2022年10月10日月曜日

チップについて、一番ケチなのはフランス人

   


 テレビのニュース番組で、「チップについて、一番ケチなのは、フランス人という研究結果が出ています」という話を紹介していて、堂々、一番のケチはフランス人!、2位がイギリス、3位がイタリアなのだそうです。

 「フランス人はケチだもんな・・」と思いつつ、それとほぼ同時に「えっ??チップ??」と私は、ハッとさせられていました。

 正直なところ、恥ずかしながら、私はいつからだったか、記憶もないほどにチップというものをすっかり忘れていて、ここのところ、レストランなどに食事に行っても、チップというものを払った記憶がなく、チップというものの存在すら全く忘れていたからです。

 そもそも、私はそんなに外食をする方ではないのですが、それにしても、全く忘れていたというのも、自分でも、ちょっとビックリするぐらいです。

 たしかに、以前は、食事をしたりして、いくらかはチップを置いていた記憶はあり、サービスによって、その金額を調整したりしていた記憶もあるのですが、どうして、いつの間にか、このチップをきれいさっぱり忘れていたのかというのも、あまりにその忘却ぶりが完璧すぎて、ちょっと自分でも唖然とするくらいです。

 別に、「チップなんて、払うものか!」と思っていたわけでもなく、チップというものの存在自体を忘れていたのです。

 言い訳じみたことを言わせてもらえば、パンデミックの間、かなり長い間(たしか半年以上)、レストランというものは、営業停止で外食そのものが不可能であったこと・・もう一つは現金というものをほとんど使わなくなったことで、以前は現金で支払うと、お釣りがわざとチップ用と思われる感じで細かい小銭で返ってきたりして、そのうちいくらかを置いてくる・・という感じだったと思うのですが、カードで支払うよういなって、お釣りというものもないため、支払いはカードのレシートが返ってくる時点で終了した感があるのです。

 そして、もう一つは、周囲も多分同じなのでしょうが、チップを置いている人を見かけないために、忘れがちなチップというものを思い出させてくれる場面に遭遇しないこともあるかもしれません。もともとチップという習慣のなか日本で生まれ育ってきた私にとって、うっかりチップを忘れてしまうのは、そんなに難しいことでもありません。

 そもそも、フランスでチップという文化は消えつつある感じでもあり、チップを払うのは10人のうち2人と言われています。それでもチップは支払い額の3%程度というのがおおよその相場とされているそうです。

 最初に海外旅行をし始めた頃は、海外にはチップという習慣があるから、礼儀として、レストラン、ホテル、タクシー、美容院などでは、価格の○%はチップを置いてくるものだ・・と言われたりして、やけに慎重にチップを用意したりしていたこともあったのですが、時代も変わり、私も変わりました。

 そもそも、現金や小銭というものをほとんど持ち歩かなくなった今、チップのために小銭を持ち歩いてまで、チップを支払うべきか?というのも、考えてしまうところでもあります。

 今でもレストランの支払いのレジの近くには、チップを入れる箱が置かれていることも多いのですが、そもそもレジにさえ行かずにテーブルで支払いを済ませてしまうことの方が多い気がするので、それさえも見かけません。

 フランスでは、チップというものは、そもそも任意のシステムで、義務ではありません。マスクと同じで義務化されなければ、やらないという国民性。フランスからチップというシステムは、消えていきつつある習慣なのかもしれません。


フランス人のチップ チップの習慣


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2022年10月9日日曜日

ランチタイムの中華料理屋さんでの風景 Impérial Choisy

   

フランス人の定番中華メニュー ナム(春巻き)とカナールラッケとチャーハン


 我が家の食卓は、かなり和食というか、日本の食卓に近い料理をすることが多いため、そのための食材の確保のためには、普通のフランスのスーパーマーケットでは、手に入らないものがあって、たまに調味料系や野菜などの買い物に13区のチャイナタウンにあるタンフレール(アジア系スーパーマーケット)に出かけます。

 日本食料品店は、オペラ界隈に何軒かあるのですが、こちらよりも広範囲の商品があり、値段も多少安いので、13区に行くことの方が多いのです。

 13区のタンフレールに行った時には、それがお昼時に重なれば、必ず行く中華料理のレストランがあります。もうかれこれ、10年以上は通っているお店で、いつ行っても活気があり、ちょっと時間を間違えると行列するハメになるほどの人気店です。

