2023年3月3日金曜日

12歳の娘を70歳の老人に売る親

  子供を食い物にする親というのはいるもので、フランスの場合、子供に対して結構、補助金が出て、親が低収入の場合は住宅手当まで出たりもするので、子供にお金をかけずにいれば、それなりにその補助金で家族もろとも生活をしているような人もいるのです。 子供にかける費用というのは、それこそピンキリで、とても補助金どころでは足りないと私などは思うのですが、公立の学校に子供を行かせて、特別に他の教育をせずに、あらゆる補助金の伝手を辿って、それを手繰り寄せていけば、なんとかやっていけてしまうのも事実なようです。 そんな風に、やたらと子供で生活しているような人の話は聞いたことがあったのですが、今回の事件は、ちょっとそれを上回る、親が12歳の子供にパパ活のようなことを無理強いしていたという事件でしかもその相手が70歳の年金生活者というのに、言いようもない不快感を覚えました。 先週、パリ12区の映画館で老人が10代の少女の「胸を愛撫」し、「唇にキス」している不審な行動に映画館の従業員が気付いたことから、この事件が発覚していきました。 従業員はその後、同じ列に座っていた少女の父親と母親に警告しようとしましたが、両親は老人の行動に驚きもショックも受けていないことにさらに驚き、少女の母親も、老人は単に「友達」であると従業員に話しました。 ますます不審に思った映画館の従業員は警察に通報し、警察は小児性愛者の老人と被害者の母親を逮捕しましたが、父親は娘を連れて逃亡、警察に拘留された老人は事実を認めましたが、それは「愛情のしるし」に過ぎないと語ったと言われています。 ところが、その後の捜査の結果、この老人はこの少女の両親に、その代償として年間90,000ユーロ(約1,300万円)を支払っていることが発覚。身柄を拘束された老人と母親は「15歳の未成年者への性的暴行と未成年者に対する人身売買」の罪で起訴されています。 子供を売るようなことをしていながら、両親揃って、その場に立ち会うというのも解せない話ではあり、また、なぜ、映画館のような場所を選んでいたのかも疑問ではありますが、考えようによっては、年間90,000ユーロを稼ぐ娘はその両親にとっては金の卵、しっかり監督する必要もあったのではないかとも考えられ、また少女本人がこの金銭のやり取りを知らなかった場合に、老人の行状には両親は気づいていないことを装っていたとしたら、映画館という場所を選んだことも頷けないでもありません。 それにしても異常な大人たちに食い物にされていた少女がどれだけ傷ついていたかと思うといたたまれませんが、父親が彼女を連れて逃亡中ということは、彼女はまだ苦しみから解放されていないのです。父親は、指名手配されています。 フランスは児童保護については、なかなか厳しいを態度をとっていると思われ、私も一度、全然、見当違いに「子供を学校に行かせていない」などとでたらめの通報されて、児童保護団体が家に調査にやってきたりして、ビックリしたことがありましたが、そんなことは娘の学校を調べてもらえばすぐわかることで、学校に行かせていないどころか、休みの日には、お稽古事のハシゴの送り迎えでヘロヘロなのに・・とあきれ返りましたが、実際に、そんなめちゃくちゃな通報をする人がいることの方が不気味で、児童保護団体には、誰が通報したのか聞きましたが、結局、教えてもらえませんでした。 しかし、児童虐待にしても、家で子供に暴力をふるったり虐待をしたりするやり方とはまた異なる、このような子供を売り物にするやり方は、なかなか表面化することは難しいと思われます。 この老人は、小児性愛者で、若い女の子のTikTokアカウントに頻繁にアクセスしていることがわかっていますが、これがTikTokへのアクセスだけにとどまっていないところが、恐ろしいことで、不特定多数の人がアクセスできるSNSがこのような犯罪の入口にもなりかねないのです。 国民議会は昨日、TikTok...

