2023年3月21日火曜日

年金改革法案採択され、さらに増すばかりの国民の怒り

燃えるゴミの山に遮断されるパリ・オペラ通り

 

 フランス中を大混乱に陥れている年金改革法案は、国民議会により、政府に対する 2 つの非難動議が却下された後、月曜日に自動的に採択されました。

 先週木曜日にボルヌ首相により発表された 49条3項の適応に対して、今週の月曜日に国会で 2 つの非難動議が議論されました。 しかし、政府とその法案を撤回するのに必要な数の票を獲得できずに、年金改革法案は自動的に採用されることになりました。

 こんなに国民が抗議して、毎晩のようにパリの街はゴミ焼却炉と化しているというのに、あまりにあっさりと決まってしまって「へっ??ほんと??」と拍子抜けしてしまいそうになるのですが、国民の怒りの炎は消えることはなく、ここ数日は無許可のデモがあちこちで起こり続け、とどまるところを知りません。

 毎日のように、パリのゴミ焼却炉の場所は変わるのですが、昨夜は、かなりあちこちで炎が立ち上っている様子には、なんだか切なくなってきます。

 昨夜は最初、パリ6区のオデオン地区からグランブルバード、ブルバードサンジェルマン界隈が燃えていると思ったら、今度はオペラ座を背景にオペラ通りの中央を遮るようにゴミの山が散らばって同じ通りでいくつもの炎があがっており、次には、パリ市庁舎近くからサマリテーヌ(デパート)のあたりと、それぞれがそんなに離れた場所ではないにせよ、かなりパリ市としては、象徴的な場所で炎が上がるのには、ため息が出てしまいます。


 特に在仏日本人にとっては馴染みの深いオペラ通り(オペラ界隈は日本食のお店が固まってある場所で日本人街とも言われる場所でもある)は、長い間、職場があった場所でもあり、それほど長くもない(シャンゼリゼなどと比べると)通りのあちこちに山積みのゴミに火がつけられ、その周りにゴミが散らばり、荒れ果てている様子に、なんだか妙に悲しみが湧いてきてしまいました。

 しかし、パリ市の消防隊ももう慣れたもので、わりと、すぐに鎮火してしまうところもスゴイもんだと妙な感心もしてしまいます。

 テレビのニュースでは、このデモの様子を中継しながら、ジャーナリストが解説したり、法案採択についての意見を述べたりしているのですが、「今回のデモは、黄色いベスト運動のように過激に暴徒化はしていない!彼らはゴミを燃やしているだけで、何も破壊していない!」と解説?する人までいて、「なるほど、考えてみれば黄色いベスト運動の時には、銀行を燃やしたり、商店のウィンドーを壊して物を強奪したりしていたな・・」などとも思ったのです。

 しかし、これだけパリの街を荒らして、ゴミを燃やしているだけ・・というのも、物は言いようだ・・と彼らの屁理屈?に今さらのように感心させられるのです。

 この年金改革法案が自動的に採択されたことを受け、これに異議を唱える左派は共有イニシアチブ(RIP)をとり、国民投票の要求が、憲法評議会に提出されています。

 マクロン大統領は相変わらず、国民向けへの発信(ツイッターなど)は、この問題には一切ふれずにいますが、火曜日には昼夜にわたって、多数派の指導者、多数派の議員と上院議員を迎える予定であるとエリゼ宮が発表しています。

 これは、何が何でも国民投票には持ち込まないための説得作業だと思われますが、たとえ、これで指導者たちや議員たちを説得できたとしても、ちょっと順番が違ったというか、本来の話し合いは49.3条を発令する前に行われるべきものであって、その前に彼らを説得できていれば、49.3条は発令する必要もなく、これほど国民を怒らせることもなかったと思うのです。

 いずれにしても、これで法案が通ったとしても国民の怒りが鎮まるものではなく、毎晩のようにパリのあちこちでゴミを燃やし続けるだけでは済まなくなり、今度は本当に破壊行動が始まるかもしれません。


年金改革法案採択


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2023年3月20日月曜日

家の固定電話を外したら、私の行方不明騒ぎが起こっていた・・ 

 


 ある朝、パリにいる日本人の友人から携帯に電話(messengerで)があって、電話に出るなり、彼女には開口一番「あ~やっと捕まった~~!」 と言われて、「???」となりました。

