2024年5月22日水曜日

DVによる狂暴な殺人事件はなくならない

  



 DVによる殺人事件は、一年に何回かニュースにのぼり、その内容に顔を歪めてしまうくらい狂暴で、どうしてそこに至るまでに防ぐことができなかったのか?と思わずには、いられません。

 先週の33歳の女性が元パートナーの男性にDVの被害に遭い死亡してしまったという話も、その過程にいくつもの疑問が湧く、悲惨なものでした。

 この犠牲者となった女性は、長いこと、この元パートナーの男性の暴力に悩まされてきた過程があり、昨年の3月の段階で、この男性は、DVで逮捕され、4月に有罪判決を受けていました。しかし、この有罪判決は懲役18ヵ月(うち10ヵ月は執行猶予付き)だったため、同容疑者は4月に収監された後、数ヶ月後に釈放命令の対象となりました。

 釈放されたとはいえ、さすがに彼らは別居することになり、GPS付のブレスレットを着用させられ、被害者との接触も禁止されていたはずでした。

 この手の犯罪が起こるたびに出てくる多くのケースと同様、GPS付(つまり行動が監視されているはずの)ブレスレットの装着が義務付けられていたものの、それが全く役に立っておらず、被害者との接触も禁止されているにもかかわらず、なんやかやと理由をつけては被害者につきまとうというパターンで、今回も家に自分が残している荷物を取りに来るという理由で、被害者に近づいたようです。

 案の定、その日のうちに二人は口論となり、男性が暴力をふるい、一度、女性は病院の救急治療室で治療を受けています。しかし、不思議?なことに、治療が終わった後にこの女性は、男性に車で迎えに来るように頼んでおり、帰りの車の中で再び口論となり、途中で女性を車から降ろし、一度、女性を大きくボンネットで撥ねてから、少し車を後退させて勢いをつけて彼女を轢き殺したというのですから、酷く狂暴な話です。

 DVカップルの依存関係は、理解するのが難しいのですが、つい数時間前に暴力をふるった男性に迎えに来てもらう気持ちも、まるでわかりません。

 この男性、この女性を轢き殺した際には、かなり酒に酔った状態でもあったようで、血中アルコール濃度が1.26g/ℓであったと言われています。

 そもそも、一度、DVで逮捕されているのに、易々と釈放されたうえに、追跡可能なブレスレットが装着されることになっていたものの、実際には、まだ装着されていなかったのか、またはそれが機能していなかった模様。

 また、女性側もさんざん痛い目に遭っているのに、暴力をふるった張本人に迎えに来てもらい、また、病院側もそのような相手に容易に引き渡してしまうというのも、あまりに杜撰でゆるいというか、責任不在な感じがしてしまいます。

 ニュースにあがってくるのは、その「最も悲惨な結果的に相手を殺してしまった・・しかも最も狂暴で残酷な方法であった場合」のみで、実際には、もっともっと多い相当数のDV問題が潜んでいると言われます。

 近年、フランスでは平均して3日ごとに女性殺害事件が起きており、そのうち最も多いのが元パートナーによる殺人事件で、年間100人以上の犠牲者が出ていると言われています。

 私は、若い頃から、男性に対してこれだけは、絶対に許せないと思っていることがあり、お付き合いしている男性がもし少しでも暴力をふるったら、即刻、アウトと決めていました。幸いにもそういう目にはあったことがありませんが、どんな理由があるにせよ、女性に対して、暴力をふるうなどということはあり得ないこと、これは私がキッチリ考えていたたいせつな線引きでした。

 こういう男性はいわば病的でもあり、一度、深くかかわるとこの愛憎のどちらにしてもエネルギーの向き方が異常であるのだと思われます。

 かねてより、フランスのクズ男は桁違いだと言ってきましたが、このようなDV男は、その最たるものです。少しでもその片鱗が見えた場合は、即刻、関係は断ち切るべきです。


DVによる狂暴な殺人事件


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2024年5月21日火曜日

最近、流行っているらしいSMS郵便物詐欺 

 


 本当に少しも気を抜けない世の中だと思うことが次から次へと起こります。ふつうにおとなしく暮らしていても、災難は向こうから次々とやってくるので、いちいち疑ってかからなければなりません。

 様々なことがSNSなどにより格段に便利なった反面、また、それに乗っかってやってくる災難も手をかえ品をかえ、次から次へと生じているのです。

 最近、とみに増えているといわれるのは、郵便物にまつわる詐欺行為のようです。

 ある日、突然、SMSに「荷物が大きすぎてメールボックスに入りません」というメッセージが入り、メッセージには、「配達を受け取るために新しい枠を選択してください」と記されています。

