2023年3月14日火曜日

10年間で2倍に増加した子供への向精神薬の投与 

 


 家族、子供、年齢に関する高等評議会 (HCFEA) は、子供や青年向け(6歳~17歳)の向精神薬の処方が劇的に増加しており、何万人もの子供が危険に晒されていることを報告しています。

 報告書は、子どもたちの向精神薬の消費が10年間で2倍になったことを強調しており、HCFEAが収集したデータによると、子供と青年の向精神薬の消費は、2014年から2021年の間に抗精神病薬で49%、抗うつ薬で63%、催眠薬と鎮静薬で155%増加していることが明らかにされており、政府はこの問題への対応策をとるべきであることを警告しています。

 2021 年だけでも、抗不安薬で +16%、催眠薬で +224%、抗うつ薬で +23% の増加です。この過剰投薬の現象は、特別なケースではなく、何万人もの子供に関係しているのです。また、これらのレベルの増加率は、一般人口レベルに見られる増加率とは明らかに不釣り合いで、成人人口に比べても明らかに高い数値であるようです。

 HCFEAによると、パンデミック、戦争、生活環境への不安が続く状態の中、小児科、児童精神科の需要が増加しているにもかかわらず、児童精神科および医療社会的サービスが不足、衰退しており、受診しようにも半年から1年待ちになることが多く、この状況は、「子どもの健康状態の悪化」、「子どもや若者の緊急入院、自殺行為、自殺の増加」につながりかねないために、一般開業医にかかり、とりあえず、最悪の事態を回避するために向精神薬を投与することが一般的になりつつあるということなのです。

 私がフランスに来て驚いたことの一つに医者が比較的簡単に向精神薬を処方してくれることで、日本にいた頃は若かったこともあり、あまり医者にもかからなかったし、ましてや医者に抗うつ剤や睡眠薬を処方してもらうということを考えもしませんでした。

 フランスに来てからは、ずっと近所のかかりつけのお医者さんに親子共々かかっていましたが、私が最初に抗うつ剤や睡眠薬を処方してもらったのは、夫が亡くなった直後で、今から思うに、あの時期は、かなり強い抗うつ剤を日中に服用し、夜には睡眠薬を飲んでいました。

 まあ事情が事情だったので、そんなに不自然な処方でもなかったかもしれないのですが、精神状態と向精神薬(抗うつ剤や精神安定剤など)いうものは、恐ろしいもので、今なら、一瞬で気を失いそうな薬を飲んでいたにもかかわらず、正気?を保って仕事をしていたのですから、すごいことです。

 しかし、時間が経って、少しずつ落ち着き始めた頃から、この薬を飲み続けてはいけないだろう・・という不安があり、日中の抗うつ剤は減らしていったものの、夜の睡眠薬は眠れなくて翌日働けないのが怖くてなかなかやめられずに、お医者さんに相談したことがありましたが、「絶対に無理はしないで・・慌てなくて大丈夫だから・・無理してやめなくていい・・」と睡眠薬を処方し続けることにためらいはありませんでした。

 そんなお医者さんの対応には、むしろ私の方が驚いたくらいでしたが、結局、私はとりあえずは、今でも、いつも処方してもらう薬の中に向精神薬や睡眠薬が含まれています。一応、他の薬に関しては3ヶ月分まとめて出してもらうことができますが、オーバードーズを防ぐために、1ヶ月分ずつしか出してはもらえないことになっています。

 私のような大人に対してでも、えっ??と思っていたことが、子供に対しても起こっているということは、やはりちょっと心配です。私が子育てをしていた頃と今とでは、考えてみれば、ほんの数年で世界の情勢はかなり変わってきてしまっているので、一概には言えませんが、子供を健全に育てるのは、スポーツなど身体を動かすことをさせることが一番なのではないか?と思っています。

 一時、ロックダウンやマスクの義務化などで、それもなかなか難しい期間がありましたが、身体を動かすことが、精神的にも健全で、夜もしっかり眠れるようになる最良の薬なような気がしています。