 彼女曰く、「ジャンピエールから連絡があって、あなたにずっと電話してるんだけど、全然、連絡がつかないけど、彼女は無事なんだろうか?」とすごく心配していたとかで、彼と彼女はあたふたと私を探し回ってくれていたそうなのです。

 彼女とジャンピエールはそれぞれに存在は知っているけど、知り合いではないくらいの間柄で、そんな彼がわざわざ彼女の連絡先を探し出してまで彼女に連絡を取ること自体、大変なことだったと思うのです。

 ジャンピエールは私の元同僚であった男性で、家が比較的近いために、私が日本に一時帰国する時には、すでに引退している彼にポニョ(猫)の世話を頼んで、家の鍵を渡して毎日、ポニョのごはんやトイレの世話を頼んでいる人で、あとは、たまにお誕生日やノエルとか年明けの時に電話をくれるくらいで、あんまり普段は連絡をとってはいませんでした。

 ジャンピエールに頼まれて私の捜索をしてくれていた女性は、以前は、比較的、近所に住んでいたために、たまに家に行ったり、犬の散歩を頼まれたりと時々、連絡をとってはいたのですが、彼女も断捨離をして、少しコンパクトなアパートに買い替えて引っ越してしまって以来、あまり連絡をとらなくなっていたのです。

 彼の方には、以前、日本に行く際に、「何かあったら電話して!」と、以前、私が日本の実家の電話番号を渡していたことがあったらしく、それを大事に持っていたのか?彼女は彼に頼まれて、日本の実家にまで電話してくれたそうで、それも繋がらなかったと大変、心配してくれていたようなのです。

 実のところ、私は、昨年から家の固定電話はもう必要なしと思って、繋いでおらず、もう必要な連絡はすべて携帯の方に連絡が入るし、家の固定電話の方には、ほぼ 99.9%がなにかの勧誘とか広告の電話ばかりで、もう鬱陶しいことこのうえないので、外してしまっていたのでした。

 頻繁に連絡を取る人は、携帯電話か、what's upか、messengerかLINEでの電話かメッセージで連絡をとっているので、私が家の電話を外していることさえも、とりたてて知らせることもしていなかったのです。

 ところが、そういえば、ジャンピエールは今から思えば、いつも電話をくれていたのは、家の固定電話の方だった気がするのですが、彼に電話を外してしまったことを伝えていなかったのです。(彼には携帯の番号も教えてあった気がしていたのですが・・)

 どちらにしても、第三者まで挟んで、私が行方不明になったと日本にまで電話をするほどの大騒ぎになっているとは、思いもしないことでした。

 実は日本の実家の方も現在は娘が一人で暮らしているのですが、インターネットの契約の際に家の固定電話とネットの関連がややこしく、娘も家の固定電話は必要ないと言って、切ってしまったのでした。

 そもそも固定電話とか携帯とかにかかわらず、電話というものがあまり好きではない私、滅多に電話というものをすることはないのです。

 私は携帯電話ですら、かなり持ちたくなくて、けっこう長いこと持たずに抵抗し続けてもいたのですが、もはや携帯電話は電話というよりも他の機能があるために持っているようなもので、一体、今、どのくらいの人が家の固定電話を持ち続けているのかなぁ?と思います。

 とはいえ、家の電話を外してしまったことが、こんなに大騒ぎになってしまうとは、申し訳なかったと少々、反省もしておりますが、されど、もともと友達も多くはなく、これで、今度こそ家の電話は必要なくなった・・とも思うのでした。


行方不明騒ぎ 家の固定電話


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2023年3月19日日曜日

3夜連続デモ デモと暴動の境界線

  


 あくまで個人的見解ですが、政府の提案している「年金改革」は残念ながら必要なことで、間違ったことを言っているのではないと思っています。

 フランスは日本ほどの少子高齢化ではないにせよ、フランス人は意外にも、長寿国であり、平均寿命も82歳を超えており、寿命は依然よりも長くなっているわけで、単純に考えても年金受給年月が長くなっているわけで、単純に考えても、それだけでも年金制度を圧迫していることは明白で、長生きするようになった分だけ、余計に働かなければならなくなるのは、当然のことなのです。

 しかし、正しいことでも、やり方を間違えると、それが通らなくなってしまうのだと、まざまざと見せつけられているような気がします。

 そもそも今期のマクロン政権は与党の議席数が議決権に達しておらず、そこが災いの始まりでした。そうでなければ、49条3項(採決せずに法案を通す)を使う必要もなく、議会で正当な採決を行い決定されていたことなので、ここまで国民を怒らせる結果にはならなかったはずです。