 これは、いかにもそれらしく巧妙な様相を呈して作られており、偽のMondial Relay(モンディアル・リレー)(最近、急拡大している配送システム)のリンクが付随しており、個人情報の入力が求められるようになっています。

 このメッセージは郵便配達員が直接送付しているように見せかけるために、携帯番号から発信されているために、信じ込んでしまう人がいるようなのですが、要は、銀行情報等の個人情報を収集するための詐欺です。

 フランスの配送事情は決して良いとは言い難かったのですが、ここのところ、新しい Mondial Relay(モンディアル・リレー)などの配送システムが普及してきたことで、ずいぶん改善されてきたような気がしていたのですが、やっぱり落とし穴もちゃんとあるようです。

 Mondial Relay では自宅への配送は行っておらず、中継地点か「ロッカー」と呼ばれるセルフサービスのロッカーにのみ配達しているため、配達途中に盗難にあうリスクもずいぶん減少しているのだと思いますが、今度は、その増加しているMondial Relayのサービスを利用した別の方法での犯罪が増えているということに、憤りを感じます。

 怪しいメッセージだと思ったら、絶対にクリックしてはいけないというのは、まず基本で、そのメッセージのリンクや携帯番号で検索すれば、詐欺事例が出てくるので、必ず確認する必要があります。

 また、フランスの場合、https://www.cybermalveillance.gouv.fr/のサイトに通報することもでき、また、このような詐欺事例の事案が出ているので確認することができます。

 最近、増えているのは、Mondial Relayを語っている詐欺のようですが、クロノポストバージョンもあるようです。

 冷静に考えれば、ポストに入らないからといって、Mondial Relayのロッカーに配達しなおしてもらうためにさらに追加の配送料金を支払うということ自体がおかしなことなのですが、ついうっかりしてしまう、特に高齢者などを狙った詐欺のようです。

 少なくとも、こんなメッセージが来たら、これは詐欺だ!ということがわかっていたら、それだけでも詐欺が回避できると思うので、今回は、一応、お知らせのつもりで書きました。


郵便物詐欺SMS


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2024年5月20日月曜日

鍛えるつもりで体調壊しました・・

  


 数週間前からちょっと鼻がグズグズするな~と思っていました。花粉症かな?アレルギーかな?と思いつつ、そんなに気にせずに、むしろ、健康のためにできるだけ歩かなきゃ・・などと思い、ちょっと疲れた・・だるいな・・などと感じつつも、まじめに歩く生活をしていました。

 携帯のアプリの万歩計のようなものに1日1万歩だと、ちょっとキツくて、簡単に放棄してしまいそうだったので、7,000歩に設定したら、まあ、ご丁寧に朝、起きるなり、「さあ、今日も歩きましょう!」みたいなメッセージが入るのには、なかなか「うっ」とくるのですが、「そうそう、歩かなきゃ・・」という背中を押される気持ちになるのも半分。

 体力の低下をとみに感じるようになったのは、やっぱりパンデミックでしばらくあまり出歩けない生活が続いた後のこと。あの時は、なにしろ、コロナウィルスなるものが何なのか?もわからず、急に外出ができなくなり、まあ、もともと、家にいることが好きな私には、あまり苦にもならなかったし、テレビをつければ、どんどん人が病院に運ばれて、もう病院でさえもいっぱいになって病院の廊下にまで人が並べられているような映像を見て、とにかく恐怖でした。

 それなりに家の中でエアロビをしたり、ストレッチをしたりと気を使ってはいたのですが、その間にだいぶ体力が低下したのは、否めない気がします。

 加齢ももちろん大きく影響していますが、最近は、なにか検査をするように言われるたびに、その検査の結果が次の検査を呼ぶという嫌な連鎖が、定番になっています。

 若い頃は健康だけが取り柄で、身体にいい食べ物などと言われると、それだけでマズそうな気がしていた私もさすがに食べ物にも気を遣うようになり、健康に良いといわれる習慣は取り入れようとするようになって、少しでも長生きしたいというよりも、身体の調子を少しでも良い状態に保つためには仕方ないな・・と言う感じになっています。

