しでも近づきたい、ファッションを真似したい、同じ場所を訪れてみたいという感情は珍しいことではありません。 エミリーに限ったことではありませんが、熱狂的なファンにとって、その映画やドラマの撮影に使われた場所への聖地巡礼のようなことはよくあることです。 前シーズンに、ヒロインがドラマの中でNach(ナッシュ)(アニマルモチーフの陶器のアクセサリーブランド)のフラワーピアスとインコのネックレスを着用しており、そのアクセサリーは1週間もしないうちに、品切れになり、それ以来、売上高はうなぎ上りを続け、フランス全土、アメリカ、イタリア、日本から注文が殺到し続けているといいます。 シーズン2、3に登場するボタン・パラダイスのベルトなどもその一つですが、すでに有名なハイブランドと小規模なアーティストのブランドを上手にミックスして登場させているところも巧みなところで、ヒロインが高級マーケティング会社に勤務という設定から、架空のブランドだけでなく、シーズン2では宝飾店のショパール、シーズン3では自動車メーカーのマクラーレンなど実在のブランドの広告キャンペーンを企画することもできています。 このドラマのヒロインが自由な服やジュエリーを使うことで、このシリーズは多くのフランス人デザイナーのショーウィンドーになっているのです。 実際にドラマの中で主人公が訪れるフランスのマクドナルドでは、年末から「エミリーインパリ」なるメニュー(バゲットのパンを使ったサンドイッチとポテトとドリンク+デザートにマカロンが付いたセット)が販売されています。 こんなエミリー効果に沸いているパリは、もっと素直に喜んでもよさそうなものだとも思いますが、世界中の観光客を魅了する絵葉書のような風景を映し出すこのドラマに、真実とはほど遠い「理想化されたパリ」ばかりを映し出していることを指弾するエコロジストの政治家なども出てきて、それはそれで、ちょっと驚きで、閉口してしまいます。 彼ら曰く、「エミリーが私たちに見せているのは、変わらないパリの写真であり、超中心地区に限定され、富裕層だけが住む、均質で固定された建築遺産を持つパリのディズニーランドに他ならない」のだそうです。 しかし、私は思うのです。いいじゃない!ドラマなんだから・・と。 ドラマの中では、決して便利でもなく、いじわるな人もところどころに登場し、適度にパリの嫌なところもシニカルに表現されているところもあるので、せめて美しい場所を映してくれる(美しいところばかりではないのも事実ではあるが・・)このドラマはありがたいものだと思いますが、どうにもイチャモンをつけたがる人はいるものだな・・と思います。 以前、「アメリ」という映画が人気で、「アメリがクレームブリュレを食べたカフェ」をツアー行程に盛り込んでいる日本の旅行会社のツアーなどがありましたが、今や日本の旅行会社はツアーを組むということがあるのかないのか? 以前のように日本人観光客がツアーでパリを廻ることがあれば、さしずめ、「エミリー巡礼ツアー」なるものが登場していただろうな・・などと、新しい流れに昔を懐かしむ気分でもあるのです。エミリーパリへ行く 社会現象 Emily...

