2021年6月21日月曜日

海外から見ると日本人の食卓はとてもレベルが高い

   以前、会社の同僚が子供が小さい頃に日本に子供を連れて行ったら、実家で出てきた朝食を見て、「お母さん、晩御飯みたいな朝ごはんだね・・」と言ったという話を聞いて、「さもありなん」な話だな・・と思ったことがありました。 現在の日本の家庭の食事というものは、よくわかりませんが、いわゆる、よくありそうな日本の朝ごはんというものは、フランス人から見たら、朝から信じられないような食事です。 一般的なフランス人の朝食は、パンにバター、ジャム、チョコレートペーストのようなものにコーヒーかカフェオレ、または、シリアル、せいぜいフルーツぐらいですから、日本のようにご飯にお味噌汁、焼き魚に副菜、漬物などの食事など、ちょっとあり得ないほどの手のかかり方です。 日本だったら、洋食にしても、サラダや卵、ハムなど彩り豊かな食事が目に浮かびます。 我が家も例にもれず、フランスでの朝食は、シリアルかパンで済ませてきましたが、仕事が休みの日だけは、日本のような和食の朝食を食べるようにしていました。 しかし、海外生活を続けていれば、日本にいたら、きっと自分で作ることは決してなかっただろうな・・と思うようなものまで、手作りをしたりもしています。 例えば、小さなベランダで日本の野菜を育てたり、パンとビールでぬか床を作ってみたり、納豆を作ってみたり、スポンジケーキやロールケーキを焼いてみたり、お団子を作ってみたり、・・こちらで何とか手に入る食品で、簡単には買えないものを何とか作ろうと暮らしています。 フランスでは、女性も働いている人がほとんどなので、日本人とて、フランスに住んでいれば、仕事に家事に育児にと忙しくしていると思いますが、皆、色々、工夫して、まめに色々なものを作っています。 我が家は、餃子が好きで、よく作るのですが、ニラも自分で育てて、餃子の皮とて、どこにでも売っているわけではないので、餃子の皮を買いに行くのが面倒な時は、皮から自分で作ります。 考えてみれば、日本では餃子を家で作る家庭は多いと思いますが、キャベツや白菜、ニラ、ニンニクなどを細かく刻んで、具を寝かして、一つ一つ包んで焼くというなかなか面倒なお料理です。これを日常的に自分の家で何のことはなしにやってのける日本の主婦はすごいと思うのです。 今では、フランスでも餃子は脚光を浴びて、一般の普通のスーパーマーケットで買えるようにはなりましたが、フランス人がこれを上手に焼けるのだろうか?と甚だ疑問でもあります。 その餃子をフランス人が自分で家庭で作るようになるとまでは思いませんが、それにしても、フランス料理とて、ここまで手のかかる食事を日常的にフランス人が作っているとも思えません。 たいていのフランス人の家庭の食事は、簡単なもので、夕食とて、パンとスープにハム、肉をちょっと焼くか、簡単な茹で野菜などの副菜、デザートにチーズやヨーグルト、ムースなどの乳製品程度で、そこまで食事に手をかけません。美食の国と言われるフランスの実際の日常の食事は、なかなか質素なものです。 そこへ行くと、日本人の食卓は、健康に留意し、バランスよく、何品目もあり、季節の食材とともに、まことにレベルの高いものだと思います。 フランスでも、最近、健康志向で、5...

