テレビのニュース番組で、「チップについて、一番ケチなのは、フランス人という研究結果が出ています」という話を紹介していて、堂々、一番のケチはフランス人!、2位がイギリス、3位がイタリアなのだそうです。
「フランス人はケチだもんな・・」と思いつつ、それとほぼ同時に「えっ??チップ??」と私は、ハッとさせられていました。
正直なところ、恥ずかしながら、私はいつからだったか、記憶もないほどにチップというものをすっかり忘れていて、ここのところ、レストランなどに食事に行っても、チップというものを払った記憶がなく、チップというものの存在すら全く忘れていたからです。
そもそも、私はそんなに外食をする方ではないのですが、それにしても、全く忘れていたというのも、自分でも、ちょっとビックリするぐらいです。
たしかに、以前は、食事をしたりして、いくらかはチップを置いていた記憶はあり、サービスによって、その金額を調整したりしていた記憶もあるのですが、どうして、いつの間にか、このチップをきれいさっぱり忘れていたのかというのも、あまりにその忘却ぶりが完璧すぎて、ちょっと自分でも唖然とするくらいです。
別に、「チップなんて、払うものか!」と思っていたわけでもなく、チップというものの存在自体を忘れていたのです。
言い訳じみたことを言わせてもらえば、パンデミックの間、かなり長い間(たしか半年以上)、レストランというものは、営業停止で外食そのものが不可能であったこと・・もう一つは現金というものをほとんど使わなくなったことで、以前は現金で支払うと、お釣りがわざとチップ用と思われる感じで細かい小銭で返ってきたりして、そのうちいくらかを置いてくる・・という感じだったと思うのですが、カードで支払うよういなって、お釣りというものもないため、支払いはカードのレシートが返ってくる時点で終了した感があるのです。
そして、もう一つは、周囲も多分同じなのでしょうが、チップを置いている人を見かけないために、忘れがちなチップというものを思い出させてくれる場面に遭遇しないこともあるかもしれません。もともとチップという習慣のなか日本で生まれ育ってきた私にとって、うっかりチップを忘れてしまうのは、そんなに難しいことでもありません。
そもそも、フランスでチップという文化は消えつつある感じでもあり、チップを払うのは10人のうち2人と言われています。それでもチップは支払い額の3%程度というのがおおよその相場とされているそうです。
最初に海外旅行をし始めた頃は、海外にはチップという習慣があるから、礼儀として、レストラン、ホテル、タクシー、美容院などでは、価格の○%はチップを置いてくるものだ・・と言われたりして、やけに慎重にチップを用意したりしていたこともあったのですが、時代も変わり、私も変わりました。
そもそも、現金や小銭というものをほとんど持ち歩かなくなった今、チップのために小銭を持ち歩いてまで、チップを支払うべきか?というのも、考えてしまうところでもあります。
今でもレストランの支払いのレジの近くには、チップを入れる箱が置かれていることも多いのですが、そもそもレジにさえ行かずにテーブルで支払いを済ませてしまうことの方が多い気がするので、それさえも見かけません。
フランスでは、チップというものは、そもそも任意のシステムで、義務ではありません。マスクと同じで義務化されなければ、やらないという国民性。フランスからチップというシステムは、消えていきつつある習慣なのかもしれません。
フランス人のチップ チップの習慣
<関連記事>
「フランス人の金銭感覚 フランス人は、何にお金を使うのか?」