2024年4月21日日曜日

「捕食者の巣窟」と呼ばれる危険なオンライン・チャットサイト

   4月の半ば頃に、グランド・シント(オー・ド・フランス地域圏)で未成年の少年(14歳・15歳)が路上で男性を襲い、殴り殺してしまったという事件が起こったことなどから、未成年の超暴力化が問題にされていました。 この事件が注目されたためかわかりませんが、立て続けに似たような事件もとりあげられていました。 グランド・シントでの事件を起こした少年たちは、すでに公判前拘留され、殺人罪で起訴されています。少年たちは、過去にも暴力行為や窃盗などで逮捕歴があったものの、今回は、殺人事件、彼らは、殺すつもりはなかったが、暴力行為を行ったことは認めているといいます。 ところが、彼らのこの暴力行為についての計画が「coco.gg」というオンライン・チャットサイトで、「未成年の少女を装って被害者との面会を設定した」と供述したことから、このサイトの危険性に注目が集まっています。 ココランドとして知られるこのサイトは、性別、年齢、ニックネーム、郵便番号を入力すれば、誰でも参加できてしまい、モデレータや会話のセキュリティやコントロールが全く行われていないサイトで、本人の身分をいくらでも偽ることができるため、このサイトを使って起こされている事件は少なくないようで、これが「捕食者の巣窟」と言われる所以のようです。 ホームページの左側には、「料理」、「映画」、「60歳以上」などの、ある種のオーソドックスな感じのテーマに加えて、「異教徒の女性」、「女子高生」、「ふしだらな女」のようなわいせつで下品なテーマも並んでおり、小児性愛的なものや、同性愛嫌悪的なものなども含まれます。 このサイトは、とても簡単にアクセスできるため、また匿名性という気軽さもあいまって、フランスでは85万人のユーザーが存在すると言われています。 このような危険なサイトは、未成熟な未成年者には特に危険なうえに、その他、「小児犯罪者、強姦者、同性愛嫌悪者、武器、麻薬売買などの不法な交換の場にもなっていると警鐘が鳴らされています。 Innocence...