 このお店をどうやってみつけたのか?今となってはどんなキッカケで行き始めたのか?記憶もないくらいなのですが、中国人のお客さんも多く、常連さんが多いのにもその人気が伺えます。値段も良心的なわりには、クォリティもたしかで、フランス人のお客さんも少なくないのには、「知っている人は知っているんだな・・」と感心させられます。

 以前に比べると、いつのまにか、お店も格段にきれいになって、今では店舗を地下のスペースにまで拡張しています。

 先日、ちょうど、買い物に行った際に久しぶりに食事に寄って、変わらない安定したお料理を楽しんできました。

 ちょうどお昼時で、仕事の同僚らしき男性客の集まりが多く、世の男性のランチはこんな感じなのか?とちょっと興味深く、観察していました。

 隣に座った二人組の男性、先輩の方は、ちょっと馴れた風を装っていて、何ページもあるメニューを見ながら、後輩くんに、オーダーするの手伝おうか?などと言っていて、しかし、実のところは、そんなに詳しくもなく、オーダーを始めるのを聞いていると、実は後輩くんの方が詳しい感じ・・。こういう人っているよな・・ちょっとカッコ悪・・と思いながら、様子を伺っていました。

 また、少し離れたところにいる4〜5人の、やはり会社の同僚と思われるグループの男性たちは、揃いも揃って、皆がカナールラッケ(Canard laqué )(うっすら甘い五香粉の香りのするソースをつけながらじっくり焼かれた鴨)・・おとなしそうだけど、やたらにハンサムな若い男の子も大人しく先輩方に従っています。

 友人同士ではない、この微妙な距離感の取り方に、平日のランチタイムの独特な雰囲気を感じます。私自身は、仕事中には、食事の時間も同僚と外に食事に出るような時間を取れなかったので、こんな雰囲気も妙に新鮮な感じがします。

 せっかく大勢で来ているのだから、中華料理なんだし、違うものを頼んで、分け合って、色々なものを楽しめばいいものをと思うのに、同じカナールラッケがそれぞれの前に並びます。フランス人は、レストランで皆で分け合って食べることをあまりしないのです。

 実際、中華料理のお店でフランス人の8割型の人はカナールラッケを食べるのではないか?と思うほど、フランスでは人気のカナールラッケです。

 そして、また、反対側に座っている私と同年代の女性とその娘の二人組。なんとなく、そのお嬢さんも娘と同じ年頃で、なんとなく微笑ましく様子を眺めていると、これまたフランス人の中華料理店での三種の神器?とも思われるオーダー。

 カナールラッケとチャーハン(Riz Cantonais / リ・カントネ)と春巻き(といってもナムという米粉の皮を使った小ぶりの春巻き)、これに、このお店の人気メニューの一つでもあるエビワンタンスープ。

 彼女たちのテーブルに並んだメニューを見て、これは、なんとフランス人の中華料理オーダーのお手本?のようなチョイス!と目を丸くしていると、ひたすら食べるお母さんに比べて、軽く春巻きをつまむ程度の娘。「なによ!あなた、あんまり食べないわね〜」と言いながら、ひたすら食べるママ。

 娘の方は、「食べているわよ〜」と言いながらもどこか冷めた感じで、結局、残ったお料理をママがテイクアウト。

 いつだったか、このお店に娘と二人で行って、二人ですごい勢いで食べて、お店の人に「二人とも、よく食べるね〜〜」とビックリされたことを思い出しました。

 実は、このお店、最近、知ったのですが、ミシュランのビブグルマンにも載っている有名店。厳しそうな女性が仕切っていて、店員さんもキビキビしていて、いつ行っても間違いのないお店です。

 そんな有名店とは知らずにいつの間にかもう10年以上も通っていた私のアンテナは、なかなか悪くない・・と妙な満足感を感じています。

 以前、このお店に行った時、メニューを見ていて、私が日本人だとわかったら、「麻婆豆腐は?」と言われたことがあって、フランス人なら、「カナールラッケ」で、日本人だと「麻婆豆腐」というイメージがあるのかな?とちょっとこそばゆい気がしました。