 若い頃は歩くことが大嫌いで、車やタクシーばかりに頼っていたのですが、最近はできるだけ歩くようにしようと、結果、7,000歩・・などという万歩計のセットをして、数字を気にしだすと、けっこう脅迫観念にとらわれるくらいの気分になり、ついつい頑張り過ぎてしまうこともあるのです。

 体調を整えるためにやっていることで、結果、体調を崩しかけているのにも気が付かずに、なんだか鼻水に加えて咳が出始め、あら?と思っているうちに、みるみるその咳も本格的になってきて、いよいよ発熱してダウン。

 そういえば、数日前から朝、起きたら、なぜか喉がカラカラだった・・なんでだろう?と思ったのですが、思えば、体調不良の予兆だったのです。

 ちょうどその日は土曜日で、一日おとなしく寝ていれば、なんとかなると思っていたのですが、なんとかならずに翌日には、さらに悪化。これはヤバいと思っても、医者は休みで運悪く、その翌日も祝日で休み。

 身体がとにかく、しんどくて、そういえば、どこかに抗生物質があったはず、と思って探し出したのですが、どうやら、私の勘違いでその抗生物質は、インプラントの手術をした後の化膿止めの抗生物質で、ちょっと用途が違う感じで断念。それでもちょっと飲んでみようかな?と思ったものの、やっぱり強い薬なので、これがもとでさらに具合が悪くなっ手も怖いので断念・・。

 もうこうなったら、ドリプラン(アスピリン)を飲んで寝ているしかないと思うのですが、どうにも貧乏性で何もせずに昼間に家で寝ているということに罪悪感を感じてしまい、ついつい動きたくなってしまうのですが、どうにも身体が追い付かず、鬱々としてしまうために、滅多に電話などしないのに、友人に電話などしてしまったりしました。

 以前、少し運動しなきゃ・・と思って、縄跳びをして骨折して以来、縄跳びではなく、泳ぐか歩くかにしたのですが、もう歩いているだけで体調を崩すとは、自分で自分が情けなく、自分の体力と体調のバランスがとれずにジタバタしている感じがとても情けないのです。

 しかし、何もせずにいたら、体力は衰える一方で、現状保持あるいは、体力の低下の速度を緩めるためには何かし続けなければいけないことを思うと、情けない限りで、自分の老化の程度をしっかり受け入れながらの体調管理は難しいです。

 ふだん、寝てばかりいるのに、突如、相変わらず凄いジャンプ力を見せつけたりする猫のポニョの方が身体能力が全然高いです。


万歩計 体調管理


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2024年5月19日日曜日

親元を離れない若者の増加 フランスのタンギー現象

  


 アベ・ピエール財団の調査によると、フランスでは、両親と同居する若者の数が増加しているといいます。これをフランスでは、「タンギー現象」というらしいです。

 最初、「タンギー」?と聞いて、ゴッホのタンギー爺さんをイメージした私は、とんだ見当違いで、これは、2001 年に発表されたエティエンヌ・シャティリエの同名コメディ映画がその命名の由来で、この映画は、大切に両親に育てられてきた28歳の主人公の男性が優秀な成績で大学を卒業後も、いつまでも居心地よく両親と暮らし、一向に両親から離れたいと思わない彼とその両親との波乱に満ちた同居生活を描いたブラックコメディです。

 この映画はいわゆるパラサイト・シングルのような主人公ではありますが、現在、フランスでいう「タンギー現象」は、18歳以上の大人という換算の仕方をしていて、学生も数字に入っています。

 フランスでは、学生も含めて、比較的早くに親から独立していく印象ではありましたが、どうにもそうではなくなっているケースが増加しているようです。

 この報告書の調査結果によると、10年間、フランスではこの「タンギー」が増え続けており、現在、この「タンギー」は500万人に達する勢いだと言われています。しかし、現実には、このタンギー現象は、映画のようなコメディとは言い難く、もっとも大きな原因は、住宅危機であり、高騰する家賃を支えるのに十分な収入がないこと、公営住宅が不足しており、これらの人々が自立して生活することができないことによって説明されるとしています。

 実際、2010 年以降、インフレに関連して家賃の価格を調整する指数である家賃参照指数は 20% 上昇しているにもかかわらず、低料金で若者に広く利用されている宿泊施設であるスタジオが 4% 増加したのみ、また、CFDT(フランス民主労働総連盟) によると、2011 年から 2021 年にかけて給与は 4.9% しか上昇しておらず、就職したばかりの安月給では家賃が賄いきれない現実が背景にあると言われています。

