やはり、デルタ変異種を甘く見てはいけない・・と、このところ、つくづく思わされています。
このところのフランスの感染状況は、悪化の一途を辿っており、しかも、見事にバカンスで人が賑わっている地域で地図はどんどん色濃くなっていっています。(感染状況を色分けして表示しているので、フランスのどの地域がヤバいのか一目瞭然)
感染状態が悪化しているのは、見事にバカンスで賑わっているビーチ沿いで、デルタ変異種は、暑さにもめっぽう強いようなのが恐怖です。
昨年の夏は、ワクチンがなかったにもかかわらず、気温の上昇とともにウィルスの感染も夏の間は、落ち着いていたのですが、どうやら確実にウィルスはパワーアップしているようです。
そんな中、フランス領マルティニーク島は感染の急激な悪化により(特に今週に入ってからは、医療崩壊寸前)、島内の病院の集中治療室は、限りなく100%に近く、感染者数は先週の2,241件から3,537件に跳ね上がり、1週間で58%増で、バカンス中にもかかわらず、すでに実施されていた夜間外出禁止(午後9時〜朝5時)に加えて、週末から少なくとも3週間、再ロックダウンになることになりました。
レユニオン島も2週間の再ロックダウンです。
この真夏のバカンスの真っ只中に、再びロックダウンとは・・誰が予想していたでしょうか?
住民及び旅行者は、住居から半径10キロを超えて移動するには、ワクチン証明書か、正当な理由を証明する何かがなければ、身動きが取れません。レストランやスポーツジムなど、マスク着用が不可能な場所は閉鎖されます。仕事もリモートワークが推奨されます。
また、夜間外出禁止は、午後7時からに繰り上げられます。
マルティニーク、レユニオンは、フランス領なので、フランス国内と同じ扱いです。
バカンスシーズン突入の際には、「バカンスの旅行は海外ではなく、できるだけ国内で!」と呼びかけられていたために、マルティニークやレユニオンでバカンスを過ごしている人、これからバカンスに行く予定であった人も少なくないはずです。
フランス本土からの旅行者も、ワクチン接種証明書かやむ負えない理由を提示する必要があります。
すでにマルティニークで満床状態の集中治療室では、フランス本土への患者の移送も予定されています。この真夏のタイミングでの患者の移送です。
この地域の問題点は、極端にワクチン接種率が低いことで、フランス全国でのワクチン接種は、2回の接種が51%以上に至っているのに比べて、この地域では20%を下回っています。
重症化している患者の97%はワクチン未接種者で、このような地域が出てくれば、ワクチン接種がいかに急がなければならないものであるかがわかります。
カステックス首相は、すかさず会見に登場し、このマルティニークを例に挙げ、ワクチン接種の緊急性、必要性を強く訴えています。
またマルティニークだけでなく、他のフランスの海外領、グアドループでは感染者数が一週間で3倍、集中治療室の占拠率は1週間で30%以上アップの81.5%、ここでもすでに患者の移送計画を開始しています。ギアナでも2倍に増加しています。
フランス本土内では、ここまでワクチン接種率が低い地域はありませんが、最後にワクチン接種が開始された12歳〜17歳の年齢層に加えて、若年層はワクチン接種率が低いことを考えると、ワクチンをしていなければ、あっという間にこれだけ感染拡大してしまうデルタ変異種に打ち勝つためには、9月に学校が始まる前までには、なんとしてでも、このティーンエイジャーのワクチン接種を広めることが必要です。
ワクチンができていないこれらの若年層に加えて、「何が何でもワクチン接種をしない!」とマスクもせずにデモを続けている一定数の人が頑として存在し続けているのは、今やフランスにとって着火を待つ爆弾のような存在です。
このパンデミックの中、日本でオリンピックが開催されることでの感染拡大を心配していましたが、フランス人のバカンスと日本のオリンピック、いったい、どっちが危険なんだろう?と、妙なことを考えています。
フランス人のバカンスは、なんといっても8月がシーズンのピークを迎えます。パリは人が減ってくれて、大気汚染もこの間は一時解消され、空も心なしか青く見えるほど、清々しいのですが、このまま感染が悪化していけば、バカンス先でロックダウン・・なんていうこともあり得ないことではないかもしれません。
これからバカンス先を選ぶには、その地域のワクチン接種率を調べてから・・なんていう方法も必要かもしれません。
マルティニーク・レユニオン 再ロックダウン
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