2024年4月20日土曜日

断捨離で厄介なもの 日本語の本

   夫が亡くなって、しばらくの間は、彼が生きている時は、「もうこんなの捨てなさいよ!」とか言っていた、夫がため込んでいた、なんだかわけのわからない夫が海外で買い集めてきた妙なオブジェのようなものとか、骨董品のようなものから彼の洋服や靴に至るまで、かえって捨てられなくなって、全く手をつけられなくなってしまいました。 3年くらい経った頃からでしょうか? 洋服や靴などは、サイズの合う人には、もしよかったら使ってくださいと差し上げたり、もう人に差し上げるのも失礼だと思われるものは、処分し、その他の多くのものは、エマウス(不用品を持っていくときれいにして販売され、その収益は恵まれない人のための寄付金になる団体)に引き取ってもらいました。 ある程度、片付いてきたあとは、今度は日本の両親が亡くなったりもしたので、今度は日本に行くたびに、両親の遺品や家のものを整理する月日が流れ、しばらくすると、断捨離にも疲れてきて、しばらく手つかずにいました。 しかし、自分自身もだんだんと体力の衰えを感じはじめ、今度は、自分自身の断捨離も少し体力のあるうちにやらなければと思い始め、最近、また、断捨離を開始しています。 買ったまま使っていなかったバッグなどの小物類から洋服やアクセサリーとか、大して使わなかった娘のおもちゃとか、子ども服などは、折に触れて、以前からVinted(ヴィンテッド)やルボンカンなどのメルカリのようなサイトに出して、おこづかい稼ぎをしているのですが、どうにもならないのが日本語の本です。 海外生活を始めるにあたって(最初はアフリカだった)、何よりも恋しくなると思われた本類・・好きな作家の日本語の本などは、段ボール3個分、別送しました。そのうち1個はアフリカに到着したのかしないのか?紛失してしまいましたが、それ以外はずっと引っ越すたびに一緒に移動し、蓄積されてきたものです。 パリに来てからは、一時帰国するたびに文庫本などはを少しずつ、買って帰ってきたもの、ブックオフなどで安売りしている時などに買い込んだものなど、とにかく四半世紀以上ともなれば、相当な数になっています。 一番、手っ取り早いのは、こちらにいる日本人の友人たちに、聞きまわればいいのですが、本にはそれぞれの好みもあり、おまけに皆、自分自身もそろそろ断捨離し始めたい世代の人々。 日本語の本ばかりは、おそらく娘も先々になって読むとも思えず、また、フランス語や英語の本ならばともかくVintedなどでは出品したところで売れません。かといって、本好きの身、また日本語の活字が読みたくて読みたくて仕方なかった時期があった私としては、本を捨てるということにはとても抵抗があるのです。 なので、ここのところ、気が向いたときには、ブックオフに本を引き取ってもらいに行っています。とにかく、気が付いてみれば、自分でも、よくもこれだけ家に運び込んだな・・と思うほどあり、しかも、本というものは重いもので、家には車もないので、ラクではありません。 一応、査定をしてくれて、買い取ってもらえる分もあるのですが、値段がつかなくても、「欲しい人がいたら、あげてください」と言って引き取ってもらいます。もしかしたら、捨てられてしまうかもしれないのですが、一応、私が死んだ場合はダイレクトに捨てられてしまいそうな本にちょっとでも敬意を払っている気になっています。 このブックオフの査定ですが、ある程度、きれいな状態であっても、本の種類にもよるのか?基準がよくわからないのですが、査定をしてくれる人によって、ずいぶん差があるなという印象です。 まあ、1回に持っていけるのは、せいぜいエコバッグ1個分くらいなので、しれていますが、せいぜい1回分3~5ユーロ程度、少ない時だと1ユーロにもならないこともあります。本と言えば、夫も本好きであったため、山ほどフランス語の本もあるのですが、こちらの方は、近くにいらなくなった本を置いておくスペースが街中にできているので、いざとなったら、そこへ持っていくつもりです。 最後の最後まで身近にとっておきたい本をのぞいては、あとは少しずつ処分するつもりです。好きな作家の本は、何度となく読む本もあるにはあるのですが、その大部分はもうおそらく二度と読まない本がほとんどです。 最近は、荷物になるのが嫌なので、日本語の本もKindleで済ませてしまうので、今後、本は極力増やさないようにしていますが、正直なところ、本当は紙に書かれた活字の方がやっぱり、しっくりくる古い世代です。 本当は、一度、じっくり徹底的に断捨離するのが合理的なのかもしれませんが、あとどのくらい生きているのかもわからないので、あまりさっぱりしすぎてしまうのも寂しいものです。 しかし、考えてみれば、私が日常生活で使っているものなど、家にあるものの中で本当に限られたものだけで、本当に大切なもの以外はやはり少しずつ処分していき、大事なものを大切にして、暮らすべきなのだな・・それはモノに限らず、何かに費やす時間なども同じことだな・・などと断捨離しながら、考えています。断捨離 ブックオフ 日本語の本<関連記事>「断捨離と帰国の憂鬱」「海外生活一人暮らしの女性の終活」「フランス版メルカリ ヴィンテッド...

2024年4月19日金曜日

ギャラリーラファイエットグルメのレ・ヌーベル・ターブル ・デュ・グルメ(ストリートフード)