 このように主に挙げられている理由は住宅問題に関わる経済的な理由ではありますが、いわゆる映画の中のタンギーのような親と暮らすことが楽で自立する理由がないタイプや離婚や失業が理由の場合もあります。

 私などは、日本で生まれ育ち、昭和の世代なので、「女の子が親元を離れて生活するのは結婚するとき」というような考え方の親の元に育ったので、実際に私が家を出て生活するときには、少なからず両親との摩擦があり、どちらかといえば、親の方が子どもに対してタンギーを強いるような感じでした。

 しかし、個人的には、やはりある程度の年齢になったら、親から独立して生活するということは必要な体験だと思っていますし、娘に関してもずっとそのように言ってきました。幸か不幸か、彼女が家にいたのはプレパーまでで、それ以降の学校は、家から通える場所ではなかったので、そこから彼女の一人暮らし(といってもシェアハウスでしたが・・)が始まり、最初、引っ越す時には、心配で一緒についていって、大家さんの女性にご挨拶に行ったりもしました。

 その後、一時、スタージュやリモート留学をしていた期間はパンデミックの期間が重なったこともあり、大幅に彼女の予定が狂い、しばらく家に戻っていた時期もあったのですが、結局、就職する段になって、彼女は日本での就職の道を選んだので、今は、彼女は東京の家で一人暮らしをしており、上手く独立の一歩を始められたと思っています。

 彼女には彼女の生活があり、私には私の生活があり、それぞれがそれぞれのペースで送っていることに満足しています。家族なのだから、一緒に生活するのは当然という考え方もあるかもしれませんが、ある程度の年齢を過ぎたら、やはり独立した生活を考えるのが親にとっても子どもにとっても健全なことだと思っています。

 日本は日本で異なる文化があり、フランスとは違うとはいえ、フランスでもやはり同様の現象が起こっていることに少し驚いたのでした。


若者の親との同居問題 タンギー現象


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2024年5月18日土曜日

シャンゼリゼのロクシタンカフェの不思議

  


 シャンゼリゼの中腹くらいにロクシタンとピエール・エルメのコラボのお店ができてから、もうずいぶん経ちます。

 最初は、ピエール・エルメ人気が急上昇して、あちこちに店舗が増え始めていた頃でもあり、また、この場所がマカロン対決とも言うべく、シャンゼリゼを挟んでラデュレのはす向かいくらいの場所だったために、「スゴいな・・ピエール・エルメ・・闘志むき出しな感じ・・」とそっちの方にびっくりしましたが、それにしても「ロクシタン×ピエールエルメ・・」この組み合わせってどうなのかな?とちょっと不思議な感じもしていたのですが、それなりに継続しているようです。

 ロクシタンも一時は、すごい人気でパリに来たらロクシタンのハンドクリームをお土産に買って帰りたい!という人も多かったのですが、一時ほどの勢いではなくなった気がしないでもありません。

 さて、久しぶりにシャンゼリゼのこのお店を覗いてみたら、店内もテラスも「ロクシタン・カフェ」になっており、カフェなのになぜ?ピエールエルメの名前じゃなくて、ロクシタンカフェなの?とちょっと不思議でした。

 メニューを見る限り、ピエールエルメのスイーツが中心のメニューになっていて、カフェもピエールエルメとのコラボのお店になっているのですが、名前は「ロクシタン・カフェ」です。

 このコラボショップ全体はけっこう広いスペースを使っており、中央には、華やかな照明の下にマカロンをはじめとしたピエールエルメのスイーツが円形のショーケースに煌びやかに飾られており、冷静に考えれば、ちょっと引くような値段のスイーツが飛ぶように売れています。

 この周りをロクシタンの香水やクリームなどが南仏をイメージとした花に囲まれる感じできれいに並べられており、お店の奥の部分がやはり、このロクシタン調?の華やかなお花のデコレーションに飾られたカフェがあります。


 ハッキリ言って、多分、圧倒的にピエールエルメのスイーツの方が売れている感じなので、いっそのこと、カフェも「ロクシタンカフェ」よりも、「ピエールエルメカフェ」の方がわかりやすくて人がもっと入りそうな感じがするのですが、どうして、ロクシタンカフェという名前にしているのか?ちょっと無理矢理な感じがして不思議です。