⭐️Impérial Choisy 32 Av. de Choisy 75013


パリ中華料理 ミシュラン ビブグルマン


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2022年10月8日土曜日

エネルギー危機が疑問を投げかけるクリスマスのイルミネーションの是非

  


 今年も10月に入り、フランス人にとっての一大イベントのノエルの季節がもうすぐそこに見えてくる時期に入りました。なんでも時間がかかって物事がすんなりと進まないことが多いフランスでも、毎年、ノエルの準備だけは早く、だいたいトゥーサン(ハロウィン)が終わったかと思うと、街中はさっそく、ノエルのイルミネーションの準備が始まります。

 ところが、今年のクリスマスのイルミネーションは、エネルギー危機、電気代の異常な高騰により、各自治体は、この年末年始のノエルのイルミネーションの是非を問われ、この一大イベントのノエルのイルミネーションを削減する方向で検討を始めているようです。

 パンデミックの間も(今も終わったわけではないけど・・)、2020年などは特に、自粛ムードでこのイルミネーションを削減したり、廃止したりした場所もありましたが、昨年末には、ほぼ通常どおりのイルミネーションに戻り、私もシャンゼリゼのイルミネーションを見に行き、「去年はイルミネーションはあったものの、ほとんどのお店が閉店で寂しかったな・・元に戻って嬉しいな・・」と思いながら、シャンゼリゼのイルミネーションを見てきました。

 シャンゼリゼについては、現在のところは、まだ発表されていませんが、地方の各自治体は、すでに大幅に値上げされた電気代を考慮し、イルミネーションを大幅に削減する発表をしています。

 イルミネーション自体を減らすだけでなく、LEDを使用したり、時間帯を短くしたり、イルミネーションの点灯期間を4週間半から3週間に短縮する自治体もあります。

 例えば、ボルドーでは、「昨年と同じイルミネーションを維持しつつ、昨年は、11月26日から始まったイルミネーションは、12月9日からになり、点灯期間を短縮する(2週間短縮)」予定を発表しています。また、時間帯についても午前1時から7時までは装飾を消す予定です。

 国をあげて、マクロン大統領自らタートルネックを着て、省エネ・節電を呼びかけているこのご時世、暖房も控えよ!と暖も満足に取れない中、クリスマスのイルミネーションが例年どおりのままに据え置かれるわけはありません。

 すでにエッフェル塔のライトアップの時間は短縮されていますが、シャンゼリゼのイルミネーションもさしずめ、期間が短縮されるぐらいのことは、されてしかるべきだと思います。

 別に、クリスマスなのですから、せいぜい、12月に入ってからで十分ではないか?と思うのですが、例年の恒例の予定を変更するには、必ず揉めるのは、どこの国でも同じです。

 パリ近郊でも、ちょっと郊外の方に行ったりすると、クリスマス前になると、家全体を電球で飾り立てたりしている家を目にすることもありますが、これだけ電気代が高騰すると、このような家もずいぶん減るのではないかと思います。

 クリスマスのイルミネーションは、華やかで、心が踊るものではありますが、「暖房を控え、節電を心がけて、10%の電力消費を削減すれば、停電は避けられる」などと言われる中、正直なところ、停電のリスクを侵してまでやってくれなくてもいいと日本人の私は思ってしまうのですが、このイルミネーション、フランス人の一年間の購買力のかなりの部分が高まる時期、フランス人を消費の道へと導き、購買意欲を煽る働きもしているために、迂闊に廃止・・というわけにもいかないのが正直なところなのかもしれません。


クリスマス ノエル イルミネーション削減


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2022年10月7日金曜日

肉や魚の価格高騰でたまご人気が急上昇している!