子供への向精神薬の投与激増


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2023年3月13日月曜日

フランスの出生率低下にフランス人が提言する言葉 人生は美しい「la vie est belle」

  


 「フランスでは、日本やアルゼンチンと同様、出生率の低下が懸念されています」

 フランスの大手新聞社のそんなタイトルの記事を見つけて、やはり出生率の低下といえば、真っ先に例えにあげられるのは、日本なんだな・・と思いながら、興味深く記事を読み進めました。

 ここで挙げられていたのは、日本とアルゼンチンとフランスの出生率を比較しながら、出生率の低下について、いかにフランス政府の対応が充分ではないかを語っています。

 2022 年、アルゼンチンは 4,640万人の住民に対して 818,000 人の出生を記録しており、これは、1,000 人の住民あたり 17.64 人の出生、つまり100 万人のアルゼンチン人につき 17,640 人の赤ちゃんが生まれたことを意味していて、世代の更新が保証されている状態であると述べています。

 一方、「1 億 2,500 万人の人口に対して 80 万人の出生率を誇る?日本には、同じことは言えません。1,000 人あたり 6.40 人の出生率は、このままだと日本人数の減少と劇的な高齢化につながります」

 「日本は、その小さなサイズにもかかわらず、経済的および文化的に非常に重要な役割を果たしてきました。 私たちは、日本人が団結することに期待したいと思います!」と事実だけを客観的に述べて、大変危機的な状況を説明しながらも、日本を腐すことなく、頑張れと比較的ソフトにしめています。

 そして、1000 人あたりの出生数が 10.43人 のフランスは、日本とアルゼンチンの間にあります。

 フランスでは、2022年、687,000人の赤ちゃんが誕生しましたが、年間70万人の出生数のしきい値を下回っており、これは出生率1.76に相当します。

 第一次世界大戦はフランスで記録的な出生率の低下を引き起こし、1915 年には 1.52 にまで低下しましたが、この歴史的な低さは、戦闘と一般動員の激しさによる非常に特殊な状況に起因しています。 

 現在のフランスの出生率の低下は、私たちの指導者によって解読されるべき警告信号であるにもかかわらず、彼らは、十分な数の子供がいなければ、国の将来を確保することは困難であることを忘れている・・と述べています。

 私は日本と比較してしまうので、フランスの少子化対策はなかなか大したものだと思うのですが、この記事では、まだまだそれが充分なものでないことを指摘しているのです。

 .現在、大家族を持つことは、生活水準が仕事から同じ収入を持つ人々が達成する平均よりも低くなることを見て、かなり質素に生活することを意味しており、 家族手当は、ある程度の規模で存在するものの、生活水準の低下を補うにはほど遠く、養うべき人数が増加し、両親のフルタイムの仕事が困難または不可能になる場合もあり、国の手当は、子供の数が増えても相対的な貧困に陥らないようにするために必要なレベルにはほど遠いものであると指摘しています。

 日本の現状などからすれば、まさに異次元の問題提起です。

 そして、現在の状況の主な原因は、子供たちを世に送り出し、可能な限り育てることが、特に公的機関によって、不可欠な責務として感じられていないという事実によるものであると述べています。

 年金の権利を分配する際に、子供の誕生と教育のために投資せずに、彼らに効果的な年金基金に支払われる拠出金に比例して退職者を維持するための投資として扱っており、立法レベルにまで引き上げられたこのような知的混乱に直面している私たちは、愚かで不当な法律を取り除くことができる制度改革の到来を願うしかないと言っているのです。

 しかし、この政府に対する指摘とともに、これからの世代を担っていく若者たちによびかけている言葉があまりにフランスらしくて、私は感動したのです。

 「あらゆる困難にもかかわらず、人生は美しいものです。楽観的に生きましょう!」「la vie est belle(ラ・ヴィ・エ・ベル)」で、結局、そこ???とフランス人らしいな・・とクスッと笑ってしまいました。

