
以前、会社の同僚が子供が小さい頃に日本に子供を連れて行ったら、実家で出てきた朝食を見て、「お母さん、晩御飯みたいな朝ごはんだね・・」と言ったという話を聞いて、「さもありなん」な話だな・・と思ったことがありました。 現在の日本の家庭の食事というものは、よくわかりませんが、いわゆる、よくありそうな日本の朝ごはんというものは、フランス人から見たら、朝から信じられないような食事です。 一般的なフランス人の朝食は、パンにバター、ジャム、チョコレートペーストのようなものにコーヒーかカフェオレ、または、シリアル、せいぜいフルーツぐらいですから、日本のようにご飯にお味噌汁、焼き魚に副菜、漬物などの食事など、ちょっとあり得ないほどの手のかかり方です。 日本だったら、洋食にしても、サラダや卵、ハムなど彩り豊かな食事が目に浮かびます。 我が家も例にもれず、フランスでの朝食は、シリアルかパンで済ませてきましたが、仕事が休みの日だけは、日本のような和食の朝食を食べるようにしていました。 しかし、海外生活を続けていれば、日本にいたら、きっと自分で作ることは決してなかっただろうな・・と思うようなものまで、手作りをしたりもしています。 例えば、小さなベランダで日本の野菜を育てたり、パンとビールでぬか床を作ってみたり、納豆を作ってみたり、スポンジケーキやロールケーキを焼いてみたり、お団子を作ってみたり、・・こちらで何とか手に入る食品で、簡単には買えないものを何とか作ろうと暮らしています。 フランスでは、女性も働いている人がほとんどなので、日本人とて、フランスに住んでいれば、仕事に家事に育児にと忙しくしていると思いますが、皆、色々、工夫して、まめに色々なものを作っています。 我が家は、餃子が好きで、よく作るのですが、ニラも自分で育てて、餃子の皮とて、どこにでも売っているわけではないので、餃子の皮を買いに行くのが面倒な時は、皮から自分で作ります。 考えてみれば、日本では餃子を家で作る家庭は多いと思いますが、キャベツや白菜、ニラ、ニンニクなどを細かく刻んで、具を寝かして、一つ一つ包んで焼くというなかなか面倒なお料理です。これを日常的に自分の家で何のことはなしにやってのける日本の主婦はすごいと思うのです。 今では、フランスでも餃子は脚光を浴びて、一般の普通のスーパーマーケットで買えるようにはなりましたが、フランス人がこれを上手に焼けるのだろうか?と甚だ疑問でもあります。 その餃子をフランス人が自分で家庭で作るようになるとまでは思いませんが、それにしても、フランス料理とて、ここまで手のかかる食事を日常的にフランス人が作っているとも思えません。 たいていのフランス人の家庭の食事は、簡単なもので、夕食とて、パンとスープにハム、肉をちょっと焼くか、簡単な茹で野菜などの副菜、デザートにチーズやヨーグルト、ムースなどの乳製品程度で、そこまで食事に手をかけません。美食の国と言われるフランスの実際の日常の食事は、なかなか質素なものです。 そこへ行くと、日本人の食卓は、健康に留意し、バランスよく、何品目もあり、季節の食材とともに、まことにレベルの高いものだと思います。 フランスでも、最近、健康志向で、5...