2023年3月2日木曜日

ハードディスカウントショップの新ブランド「トゥージャスト」 

  止まらないインフレの中、これまであまり見ることのなかったハードディスカウントショップが続々と登場していますが、このハードディスカウントショップの中でも、新しいビジネスモデルを構築しようとしている新しいブランド「トゥージャスト」の1号店がアレス(ガール県・オクシタニー地域圏)にオープンしました。 この新しいブランドは、「他の市場よりも10%安い」価格を提供することで、他のディスカウントストアと競争しようとしています。 これまでハードディスカウントショップといえば、どちらかといえば、日用品をメインに取り扱っていたイメージがありましたが、今回は、スーパーマーケット寄りというより、まさしくスーパーマーケットです。 また、それ以前からのディスカウントショップ(低価格帯のスーパーマーケット)としては、Lidl(リドル)...

2023年3月1日水曜日

俳優ピエール・パルマードの自動車事故が炙り出した薬物による転落人生

  ここのところ、フランスのマスコミは、毎日のように、俳優・ユーモリストであるピエール・パルマードの起こした自動車事故によって明らかになった彼の人生の転落ぶりを報じています。 この事故が起こったのは、パリ近郊の彼の家からそんなに遠くない場所で起こっていますが、この事故が、車の原型をとどめていないほどのかなり大事故であり、車に乗っていた人々が重症を負ったことや、車を運転していた彼からコカインの反応が出たことで、騒ぎは一層、ヒートアップしていきました。 彼が運転していた車は、正面からやってきた対向車に衝突し、対向車の損傷は特に激しく、救出のためのヘリコプターも出動したようです。 対向車に乗っていた男性と6歳の子供は重症で、同乗していた女性は妊娠中で、彼らが病院に搬送された後に、お腹の中の子供は、亡くなったということで、胎児が殺人罪に該当するのかどうかも論争の種の一つになっていました。 しかし、後日、妊婦は事故後に病院で帝王切開の手術を受け、出産していたことが明らかになり、子供は、その約30分後に死亡宣告を受けていることが明らかになり、殺人罪に該当することが確認されています。 当の本人も事故のために命に別状はない状態とされつつも、負傷しており、入院状態にありましたが、ある程度、回復した段階でまた、同地方の病院内の薬物中毒ケアユニットに電子ブレスレット(身柄追跡のため)を着装された状態で入院していましたが、後に脳卒中を起こして、その治療中(命の危険はないとのこと)とのことで、事件に関する公聴会も欠席しています。 さらに問題なのは、彼の薬物中毒がかなり重度なものであったことで、事故を起こした当日もその日の昼頃から、事故を起こす30分前まで(事故は午後7時頃発生)、コカイン、アルコール...