 しかし、結局のところ、色々な困難があっても人生は美しい・・楽しい・・と思って、自分の家族を作って生きようと思うことが、シンプルな少子化対策なのかもしれない・・とも思うのです。

 私の場合、海外で生活することになったり、途中、若くして夫に先立たれたり、トラブル満載でしたが、どうにか生き延びてこられました。これという仕事を成し遂げたわけでもなく、大したこともしてこなかった人生でしたが、一応、子供を一人育てたということは、何より私にとっての喜びで、楽しかったです。子育てをしたことで、何もしてこなかった私でも、ちょっとは生まれてきた意味があったかな・・と思うのです。


フランス出生率低下 少子化対策 la vie est belle


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2023年3月12日日曜日

年金改革問題 ストライキ続行で街中にゴミが溢れるパリ

  


 先週、2日続けて別の場所に出かける際に2日連続でストライキに見舞われて、メトロに乗れなかったり、バスに乗れなかったりして、えらい目に遭って、その翌日には、どうにかバスもメトロもトラムもほぼ通常運転になっていて、ちょっとホッとしているところでした。

 しかし、これさえも、いつまたストライキが復活するやもしれないような危うい気配もあり、ホッとしきれない感じではあります。

 そうこうしているうちに、今度は、ゴミ収集業者のストライキが先週の火曜日からずっと続いているらしく、ストライキのために溜まりに溜まったパリ市内の路上のゴミは4500トンにも及んでいるようで、今度は衛生問題に発展しかねない事態に陥っています。

 そもそも、あまり衛生的に管理されているともいえないパリのゴミは、常にネズミとセットで、昔、会社で大きなゴミ箱の近くをネズミが走り去ったのを見て、悲鳴をあげた私に、ゴミ収集業者のおじさんに「君、どこにいると思っているの?ここはパリなんだよ!」と笑われたことが忘れられません。

 これは、通常の状態でのゴミ出しの時の話なので、今回のように大量のゴミが街にあふれている状態ならば、ネズミも住処が拡大されて、さぞかしネズミたちは忙しく活躍しているのかと思うといつ街中でネズミに遭遇するかと思うと恐ろしいばかりです。

 だいたい、生ごみも含む一般のゴミは、数日外に放置されていれば、腐敗もし、臭いを放ち始め、特に生鮮食料品を扱うお店(魚屋、肉屋、八百屋、レストランなど)は、近隣住民からの苦情を受けて困っているようですが、これらのお店もゴミを収納する冷蔵庫の余裕はなく、対処のしようのない大問題です。

 ようやくコロナウィルスが下火になってきたと思ったのに、この山積みのゴミで妙な病気でも蔓延しようもんなら、たまったものではありません。

 しかし、この山積みのゴミ、どうやら、同じパリ市内でも地域差があるようで、ストライキなしに通常運転が続いている場所もあるそうで、ゴミ収集が行われているのは、パリ2,5,6,8,9,12,14,16,17,20区で、それ以外の区ではゴミ収集は通常運転とのこと。

 なぜ、このような不均衡がおこるのかといえば、それは、それぞれの区の自治体(市役所職員)がゴミ収集を行っている区と民間企業に委託している区の違いなのだそうです。つまり、民間企業のゴミ収集業社はストライキをしていないということです。

 民間企業だからといって、ストライキを絶対しないというわけではないのでしょうが、よりシビアなのでしょう・・というより、パリ市職員ということは公務員、ストライキの公務員率はやはり高いのだと思われます。

 こんなことなら、どこの区も民間に委託してくれればいいのに・・と思ってしまいます。

 パリを訪れている観光客も「パリはたしかに美しい・・けど、このゴミの山には、とってもガッカリした・・しかも、臭い・・」などと、嘆いていますし、場所によっては、ゴミ箱が連なる通りのカフェなどは、そのゴミの山と臭いのためにあんなにテラス席好きのフランス人もさすがにテラスを避けて、人が埋まらなかったりと、大変な営業妨害にもなっています。