 ロクシタンカフェ限定メニューとして、プロヴァンスのネクターやラベンダーのレモネードなどもありますが、あとは、ほぼほぼピエールエルメ。

 そもそも食料品のお店ではないロクシタンのカフェって・・と思って調べてみたら、なんと渋谷や軽井沢にもあるようでビックリしました。

 ピエールエルメは高級スイーツで、ケーキ1個が16~17ユーロ(約2,800円)(ちなみに1ホールではない)、お茶一杯12ユーロ(約2,000円)、ケーキ1個、マカロン3個、飲み物付きのメニューで34ユーロ(約5,700円)・・円安のために円に換算するとなおさら、卒倒しそうなお値段になりますが、ユーロで生活している身にとっても充分卒倒に値するお値段です。

 しかし、この場所柄、お客さんは途絶えることはなく、またそれぞれのブランドにとって、シャンゼリゼのこの場所にこれだけのお店を構えているということは、それだけでも、ある意味、ステイタスになります。

 負け惜しみ半分で、これだけのお値段出すなら、もっと安くて美味しいものあるけどな・・などと思うのですが、そこは、雰囲気を味わうというテイストが加算されるわけで、一概にはどうとも言えません。

 考えようによっては、豪華な三ツ星レストランなどで食事することを思えば、ずっと安くて、ずっと気軽に豪華な気分を味わえるのですから、それはそれでありなのかもしれません。


ロクシタンカフェ シャンゼリゼ


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2024年5月17日金曜日

護送中に逃亡したモハメド・アムラにインターポールの赤通知

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 囚人を護送中に護送車が襲撃され、一瞬のうちに刑務官に死傷者を出した凶悪犯の衝撃の逃亡劇から3日。彼らはまだ逮捕されていません。

 そもそも、全くの予想外の出来事に、当局側の捜索を予想して動いていると思われている組織的な犯行で、彼らが護送車から、この中心人物であるモハメド・アムラを連れて、ある地点まで逃走に使われた車2台は燃やされた状態で発見されていますが、その後の足取りがつかめていないようです。

 そもそも、この囚人は逃亡する2日前にも刑務所で逃亡を図っていたというのですから、要注意であったのは、今さらのことですが、この逃亡を手助けした一団とどのように連絡をとっていたのかは、不明です。

 事件当日、朝午前8時頃、モハメド・アムラは殺人未遂事件の審理のため、4月11日から拘留されているウール刑務所からルーアン司法裁判所に移送され、審議終了後に刑務所に戻される道中のことでした。

 死亡者を含む重傷者を出してしまったこの事件に刑務官たち抗議行動を起こし、このウール刑務所のみならず、フランス国内の多くの刑務所が閉鎖状態になりました。彼らは労働組合を通じて彼らの労働環境・状況などについての一連の要求を行っています。驚くことに、彼らはこのように囚人を護送する際にもこの囚人にどのような犯罪歴があるのかさえも知らされていない場合が多いというのです。

 彼には15歳以来、13回の有罪判決が下されているということで、ほぼ述べにすると、1年に一度は有罪判決を受けている計算で、その内容も強盗、誘拐、殺人未遂、麻薬取引となかなかの重罪のオンパレードです。

 しかし、彼の弁護士によれば、「13件の有罪判決は非常に重要なことのようにみえるかもしれませんが、犯罪者に慣れている人にとっては特別なプロフィールではない」と説明しているというのですから、ますます怖いことです。

 この事件直後にモハメド・アムラはフランス国内で指名手配されましたが、翌日には、彼の国外逃亡も考慮し、インターポール(国際刑事警察機構)が赤通知を発行しています。

 インターポールには、その犯罪のレベルにより、赤、緑、青、黄色など8種類に色分けされていますが、今回は、最も重い罪、最もレベルの高い赤通知が出されているそうです。現在、インターポールには196ヵ国が加盟しており、加盟国間での情報を共有することになり、対象人物の識別データは、すべての国が永久にアクセスできるすべてのデータベースに存在することになると言われています。

 国境を越える際などには、身元確認が求められるというのは、一応の建前ではありますが、そのような身元確認が求められるであろうルートを通過するとは考え難く、ヨーロッパは地続きのため、全ての国境で身元確認がなされるわけでもなく、また、別の名前の身分証明書なども用意されているのではないか?組織的に逃亡を計画したということは、とりあえず刑務官から自由になった後の逃亡方法も当然、計画されていたものと思われ、3日経過しても身柄を確保できないということは、時間が経てば経つほど、難度は増すのではないかと思われます。

 インターポールはともかく、フランス当局は、この事件を解決し、刑務所の警備等を改善しなければ、第二、第三の事件が起こりかねないことでもあり、警察の威信にかかわることでもあります。

