
ここ数年、毎年、行われるパリのバゲットコンクールで優勝したお店には、必ず行って、食べてみるのが楽しみの一つになっていましたが、パリにはクロワッサンコンクールというものもあることを、私はついこの前まで知りませんでした。 パリの街を歩いていて、あるブーランジェリーのショーウィンドーに堂々とパリクロワッサンコンクール優勝と掲げられているのを見つけて、あら、クロワッサンコンクールもあるんだ!と思ったのですが、その日、たまたま、そのお店はお休みで、そのクロワッサンは買えないまま、また、クロワッサンのことは忘れていました。 しかし、つい先日、2022年のクロワッサンコンクールの記事を見つけて、「あ〜これこれ!今年こそ行こう!」とクロワッサンを買いに出かけたのでした。 フランスでパンといえば、やはり主食とも言えるバゲットがやはり王様、一番、大量に消費されるパンで、クロワッサンは、パンではなく、ヴィエノワズリーと別の分類をされるものです。 このヴィエノワズリーの王道は、クロワッサンで、その他、パン・オ・ショコラ、パン・オ・レザン(レーズン入り)、ショッソン・オ・ポム(りんご)などは、たいていどのブーランジェリーにもある定番のヴィエノワズリーで、卵やバター、生クリームなどを使ったパリパリとした幾層にもなったパイのような生地を軽くふわっと焼いたものです。 毎朝、焼き立てのクロワッサンを食卓で・・などということをしている家庭は少ないと思いますが、お休みの日の朝など、夫がとても得意そうに、クロワッサン買ってこようか?などと、さぞかし私たちを喜ばせようとしてくれているのだな・・と感じることがあります。 バゲットにしても同じですが、クロワッサンにしても、あまり買い置きができるものではなく、やはり焼き立てのものが美味しいので、たとえば、朝、出勤の途中にカフェでクロワッサンとコーヒーで軽く朝食をとって・・とか、また、以前、私の通勤途中の駅構内にパン屋さんがあって、朝はクロワッサンを焼くバターの香りが駅に広がっている・・という駅構内に広がるバターの香りに、まだ、フランスに来たばかりの頃は、これが立ち食いそばのお出汁の匂いだったら、どんなによかっただろうに・・などと思ったこともあります。 しかし、フランスでの生活も長くなり、クロワッサンの焼けるバターの香りもまた、このうえもなく、幸福感を覚えるものにもなりました。 でも、一方では「クロワッサン=カロリー爆弾」の印象が拭えないのも事実でもあります。 一般的にクロワッサン100gあたりのカロリーは424kcal程度と言われていて、軽くてあっという間にたべてしまうクロワッサンがこんなカロリー!!と認識してからは、そうそう気軽に食べることを躊躇ってきました。 ただし、「美味しいものには、カロリーは関係ない」ことは私の中の勝手な掟。パリで一番美味しいクロワッサンと言われれば、カロリーは無視。とはいえ、クロワッサンを買うと入れてくれる紙袋に染み出すバターにはちょっとした背徳感を感じるのですが、今回のクロワッサンでは、それほど油が染み出してきていませんでした。 今年のクロワッサンのチャンピオンだけあって、このクロワッサンは大ぶりで堂々とした出立ち(9cm×16cm)、表面がつやつやしています。 買ってきたクロワッサンを一瞬だけオーブンで温め直し、また、蘇ってくるバターの香りを楽しみつつ、やさしくちぎって、遠慮なくサクッと一口・・サクッとした歯触りの次にしっとりしたやわらかい食感とそこはかとなく甘い香りが口の中で広がります。 思ったよりもバター感がしつこくなく、軽く2〜3個はいけてしまいそうな危険な軽さです。美味しいものの条件の一つに、私は後味の良さがあると思うのですが、このクロワッサンは、後味が非常にすっきりしています。 気にしないといいつつ、このクロワッサンの重さを計ったら、1つ73gだったので、1つあたり約309kcalことになります。 このブーランジェリー、まことに危険なお店で、他にも美味しそうなケーキやサンドイッチがたくさんで、大変な誘惑と戦うことになりましたが、今回はとにかくクロワッサン!と自分に言い聞かせて、ケーキは写真だけでガマンガマン・・また別の機会にすることにしました。 昨年、行ったバゲットコンクール優勝のパン屋さんなどは、堅実な街のパン屋さんという感じでしたが、今回のクロワッサンNo1のお店は、やたらと目移りするお店の規模も少し大きめのお店でした。🥐Le...