   実を言うと、私はデパートというものがあまり好きではなくて・・というより、買い物に行くということがあまり好きではありません。デパートに行くのは、ノエルの時にデコレーションをチラッと覗きに行く程度です。 それでも食べることにだけは依然として、けっこう執着があり、美味しいものと聞けば飛んでいきます。なので、デパートとはいえ、ラファイエットグルメは時々、覗きに行くことはあります。常設している感じのお店もある中、わりと頻繁に入れ替わるお店などもあり、美味しいものを扱っているお店が期間限定で入っていたりもするので、これまで知らなかった美味しいお店を発見できたりもするのです。 これは!というものを見つければ、ちょっと味見程度に購入し、気に入ったら、たいていはパリ市内に本店があるので本店の方に行ってみたりもします。 昨日、たまたま、近くに用事があって、いつもと違う地下鉄の出口を出たら、ラファイエットグルメの近くであることに気が付いて、重たい荷物を持っていたけど、まあ、通り道、せっかくだから、ぐるっと覗いていくか・・と思って入ってみたのです。 地上階は大した変化はなかったものの、1階(日本でいう2階)にレストラン(というほどかしこまってはいない)街のようなスペースができていて、はて?ここは昔何だったのかと思い返すに、以前はキラキラなカーブ(ワインやシャンパンやウィスキー、ブランデーなど)と食器などが置いてあったスペースだったと思うのですが、いつのまにか、すっかり様変わりしていました。 まだ、あまり知られていないのか?そんなに混んではいませんでしたが、8軒のお店が入っています。「世界中のストリートフードからのインスピレーション」をテーマに出店しているレストランというか、フードコートのような、わりと気軽な感じのお店がおしゃれに並んでいます。 以前のカーブだったスペースの名残りのような「ラ・カーブ」というワインや世界中のスピリッツを扱うお店もあります。 その他、フレンチのひとつとしてロティスリー(鶏の丸焼きなど)、ペルー料理、地中海料理、アメリカ、インドなどの気軽に食べられる食事が集まっています。 お味のほどはわかりませんが、ラーメンやお寿司を扱う日本食のお店も入っていました。小さいワンカップの日本酒までありました!  お値段は、ラファイエット価格なので、ストリートフードとはいえ、決してお安くはないものの、ラフな感じで楽しめそうなスペースになっています。 そもそも、このスペースは、以前はワインを中心としたキラキラな、本当に美しい、お店というより博物館のようなスペースで一見の価値はあるようなスペースではあったものの、一般庶民には、敷居の高い感じでもあり、客足が若干、鈍いスペースでもありました。 ギャラリーラファイエットだから、そんなスペースもあってもいいのかな?とも思っていたのですが、やはりフランス人でさえもワイン離れが叫ばれるなか、あの高級な感じのスペースがストリートフードのスペースになっていたとは驚きでした。 しかし、ストリートフードとはいえ、そこはさすがのラファイエット、オシャレな感じに仕上がっています。 ただし、個人的にはパリでストリートフード(ファストフード)といえば、ケバブではないか?と思うのですが、ケバブが入っていないのは、なんだか少々残念な気がしました。 すっごく美味しいケバブのお店もあるのに・・。 私が気が付いていなかっただけで、もう結構、前からあったのかもしれませんが、ラファイエットグルメといえば、これまで地上階、せいぜい地下の食料品売り場だけを覗いていた人も多いはず・・地上階を入って少し進むとエスカレーターがあるので、ついでにチラッとパリに集まっている世界のストリートフードスペースを覗いてみるのも楽しいかもしれません。ギャラリーラファイエットグルメ ヌーベルターブルデュグルメ<関連記事>「ギャラリー・ラファイエット...

2024年4月18日木曜日

いつまで続くの?この気候? くもり時々晴れ、のち暴風雨・・

   春先は、天候が不安定になりがちではあるけれど、今年はちょっといつもより酷い気がしています。 なにせ、全般的に年明けから天気の悪い日が多く、春が待ち遠しい気がしていたのに、春になっても、ちょっと晴れれば日差しは春の光になってはいるけれど、とにかく天気は荒れ模様の日が多いです。 昨日も一昨日も、くもり時々晴れ、後、小雨が続いてその後は風が強くなって暴風雨みたいな感じになりました。朝、起きて、窓の外を見て、「やった!今日は晴れだ!」と思っても、そのうち、パラパラ雨が降ってきて、パラパラどころかけっこうな雨になったりもしtて、夕方になるとそれに風が加わって暴風雨です。 先週は一瞬、2...

2024年4月17日水曜日

オーストラリア シドニーでヒーローになったフランス人

  先週末、オーストラリア・シドニーのショッピングセンターで買い物客らが無差別に刃物で襲われ6名が死亡したという事件はフランスでも報道されていました。 その時は、「オーストラリアでもこんな恐ろしい事件が起こるんだな~怖い怖い・・」とその事件の映像を見ながら同時に「これ、フランスでもありそうなことだな・・(実際にある・・去年もいくつかありました)」と思っていました。 襲撃犯は射殺されているので、動機などは不明のままですが、精神疾患を患っていた可能性があると言われています。 結局、その時の報道は、死亡者6名、乳幼児を含む負傷者12名というだけで終わっていたのですが、その後に、その襲撃犯がさらなる獲物にターゲットを向けている間にそれを阻止しようと介入した人物がいて、それが31歳のフランス人の男性であったことがわかり、にわかに彼はヒーローになっています。 当日、事件の起こったコマーシャルセンターのジムに来ていたフランス人男性二人はこの襲撃事件に遭遇し、襲撃犯がやってくるのを見てなんとかしてこれを阻止しなければならないと夢中でこの襲撃犯と対峙したということで、このうちの男性の一人はインタビューにこたえ、「襲撃犯の目はうつろで、彼自身の魂が抜けているような感じだった・・」と語り、自分がヒーローと讃えられていることについて、「自分は当然のことをしただけで、本当のヒーロー(ヒロイン)は、襲撃犯を射殺した女性警察官である!」と話しています。 彼らの勇気ある行動に対して、オーストラリアの首相も「フランスの英雄」として賞賛。 彼は、2017年にオーストラリアに渡り、建設作業員として働いていたと言われていますが、ちょうどビザが切れるタイミングでビザを申請中のタイミングだったようです。 オーストラリア国民からも彼は大絶賛されており、「これは人間の本性について多くを物語っている。私たちが困難な問題に直面したとき、この国の国民ではない人が勇敢にあのエスカレーターの頂上に立って、この襲撃者が別の階に到達してさらなる大虐殺を起こす可能性を阻止したのです!」と、ビザどころか彼にオーストラリア国籍を!という嘆願書がオンライン上で立ち上がり、あっという間に1,800名以上の署名が集まったそうです。 しかし、署名を集めるまでもなく、オーストラリア首相は「彼はオーストラリア国民として喜んで歓迎したい人物、好きなだけオーストラリアにいてほしい」と話しています。 これまで、幾度となく、フランスで同じような事件が起こって報道されることがあり、本当に恐ろしいことだと思う反面、このような事件が起こったときには、必ずといっていいくらい、警察官以外のその場に居合わせた男性が介入して助けてくれる・・ということも事実で、フランスには、恐ろしい事件も起こるけれども、勇気ある頼もしい男性も少なからずいることも事実のようです。 フランス人には、窮地に至っている人を助けようとするような、こういう面もあるんじゃないかな?という気もしています。 この件は、マクロン大統領もX(旧Twitter)で彼の勇気ある行動を讃えるポストをしています。オーストラリアのフランス人ヒーロー<関連記事>「早朝のパリ・リヨン駅でのナイフとハンマーによる襲撃事件」「フランス全土が震撼とした...