2023年2月28日火曜日

アヴィニョンでの暴行事件 襲われた57歳の女性 暴行証拠として男の舌を提出

   先週末、アビニョンのサンジャン地区で犬の散歩中の女性が性的暴行を受けたという事件がありました。怖い話ではありますが、残念ながら、これだけなら、そんなに珍しい話ではありません。 しかし、その後の女性の勇敢?な行動が話題になっています。 犬を散歩させていた57歳の女性を30代の男性が彼女を追いかけはじめ、男は隙を見て、彼女にとびかかり、彼女をつかみこんで、力づくで彼女にキスをし始め、同時に彼女の下半身に手を伸ばし始めていました。 ところが、この女性、無理やりにキスをされている間に、もがきながら、男の舌を噛み切ったのです。 思いがけない反撃に男が彼女を放した隙に、彼女は男の舌を口に含んだまま帰宅したのです。その後、彼女は家に帰って口の中にある噛み切った舌を吐き出して保管し、息子に事の始終を打ち明け、息子に付き添ってもらって警察に行き、暴行被害を訴え、証拠として噛み切った舌を提出したのです。 すぐに現場にかけつけた警察は、口を血まみれにしている男を発見して逮捕しました。 男は、彼女の方が自分の魅力の虜になり、自分に馬乗りになってきたと言い訳をしたようですが、彼女の証言と証拠により、あっさり却下されてしまったようです。 私は、幸いにも暴行事件にあったり、襲われたりしたことがないのでわかりませんが、もしも、男性に襲われたら、相手の舌を噛み切るような勇敢?な行動に踏み切れるのか?(無理だと思うけど・・)と思いますが、彼女は、以前にも暴行被害に遭っており、その際に警察に被害を届け出たところ、証拠がないからといって、却下された経験があったのです。 そのため、彼女は過去に悔しい思いをしたこともあって、もしも、再びそんな目に遭うことがあったら・・と考えることがあったのかもしれません。 しかし、フランス人女性・・強い・・激しい。泣き寝入りなんてしない!。 性的暴行ではありませんが、以前、パリで日本人が塩酸を顔にかけられる事件が発生したことがありましたが、被害者は軽傷で済んだために、ことを荒げたくないと被害届さえも出さなかったということがありました。 気持ちはわからないでもありませんが、かたや舌を噛み切ってまで届け出るフランス人からは、塩酸をかけられてもなお、泣き寝入りをする日本人は理解されないかもしれませんし、性的暴行にせよ、塩酸による暴行事件にせよ、凶悪な犯罪者は野放しにすべきではありません。 逮捕された男は、30代の住居不定、職業不定のチュニジア人で、フランス領からの強制退去命令が発令される見込みとなっているようです。 それにしても、襲われた57歳の女性、どんな女性かわかりませんが、そうたびたび襲われるのは、気の毒でもありますが、不謹慎な言い方をすれば、よほど魅力的な女性なのかもしれない・・などと思うのでありました。 年齢の話をするのは、この女性には失礼かもしれませんが、30代の男性が57歳の女性を襲うとは・・と、正直なところ、私はそこのところもちょっと驚かされたのです。 しかし、考えてみれば、マクロン大統領夫妻の年齢差もそんな感じなので、そんな年齢差は全然、タブーではないのかも・・とも思ったのです。 それにしても、女性は襲われた場合には、なんらかの証拠を提出しなければならないということを初めて知りました。アヴィニョン57歳女性暴行事件 舌かみ切り証拠提出<関連記事>「パリ17区での塩酸による日本人襲撃事件に対するフランスの扱い」「パリ17区で日本人が塩酸を顔にかけられる傷害事件発生」「やっぱりエッフェル塔近辺は治安が悪い シャン・ド・マルスでの観光客レイプ事件」「パリの公立病院の救急治療室で起こった強姦事件」「登録者数1200万人のフランスの人気ユーチューバー...

2023年2月27日月曜日

パリのバラバラ殺人事件 真犯人は被害者の夫だった・・

   パリ19区のビュット ショーモン公園でビニール袋に入れられた女性のバラバラ死体の一部が発見されたのは、2月半ばのことでした。発見したのは、公園職員で、公園内の植木などの廃棄物置き場の下に隠されていたのは、ビニール袋に入った切断された女性の骨盤部分と太ももでした。 人間のバラバラ遺体の発見で、これは、直ちに殺人事件としてパリ司法警察の捜査が開始されました。遺体発見と同時に公園は立ち入り禁止で閉鎖され、死体の残りの部分の捜索が行われ、公園の池の中まで探した結果、残りの遺体は同じ公園内で発見されました。 遺体の指紋から、身元が確認され、その遺体は2月の初旬に夫によりモントルイユ (セーヌ...

2023年2月26日日曜日

国際農業見本市に訪れたマクロン大統領に物申す人が続出

   毎年、パリで行われる国際農業見本市は、毎年、多くの人を集める一大イベントの一つです。今年は2月25日から3月5日までポルト・ド・ヴェルサイユの大きな会場で行われています。結構、地味に人気のあるイベントで、今年は50万人の人出が見込まれています。 フランスは自国の食糧に誇り高きプライドを持つ農業大国でもあり、フランス各地から見事な牛、馬、豚、羊などとともに、地方名産のチーズやバター、またハムやサラミなどの肉製品など、様々な食料品も集結し、農業にまつわるアクティビティなども用意され、子供連れで訪れる人も少なくありません。 私は、行ったことがないのですが、近くなってくると、牛が全面に載せられたポスターなどの広告が出てきて、いつか、このポスターの牛を見て、「美味しそうな牛だ・・」という夫のつぶやきにギョッとして、「この人は肉ではなく、牛を見て、美味しそうだ・・牛が美味しそう?と思うのだろうか?」とびっくりしていると、「日本人だって、魚を見て、美味しそうだって思うでしょうに・・」と言われて、フランス人というのは、こういうものか?と誤解しそうになりましたが、これは、一般的なフランス人の話ではありません。 昨日は、この国際農業見本市が初日ということで、マクロン大統領が見本市の様子を見て歩き、生産者たちと触れ合い、対話の時間を持ったのでした。🇫🇷...