 また、今回のパリのゴミ問題、どうやらゴミ収集業者だけではなく、ゴミ焼却炉もブロックしているらしく、収集業者が来ている区のゴミの行き先も他に変更したりしている模様です。

 パリ市は、ストライキを止められない現状においては、限られたゴミ収集業者を食品市場などを優先しているため、一般のゴミは今後もさらに山積み状態が継続するリスクを抱えています。

 こうして、ストライキで、いつもはあたりまえの社会の機能が停止することで、逆にいつもの日常が維持されていくことは大変なことなのだと思ったりもします。

 しかし、今回は、あとどんなストライキが起こるのかは未知ですが、全ての国民に共通する年金改革問題だけに、どんなところにおいてもストライキがおこる可能性があり、また、いつまで続くのかもわかりません。

 今回のゴミ収集のストライキに関しては、「健康上のリスク」にも及びかねないため、多方面から非難の声があがっているものの、「合法的で正当なストライキの権利」を侵害することはできない・・というのが、フランスの大原則なのです。


ゴミ収集業者ストライキ 



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2023年3月11日土曜日

フランス人とフライドチキンとプーレ・ロティ

 


 昨晩、ユーチューブの動画を見ていて、いわゆる「飯テロ」に遭ってしまいました。旅行系の動画だったのですが、アメリカを旅行中に美味しいフライドチキンに出会った!という動画で、久しくフライドチキンというものを食べていなかった私は、夜中に「フライドチキン食べたい!どうしても食べたい!」と、もう私の頭の中はフライドチキンでいっぱいになってしまったのです。

 フランスにもKFC(ケンタッキーフライドチキン)はありますが、フランスのケンタッキーは、いつの頃からか、なぜだか、いわゆる日本のケンタッキーにある独特なフレーバーをまとった骨付きのフライドチキンというものが姿を消して、なぜだか、衣ばかりが多い、テンダーという骨なしチキンかウィングとよばれる手羽先部分だけになり、メインはバーガーになってしまいました。

 返す返すも本当に残念なことです。

 日本には、から揚げや焼き鳥など、比較的、ポピュラーに出回っている鶏肉料理がありますが、フライドチキンはから揚げとはまた別枠なのでしょうか? コンビニなどにホットスナックとして売っている「ななチキ」とか、「ファミチキ」などは、フライドチキン枠に入るのでしょうか? 

 わかりませんが、いずれにしても、どう考えても日本はバラエティに富んだ食生活が送れて、いいな・・と外から見ると思います。

 フランスでは、鶏肉料理の王道を行くものは、多分、「プーレ・ロティ」と呼ばれるローストチキンで、おそらく最もフランス人の食卓にあがる鶏肉料理だと思われます。

 いわゆる鶏の丸焼きなのですが、これは、どこのスーパーマーケットにでも売っているし、お肉屋さんには、たいていいくつもの丸鶏が串刺しになってグルグル回っているのを見かけるほど、やっぱりポピュラーなものです。

 家庭でも、簡単に塩コショウして、ハーブやオイルなどでマリネしてオーブンに入れておけばよいこの料理は、かなりポピュラーなお料理だと思います。

 以前、娘があるスタージュで一緒だった男の子が、けっこう育ちがよく、お金持ちをひけらかすいけ好かない奴がいて、その子がお母さんは料理が得意でママのプーレ・ロティが絶品だと自慢していたと呆れていたことがあって、(「そんなこと自慢すること?そんなもん、料理のうちに入るかよ・・」と娘なりの見解でした・・)なるほど、プーレ・ロティはフランス人のソウルフードのようなものでもあるんだな・・と思った覚えがあります。

 フランスにもフライドチキンもないわけではありませんが、圧倒的に存在感は薄く、せいぜいファストフードなどにあるチキンナゲットが冷凍食品などにも進出してきて、学校のキャンティーンなどには登場するようになったくらいです。それとて、ナゲットはナゲット・・フライドチキンではありません。