 一方、考え方にもよりますが、過去、これだけ有罪判決を受けているということは、それだけ逮捕されているということでもあり、けっこうひょっこり確保されてしまうことも考えられないこともありません。

 しかし、何より彼らは武器を持って逃げているということで、自分たちが逃げるためなら、容赦なく人を殺す人たちだということです。


インターポール 赤通知


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2024年5月16日木曜日

マルシェ サンジェルマン界隈のちょっと良さげなお店

  


 私がパリで一番好きな場所は、サンジェルマン・デ・プレのあたりで、おそらく日本人の多くの人々がイメージするパリに一番近い場所ではないか?と思います。だいたい、あのあたりに行くと、いつも寄ってみるお店は決まっていて、基礎化粧品の類が切れれば、CITY PHARMA というビオコスメのお店(とにかく安くて、わからないことがあれば、店員さんに聞けば、丁寧に教えてくれます)だったり、生ハム屋さんだったり、いくつかのレストランだったり、モノプリ(スーパーマーケット)なども、場所がらここは高いかと思えば、意外とそうでもないものもあったりするので、時間があれば覗いてみます。

 このあたりは、街並みもきれいなうえに、さりげなくおしゃれな人が多くて、あまり気負っていない感じのおしゃれな感じのファッションの参考になったりもします。

 最近、このあたりで久しく覗いていなかったな・・と思って、マルシェ・サンジェルマンを覗いてみたら、(私の記憶が正しければ・・)以前、M&S(マークスアンドスペンサー)(イギリスのスーパーマーケット)だった場スペースが epicという食料品のお店になっていました。



 考えてみれば、マルシェ・サンジェルマンに昔、私が来ていたのはこのM&Sがあったからで、ブレグジットでなくなって以来、足が遠のいていたのでした。

 しかし、この epic という食料品店(スーパー)もなかなか悪くなく、ちょっと高級チックな食料品がこれまたおしゃれに並んでいて、置いてあるものは、ボンマルシェの食品館をこじんまりとさせた感じでもあります。



 このepic はマルシェ・サンジェルマンのマルシェに通じており、中からマルシェに行くこともできます。マルシェ・サンジェルマンは屋内にあるマルシェで、ちょっと上質のもの、他では見ないものなども置いており、それを囲むカタチでレストランが屋内、屋外でも食事できるようになっているお店が多いです。



 フレンチはもちろんのこと、イタリアンやイラン料理などのお店もあり、テイクアウトもできるようになっているので、ちょっとお惣菜を買ってみたりするのも楽しいです。

 そして、このマルシェの建物の一画には市民プールもあったりするところも、生活に根付いたマルシェという感じがします。


 さらには、このマルシェの周囲のお店やレストランもなかなか楽しく、ブルバードサンジェルマンと反対側の入口のはす向かいあたりにあるSECCOというパン屋さんもお昼時にはランチになりそうなキッシュやバーガーやフォカッチャ、クロックムッシュなどが前面に並んでおり、また、必ずといっていいくらい食事にはデザートをつけるフランス人らしく、これでもか!というほどの色とりどりのケーキなどのスイーツが並んでいます。ここは、そこまで値段もバカ高くありません。





 その近くには、ちょっと色褪せたピンクと白の縦じまのテントのMAISON MULOTというお店があり、かなりクォリティも値段も高いお惣菜類を置いています。ここのキッシュは有名でかなり美味しいです。ちょっと高めではありますが、キッシュなどはまあまあ許容範囲内です。

   


 ここのランチボックスなどは、なかなか洗練されていて、こじゃれた感じではありますが、なんせ、1つ20ユーロ前後だったりするので、私の場合はちょっと腰が引けてしまいます。まあ外食すると思えばパリではこのくらいの値段でも普通なのですが、いくらなんでも、だったら、ふつうに外食するわ・・と言う感じになってしまいます。

 ここを抜けてブルバードサンジェルマンに戻る途中には、クレープのレストランなどもあり、けっこう人気があります。

 こんな風に食べ物を見て歩いて、その中からちょっとずつ良さげなものをひとつふたつつまみ食いなどさせてもらいながら、ちょっとだけ買ってみたりして、追い求めて歩くのは私にとって何よりの楽しみです。

 ブルバード・サンジェルマンを挟んで、マルシェ・サンジェルマンとは反対側にも良いお店がたくさんあるので、それはまた、今度、ご紹介します。


マルシェ サンジェルマン界隈のお店


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