2021年6月20日日曜日

高齢者施設の介護者へのワクチン接種がびっくりするほど進んでいない!ワクチン接種義務化の是非

   フランスでの新型コロナウィルスのワクチン接種は、現在、全国民の47.40%が少なくとも1回は、ワクチン接種を受けている状態にまで進んできており(2回の接種が済んでいるのは、26.70%)、国民の約半数がワクチン接種を受けた状態になるまで、あともう一歩となりました。 1回目のワクチンを受けたと言うことは、2回目も受けることを受け入れているのがまずは、前提で、現在は、1回目を受けた時点で2回目のワクチン接種の予約を入れることになっているので、少なくとも50%以上の人のワクチン接種は、ここ1ヶ月くらいの間に2回目も完了することになると思われます。 しかし、ここへきて、EHPAD(エパッド)と呼ばれる高齢者施設の介護者のワクチン接種率があまりに低い事実が浮上し、高齢者施設で働く介護者に対するワクチン接種を義務化するべきではないか?という話題が持ち上がっています。 一般の病院、医療施設でのワクチン接種率が85%にまで達しているにもかかわらず、高齢者施設で働く介護者のワクチン接種率は50%程度で、感染した場合に重症化するリスクの高い高齢者施設においては、非常に危険なことです。 ワクチン接種開始にあたって、当初、マクロン大統領は、「ワクチン接種を希望する者に対しては、全て無料でワクチン接種を行う」と発表していましたが、この「希望する者」という文言が入っていたということは、義務ではないということでもあります。 当初はワクチンに対して懐疑的であった人もかなり多かったフランスですが、世界各国でのワクチン接種による感染減少の様子を目の当たりにして、ワクチン接種を希望する人がたくさんいます。 しかし、依然として、一定数のアンチワクチン論者は、常に存在し続けるわけですが、ワクチンをしなければ、自分が危険なだけでなく、他人をも危険に晒すという観点からも、特に高齢者施設で働く介護者がワクチン接種を受けることは、倫理的にも、仕事の一環であるとも言えます。 ワクチンはすべての人が無料で利用でき、現在は、困難なことではありません。オリヴィエ・ヴェラン保健相は、現在のこの深刻なワクチン接種が進んでいない高齢者施設の介護者とその雇用主に対して、できる限りワクチン接種を受けるように呼びかけていますが、夏の終わりまでにこの状況が改善しない場合には、義務化することも検討すると語っています。 特にデルタ株(インド)と呼ばれている変異種の感染拡大によって、気温が低下する新年度が始まる秋頃になった頃に第4波を迎えてしまうことをフランス政府は、とても警戒しているのです。 フランス政府は、この第4波を回避するために、8月末までに全国民の85%へのワクチン接種完了を新たな目標としています。 我が家の娘は、4月から、パリにある病院内にある研究所でスタージュをしていますが、仕事を始めてすぐに病院側から、すぐにコロナウィルスのワクチン接種を受けてくるように言われ、その当時は、彼女の年齢では、普通はワクチン接種は不可能だったので、「ラッキー!」とばかりにワクチン接種を受け、とっくにワクチン接種は、完了しています。 一緒に仕事をしている周囲の職場の人々も100%ワクチン接種が済んでいて、最初は、病院でスタージュ?と聞いて、危険ではないのかな?と思った私も、むしろ、全員がワクチン接種が済んでいる職場など他にはなかなかないかも・・と思い直したのでした。 また、彼女が病院内の研究所でスタージュを始める前の段階で、これまでに彼女が受けてきたワクチン接種(幼少期からフランスでは、いくつもの義務化されているワクチン接種があります)の履歴全てを提出しなければならなかったりで、コロナウィルスに関わらず、病院(研究所)での感染症や疾病等の危険へのチェックは、かなりきっちりしているんだなぁと感心したくらいです。 フランスでの幼少期から義務化されているワクチン接種は、かなりたくさんあり、フランスで育ってこなかった私は、フランスで義務化されているワクチン接種の種類やタイミングがわからず、かかりつけのお医者さんに定期的に娘の...

2021年6月19日土曜日

フランスで日常が戻るとすかさず始まるのはストライキ

 5月の初旬にようやく10㎞以上の外出制限が解かれて以来、フランスは、あれよあれよという間に、レストラン・カフェのテラス席が再開し、美術館、映画館、デパートなどもオープンし、6月半ばにして、屋外でのマスク義務化が撤廃され、来週からは、夜間外出禁止もなくなり、ますますコロナ前の日常にグングン近づいていく感じです。 もちろん、まだ、屋内ではマスクが義務付けられているし、人数制限なども行われているので、すっかり元の日常というわけにはいきませんが、かなり、これまで失っていた自由を取り戻しつつあります。 それは、ワクチン接種も私が予想していた以上に、「これがフランス?」というほど、どんどん進んでいて、...