 しかし、元をただせば、与党の議席数が達していない時点で、マクロン政権には暗雲がかかり始めていたのです。

 現在は、もはや年金改革問題以上に「49条3項」の強制執行に対する抗議の声が高くなり、昨日行われた世論調査によると80%以上の国民が「49.3」の執行に反対しているとのことで、さすがにこれは法律にのっとったこととはいえ、この国民の声を無視するのには、無理があります。

 パリでは3日連続のデモが大荒れに荒れており、パリ警察は2日間デモの集合場所に使用されていたコンコルド広場でのデモを禁止したため、今度はパリ13区の「PLACE D'ITALIE(プラス イタリー)」を中心に4,000人以上が集結し、ゴミ収集業者のストライキのために山積みになっているゴミ箱をはじめとして、自転車、車、廃材などに火がつけられ、トラムの走っている道路を封鎖するために道路を遮断するようにゴミ箱を並べて燃やすという悪質なものに発展しています。


 また、デモ隊はシャトレ・レアールの駅の駅ビル内までに突入し、駅ビル内で噴煙があがる騒ぎにもなってしまったようです。

 あちこちに炎が立ち上り、火花が飛び散り、催涙ガスが立ち込め、放水車が出動し、相当数の警察官と憲兵隊が出動する中、大声をあげて行進しつづけるデモ隊とを見て、私は「暴動」という言葉を忘れていたけど、もしかして、これって「暴動」なの?とちょっと、自分でも動揺を感じました。

 公共交通機関のストライキも続いてはいるものの、このデモの異常な数の動員のため、普段は、自動運転のためにまず、ストライキで運転が止まることのないメトロ1号線なども、警察の命令により、8か所の駅が閉鎖されるという異常事態が起こっています。

 ここまでくると、これが一体、何日続くのかはわかりませんが、全国の組合が組織する大々的なデモ・ストライキは23日(木)に予定されており、この日のストライキやデモの規模が相当なものになるのは不可避であるような雲行きです。

 フランスでは、「デモの権利」は非常に重く尊重されているものの、あくまでも、デモを行うためには、その地域の許可を申請してのうえでのことなのですが、もうその許可なしのデモを止めきれないギリギリの状態で、デモと暴動の境界線はどこにあるのだろう?と考えてしまうくらいです。

 しかし、一方では、与党がガッチリ議決権を握っている日本では、やけにすんなり重要なことがどんどん決定されていく様子にも、フランスのこの暴動とは別の意味で底知れない不気味さや不安を感じているのです。


年金改革デモ 暴動


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2023年3月18日土曜日

49条3項発令が年金改革法案反対を盛り上げ反政府運動に発展するかも?

  


 年金改革問題に関して、デモやストライキを通して、根強く強力な反対の意を示し続けてきたフランス国民ですが、ストライキはともかく、今回のデモは、これまでは黄色いベスト運動の時のような破壊的な行為には至っておらず、比較的、おとなしく?しかし、力強くデモを行っていた印象がありました。

 しかし、一昨日の49条3項発令による採決なしに法案を突破させる発表がなされて以来、国民の怒りは爆発し、その日のうちに数千人の人々がコンコルド広場に集結する大騒動になりました。

 数時間後にはコンコルド広場付近からは、これらの人々は強制的に撤退させられたものの、退去させられた人々が現在、ゴミ収集業者のストライキのためにゴミが山積みになっているパリの街に散り、山積みになっているゴミや車に火をつけ、パリのあちこちで炎があがるカオス状態になりました。

 翌日の昼頃に、コンコルド広場からチュイルリー公園、リヴォリ通り、カンボン通り、ヴァンドーム広場から、オペラ、シャトレあたりまで歩いてみましたが、昨夜の塵芥はあっという間に片付けられていました。

 ただし、コンコルド広場に通じるリヴォリ通りには、たくさんの警察車両が警護のために控えているのには、物々しさを感じずにはいられませんでした。

 これまでは、比較的シンプル?に年金改革問題に反対という話だったのが、49条3項発令による採択なしの強制法案突破というやり方に反発=政府のやり方に反発、というまた別次元の抗議が実際の年金改革問題に輪をかけて反発を激化させてしまいました。