 最近、買い物に行くと、気のせいか、スーパーマーケットの棚がガランとしているな・・と思うことがあります。特に肉や魚は、商品満載の感じが欠けている気がします。

 一昨年末あたりから、「食品廃棄物防止」の試みで、賞味期限間近のものにアンチガスピヤージュ(無駄防止)の黄色いラベルが貼ってある商品を集めて置いていたケースが我が家の近所のスーパーマーケットから姿を消してしまいました。

 思うに購買力が低下したために、仕入れを減らしているのか、別の方法で販売しているのかわかりませんが、結構、便利に使っていた私としては、残念なことです。

 もともと、一度、痛い思いをして以来、ほぼスーパーマーケットで魚は買わなくなった私ですが、肉に関しては、もともとそんなに肉が大好き!(別に嫌いなわけでもないけど・・)というわけでもない私にとって、ボーッとしている私ですら気が付くほどに、明らかに以前とは値段が上がっていて、手に取ってみると、あまりの値段の高騰に、ちょっと「えっ??」と思ってしまうので、以前より肉を食べなくなっているかもしれません。

 そんな中、多少、値段が上がっているとはいえ、まだまだ安い卵は、相変わらず、買い物に行けば必ず買うものの一つで、貴重な動物性タンパク質として頼りにしています。

 卵焼きでもオムレツでも、ゆで卵でも、目玉焼きでも、茶碗蒸しでもケーキでも何にでも使える卵は、便利な食べ物で、簡単に食べられることも魅力です。

 しかし、そんなことを考えているのは私だけではなかったようで、ここのところ、インフレ対策のためか、夏以降、肉や魚の売上が減少している代わりに卵の売上が180%増と目覚ましい躍進を見せているのだそうです。

 フランス人が1年間に消費する卵の数は平均218個という数字を見て、これが多いのか?少ないのか?あまりピンと来なかった私は、では、日本人は?と思って調べてみたら、なんと、338個(一人あたりの卵の年間消費量)で、なんと堂々、世界第2位という卵大国!(ちなみに1位はメキシコの372個でした)

 卵といえば、当然、海外の方がずっと食べているような印象があったのですが、意外にも日本人の方が卵を食べているようです。思えば、卵ほど日本人の食卓に欠かせない食品というのもそうそうないもの・・どおりで、私も海外にいても卵を重宝にして使っているわけでした。

 考えてみれば、日本食には、卵焼き、だし巻き卵、オムレツ、丼ものなどに使う卵とじ、錦糸卵、炒り卵、ラーメンの味玉や月見なんちゃら・・など、思い浮かぶ卵料理はいくらでもあります。

 そこへ行くと、フランス料理では、とりあえずクレープなどのお菓子作りなどに卵は欠かせず、キッシュやオムレツなどは、思い当たりはしますが、日本のバラエティに富んだ卵使いには、負けるような気がします。

 しかし、このインフレと健康志向を機に、シャルキュトリー(ハムやパテ、ソーセージなどの肉加工商品)よりも安いうえに、はるかに健康的だと、あらためて、卵は注目を集めて、売上を急増させているようです。

 こうなってくると卵を正当化する議論が始まるのもお決まりのパターンです。「卵といえば、コレステロールの過剰摂取を案ずる人がいるが、これは不当な評価で、必須ビタミンや抗酸化物質が多く含まれている優れものの食品だ!」などと今も、テレビで言っています。


インフレ対応食品 卵 たまご


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2022年10月6日木曜日

この冬の暖房費節約努力を示すシンボル タートルネック タートルネックは今年のモード?

 


 とにかく、現在のフランスは、節電・省エネアピールが凄まじいのです。

 テレビをつければ、どうやって節電するかを論じ、ここ連日のようにフランス電力からは、こうすれば、値上げを回避できるとか、あなたの家庭での電力消費は・・と、自宅の電力消費を何に何パーセントし使用しているか?を円グラフにして送ってきて、どの部分を削減できるか検討しましょうとか、使っていない部屋の電気は消しましょうとか、使用していない電化製品のコンセントは抜きましょうとか、一番の節電は、消費しないこと・・などいうメールが送られてきます。

 そして、ブルーノ・ル・メール財務相をはじめ、マクロン大統領自らも、いつものスーツにネクタイ姿から、タートルネックのセーターにジャケットを重ねたタートルネックでの防寒アピールで登場し、タートルネックがこの冬の暖房費節約努力を示すシンボルになりつつあり、また、今年の冬のモード(流行)になりつつあります。