2023年1月14日土曜日

ルイヴィトンと草間彌生の仰天コラボ

   シャンゼリゼのルイヴィトンが凄いことになっていると聞いて、近くまで行く用事があったついでに、噂につられて、ちょっと立ち寄ってみました。 ついこの間までクリスマスのデコレーションに彩られていたシャンゼリゼにあるたくさんのお店もノエルのデコレーションが取り払われて、静けさを取り戻しているかのような様子の中、シャンゼリゼの中心にあるルイヴィトンのビルは、ちょっと度肝を抜くほど大きな草間彌生さんの超特大の人形を乗せ、ビル全体には、あのカラフルな水玉?が散りばめられ、ものすごい姿になっていました。 たしか、ノエルの時には、シャンゼリゼのルイヴィトンのデコレーションはそこそこのデコレーションで、そこまで目を引くものでもなかった気がしますが、あれは、今回の草間彌生とのコラボにまつわるこのキャンペーンの前の嵐の前の静けさであったのか?と思わされるほどです。 草間彌生さんは、そのお名前と、なんとなくその作風を存じ上げる程度であまり知識はありませんが、ルイヴィトンのサイトに行くと、「新しいルイヴィトンのコレクションは、世界的に著名な日本人アーティストである草間彌生氏とのコラボレーション!その大胆なシルエットや色彩豊かな作風にルイヴィトンのノウハウを融合させ、ルイヴィトンのアイコニックなデザインを草間氏のカラーで蘇らせている」と説明しています。 ペインテッド・ドット、メタル・ドット、インフィニティ・ドット、サイケデリック・フラワーなどのシグネチャー・モチーフは、ルイ・ヴィトンの世界観の中で抽出されたものであり、彼女のアート、大胆さ、クラフツマンシップ(職人気質)が見事に表現されており、草間彌生氏は、魔力のような才能と決意で自分の存在を変容させて止まない、今日、最も影響力のある比類なき女性アーティストの一人であると大絶賛しています。 パリ市はなにかと街全体の景観に対する規制が厳しく、マクドナルドでさえも、あのマクドナルドのトレードマークと言われる赤いテントを使えない場所もあるくらいの街です。そんな街で。このインパクトの強いデコレーションには、ちょっと度肝を抜かれる感じでもあります。 これは、期間限定のものだからなのか? ルイヴィトンだからできるのか? わかりませんが、ちょっと人目を惹く・・なんてレベルのものではないことだけは確かです。 思い起こしてみれば、シャンゼリゼの店舗はそれほど印象には残っていないものの、ヴァンドーム広場のルイヴィトンの店舗のクリスマスのデコレーションはなかなかインパクトの強いもので、もう元来のショーウィンドーも見えなくなっているほどのデコレーションで、ルイヴィトン・・どうしちゃったの?どこまでいくの?と思ったばかりで、すぐ、その翌月には、この草間彌生コラボキャンペーンです。昨年クリスマスの時期のヴァンドーム広場のルイヴィトン どれだけ主張するの?と思ってしまう最近のルイヴィトン、草間彌生氏の強いインパクトのある作風が今のルイヴィトンの感覚と合致したのかもしれません。ルイヴィトン 草間彌生 シャンゼリゼ<関連記事>「シャンゼリゼで起きていたマカロン戦争」「シャンゼリゼ・ラッピングされた凱旋門とディオールの躍進」「シャンゼリゼのアップルストア Apple...

2023年1月13日金曜日

フランスの学校に制服は必要なのか?

   フランスの公立の学校での制服着用案が議会に提案されているという話を聞いて、ちょっと驚いています。フランスの学校では、ほとんど制服というものを目にすることはなく、また、それが話題にあがることさえ、不思議な気がするほど、フランスの学生の服装は自由でラフな印象があったからです。 ところが、制服着用を義務化しようという声もあるらしく、また、ブリジット・マクロン(マクロン大統領夫人)がこれに賛同するようなインタビュー記事が流れたりしたことで、この制服論議がにわかに注目されています。 彼女はこの制服導入に肯定的な立場をとっている人で、自分自身が学生時代に制服を着ていたことは良い経験であっ...