2024年4月16日火曜日

パリオリンピックに関してマクロン大統領のインタビューで話したこと

   カウントダウンが始まりつつあるパリオリンピックについて、マクロン大統領がテレビのインタビュー番組に出演、熱弁を振るいました。マクロン大統領がこのインタビューの場所に選んだのは、オリンピックのテコンドーとフェンシングの会場となるグランパレの中でした。 インタビューは先日起こったイランによるイスラエルの攻撃の話題から始まるというオリンピックに関するインタビューとしては、異例の話題で始まりましたが、フランスは、イスラエルの防空にも参加しており、このような不安定な世界情勢の中で行われようとしているオリンピックの安全性からも残念ながら避けて通れない話題でもあります。 マクロン大統領は、このインタビューの中で、「オリンピックは外交上の平和の瞬間でもあり、少なくともオリンピック休戦に向けて取り組みたい。これは多くのパートナーとの間に敬意と寛容の精神を確認する機会でもある」と述べています。 とはいえ、逆に考えれば世界中から多くの人々が集まり、多くの人々が注目するであろうオリンピックの場は、テロのターゲットとして計画されかねない機会でもあります。 特にフランスが計画している今回のオリンピックの開会式は、オーステルリッツ橋から各国代表団専用の94隻の船がセーヌ川で行進してエッフェル塔に向かうという壮大な計画で通常の情勢でさえも、大変なリスクを伴うものになっています。 これに対して、なぜ?こんなにリスクの高いことを行うのか?本当に大丈夫なのか?という質問に、「もちろんリスクはある」としながらも、「われわれは最大級の警戒体制をとっており、毎日3万人がこの警戒にあたり、ヨーロッパやアメリカ、アジアと協力体制をとりながら、諜報機関とあらゆる情報を収集し、サイバー攻撃も含めてリアルタイムに分析を行い、テロの脅威に備えている」と説明したうえで、「それでも、テロの危険性が確認された場合には、開会式は縮小され、プランB、さらにはプランCとして用意されている「トロカデロに限定」されるか、さらには「スタッド・ド・フランスに移送される」可能性もある」と語りました。 また、この大規模の警戒体制を支えるために動員される人々をはじめ、オリンピック期間中(バカンス期間中)に働かなければならない人々が「CGT(労働組合)」を筆頭にストライキを計画していることについては、労働組合とその「責任精神」に対する「信頼」を表明し、「フランスはチームであり、統一国家であるため、我々はこの模範的な性質に対応しており、...

2024年4月15日月曜日

電気料金の値上げとエネルギーチケット

   ここのところ、電気料金は毎年、着実に値上げされており、2024年は2月からさらに10%値上げされています。これは毎年徐々にあげられているため、数年前から比べるとずいぶん高くなったと思いますが、しかし、それでもこの値上げは国によって抑制されている状態のようです。  実際の電気料金は、これ以上に値上げされているのが現実なのですが、国が関税を調整しているために、これでも他の欧州諸国に比べて大幅な値上げを抑えているのだそうで、国からしてみれば、この調整を少しずつ段階的に終了させていく予定で、当初は2023年12月に終了予定だったものが、2025年2月までに延長されています。 したがって、国は引き続きフランス国民の請求書の一部を一定期間負担しているわけで、この措置により、2024...