2021年6月18日金曜日

ディズニーランドパリ・ユーロディズニー8ヶ月ぶりに再開 一般社会よりも厳しい衛生管理

   2020年10月30日以来、閉鎖されていたディズニーランドパリ・ユーロディズニーが約8ヶ月ぶりに再開しました。コロナ前までは、パリ(フランス)の観光地の一つでもあったディズニーランドパリは、1日の入場者数は約5万人であったところ、現在の再開に関しては、入場者数は2万8000人に制限されています。 しかし、再開当日は、熱狂的なディズニーランドファンは、夜明け前から開場の瞬間を待ち構え、8ヶ月ぶりのディズニーキャラクターがメインストリートをダンスをしながらやってくる様子を楽しみました。 ディズニーランド内は、たとえ屋外であってもマスク着用が義務付けられており、公園内には、2000ヶ所にアルコールジェル配布のポイントが設けられ、来場者全員がアルコールジェルを頻繁に利用できるように配慮されています。 現在のところは、ディズニーリゾート内のホテルは、ニューポート・ベイ・クラブのみが営業しており、その他の6つのホテルは、6月21日に営業を再開します。 現在のところは、観光客もほとんどいないために、通常ならば、セキュリティーチェックのために長い時間を費やされるところ、ほとんど待ち時間もないようです。美術館も今なら、ガラガラだ・・という話を聞きつけて、私は、とりあえず、手近なルーブルにすっ飛んで行きましたが、観光客がいなくて、空いているのは、ディズニーランドも同じなようです。 (正直、フランスに来て、なぜ?わざわざディズニーランド?と思わないでもないのですが、ディズニーランドがあるのは、アメリカ、日本、香港、中国で、ヨーロッパでは、フランスのみで、ヨーロッパ近隣国からの観光客には、意外とディズニーランドに行きたがる人も少なくないのです。特にロシア人なども多いと聞いています。) 再開初日は、熱狂的なディズニーファンが多く、いつもは週に2〜3回通っていたという人までいて、「ディズニーのホームを守ってくれてありがとう!」などとプリントされたTシャツを着ている人など、もうファンと人気スターのような関係が垣間見れます。 かつては、ファンに熱烈な抱擁を受けていたミッキーマウスやドナルドダック、グーフィーなどのキャラクターたちも、すっかり衛生対策モードになっており、張り巡らされているセキュリティーコードの向こうから挨拶しています。 また、ミッキーマウスに会えるというポイントでも、ミッキーマウスやミニーマウスは、プレシキガラスの壁の向こうで踊っています。 ディズニーランド内のレストランでは、TousAntiCovid(フランスの感染者追跡アプリ)にリンクしているQRコードを読み込むことを求められます。このQRコードにより、メニューが表示され、注文することができます。 レストラン内でも、従業員が感染を防ぐために、訪問者間のソーシャルディスタンスを綿密にチェックしています。現在のところ、安全な衛生対策が取られていない場合は、営業停止に逆戻りですから、ディズニーランド側も感染対策には、ことのほか、気を使っているようです。 ディズニーランドを一周できる電車は、グループ毎に、他のグループから隔離されるために、透明なプラスチックのシートを受け取り、独自のコンパートメントの空間で楽しめるようになっています。他のアトラクションに比べて、滞在時間が長くなるための特別な措置だと思われます。 再開初日は、途中、停電のために、一部のアトラクションがストップするというアクシデントはあったようですが、この程度のことは、フランスでは、普通のこと、ましてやコロナウィルスとは関係ありません。 ディズニーランドパリの衛生対策を見ると、一般社会(フランスの街中や、レストラン・カフェなど)よりも、数段、厳しく強化された衛生対策をとっているように見えますが、ディズニーランドが、これから先、フランスでのこの種のアトラクションパークの衛生対策の基準になっていくかもしれません。 これから海外からの観光客も増え、とかく興奮しがちなアトラクションを抱えるリゾートパークは、かなり厳しめな衛生対策をとって、お客様を迎えようとしています。 それにしても、普段なら、混雑する場所が、行列なしで楽しめる、今は、夏休みに入る前のもう少しの猶予期間なようです。ディズニーランド・パリ Disneyland...

2021年6月17日木曜日

当初の予定を前倒しで、屋外でのマスク義務化と夜間外出禁止の撤廃

 カステックス首相は、16日、かねてからの予定だった6月30日の「屋外でのマスク着用義務化撤廃」を17日(木)からに前倒しにすること、そして、これまで夜間23時以降は禁止されていた夜間外出禁止に関しても、予定よりも10日早い6月20日(日)に解除することを発表しました。 フランス政府は、このロックダウン解除の第4段階の日程を前倒しにすることについて、フランス国内の感染状況が予想よりも早いスピードで改善していることを示し、ここ一週間ほどの感染者数の平均が1日あたり3,200人となり、昨年の8月以来、最も低い数値となったことで感染状況が終息に向かっていると判断しているとし、現在、国内で憂慮すべき...

2021年6月16日水曜日

6月15日から12歳から17歳の未成年もワクチン接種開始 未成年のワクチン接種の条件

  フランスは、現在までに3037万人へのワクチン接種が進み、全国民の45.34%が少なくとも1回のワクチン接種を受けています。(2回終了は、23.37%) フランスがとりあえずの目標としている全国民の60%へのワクチン接種まであと14.66%となりました。 ここへ来て、ワクチン接種は、1回目のワクチン接種をする人と2回目のワクチン接種をする人とが、ほぼ同数になり、このままでは、2回目のワクチン接種をする人が上回り、後回しになっていた年少者へのワクチン接種がずっと先に取り残されることになります。 このタイミングで、フランスは、12歳から17歳へのワクチン接種への門戸を開きました。も...

2021年6月15日火曜日

フランス政府が若者に発行したカルチャーパスがMANGAパスになった!

  新型コロナウィルスにより停滞した文化事業推進・支援と若者への文化と芸術への好奇心を喚起させるために、マクロン大統領は、5月半ば過ぎに、現在、18歳(2003年生まれ)の若者、約80万人に対して、300ユーロのカルチャーパスを付与することを発表しました。 マクロン大統領は、同時に、彼のTikTokアカウントでも、申請書のアカウントに名前を登録するだけで使うことができるカルチャーパスは、「映画、小説、マンガ、ビデオゲーム、劇場、ラップ、メタルなどなど・・あらゆる文化的な目的に使用することができます」と若者向けに拡散しています。 若い世代には、若者の通信手段に向けて、自らのアカウントから直に発信するあたり、しっかりと時代を把握している感があります。 このカルチャーパスの実現には2年以上の月日が費やされており、劇場、映画館、美術館、音楽、ショーのチケット、映画のサブスクリプション、芸術・美術材料、楽器のコースまでも提供しています。 しかし、それには、ある程度の制限がかかっており、書籍は、書店からの購入に限られ、Amazonから配送することはできません。また、音楽の面では、SpotifyではなくDeezer、映画等の配信サービスは、Netflix、Amazon...