2023年2月25日土曜日

「赤い3月」3月にはさらに値上げ 2月のうちに買い物をしていた方がよいのか?

   今年に入って、すでに2ヶ月が過ぎようとしていますが、今、フランスでは、来たる3月を「mois de mars rouge」レッドマーチ(赤い3月)などと名付けられ、これまで続いてきたインフレがさらに悪化すると見る向きが多く、「2月のうちに買い物をしておいた方がよいのか?」などという話題が上がってきています。 これに対し、財務相は、このレッドマーチ(赤い3月)のリスク(特にスーパーマーケットなどでの食料品や日用品に関して)を否定する心強い言葉を表明してくれてはいますが、彼が否定しようとしまいと、すでに、もう2月の段階で価格はかなり上昇しています。 これまでに、食料品に関しては、この1年で平均13.2%の値上がりしていることが明らかにされていますが、これも、品物によって、かなり差も大きく、大きいものだと、小麦は40%、砂糖45%、ステーキ肉33%となっており、特に小麦を原料とするパンやパスタなどは、そこまで値上がりしているかというと、現在のところそこまでの印象はないものの、今後もこのままで据え置きになることは考え難く、徐々に値上がりすることはやむを得ないかもしれません。 大手スーパーマーケットチェーンなどは、おおよその年間の仕入れ価格をできるだけ抑えるように交渉を進めるとしているものの、それ以上の努力は難しく、当然のことながら、仕入れ価格に見合った値上げは致し方ないものと半ば開き直っている感じで、品物により、10%~30%の値上げが予想されているようです。 すでに、かなりの値上げに直面している国民は、4人に1人が食料品の買い物を抑えていると言われており(特に若い世代)、また、価格を抑えるために、これまでよりも食品のランクを下げて買い物しているために、必然的に身体によくないものを摂取する傾向にあり、健康問題にまで発展することが懸念されています。 私も昨日、たまたまスーパーマーケットに買い物に行って、あまりの値上がりぶりにびっくり! これまで1ユーロで売っていたサラダ(レタス)が1.5ユーロになっていました。そもそも、そんなに高いものではないとはいえ、非常にわかりやすい1ユーロから1.5ユーロという1.5倍の値段に、せこいと思いつつも、なんとなくバカらしい気がして、手を引っ込めてしまったのでした。 それで注意深く、他の野菜をチェックすると、どれも似たり寄ったりの値上がりぶりで、思わず、ため息が出てしまいました。 野菜の値段は、これまでもシーズンに左右されることもあったものの、サラダとか、じゃがいも、玉ねぎ、にんじんなどの、比較的、あまり季節感がなく、いつでもお手頃価格なイメージの野菜がこんなに値上がりしているし、(私が今まで気が付かなかっただけで、いつからこの値段になっていたのかはわかりません)これよりさらに、赤い3月などと値上げが続くのかと思うと、この値段の上昇に気持ちもお財布も慣れていくのは大変かもしれません。 気付いてみれば、コマーシャルセンター全体が低迷していて、テナントの店舗が次々と撤退して、空きスペースも目立っていたところ、さすがに食料品や生活必需品を扱うスーパーマーケットはかろうじて生き残っているものの、こうインフレが進んでは、厳しい状況になっていくかもしれません。実際、価格が上昇しているために売上高は増加しているものの、販売量は減少しているということで、これがインフレによる買い控え、消費低迷ということなのだと身をもって感じています。 そんなインフレの影響からか、コマーシャルセンター内の撤退した店舗の空きスペースに新たにオープンするのは、2ユーロショップとか、Action(アクション)などのハードディスカウントショップなどの日本でいう100均のようなお店(100円ではないけど・・)で、これが、さすがに安いだけあって、けっこう人も入っていて、結構、売れているのです。 とはいえ、このようなお店では、さすがに食料品もスナック類やお菓子、せいぜいジャムや乾物のインスタント食品で、生鮮食料品は扱っていません。 長いこと、日本の100均のようなお店がフランスにも出来たらいいなぁと思っていた私ではありますが、こう続々と登場し、パリらしいお店が消えていくことはそれはそれで、寂しくもあり、まったく常にないものねだりなのかも?とも思うのでした。mois...