 揚げ物でないだけ、鶏の丸焼きの方が健康的ではありますが、フライドチキンがなぜ、フランスにあんまり浸透しないかは不思議でもあります。しかし、私が思うにこのプーレ・ロティのおかげで、フランスには今一つ、フライドチキンが浸透しないような気もしています。

 たとえ、フライドチキンが外国から入ってきたものであっても、同じように外国から入ってきた日本の「SUSHI」は、今やどこのスーパーマーケットにもSUSHIコーナーがあるほど浸透したのに、フライドチキンは、あまり目にすることはありません。

 話は逸れましたが、これは、どうにかしてフライドチキンを食べたい!と居てもたってもいられなくなり、ネットで探して、KFCではないフライドチキンのお店を見つけて、あんまり期待はせずにフライドチキンを買いにでかけました。

 これが結構、たっぷりしていて、外はサクサク、中はしっとりの大ぶりのフライドチキンで、「探せばあるじゃん!」と大変、満足した次第です。

 機会があれば、しばらくしたら、また、美味しいフライドチキンのお店を探してみたいなぁ・・と新しい課題を見つけた気がしています。

 とりあえず、今回、発見したフライドチキンのお店、「へっ??」と思うような小さなお店でしたが、結構、美味しかったので、興味のある方はお試しください。


☆Golden Fried Chiken  

   2 Rue de Patay 75013 Paris 


パリ フライドチキン

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2023年3月10日金曜日

フォーシーズンズホテルが始めた顧客向け高級ブランド品レンタルサービス

  フフォーシーズンズホテルが始めた顧客向け高級ブランド品レンタルサービス


 フォーシーズンズグループといえば、約36ヵ国に86以上のホテルを持つ高級ホテル業界の堂々たる一員ですが、独自の顧客獲得サービスの一環として、Vivrelle(高級ブランド品レンタルの会員制サービス)と提携して、プライベート レジデンスの顧客に対して、滞在中に高級ブランドのバッグ、アクセサリー、洋服などを共有ワードローブから無料でレンタルできるサービスを導入しています。

 フォーシーズンズホテルは、この新しいサービスについて、「ビジネスミーティング、ロマンチックなディナーなどの場に新しい表現のモデルの一部を提供するとし、あなたを輝かせるために必要なものを揃えてお待ちしております」とうたっています。

 ここで借りることができるのは、プラダ、エルメス、シャネル、ディオールのいずれかから、お客様は滞在中に着用したいハンドバックやジュエリーのモデルを共有ワードローブから無料で選択できるようです。

 プラダを除いて、すべて、フランスのブランドが勢ぞろいなところが、また・・と少々、閉口する感じでもありますが、ランダムに選ばれたブランドというわけでもないであろうし、いわゆる一般的に求められている高級ブランドがこれらのブランドだということなのでしょう。

 考えようによれば、旅先に自分の荷物をそんなに持っていく必要もないだけでなく、自分の持っていない豪華なアイテムを試したり、楽しんだりすることができる機会でもあり、このホテルに泊まれば、色々なファッションを楽しむオプション的な楽しみがついてくるのですから、最新のファッションを楽しみたい人には、なかなか魅力的な試みかもしれません。

 現在のところは、このサービスを行っているのは、ロサンジェルス(ビバリーヒルズ)とヒューストンの2ヶ所だけだそうですが、今後、このようなサービスが今後、他にも広がって行くかもしれません。


 また、今回、フォーシーズンズホテルと提携しているVivrelleは、2018年に設立された、月額料金で高級ブランド デザイナー ハンドバッグとジュエリーの共有クローゼットへのアクセスを提供するユニークなメンバーシップ クラブです。この高級ブランド品レンタルプログラムでは、アイテムとその価値に応じて 4 つの価格設定があり、プログラムによっては、返却期限なしの貸出も可能です。