2023年1月12日木曜日

早朝のパリ北駅での6人刺傷事件 容疑者は、OQTF(フランス領土退去命令)の移民

  年始早々、しかも早朝のパリ北駅で、刺傷事件が起こり、朝からパリ北駅には、大勢の警察官が押し寄せ、まことに物騒極まりない光景に震撼とさせられました。 事件が起こったのは、早朝6時半ごろのことで、北駅入り口でナイフを持った男が襲い掛かり、そのままなだれ込むように容疑者が駅構内へと移動していく中、6人がナイフで刺されたのち、駅構内の警備にあたっていた警察官がとりおさえ、容疑者逮捕になりました。 警察官は現場で容疑者に向けて3発発砲し、容疑者は生と死の間をさまよっている意識不明の重体だそうです。 内務大臣はしきりと容疑者が犯行を開始してから、1分ほどで取り押さえた警察官の勇敢さを讃えていましたが、一方では、1分間であっという間に6人を切りつけるという容疑者の勢いにも驚かされます。 被害者のうち1名が重症とのことですが、命に別状はないということです。 現場に居合わせた人は、駅には人々の叫び声が響き渡り、血まみれになっている被害者を目撃したと証言しています。 犯行の途中で撃たれた容疑者はそのまま意識不明になったため、動機はもとより、本人の身元確認もできない状態でしたが、指紋鑑定により、彼は20代のリビア人男性であることが判明しています。 容疑者は3年前にフランスに入国しており、複数の犯罪により、昨年の夏の段階でOQTF(フランス領土退去命令)を受けていたことがわかっていますが、この容疑者の場合も(OQTF命令を受ける人によく聞く)複数の名前を持ち、また彼がリビア人であることから、彼を自国に追放することができずに、彼に対するOQTFは実行されていなかったと言われています。 リビアへの追放は、同国が現在不安定であることと、リビア人ということを特定するためのフランスとリビアの間の交換ルートがないことで複雑になっているそうです。 もともと彼がどのような経緯でフランスに入国していたのかわかりませんが、国籍を確認できずに、自国へ追放することができない国の人間がなぜ?滞在し続けられるのか? ビザ(滞在許可証)更新のたびに、すべての書類をそろえながらも、そのたびにヤキモキさせられながら、役所の横柄な態度にもひたすら耐えている身としては、ますます理解に苦しむところではあります。 結局、犯人が意識不明の状態のため、この犯行の動機はわからずじまいですが、犯行に使われたものが「一般的に市販されているものではなく、自分で作ったものと思われる非常に危険な凶器であった」(これにはちょっと山上容疑者を思いだしました)と発表されており、このテロ行為が組織的なものであった可能性もあり得るという見方もされていますが、現在のところは、確認がとれていません。 昨年発表された移民対策に対しては、このOQTFのリストを頑強なものにして、徹底的に追跡を行うと昨年末の段階で発表されていたはずですが、実際には、この容疑者のように結局のところ、OQTFが発令されながらも実際には退去させることができないのに、監視対象にもなっておらず、犯罪を重ねたうえにテロ行為に及んでいるということは、看過できない問題です。 だいたい複数の名前を持っていれば、その追跡自体も困難で、今回のように指紋の照合でもしないかぎり、本人の特定もできない状態で移民問題のハードルの高さを感じさせられます。 今まで、あまり気が付いていなかったこのOQTFに関して、昨年の大きな犯罪を見ても、このOQTF該当者が多い気がします。そもそもOQTFが発令されている時点で何等かの犯罪にかかわったことがあるということで、再犯を重ねる可能性が高いのも当然のことかもしれません。 もともとパリ・北駅周辺は治安の悪いところで、私などはあまり近寄らない場所ではありますが、人の多い大きな駅。まさかのこんな騒ぎに警察官が駅構内で発砲するという事態には、さらに腰が引ける感じです。 年末にもモンパルナス駅で同様の事件が起こったばかりです。 年明けに、政府のスポークスマンが今年は、大幅に警察官が増員されるので、少し治安が改善され安心できるようになるだろうという発表をしていたばかり。いくら警察官が増員しても、同時に犯罪者が増えれば、結局はあまり変わらないことになります。 警察官の発砲についても、思うところはありますが、今回のような緊急事態に際しては、致し方ないものなのかもしれません。パリ北駅刺傷事件<関連記事>「パリの公立病院の救急治療室で起こった強姦事件」「...

2023年1月11日水曜日

岸田首相のパリ訪問 海外首脳として初めての工事中のノートルダム大聖堂訪問

   日本の岸田首相がパリを訪問しているというニュースはフランスではあまり報道されていないようです。私はマクロン大統領が「Cher Fumio・・G7の議長国としてのヨーロッパ訪問の最初の国に選んで頂いたことを光栄に思います・・」というツイートで岸田首相のパリ訪問を知りました。Cher Fumio, la France est honorée d'être la première étape de votre tournée en Europe. Je vous souhaite mes vœux de succès pour la présidence japonaise du G7....