私は海外に住んでいるとはいえ、日本人なので、日本のニュースが気になるので、日本で起こっているニュースはネットなどでチェックするようにしていますが、最近の日本の統一教会問題については、探さなくともフランスでも報道されています。
先日、ネットで統一教会会長の記者会見を見ましたが、考えてみれば、あの記者会見は日本外国特派員協会のもので、海外にその内容が報道されるのも当然のことです。外国特派員協会で行われる記者会見の内容が必ずしも海外での報道に繋がるとは限りませんが、この事件に関しては、安倍元総理大臣の襲撃事件に端を発しているだけあって、その報道のスタートはセンセーショナルで、しかもセクト(新興宗教)という海外においても、決して見過ごすことのできない問題でもあるため、報道は続けられているのです。
この報道はフランスだけではなく、アメリカやイギリスなどでも拡散されていることは言うまでもありません。
WARNING: GRAPHIC CONTENT - Why the Unification Church has become a headache for Japan’s Prime Minister Fumio Kishida https://t.co/8sQe6RqhVJ pic.twitter.com/Dqu89Ijs8c
— Reuters (@Reuters) August 16, 2022
海外での報道では、忖度は働かない分、その書き方、報道の仕方には容赦がありません。
例えば、フィガロ紙では、「日本における統一教会の驚異的な影響力」と題して、「数千人の統一教会信者の前で晴れ晴れとスピーチする衆議院副議長は、日本で非難を浴び続けている宗教団体の集会に参加したということで、当然、本来ならば、彼の政治生命は絶たれるはずだが、安倍晋三の下ではそのような付き合いは無害どころか、高く評価されていた・・」などと書かれています。
そのうえ、日本政府は統一教会と閣僚、政務三役の関係については個人の政治活動に関するもので、調査を行う必要はないとする答弁書を閣議決定したそうですが、これだけ被害が顕著に挙げられている団体との繋がりについて、調査を行う必要がないとは、どういうことなのか? このまま、だんまりを続けて世間が忘れてくれる時を待ってごまかそうとしているのは、明白です。
7月末に行われた共同通信の世論調査では反対が53%にまでになっているという国葬も世論を無視して行われようとしていることなども含めて、岸田内閣が支持率の急激な低下に押されて、9月に行われるはずだった閣僚の入れ替えを早めたものの、依然として不評をかっていることまで、これらの全ての様子は全世界で報道されており、詳らかにされています。
政府が日本国民を甘く見ているのは明白ですが、正面から向き合おうとしない日本政府の姿勢には、世界からの目も冷たいものです。
この日本政府が世界に向けて発信している日本のネガティブイメージは今後の日本の外交にも影響します。海外からしても、このような政府とまともな話をしようとは思わないでしょう。ましてやこれだけ問題のある新興宗教と関わりのある政府とは積極的には関わりたくないと思うのが自然でしょう。
こんな状態で国葬をして、外交に繋げようとしても、通り一辺倒の挨拶をするだけの外交に終わります。
今は一瞬で、世界中にニュースが駆け巡る時代です。日本の政府の人々は、海外のニュースをチェックしないのでしょうか? 海外からの見え方を日本政府は考えていないのでしょうか? 日本国民をバカにしている結果、日本が海外から冷たい目で見られています。これ以上、日本の恥をさらしてほしくありません。
日本では、統一教会そのものの被害状況と政府との繋がりについて、これに対する政府の対応など、別々に扱わなければならない問題を混ぜてしまっている感がありますが、まずは、「安倍元総理殺害事件そのものについて(警備などの問題)」、「統一教会の実態について(被害状況)」、「政府との繋がり」、そして、何よりも「30年前に問題視されたにも関わらず、捜査が中断されたことについて」、別々に糾弾しなければなりません。
擁護すべき国民の被害を見過ごすどころか、警察の捜査を止め、よりにもよって、その団体を利用し、また逆に利用されているなどあってはならないことです。国民の安全を守るための警察の機能を政府が止めてしまう政府など、もう正気の沙汰ではありません。
日本政府はこの統一教会問題が風化することを待っているようですが、この問題はきちんと解明されるまで忘れてはなりません。
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