 紺や黒、ダークグレーなど、比較的薄手の生地のタートルネックは、首をすっきり見せて、顔を引き締めてみせてくれる感じで個人的には好みです。


 もともと、マクロン大統領のタートルネック姿は、そんなに真新しい感じもなく、たしか、昨年も着ていたような気がするし、コロナウィルスに感染した際にすぐに声明を発表した時にもたしか、タートルネック姿だったような記憶がありますが、今年のエネルギー危機の中では、同じタートルネックでも、訴えかけるものがまるで違ってくるのが不思議なくらいです。

 だいたい、フランスでは、そもそもスーツ姿の人というのは、日本に比べると極端に少なく、オフィスワークの人でも、もともとそんなにスーツにネクタイ・・という人はそんなにいるわけではなく、言われるまでもなく、タートルネック、もしくは、マフラーを上手に巻いたりしている人が多く、あらためて言われるまでもないことのような気もします。

 このエネルギー危機の最初の頃から、ボルヌ首相は10%の節電、暖房は19℃にセット・・などを呼びかけていますが、ここまで節電アピールがエスカレートしていくと、逆になんだか危機感を煽られているような気分になってきます。

 パンデミックの時にも感じたことですが、そもそも、もともとフランスは日本などと比べて自然災害の少ない国、パニックに陥った場合の騒ぎ方も尋常ではありません。

 フランス政府の面々がタートルネックを着て、暖房費節約努力をアピールしたりしていると、必ずそれを茶化すように、「タートルネックはタイトかルーズか?」とか、「カシミアかウールか?」など、果ては「このままエネルギー危機が来年の夏まで続いたら、今度は短パンにビルケンシュトックのサンダルを履いて登場するつもりか?」などと言い出す者まで現れていますが、実際にこの冬に停電などということにでもなれば、そんなことを言っている場合ではなく、そのパニックは大変なことになりそうです。

 そんなにフランスの電気代が高騰するなら、なんならしばらく日本に帰ろうか?と一瞬、頭を掠めましたが、考えてみれば、日本への航空運賃は、電気代の比ではないのでした。


タートルネック暖房費節約努力アピール タートルネック流行


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2022年10月5日水曜日

ガソリンスタンドにガソリンがない トータルエナジーズ ガソリン切れのため一部休業

  


 パリ市内及びパリ近郊にあるフランス大手石油・ガス供給会社トータルエナジーズ(TotalEnagies)のガソリンスタンド40店舗中、17店舗でディーゼルやガソリンのストック切れのため、販売ができなくなり、一部が休業しなければならない事態に陥り、少々、混乱状態にあります。

 よもや、ガソリン不足?とパニックに陥りかけている消費者に向けて、同グループ広報は「トタルエナジーズは在庫を積み上げ、現在定期的に輸入しているため、燃料不足はない」と断言しています。

 トータルエナジーズは、9月の新年度開始以来、1リットルあたり20セントの値下げを導入したため、(政府が導入している1リットルあたりの値下げを併せると1リットルあたり50セントの恩恵を受けることができる)消費者が30%増加したと発表しています。

 しかし、消費量が30%増加することで、供給が途絶えてしまうことなど、ちょっと通常では考えられない事態であることに変わりありません。

 これには、同グループ製油所で行われているストライキ(従業員は10%の賃上げを要求)も影響していると言われていますが、それにしてもストライキなどフランスでは珍しい話でもなく、ガソリンスタンドにガソリンがない・・供給が途絶えるなどという話はこれまで聞いたことがありません。

 運送会社や、通勤などに車が不可欠な人々にとっては値上がりだけでなく、ガソリンがない・・という事態は、深刻な事態に違いありません。

 燃料価格高騰は、インフレの大きな原因の一つにもなっていますが、同社は、原油価格の高騰で過去最高の利益を記録したばかりです。この不況の中、少しでも安いガソリンを求める消費者が集まったことで、トータルエナジーズは成功をおさめているのです。

 何かのトラブルに加えて、ストライキによる影響が加わることは、フランスではよくあることで、今年の夏のバカンスの初めに、CDG空港での空港職員のストライキに加えて、荷物積載のシステムダウンが重なったことで、ロストバゲージが2万個以上発生して、数ヶ月間空港に置き去りにされるという問題が起こりました。