 採択なしに強制的に法案を突破させるなど、まことにフランスらしくないし、こんな法律あったの?と驚くくらいですが、この法律は「首相は、閣僚理事会の審議の後、財務または社会保障資金調達法案の投票に関する国会の前に政府の責任を負うことができる」というもので、今回は、これを該当させることができると政府が判断したものです。

 2008年の憲法改正で一部、修正が加えられているものの、この法律は思いのほか?(私の思っていたよりは・・と言う話ですが・・)フランスには古くから存在するもので、1958年以来、この49条3項は88回、1988年から1993年までに限ると39回使用されています。

 しかし、見ようによっては、これは30年間使われてこなかった禁じ手でもあり、現段階では結果はまだわからないものの、国民の怒り様を見ていると決してよい手段であったとは思えないのです。

 私の印象では、今回の年金改革問題については政府の発信力が弱く、「改革か破綻だ!」とマクロン大統領の側近ががなっていた記憶がありますが、どちらかというと、度重なるデモやストライキのわりには、政府首脳は「騒ぎたい奴は騒いでおけ!」とばかりに比較的、余裕に構えていたのを少々、不思議に感じていたのですが、今から考えると、この49.3を使うつもりでいたのかもしれない・・と思ってしまうのです。

 今回の国民の怒りを爆発させる情勢に、政府のスポークスマンは、「最後の最後まで、49.3を適用することは回避したかった・・」と述べており、いささか、政府首脳の間でも意見の相違があったようにも受け取れないこともありませんが、「しかし、この重大な問題に関して投票を行うリスクが大きすぎると判断した」と述べています。

 国民の怒りは一夜で収まるはずもなく、翌日も再び、パリ・コンコルド広場には4,000人以上が集結し、炎が上がり、警察とのせめぎあいが起こり、二夜連続で警察による群衆の強制退去が行われました。


 重大な案件につき、強行突破したかったという政府の気持ちもわからないではありませんが、年金改革問題以前にこの政府の反民主的なやり方、政府そのものに対する反発に及びそうな勢いになっている気がします。

 パリの中心地を歩きながら、「そういえば、このあたりでカステックス前首相(退任後)がSPもつけずに一人で歩いているのに出くわしたことがあったなぁ・・今だったら、絶対、無理だろうな・・」などと思っていたら、内務大臣が全国の与党の議員を攻撃から守るために事務所や自宅の警備を強化すると発表していました。

 今や政府の面々の身の危険が脅かされそうなほどの騒動に発展してしまいましたが、首相は49.3の文言にあるとおりに責任をとれるのだろうかと思っていたら、彼女より先に、彼女の首席補佐官が辞任するという知らせが入ってきました。

 通常は、何かあるごとに、すかさずツイートで意思表示をしているマクロン大統領も今回のこの怒り心頭の国民に対してはスルーしており、慎重になっている様子がうかがえます。

 この国民の怒りをどう乗り越えていくのか?すでに極左、極右の党からは不信任動議が提出されており、万が一、不信任案が可決されると内閣総辞職なんてこともあり得ないでもないので、この先の行方がますます見逃せなくなりました。


年金改革問題 反政府


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2023年3月17日金曜日

年金改革法案に49条3項発令で法案改変を強行する発表にコンコルド広場が大変なことになった!

  


 大多数の国民が猛反対している「年金改革問題」(62歳から64歳へ定年2年延長など)には、政府首脳が国民を説得できないままに、各方面、ずっとストライキやデモが続けられてきました。

 まるで、両者(政府と国民)の歩み寄りが見えないまま、ストライキはどんどん広範囲の業種にわたり、現在はゴミ収集業者のストライキのため、パリの街は、今日、現在の発表では8000トン以上のゴミが至るところに山積みにされ、ゴミが異臭を放ち始め、まさに、美しい街並みを台無しにしています。

 衛生問題にも発展し、政府はパリ市に対してゴミ収集業者のストライキをやめさせ、職務に戻るように働きかけるように要請しましたが、パリ市長は「市長にはストライキを止める権利はない」とこれを拒否。

 ついには、国が強制的にゴミ収集業者に職務に戻らない場合は罰則を設けることを提案し始めたりで、「フランスでそれやって大丈夫?」と思うような手段を取り始めていたところでした。

 しかし、そんな政府の高圧的な態度をさらに決定的にしたかのごとく、かねてから政府がちらつかせていた通称「49.3」49条3項(議会で採決をとらずに法案を採択する)を発令したのですから、それは大変な騒ぎです。