 メンバーは割引アイテム (メンバー向けに特別に用意されたもの) を購入することもできます。

 そもそもフォーシーズンズホテルの顧客なら、レンタルせずとも高級ブランド品でもなんでも買ってしまいそうな気もしないではありませんが、旅先のフィッティングルームのような楽しみ方もあるのかもしれません。

 今のところ、パリのフォーシーズンズホテルでは、このサービスを行っていませんが、そんな煌びやかに着飾って出かけられるほど、パリは安全な場所でもありません。

 しかし、ホテルがレンタルサービスを提供するという新しいビジネスモデルとしては、全く同じものが対象でなくてもいいわけで、色々とヒントになることがあるかもしれません。

 

フォーシーズンズホテル 高級ブランド品無料レンタルサービス


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2023年3月9日木曜日

年金改革問題デモはルーブル美術館の中までも・・

 


 フランス人が年金問題に関して過敏に反応することはわかっていましたが、今回の年金改革反対の動きは、生半可なものではすまない感じになっていることをヒシヒシと感じています。

 思えば、今回のデモやストライキは、開始当初から、かなり腰を落ち着けて構えている感じがあり、最初のデモ・ストライキから次のデモ・ストライキまでは、10日間、あるいは1週間と多少の時間をあけて、続けられてきました。

 デモに対する政府側の警戒態勢もあるのでしょうが、かなりの人数が動員されているものの、そこまで破壊的な行動はおこらずに(そこそこの破壊行動は起こっている・・しかも、普通の感覚からしたら、そこそこどころではないかもしれない・・)、もう数ヶ月が経過しています。

 かねてから、3月7日のデモ・ストライキは国の機能をストップすると息巻いていましたが、具体的にどのような事態に陥るのかは想像がつきませんでした。デモはもとより、一般市民が全般的に実際に迷惑を被るのはストライキの方ですが、前日に引き続き、私は間引き運転されているバスを待つも、来るバス来るバス満員で乗れずにバスを2台見送り、3台目にようやくぎゅうぎゅう詰めのバスに乗るという事態に遭遇しました。

 フランス人は乗り物に上手に?詰めて乗るということができず、もう少し詰めて乗ってくれればと思いつつ、バスを2台見送るハメになりました。

 バスに乗れずにバス停に残されている人々からは、「次のバスに乗れって!私は10時間も待てない!(なぜ10時間というのかはわからないけど・・)」などという怒りの声も上がりだして、カオス状態に・・。

 公共交通機関以外にも、ゴミ収集車が来なくて、街にはゴミが山積みになっていたり、荷物を輸送するトラックが行き来するような道路がブロックされたり、製油所の出口がブロックされたり、週末にかけての空の便も20~30%キャンセルになるそうです。

 今回の年金改革反対の抗議運動は、表面的には過激すぎない分だけ、地の底からふつふつと湧き上がってくるような不気味な感じがあります。


 これまでは、ルーブル美術館などは、このような全国的なストライキなどの場合は比較的安易に閉鎖してしまうイメージがありましたが、今回は閉館はせずに美術館内でモナリザやサモトラケのニケなどの前に横断幕をかかげた職員150人ほどが立ちはだかり、いくつかの部屋をブロックするという、これまであまり例を見ない事態が起こっています。

 入場料をとっておいて、中に入れば、展示品が満足に見られないということは、ますますたちの悪いことです。

 国中を混乱に陥れているこの年金改革問題について、国会では審議が続いていますが、右派と中道派の間で議会の議事進行をめぐる争いが起こり、議論は膠着状態で、反対派によってしかけられた妨害戦略のために条文の検討になかなか至らないようです。

 この反対派の組合は、マクロン大統領との直接対決を希望しているそうですが、あまりの社会的抗議の強さのために、現在のところは、ボルヌ首相をはじめとした内閣陣営が盾になっている感じでもあります。