 そもそも、インフレのための賃上げ要求や労働条件改善などを求めてのストライキではありますが、このストライキがさらに問題を大きくしているところがあります。

 その中で、確実に利益を上げている人々もいるのは見過ごされがちなところではあるのですが、今回のトータルエナジーズのガス欠は、そんな一面を露呈した出来事だったかもしれません。

 パリ・パリ近郊のガソリンスタンド品切れは、40店舗中、17店舗のみですが、TF1によると、フランス国内にあるトタルエナジーの3,500店舗のうち、先週末までに100店舗近くがこの燃料不足の影響を受けたと言われています。

 しかし、どうやら、このパニックは、他社のガソリンスタンドにも影響を及ぼし、他でもガソリンを入れるのは長蛇の列ができ始めている模様。そもそもやはり、絶体的なガソリン不足は、否めないのかもしれません。


ガソリン不足 トータルエナジーズ


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2022年10月4日火曜日

今週から始まるフランスの第8波対策ワクチンキャンペーン 3回目のブースター接種も可能になる

  


 すでに夏の始まりから、「秋には必ず第8波がやってくる!」と言われていましたが、その予想どおりに、フランスではコロナウィルス第8波が訪れています。ただ、現在のところ、そこまで、急激な増加にはなっておらず、波は波でも比較的、緩やかな波です。

 ここのところ、気のせいかもしれませんが、一時よりは、ほんの若干ではありますが、マスクをしている人が見られるようになったのは、それなりにマスクが以前より(パンデミック前よりという意味)は、マスクを受け入れる人や、ある程度の予防効果を認める人が生まれたのだなと思っています。

 フランス国立衛生局は、今週から本格的にワクチンキャンペーンを開始するとしており、希望者は誰でもワクチン接種を受けることができますが、特に重症化リスクの高い人、また、これらの重症化リスクの高い人と同居している人が優先されるべきだとしています。



 フランスでは、現段階で、60歳以上の3割強が2回のブースター接種を受けています(計4回ということ)が、今週からは、オミクロン対応の新しいワクチン接種が始まることもあり、すでに2回のブースターを受けた人でも、対象条件を満たせば、この秋に3回目のブースターを受けることが奨励されています。

 対象条件に該当する項目には、60歳以上、高齢者施設、長期介護施設の居住者、免疫不全、既往症があり重症化リスクの高い成人、妊婦、介護者、医療・福祉分野従事者などが挙げられており、最後のワクチン接種から3ヶ月以上が経過していること(80歳以上、高齢者施設居住者、免疫不全者)または、6ヶ月以上(前述以外の場合)が経過していることとしています。

 オミクロンに対応した新ワクチンは、ファイザー社のものとモデルナ社のものを選ぶことができますが、ファイザーは2種類のワクチンを販売しており、一つは、原種に加え、オミクロンBA.4、BA.5の変種をターゲットにしたもので、もう一つは、さらにBA.1亜系をターゲットにしています。2種類があるので、ワクチン接種の際は確認をして、どちらのワクチンを接種したのか、記録は残されると思いますが、確認しておいた方がよいかもしれません。

 モデルナ社のものは、オミクロンBA.1亜系をターゲットにした二価ワクチン1種類ですが、ただし、フランス国立衛生局は、30歳未満の人には、心臓への問題を避けるために、ファイザー社のワクチンの使用を推奨しています。

 また、国立衛生局は、18日から、インフルエンザの予防接種も開始されるので、これら2つの疾病は、いずれも重なった人口に対してリスクが高くなるため、両方を接種すること、また同時接種も可能であると発表しています。

 先日、我が家では、日本で娘がコロナに感染し、私も風邪?をひいて体調を崩したばかり・・他人事ではありません。

 私自身は、2回目のブースター接種を受けたのは、今年の7月だったので、3回目のブースター接種をするなら、来年の1月以降ということになりますが、その前にインフルエンザのワクチン接種を今年もしておこうかと思っています。

 すでに国民健康保険から、インフルエンザのワクチンを受けてくださいという通知は来ているので、今月末にでも受けてこようと思っています。


フランスのワクチンキャンペーン 3回目のブースター接種


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