 49.3条が発令されるやいなや、みるみる人が集結しはじめ、夕方にはパリ・コンコルド広場は大変な騒ぎになり、近辺のメトロの駅も閉鎖され、炎と煙が立ち上るなか、群衆と警察の対決が始まりました。

 これまで数々の問題が起こるたびにフランスでは政治家がテレビなどに数多く登場し、国民との討論番組などに積極的に参加して国民を説得しようとしている姿勢は見事なものだと思ってきましたが、どうにも今回の年金改革問題に関しては、討論番組などが行われても、政府側はどうにも劣勢な感が拭えない感じで、引き続くデモやストライキに両者の根気比べになるのかな? 一体、どのタイミングでどうやって収集をつけるのかと思っていました。

 今回、政府が49条3項を発令するのは、採決をとれば負ける可能性があるために他ならないわけで、だからといって、そのような高圧的な強行は、国民の怒りに火をつけないはずはなく、今後の国民の騒ぎは生半可なものでは済まない予感がしています。


 よく、デモが暴徒化したりすると、ゴミ箱などに火がつけられるのは珍しいことではありませんが、なんと、現在のパリには火がつけられるゴミがいたるところに山積みになっているのは、一層、恐ろしいことです。

 この騒ぎが始まってから、フランスのツイッターのトレンドは1位、ハッシュタグRevolution(革命)、2位、マクロン、3位、年金改革と、この問題が上位を独占しました。

 年金改革についてのこれまでのデモに比べて、一瞬で、一段と過激な感じになったのは、この集結したデモ隊の行動にあらわれています。

 

 フランス政府はフランス国民のキャラクターを理解しているはずなのに、このやり方は彼らの怒りを爆発させるとは考えなかったのでしょうか? 等身大のマクロンの人形が燃やされています。

 政府は49.3条発令で完全に地雷を踏んでしまった感があります。

 その日、コンコルド広場に集まった人々は解散させられ、パリの街に散らばり、結果、あちこちのゴミの山に火がつけられ、あちこちで炎が立ち上るパリはカオス状態に陥りました。

 それにしても、この時期、パリに観光に来ている人々には、まことにお気の毒な感じです。


49.3法案改変強行 パリ破滅的抗議デモ


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2023年3月16日木曜日

いつの間にか、コロナウィルスのPCR検査が有料になっていた・・

  


 パンデミックが始まって、コロナウィルスのPCR検査が登場し始めて以来、フランスでは、検査はずっと無料でした。ワクチン接種が始まってからは、これには、ただし書きがついて、ワクチン接種の証明書を提示すれば無料とされてきました。

 これには、私もとても助けられてきて、昨年の年始頃などは、爆発的に感染者が多くて、ちょっと出歩いただけで、感染者追跡アプリには、「あなたは感染者と接触しています。すぐに検査を受けてください!」というメッセージが入っていたので、そのたびにウンザリしながらも、隣の薬局に検査を受けに行っていましたし、熱っぽかったり、風邪っぽかったりした時でも、「もしかしたらコロナ??」とまずコロナウィルス感染を疑い、すぐに検査を受けに行っていました。

 昨年、日本に一時帰国した時にも日本入国には陰性証明書が必要だったので検査を受けに行きましたが、それも無料だったし、証明書の発行も無料でやってくれました。

 結局、これまでに数十回は検査を受けてきたので、それが全て無料であったことは、大変たすかりました。幸いにもこれまで一度も陽性になったことはありません。

 そもそも、無料でなければ、隔離義務を強いる検査などフランス人が受けるわけもなく、結果、被害はもっと甚大になっていたと思います。

 現在は、マスクの義務化が撤廃されてから、かなり時間も経ち、にもかかわらず、感染者数はさほど増加しなくなり、1日の新規感染者数も多い日でもせいぜい5,000人程度にまで減少し、病院のひっ迫状態も改善され、ほぼコロナ前の生活に戻りました。

 そんな世界の中にいると、私自身は、今は花粉症もありマスクを持ち歩いて、場所に応じてまだマスクをすることもあるのですが、実際にちょっと熱っぽかったり、風邪っぽかったりしても、いつのまにか、「もしかして、コロナ感染??」とは思わなくなっていました。