 しかし、ここまでくると、これだけ反抗しているフランス国民がこのまま黙って従うということも考え難く、「年金改革か破綻だ!」とまで言い放っていた政府は一体、どこに落としどころを見つけるのか?、解決方法は想像もつかず、お手並み拝見と少し楽しみな気もしているのです。


年金改革反対デモ ストライキ ルーブル美術館


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2023年3月8日水曜日

ストライキの被害を被りぐったりした1日

  

無残にも閉められていたメトロの駅の入口


 今回のストライキは大規模になると事前に予告されていました。にもかかわらず、そんな日にRDV(アポイント)が入ってしまって、もうなんで?この日??とウンザリしていましたが、当日にならなければ、どの程度、交通機関が止まるのかもわからず、わからないのに、わざわざ予定をずらしてもらうのも、予定をどんどん後送りにしていくのも嫌で、まぁ、少々大変かもしれないけど、行けないこともないだろうと、予定はそのままにしていました。

 前日にRATP(パリ交通公団)のサイトを見ると、私の利用する予定のメトロは、大変混乱する見込み・・とあり、まぁそれでも、なんとか辿りつけないことではないだろうとタカをくくっていました。

 当日になって、いくつかのルートをチェックして、メトロに乗れない場合はバスを乗り継いでいくつもりで、かなり早めに家を出ました。

 たいていは、間引き運転で、えらく待たされるうえに間引きされているのですから、その分の人がたまって大混雑という地獄絵図で、それでも最近は早々にテレワークに切り替えている人も多いので、それほどの混乱でもないというような話も聞いていました。

 しかし、駅に行くと、混乱どころか、駅がクローズ、私が乗るはずだったメトロは全く運行していませんでした。

 仕方なく、バスを2本乗り継いで、通常なら30分で着く道のりを1時間半かかって、ようやく到着。しかし、予定が入っていた場所が公的機関だったため、まさか、約束している人がストライキで来ていないこともあり得るかも??と、怒り心頭になる前に、そんなこともあり得ると心づもりをしていきました。

 フランスに来て以来、とりあえず、最悪の事態をとりあえず予想はしておくことで、まさかの事態に、「やっぱり・・」とか、「あ・・大丈夫だった・・」と思えるようなセイフティーネットを自分で張るようになりました。

 かなり時間に余裕を見て出かけたつもりが、途中、まさかの遅刻?(私は遅刻が大嫌い)と焦りつつ、どうにか時間ギリギリに約束の時間に到着しました。

 彼女に会う早々、「もう、ほんと、来るの大変だった~~でも、あなたがストライキしてなくて、ほんとによかった~~」と言ったら、「ストライキするんだったら、さすがに私は連絡入れるわよ・・歩いてきたの?」と言われて、ホッとするやら、疲れがどっと出るやら・・。

 この日のデモは内務省の発表によると、フランス全土で128万人、CGT(労働組合)の発表によると350万人を動員したとされていて、いつもこの両者の発表する数字は大きく異なるのですが、デモはどうぞ、ご勝手にと言う感じでも、こうして実害を被るストライキは勘弁してもらいたいと思うのです。

 私は、現在は、めったにこのような目に遭うこともないのですが、それにしても、こうした実害に遭うのは、リモートワークもできない弱い立場の人ばかり。学校なども閉鎖になって、小さい子供を抱える人々も大変な思いをしていると思います。

 現在のところ、どちらもあとに引く気配が全くなく、一体、これがいつまで続くのか? 実害に遭ったとたんに「この生産性のない抗議、もういい加減にしたら?」と思うのでした。

 しかし、とりあえずは、今回のストライキは3日間連続とかで、国を行き詰らせることが目的なのだそうで、どういう理屈なのか少々理解に苦しむ気もしますが、今回ばかりは全国民に共通する「年金改革問題」です。

 これにどうやっておさまりをつけるのか? 日本ならば、無理やり政府が押し通しそうなところ、フランスでは、そうはいかないのです。


ストライキ 年金改革


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