 なので、検査に行こうとも考えなくなっていたのですが、3月1日から、検査費用の全面国民健康負担はなくなっており、医師または薬剤師が検査を行う場合は検査費用の 30%、看護師または理学療法士が検査を行う場合は 40% が自己負担になっていました。

 しかし、これもフランス人の多くが入っているミューチュエル保険(国民健康保険をカバーする保険)に入っていれば、カバーされるので、自己負担分はカバーされます。

 また、これには例外として、引き続き検査が無料とされる人々について、長期疾患(ALD)にかかっている人、65 歳以上の人、未成年者、医療専門家、医療施設または医療社会的サービス(高齢者施設や障がい者施設等)で働く人、免疫不全の人などが認められています。

 そもそも、私自身もちょっと具合が悪くても、コロナ感染を疑う気持ちが失せているほど、普通の日常に戻っている状態であるうえに、陽性者の場合でも、もう国は隔離義務を課してはいないので、国の保険体制も変更していくのは当然の話です。

 しかし、まだ、完全にコロナウィルスが消滅したわけではないので、心配でないことはありませんが、パンデミック以前のことを考えれば、すでにそれに対処する術は心得ているし、また、事態が深刻な状態になった場合は、元に戻せばいいだけの話で、余計な支出は省いて他の問題にも対応していかなければならないのでしょう。

 とりあえず、いつまた、大変な事態になるかもしれませんが、検査が有料になっても誰も文句を言わずにいるほどになったのですから、今度こそ、本当にパンデミックの終わりが見えてきたのかもしれません。


コロナウィルスPCR検査一部自己負担


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2023年3月15日水曜日

スーパーマーケットのレシート 自動印刷廃止

  



 私には、なぜ、レシートをそこまで目の敵にするのかわからない気もするのですが、フランスでは、スーパーマーケットなどで買い物した際のレシートが自動的に出てこなくなりました。

 最近、スーパーマーケットで買い物する際は、ほぼセルフレジしか使わないので、ボーッとしていると、レシートを受け取ることはできません。会計をするときに、レシートが必要のところにチェックしておかないとレシートは出てこないのです。人のいるレジだと、会計後に必ず、レシートいりますか?と尋ねられます。

 もちろん、今までレシートなど、その場で捨ててしまっていた人も多いので、必要ないケースも少なからずあったと思うので、必要な人にだけレシートを渡すという方法は無駄を省くという意味ではよいことかもしれません。

 これは有害物質を含むレシートが年間3億枚も印刷されているとかで、本来ならば今年の1月1日からレシートの自動印刷は廃止されることになっていましたが、予定どおりに事が運ばないのか、その後4月1日からということになったようで、現在は移行期間のようです。

 ただし、このレシート廃止は、家電製品、コンピュータ機器、電話機など、いわゆる「耐久消費」の領収書には適用されません。

 私は、どこで買い物をするにしても、トラブルの際の証明になるので、変わらずレシートはもらうようにしています。

 ここは、いつも戦闘態勢でいるフランス生活の悲しいところで、万引きのチェックに遭遇したり、また、レジで金額を間違えられたり、また返品、返金をしてもらうために、レシートは不可欠だからです。

 しかし、今後4月1日以降も頼めばレシートをもらえる状態が続くのかどうかはわかりませんが、これに代わるものとしてe-チケットが登場するようです。

 これは、SNSによりQRコードでレシートを受け取れたり、銀行のクレジットカードで決済すると、webページからレシート(e-チケット)がアプリに自動的に送信されるようになるそうです。

 一方では、このレシートの自動送信に関しては、個人情報にも関わるために、一般データ保護規則(GDPR)に従い、購入者からのデータ収集は、購入者の明示的な同意に基づかなければならないとされているので、必ずしも、すんなりいく話でもないかもしれません。

 しかし、店舗側もこんなことにめげているわけにもいかず、大手スーパーマーケットチェーンなどは、これまで消費者が利用していた各スーパーマーケットのポイントカードを利用し、そのカードの持つアカウントでレシートを受け取ることができるようにすると発表しています。

 なんだか便利になるんだか不便になるんだかわからない気もしますし、日本だったら、「年寄りにe-チケットなどというわけのわからないものをどうやって使えというんだ!」などという声が上がりそうな気もするのですが、フランスでは不思議とIT化に対する反発の声はあまり上がらないような気がします。

 保守的なところも大いにあるフランス人ですが、意外と新しいものもすんなり受け入れてしまうところもある不思議な国民です。


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